LTVを向上・改善して最大化する5つの方法。具体的なサイト施策の事例も紹介

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Sprocket編集部

イメージ:LTVを向上・改善して最大化する5つの方法。具体的なサイト事例も紹介

LTV(ライフタイムバリュー)の向上は、マーケティングにおいてますます重要になっています。ここではLTVが重視される理由、LTVを向上する5つの方法、Web接客を用いてLTVを改善した事例をご紹介します。

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LTV向上はこれからのマーケティングに不可欠

LTVの向上は、これからのマーケティングに不可欠です。Googleアナリティクスも、GA4ではセッションベースからユーザーベースの分析に変わります。今後は「1人のユーザーが、どれくらいエンゲージしてくれるか」という視点が中心になっていくのは間違いありません。

企業と顧客で長期的に良好な関係性を作り、LTVを高めることができれば、より長期にわたって利用してもらうことができます。

LTVとは

LTV(Life Time Value)は「顧客生涯価値」と訳され、リピート購入も含めて1人の顧客から得られる総収益を表します。商品やサービスに満足してもらえれば、取引は1回では終わらず、定期的に継続購入してもらえます。

LTVの計算式はいくつかありますが、一番シンプルな計算式が以下になります。

LTVの計算式

LTV = 平均顧客単価 × 収益率 × 購買頻度 × 継続期間

この式を使い、平均顧客単価5万円、収益率60%、購買頻度12回/年(月1回)、継続期間3年で計算した場合、「LTV=5万円 × 60% × 12回 × 3年 = 108万円」となり、この顧客は3年間で108万円の収益をもたらしてくれることになります。

実際は顧客獲得にかけたコストや、購入し続けてもらうための顧客維持コストもありますので、より正確なLTVを算出するには別の式が必要です。LTVの計算式について、詳しくは以下の記事を参照してください。

マーケティングにおいて既存顧客の育成は重要なテーマです。新規顧客をロイヤルカスタマーに育てる方法についてまとめた、保存版の資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。

リピーターを獲得しLTVを最大化する方法

LTVを利用してユニットエコノミクスを計算する

「ユニットエコノミクス」は、サブスクリプションサービスの健全性を測る指標です。仮にLTVの平均が20万円で、1万人の会員を持つサブスクリプションサービスがあった場合、20億円の売り上げがあると計算できるでしょう。しかし新規顧客獲得に20万円のコストがかかっていたら、収益はゼロということになり、健全な状態とはいえません。そこで、LTVをCACと呼ばれる「顧客獲得コスト」で割ることでユニットエコノミクスを算出し、経営指標にする方法があります。

ユニットエコノミクスの計算式

ユニットエコノミクス = LTV ÷ CAC

なお、健全なユニットエコノミクスは「3以上」が目安と言われています。以下の記事を参考に、自社のサービスのユニットエコノミクスを計算してみましょう。

LTVが重要視される理由とは?

LTVは企業にとって長期的な収益を意味しますから、重要であることは当然です。なぜ通常の売り上げではなく、LTVに注目する必要があるのでしょうか? ここでは、なぜLTVが重要視されるのかを説明しましょう。

新規の顧客獲得には5倍のコストがかかる

新規の顧客獲得には、既存顧客を維持するのと比べて5倍のコストがかかると言われています。新規顧客の獲得だけに注力するよりも、既存顧客のLTVを向上させたほうが収益の最大化を狙いやすいメリットがあります。

マーケティングの世界では「1:5の法則」という言葉があり、既存顧客にリピート購入を促すコストが「1」に対し、商品やサービスについて何もしらない新規顧客に購入促すコストが「5」かかるとされています。もちろん新規顧客の獲得も大切ですが、かけられるコストは有限です。収益と効率のバランスを考えるのであれば、既存顧客のLTVを高める視点は欠かせません。

パーソナライズの需要が高まっている

顧客のニーズの多様化により、パーソナライズの需要も高まっています。従来のWebサイトは、誰に対しても同じ画面を表示していましたが、本来であれば初めてWebサイトを訪れた新規ユーザーと、何度も利用しているリピーターに対して見せるべきコンテンツは異なるはずです。

個人情報保護の観点から、サードパーティーCookieを利用したトラッキングは規制される流れにあります。しかしWebサイト内のパーソナライズはその対象ではありません。1人ひとりに合わせたパーソナライズを実現することで、LTVだけでなくCX(顧客体験)も向上させることができます。

顧客データがこれからより重要になる

自社の顧客データは、今後より重要になってきます。ここで言う顧客データとは、氏名や住所といったものではありません。どのようなことを考えていて、どのようなことが気がかりかといった心理や本音にかかわるデータのことです。

既存顧客のLTV向上に取り組むことで、自社の顧客が何を考えているのか、何を求めているのかの知見がたまってきます。先述したとおり、サードパーティーCookieを利用したデータ活用は今後行えなくなりますので、顧客と向き合い、自社で顧客データを蓄積しておく必要があるのです。

LTVを向上する5つの方法

LTVを向上するといっても、具体的にどのような取り組みがあるのでしょうか。LTVを向上させる5つの方法をご紹介しましょう。考え方としては、LTVの計算式である「平均顧客単価 × 収益率 × 購買頻度 × 継続期間」のそれぞれを改善できないかを検討します。

方法1:購買単価を上げる

LTVを向上するには、商品やサービスの購買単価を上げる方法があります。購買単価を上げるといっても、ただ値上げするだけでは、顧客は離れてしまうかもしれません。そこで、アップセルやクロスセルといった方法で、購買単価のアップを試みます。

アップセルは、既存の商品やサービスよりも上のグレード商品やサービスを購入してもらう方法です。例えば動画配信サービスなら、HD画質でしか見られないプランから、4K画質で見られる上位のプランをおすすめする方法があるでしょう。

クロスセルは、既存の商品やサービスと関連性の高い商品やサービスを付帯して「あわせ買い」で購買単価を上げる方法です。例えば、画像処理ソフトをサブスクリプション契約しているユーザーに、動画編集やイラスト作成といった関連性の高いソフトを同時におすすめするのもいいでしょう。

方法2:購買頻度を上げる

購買頻度を上げる方法もあります。年に2回、平均1万円購入する顧客が年に3回1万円購入してもらえるようになれば、単純計算で売り上げが1.5倍になります。しかし、黙って購入してくれるのを待つだけでは何も起きません。

購入頻度を上げてもらうためには、買い替えの時期にリマインドメールを配信するなど、定期的に思い出してもらうための取り組みが大切です。頻繁に連絡しすぎると「しつこい」と思われてしまい逆効果になりかねませんが、適度なアプローチであれば「お客様のことを気にしていますよ」という姿勢を知らせることにもなります。定期的に関係性を維持できれば、他社製品やサービスへの乗り換えも起きにくくなるでしょう。

方法3:利用期間を延ばす

既存顧客との契約期間をできるだけ長くする方法もあります。たとえ1か月あたりの購入金額が低くても、利用期間が2倍になれば、LTVも2倍になります。月額のサービスの場合、1人の顧客が1年、2年、3年……と継続利用してくれれば、必然的にLTVも向上します。

利用期間を延ばすためには、自社商品やサービスに満足してもらうことはもちろん、より活用するための情報を配信するなどのサポートも大切です。ECサイトの場合は、ポイントやユーザーランクといった制度を導入する方法もあります。

月額料金が固定のサブスクリプションモデルの場合は、解約させないように努力することが求められます。チャーンレートと呼ばれる解約率を計算し、解約率が高いようであれば改善していく必要があります。

例えば、解約を選んだ顧客から解約の理由不満点などをヒアリングして何が問題なのかを調査しましょう。

方法4:顧客ロイヤルティを高める

顧客のロイヤルティを高めることも、LTV向上を目指す重要な施策です。顧客ロイヤルティが高いと、商品やサービスに愛着や信頼を感じてくれています。利用期間だけでなく、クロスセルやアップセルも期待できるでしょう。口コミで商品やサービスを宣伝し、新規顧客の獲得サポートをしてくれるかもしれません。

顧客ロイヤルティを高めることは、LTV向上の施策すべてに好影響を与えます。しかし、簡単に契約を解除できるサブスクリプションサービスでは、他社のサービスに乗り換えるのも簡単です。自社のサービスが変わらなくても、他社が値下げをしたり、新しいサービスを開始したら解約されてしまうこともあり得ます。顧客ロイヤルティの向上は一朝一夕にはいきませんが、以下の記事も参考に継続して取り組む必要があります。

方法5:顧客獲得・維持コストを減らす

別の視点として、顧客の獲得・維持コストを下げるのも結果的にLTV向上につながります。これは計算式では「収益率」に相当し、コストが下がれば収益率が上がりますので、LTVも向上するわけです。

新規の顧客獲得コストを削減するには広告の最適化などが考えられますが、限界もあるでしょう。そこで既存顧客の維持コストを下げることができないか、検討してみましょう。CRM((Customer Relationship Management)などのシステムを利用することで、これまで人が対応していたことを効率化できるかもしれません。CRMについては、以下の記事を参考にしてください。

Sprocketでは、消費者1,000人を対象としたアンケート調査の結果から、Webサイトの顧客体験を向上するオンライン接客についてまとめた資料を公開しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。

オンライン接客で売り上げを上げる3つの方法

適切な接客でLTVを向上した例

サイトのLTVを向上するなら、Webサイトでユーザーに声かけや案内を行えるWeb接客も有効です。Sprocketではユーザー心理を分析して、1人ひとりに最適なタイミングで、適切な「声かけ」が可能です。ここでは、適切な接客でLTVを向上した例を紹介しましょう。

例1:あわせ買い

人気商品とよく一緒に買われている商品を案内して、クロスセルを目的にした施策です。Sprocketは1人ひとりのユーザー行動をリアルタイムに分析可能ですので「さっきこのカテゴリーの商品を見ていた」「過去、この商品を買ったことがある」といった情報をもとにセグメントして、顧客の心理に合わせた提案が可能です。

あわせ買いをおすすめした例

例2:既存顧客向けの施策

行動データからリピーターを判別して、お得意様向けにポイントやクーポンなどの個別オファーを出すことが可能です。初めての購入から1週間、3か月など条件も細かく設定可能ですので、サービスを解約しやすいタイミングがあるなら、先手を打って困りごとや要望を聞くのも有効です。

リピーター限定のオファーをした例

実際の事例をご覧になりたい方は、A4資料にまとめておりますので、ダウンロードしてご活用ください。

オンラインの接客体験を向上してLTV向上を目指す

新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインでの購買行動がより増加しています。それに伴い、新規顧客獲得の競争も激化しています。多額の広告費用をかけて新規顧客獲得に取り組むことも必要ですが、既存顧客もあわせたLTV向上に取り組むことは、マーケターの大きな課題です。

LTV向上を目指すには、1人ひとりの心理に合わせた最適な接客や声かけが必要です。Sprocketには、50,000回以上のA/Bテストから導かれた150以上の成功シナリオがあります。各業界に精通した担当コンサルタントが、Webサイトの課題の洗い出しや仮説の立案から施策の実施、その評価までサポートいたします。LTVの向上が課題の方は、Sprocketにお問い合わせください。

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