マーケティング施策に欠かせない顧客ロイヤルティとは?顧客満足度との違いや向上方法を解説

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Sprocket編集部

マーケティング施策に欠かせない顧客ロイヤルティとは?顧客満足度との違いや向上方法を解説

顧客ロイヤルティはマーケティング施策に欠かせない概念です。この記事では顧客ロイヤルティと顧客満足度・顧客エンゲージメントとの違い、顧客ロイヤルティを向上させるメリット、顧客ロイヤルティを高める方法を解説します。

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顧客ロイヤルティとは?

顧客ロイヤルティは、顧客が企業やブランドに対して信頼・愛着・親しみを感じることを指します。ロイヤルティ(Loyalty)は「忠誠心」の意味を持ち、顧客ロイヤリティを高めるとは、簡単にいえばその企業やブランド、商品のファンになってもらうということです。ロイヤルティが低い顧客の場合、そのときどきで異なる企業の商品を選択し購入します。対して、ロイヤルティが高い顧客は、他社に流れることなく常に自社の商品を購入してくれる傾向があります。

上記のようなロイヤルティが高い顧客は、一般的に「ロイヤルカスタマー」と呼ばれ、商品やサービスの利用頻度や顧客単価が高く、企業にとって貴重な存在です。

顧客ロイヤリティを測る指標の一つに「NPS(R)」があります。NPS(R)は「Net Promoter Score」の略称で、2003年に米国のグローバル経営コンサルティングファームBain & Companyのフレッド・ライクヘルド氏を中心とするチームが開発しました。顧客に回答してもらった推奨度を分析することで、顧客ロイヤルティを計測できる仕組みです。

顧客ロイヤルティと顧客満足度の違い

顧客ロイヤルティに似た言葉に「顧客満足度」がありますが、意味は異なります。顧客満足度とは「企業の商品やサービスに対し顧客がどのくらい満足しているのか」を数値で表したものです。

単純にその商品やサービスに満足したかどうかを示すため、顧客満足度が高いからといって顧客ロイヤルティも高いとは限りません。あくまで商品そのものの良さに満足しただけであり、リピートにつながらず他社に流れてしまうケースもあります。

一方、顧客ロイヤルティは「顧客が企業や商品に愛着や信頼を感じているか」を表すものです。ロイヤルティが高い顧客は、顧客満足度だけが高い顧客と比べてリピーターになってくれる可能性が上がります

顧客ロイヤルティと顧客エンゲージメントの違い

顧客満足度のほかに「顧客エンゲージメント」という言葉も、顧客ロイヤルティと混合しやすい用語です。顧客エンゲージメントは「約束」「契約」と訳され、顧客の行動にもとづいて評価される「企業と顧客との親密さや信頼度を示す指標」です。

企業と顧客との結びつきを指すのが顧客エンゲージメントで、顧客側からの信頼・愛着などにフォーカスしているのが顧客ロイヤルティと考えるとわかりやすいでしょう。なお、顧客エンゲージメントが高いと、顧客は以下のような行動を起こしやすいといわれています。

エンゲージメントが上がる瞬間は、顧客が企業やサービスに対して感動したときです。顧客に感動を与えられると、企業にポジティブな影響をもたらしてくれるでしょう。

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顧客ロイヤルティが持つ2つの側面

顧客ロイヤルティには、心理(感情)と行動の2つの側面があります。ここでは、顧客ロイヤルティが持つ側面を「心理的ロイヤルティ」と「行動的ロイヤルティ」に分けて、特徴を解説します。

心理的ロイヤルティ

心理的ロイヤルティとは、企業の商品・サービス・ブランドに対する「感情面のロイヤルティ」のことです。種類はさまざまあり、主に以下のようなポジティブな感情があてはまります。

例えば「ホテルの接客サービスが良くて、安心感があるから何度も利用する」「あのブランドの商品を身に付けているときが幸せ」といった感情です。たとえ、競合他社が魅力的な商品・サービスを提供しても、簡単に乗り換えることはないでしょう。

ただし、「いつもは接客が良いのに、今回は態度が悪かった」など、万が一顧客の信頼を損なうことがあった場合は要注意です。「好き」という感情から「嫌い」に変わると、心理的ロイヤルティの低下につながるため、常に質の高い商品・サービスを提供することが大切です。

行動的ロイヤルティ

行動的ロイヤルティとは、企業の商品やサービス、ブランドへの「行動面でのロイヤルティ」のことです。一般的には、以下のようなアクションがあてはまります。

例えば「お気に入りの洗剤がドラッグストアになかったので、わざわざネットで通販した」「リピート購入している商品を口コミで評価、友人に紹介する」などです。基本的には、心理的ロイヤルティが高いと、行動的ロイヤルティも高くなると考えられています。ただし「その商品に愛着はないが、スーパーで安く買えるから購入している」というように、心理的ロイヤルティが低くても行動的ロイヤルティが高いケースもあります。

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顧客ロイヤルティを向上させるメリットとは

顧客ロイヤルティを向上させると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。以下で、期待できるメリットを4つ紹介します。

リピート率の向上

顧客ロイヤルティを上げることは、顧客のリピート率アップにつながります。ロイヤルティが高い顧客は、その商品やサービスをくり返し購入・利用する傾向があるからです。顧客満足度が高い顧客の場合は、購入商品・契約したサービスに満足したとしても、リピートするとは限りません。他社の新商品やお得なサービスが登場したときに、乗り換えてしまうケースがあります。

顧客ロイヤルティが高いと、例えば消耗品であれば同じ商品、家電製品なら同じブランドの商品を購入してくれる確率が上がります。他社から、同じジャンルで魅力的な商品が登場しても「いつも使っているブランドのほうが信頼できるから」と、迷うことなく継続購入してくれるでしょう。以上のことから、顧客ロイヤルティの向上は、結果的にリピート率アップにつながります。

チャーンレート(解約率)の低下

顧客ロイヤルティが向上して商品やサービスの継続利用が増えると、定期契約のチャーンレート(解約率)の低下が期待できます。

企業のサービスに愛着を持っている顧客は、契約の更新時期がきても解約せずに利用し続ける確率が高い傾向があります。そのため、顧客ロイヤルティが高ければ、競合他社がキャンペーンなどを実施していても簡単に乗り換えることはないでしょう。

解約率の低下は、特にサブスクリプションサービスなどを行っている企業にとって、大きなメリットといえます。

【内部リンク:チャーンレート(解約率)の記事】

顧客単価のアップ

顧客ロイヤルティの向上において、顧客1人あたりの単価アップが期待できるのも大きなメリットです。顧客が企業のブランド商品を気に入って信頼するようになると、以下のような行動を起こすといわれています。

また、1回あたりの単価アップだけではなく、購入頻度が増加することで年間の購入金額も高まり、売り上げ向上につながるのもメリットです。ロイヤルティが高い顧客が増加すれば、事業拡大や他サービスへの展開など、業務の幅も広がるでしょう。

口コミによるマーケティングコストの削減

ロイヤルティが高い顧客は、好意的な口コミをする傾向が見られます。口コミにはSNSの活用が多く、商品やブランドの良さを発信したり購入を検討中の人におすすめしたりと、顧客が自発的に宣伝してくれる場合があります。顧客が企業の良さを広めてくれることで、新規顧客の開拓・別の顧客のロイヤルティを高めるといった波及効果も。マーケティング領域において、新規顧客を獲得するコストは既存顧客を維持するコストの5倍かかるといわれます。

ロイヤルティの高い顧客を増やすことで自然に新規顧客を獲得でき、そのぶんマーケティングコストを削減できます。

顧客ロイヤルティ

顧客ロイヤルティを高める方法

顧客ロイヤルティを高めるには、いくつかのポイントがあります。以下で解説する3つのポイントを押さえて、顧客ロイヤルティの向上を目指しましょう。

顧客推奨度調査を活用する

顧客ロイヤルティを高めるには、自社商品・サービスに対して「顧客がどのような評価をしているのか」を調査し、抱えている課題を明らかにする必要があります。顧客の声は「顧客推奨度調査」を行うことで、データとして抽出可能です。NPS(R)も顧客推奨度調査の手法の一つです。

顧客推奨度調査は「この商品・サービスを友人や家族におすすめする可能性はどれくらいあるか?」と質問し、おすすめする可能性を0~10の11段階で回答してもらう方法が一般的です。他者に何かをおすすめする行動には責任が伴うことから、本音が表れやすいのが大きな特徴です。回答してもらった結果をもとに、顧客を「批判者」「中立者」「推奨者」の3つに分類し、それぞれ以下のように考えます。

批判者(0~6) 企業の商品やサービスに対して、ネガティブな口コミを広げやすい
中立者(7・8) 商品やサービスを周囲へおすすめすることもなければ、悪い評価をすることもない
推奨者(9・10) 商品やサービスに対して愛着・信頼を寄せており、周囲の人におすすめする

上記の顧客層に応じて、顧客ロイヤルティを上げるためのサービスを提供することが大切です。

CX(カスタマー・エクスペリエンス)を向上させる

CX(カスタマー・エクスペリエンス)を上げることは、顧客ロイヤルティの向上につながります。CXは「顧客体験」とも呼ばれ、顧客がその商品やサービスを知ってから購入・利用し、アフターフォローを受けるまでの体験のことを指します。顧客の体験を細分化し、小さな課題を見つけて改善していくことがCX向上のポイントです。

具体的には、購買行動において企業と顧客の接点をすべて洗い出し、各接点で顧客側がどのような感情を抱き行動したのかを分析します。主に「カスタマージャーニーマップ」を活用し、抽出した問題点を分析して改善策を導き出した上で実行します。小さな問題点を改善し続けることでCXが向上し、結果的に顧客からの企業や商品・サービスに対する信頼度も上がっていくでしょう。

Web接客とゼロパーティデータを活用する

Web接客とゼロパーティデータ(ユーザーが自ら企業に提供する意図を持って提供するデータ)を活用して、顧客ロイヤルティを高める方法もあります。

顧客がWebサイトを来訪した時の行動やWeb接客によって得た顧客データ(ゼロパーティデータ)を活用することで、その後のコミュニケーションに際して、よりパーソナライズされた顧客体験の提供が可能になります。加えて、顧客1人ひとりの企業への興味・関心度に応じて、適切なロイヤルティプログラムも実施できるでしょう。

SprocketではWebサイト上での顧客との対話情報をゼロパーティデータとして、その顧客のロイヤル度合いに合わせて最適な顧客体験を提供します。

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