CRMとは?CRMツールの特徴やMA、SFAツールとの違い、LTVを高める活用ポイントを解説

Sprocket編集部

CRM

CRM(顧客関係管理)は、部署横断的な顧客管理を実現するのに欠かせません。CRMツールの特徴やMA、SFAツールとの違い、CRMツールを活用して顧客エンゲージメントを高めLTVを向上させるポイントを解説します。

CRMとは?

CRMは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と訳します。CRMツールとは、企業と顧客の関係性管理に役立つツールで「顧客管理ツール」と呼ばれています。1つのツールで詳細な顧客情報を管理できる点がCRMツールの特徴です。CRMツールでは、顧客名や電話番号などの基本情報や、いつ商談をしたかなどの活動履歴なども記録することができ、営業活動にとても便利です。

また、CRMツールの情報を見れば、企業と顧客間で過去にどのようなやりとりがあったかがわかるため、顧客に対して一貫性のある対応が可能になります。つまり、CRMは顧客との関係性を維持するのに役立ち、LTV(顧客生涯価値)の向上も期待できるものなのです。

CRMは、営業活動はもちろん、マーケティングや経営戦略にも役立ちます。CRMツールを使えば、蓄積した顧客情報を基に、顧客へメールやDMなどを送ることも可能です。例えば、One to Oneマーケティングのように、顧客に応じて必要なタイミングでメールやDMを送りたい場合にもCRMツールは便利です。

業務のDX化に欠かせないCRMツール

CRMツールは、業務のDX化(デジタルトランスフォーメーション化)に欠かせないツールです。DX化とは、デジタル技術を活用し業務の利便性の向上をはかることです。DX化によって、業務の効率化や最適なタイミングで顧客にアプローチできるなど、ビジネス競争において優位性を確立することができます。

近年、コロナウイルス感染症の流行により、業務のDX化を進める企業が増えています。一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会の「企業IT動向調査2022」によると、2021年度の企業IT予算増加の主な理由は「基盤整備・増強」「業務のデジタル化対応」「基幹システムの刷新」の3つが上位に入っていることがわかりました。この結果から、DX化を進めようとしている企業が多いと推測できます。

CRMツールは、入力フォームとの連携ができたり、顧客のステータスを分類することでアプローチの判断が容易になったりと、営業活動に役立つ機能が搭載されています。多くの企業で業務のDX化が進められる中、CRMツールは欠かせないツールと言えるでしょう。

一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査2022」速報値

CRM・SFA・MAの違いとは?

業務支援ツールには、CRMの他にSFAやMAなどがあります。顧客とのコミュニケーションには「見込み客の獲得から商談」「契約後も顧客をキープするための活動」に大きく分けることができます。顧客の状況や企業で必要としている機能によって使うべきツールが異なるため、CRM、SFA、MAそれぞれの特徴を理解しておきましょう。また、CRM、SFA、MAの機能を横断的に包括した総合的な業務支援ツールもあるため、自社の用途に合ったツール選びも重要になります。

リードを育てるMA

MAは「マーケティング・オートメーション(Marketing Automation)」の略で、顧客開拓におけるマーケティング活動の自動化や効率化の機能を持つのがMAツールです。MAツールは見込み客を「顧客」に育てるリードナーチャリングの役割も持ち合わせています。

例えば、化粧品サンプルを請求した見込み客に対し、商品が到着するタイミングで使い方をレクチャーするメールを送る、商品サンプルを使い終わるタイミングで初回購入の割引メールを送るといったアプローチを自動化できます。

適切なタイミングで見込み客の興味関心を高めることで、見込み客を顧客に引き上げられる確率も高くなるでしょう。このように、MAツールを活用すれば、見込み客へのアプローチを自動化して業務の効率化が実現できます。

商談管理を効率化するSFA

SFAは「セールス・フォース・オートメーション(Sales Force Automation)」の略で、営業支援システムのことです。SFAツールは、営業担当が商談を獲得してから契約に至るまでの進捗管理に役立ちます。

営業担当の業務は、顧客リストの作成やテレアポ、見積書の作成、顧客対応など多岐にわたりますが、定型業務も少なくありません。SFAツールでは、名前や住所などの顧客情報管理や見積書の作成、売上予測、集計や分析などが行えるため、営業の定型業務を自動化でき、工数削減や業務の効率化につながります。

カスタマーサクセスを効率化するCRM

CRMでカスタマーサクセスの効率化が期待できます。カスタマーサクセスは、顧客の課題解決が自社の利益になるという考え方です。顧客を成功に導くために、CRMツールによる顧客管理が役立ちます。

たとえば、CRMツールに顧客情報を蓄積することで、顧客が課題解決のどの段階にいるのかが把握できます。その結果、顧客の状況に応じて、必要なタイミングでサポート情報を提供したり、アップセル・クロスセルの提案をしたりするなど、顧客の課題解決のためのアプローチが可能です。顧客が求めている情報やサービスなどをタイミングよく提案できるため、LTVの向上も期待できるでしょう。

顧客の課題解決を実現するためには、商談やサポート時のやりとりや状況も重要な情報の1つです。そのため、商談や案件を軸に情報を管理するSFAツールのデータも活用していきましょう。CRMツールとSFAツールを連携して運用できれば、カスタマーサクセスのさらなる効率化につながります。

ツールを最大限活用し、施策の成果につなげていくためにはそれぞれの機能や役割を理解した上で、どう組み合わせて使っていくかを考えなければなりません。マーケティング支援ツールの違いを整理し、効果を最大限に引き出すためのポイントについてまとめた資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。

マーケティングオートメーション運用を成功に導く MA・CRM・SFA・Web接客完全活用ガイド

CRMで顧客管理を効率化し、エンゲージメントを高めるポイント

CRMで顧客管理を効率化することで、エンゲージメントの向上が期待できます。HubSpot Japan株式会社の調査結果によると、顧客の属性や⾃社とのやりとりなどを記録する「顧客管理」の⽅法は、3社に1社(35.5%)が「明確ではない・わからない」という「やみくも営業」状態であることがわかりました。このような顧客管理の悩みは、CRMを活用して解決できます。ここでは、CRMで顧客管理を効率化し、エンゲージメントを高めるポイントをご紹介します。

HubSpot Japan株式会社「第1回 ⽇本の営業に関する意識・実態調査」

ポイント1:一貫した対応で顧客からの信頼を高める

企業が顧客からの信頼を高めるには、顧客対応の一貫性が重要な要素です。例えば、顧客がコールセンターに問い合わせた際、電話口のスタッフへ名前や要件を伝えると「担当者におつなぎします」と別のスタッフに代わるケースはよくあります。その際、顧客の情報や用件がスタッフ間で引き継がれず、別の担当者にまた最初から名前や用件を伝え直す状況では、顧客に余計なストレスを与えてしまいます。

逆に、スタッフが顧客の過去の問い合わせ履歴や、サービスの利用状況などを把握している状態で対応すれば、顧客の満足度や信頼度は高くなるはずです。とはいえ、社内にはさまざまな部署があり、担当領域も異なるため、スムーズな連携が難しい場合もあるでしょう。

部署・部門を横断してスムーズな連携を実現するには、顧客情報を共通のツールで管理し、どの部署からも同じ情報が確認できる環境が必要です。CRMツールを導入することで、顧客の基本情報や問い合わせ履歴、商談、契約状況などの一括管理が可能になります。その結果、顧客に対して部署・部門に関わらず一貫した対応が実現できるでしょう。

ポイント2:One to Oneマーケティングの実現

顧客とのエンゲージメントを高めるためには、顧客のニーズに応じて最適なアプローチを行うOne to Oneマーケティングも重要です。顧客が100人いれば、ニーズもさまざまです。例えば「サービスを今すぐ利用したいと思っている人」「サービスに興味はあるけど今すぐには必要と思っていない人」など、顧客のニーズによって、アプローチ方法も変えるべきでしょう。

CRMツールは、条件に該当する顧客に自動でメールを配信できたり、DMの送付対象となる顧客情報を一括でリスト化できたりなど、顧客の行動パターンに応じたアプローチが可能です。例えば、商品サンプルの請求をしてくれた人にステップメールを送ったり、問い合わせや資料請求をした顧客に対してDMで潜在的なニーズにアプローチしたりできます。CRMツールは、効率的にOne to Oneマーケティングを実現できるツールと言えるでしょう。

ポイント3:複数チャネルで顧客との接点をキープする

顧客は、企業との接点を持つ際に、Webサイトやメール、DM、SNSなどさまざまなチャネルを利用します。同じ顧客がPCから企業の公式Webサイトへアクセスする場合もあれば、通勤途中にスマートフォンから企業のSNSへアカウントの投稿を見る場合もあり、状況によって利用されるチャネルは異なります。

また、インターネットを介さない場合は電話や実店舗が顧客と企業の接点となる場合も。さまざまな顧客と接点を持つには、状況に応じたチャネルを準備する必要があるでしょう。複数チャネルを利用すれば、顧客と複数の接点をキープすることもできます。

ただし、複数チャネルを活用すると、チャネルごとに顧客情報を管理して情報が分散する可能性があります。それを防ぐには、CRMツールを利用して顧客情報を一括管理することがおすすめです。顧客に対してどのチャネルでも一貫した対応ができるようになるため、LTVの向上にもつながるでしょう。

ポイントまとめ

CRMツールは詳細な顧客情報を1つのソフトで管理でき、営業活動やマーケティングにも役立つ便利なツールです。CRMツールを利用するメリットをおさらいしてみましょう。

・営業担当者の業務効率の向上につながる

・顧客情報を一括管理することで一貫した顧客対応ができる

・One to Oneマーケティングに役立つ

・LTVの向上につながる

CRMツールはSFAツールと同様に営業活動を支援するツールですが、顧客の購買目的やニーズなども含めた定量的な情報も管理できます。顧客を1つのツールで「見える化」できるため、顧客エンゲージメントやLTVの向上に役立つのです。

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