ロイヤルカスタマーとは? その重要性とロイヤルカスタマーの調査方法、育成方法を紹介!!

Sprocket編集部

ロイヤルカスタマー

企業が数多く抱える顧客の中でロイヤルカスタマーを把握し、育成するのは非常に重要です。なぜロイヤルカスタマーを知ることが重要なのか、主な育成方法と合わせてご紹介します。

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ロイヤルカスタマーとは?

ロイヤルカスタマー(Loyal Customer)とは、企業や商品、サービスに特別な情熱や愛着を持つ熱烈なファンといえる存在です。企業にとって、顧客の中で最上位に位置するロイヤルカスタマーは、企業や商品ブランドを長期にわたって支持してくれる心強い味方になります。次の3条件を兼ね備えているのがロイヤルカスタマーです。

  1. 競合・他社へ気持ちが移らず、共にブランドを育成してくれる
  2. 繰り返し商品やサービスを購入・利用し、売上アップに貢献してくれる
  3. 第三者に紹介・宣伝をしてくれる

これだけ重要な役割を持つロイヤルカスタマーをいかに多く獲得できるかが、企業の業績アップのキーポイントとなります。

ロイヤルカスタマーと優良顧客の違い

ロイヤルカスタマーと似た用語の1つに優良顧客があります。決定的な違いは「熱烈なファンであるかどうか」です。 「リピーターとして売上アップに貢献してくれる」点では同じですが、「競合・他社へ気持ちが移らず、共にブランドを育成してくれる」点は、ロイヤルカスタマーのみになります。

購入動機にも違いがあり、ロイヤルカスタマーの「これがいい」に対し、優良顧客には「これもいい」という選択肢があります。「何となく続けている」などの不明瞭な動機もあり、単なる優良顧客はロイヤルカスタマーに比べると離れていきやすいといえるでしょう。

ロイヤルカスタマーと売上上位顧客の違い

もう1つ、ロイヤルカスタマーと混同しやすい用語に売上上位顧客があります。売上上位顧客とは、売上の8割以上を支えている2割の顧客(イタリアの経済学者パレードが唱えた「80:20の法則」より)を指します。

極端な例でいえば、商品を1回大量購入しただけでも、売上上位顧客になるのです。両者の決定的な違いは、長期にわたって売上に貢献しているかどうかで、売上上位顧客はこれに該当しません。

ロイヤルカスタマーを知るのはなぜ重要なのか?

ロイヤルカスタマーの重要性を見てきましたが、なぜ重要なのかを裏づけるマーケティング用語があります。「1:5の法則」と「5:25の法則」です。

1:5の法則

1人の新規顧客への商品販売には、既存顧客への商品販売より5倍コストがかかる

5:25の法則

5%の顧客離れを改善すると、25%の利益率の改善になる

どちらの法則も既存顧客、中でも、長期にわたって商品やサービスを購入し続けるロイヤルカスタマーの重要性を物語っています。ロイヤルカスタマーは安定した利益をもたらしてくれるだけに、できるだけ囲いたい顧客ということが改めてよくわかる例でしょう。

ロイヤルカスタマーの調査方法、分析方法は?

顧客満足度が高くても、顧客ロイヤルティが高いロイヤルカスタマーであるとは限りません。だからこそ、ロイヤルカスタマーであるかどうかを知るための顧客ロイヤルティを測る方法が必要になります。ロイヤルカスタマーを知る、主な調査・分析方法を3つご紹介します。

1、LTVを調査する

まず、LTV(Life Time Value)の調査で顧客生涯価値を探ります。顧客生涯価値は、1人の顧客が生涯にわたって商品やサービスを利用し続けることで、企業が得られる利益のことです。

LTV調査により優良顧客とロイヤルカスタマーを見つけることができますが、本当の購入動機までわからなければ、LTVの調査だけではロイヤルカスタマーを見つけることは困難です。ロイヤルカスタマーまでたどり着くには、他の分析を合わせていくことになります。

2、RFM分析を行う

LTVと組み合わせる分析の1つとなるのは、RFM(Recency Frequency Monetary)分析です。最終購入日・購入回数・購入金額という、顧客の購買行動を分析します。この分析の結果、新規顧客・休眠顧客・安定顧客・優良顧客・ロイヤルカスタマーなどのグループ分けができますが、本当の購入動機はまだ不明です。RFM分析を行うことでLTV調査よりは前進するものの、ロイヤルカスタマーと判断することは時期尚早といえます。

3、NPSなどのユーザーアンケートを行う

LTV調査とRFM分析に加え、ロイヤルカスタマーを見つける指標となるのがNPS(Net Promoter Score)です。具体的に顧客ロイヤルティを測り、数値化していきますが、特に難しい分析ではなく、シンプルなユーザーアンケートを行うだけの調査です。

企業やある商品やサービスに対し、「友人・知人・同僚・家族にどの程度薦めたいですか?」という質問に「理由」と共に0~10点の間で点数をつけてもらいます。

9~10点が「推奨者」、7~8点が「中立者」、6点以下が「批判者」というグループ分けが成立し、「理由」の記入により動機も知ることが可能です。このアンケートで「推奨者」に分類される回答者は顧客ロイヤルティが高いと判断することができます。

マーケティングにおいて既存顧客の育成は重要なテーマです。新規顧客をロイヤルカスタマーに育てる方法についてまとめた、保存版の資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。

リピーターを獲得しLTVを最大化する方法

ロイヤルカスタマーを育成するメリット

既存顧客をロイヤルカスタマーに育成していくほうが、新規顧客をロイヤルカスタマーに育てるより現実的で効率的だといえます。ロイヤルカスタマーを育成していくことで生まれる、主な3つのメリットをお伝えします。

  1. LTVが上昇、安定して利益がアップする
  2. 既存顧客に集中しながら、売上アップする
  3. 宣伝にかける手間や費用を削減しながら、新規顧客を獲得できる

以下、ロイヤルカスタマーの育成方法を見ていきます。

ロイヤルカスタマーの育成方法

ますます重要さが増すロイヤルカスタマーの存在。増えれば増えるほど、企業にとってはプラスしかありません。では、どうやってロイヤルカスタマーを育成するのでしょうか。次のような手順を踏んでいく、地道な4つのステップがあります。

ステップ1:ロイヤルカスタマーの調査、分析を行う

第1に顧客の現状を把握するため、顧客を分析し、顧客アンケートを行います。顧客アンケートで重要なのは、企業やある商品やサービスに対し、どのくらいの顧客ロイヤルティがあるのかを正しく導き出し、知ることです。

顧客データと紐づけて分析を行えば、自社の顧客ロイヤルティの見直しになるほか、顧客満足度との違い、ロイヤルティドライバー(顧客ロイヤルティ向上の要素)の発見につながります。顧客ロイヤルティを発展させ、本当のロイヤルカスタマー像を浮かび上がらせることが狙いです。

ステップ2:CX(カスタマーエクスペリエンス)の設計

第2はCX(Customer Experience)です。CXを訳すと顧客体験で、顧客が企業やある商品やサービスを利用した全期間の体験すべてを指します。CXの「設計」とは、CXのブラッシュアップです。

顧客体験を時系列で追った“カスタマージャーニーマップ”といわれる、各フェーズを可視化したツールを使ったり、ステップ1で発見したロイヤルティドライバーを活用したりして、段階的にブラッシュアップをします。フェーズの中で、顧客と接触できる機会を増やすことも有効です。各フェーズで顧客の感情や行動を高めれば、顧客側の満足度も高まります。

ステップ3:ロイヤルティプログラムを導入する

第3は、ロイヤルティプログラムの導入です。売上に貢献してくれる優良顧客に対し、特別で良質な体験を提供し続けることで、顧客ロイヤルティを高めていきます。具体的には商品やサービスを提供・発信する側が優良顧客に合わせるパーソナライズを行うことです。

ロイヤルティプログラムでは自分だけの優遇だと感じさせる特別感、驚きや感動のサプライズ感などを実感させなければなりません。あらゆる情報が入手しやすくなった今、情報の氾濫が顕著で、顧客に迷いが生じているからこそ、ロイヤルティプログラムで顧客に特別な手を差し伸べる戦略は必要です。

ステップ4:ロイヤルカスタマーに成長しそうな新規顧客を獲得する

最後は、新規顧客をロイヤルカスタマーにしていく方法です。従来のアプローチとは違い、「ゼロパーティデータ」という、顧客が何かと引き換えに自分から提供したデータを活用し、ロイヤルカスタマーになりそうな新規顧客を重点的にアプローチする方法になります。

この方法は「ロイヤルカスタマーから逆引きのマーケティング」と言い、個人の趣味・嗜好などから得られた有益な情報に対し、多面的なアプローチが可能です。

顧客ロイヤリティ向上に役立つマーケティング手法

ここまで、ロイヤルカスタマーを知り、見つけ、育てるマーケティング手法をいくつかご紹介しましたが、顧客ロイヤルティ向上に役立つマーケティング手法を3つほど追加します。ロイヤルカスタマー育成に向けた顧客ロイヤルティ向上に活用してください。

CRMツールを導入する

CRM(Customer Relationship Management)は日本語に直すと顧客関係管理となります。CRMツールとは、顧客情報管理に便利で、企業と顧客がいい関係を継続していくための支援ツールです。

購入データから得られる購入履歴をはじめ、氏名・住所・年齢・性別・所属先・嗜好などの詳細顧客情報を集約し、顧客との関係を継続させるアクション(メール配信・FAQ・アンケート・セミナー・イベントなど)がいつでもすぐ起こせる仕組みとなっています。

One to One マーケティングを実施する

「One to One」の文字通り、個々の顧客に向け、最適なアプローチを行うマーケティング手法です。コミュニケーションツールがあふれ、企業から発信する従来の画一的なマーケティング手法が通用しなくなっている背景があり、One to One マーケティングに注目が集まっています。受取側になる顧客がどう捉えるかで顧客ロイヤルティ向上の成否は大きく変わるため、「私のため」というオンリーワンが味わえるアプローチが必要です。

アンバサダーマーケティングを行う

顧客ロイヤルティを向上させ、ロイヤルカスタマーを増やすことは、アンバサダー(大使)マーケティング手法に直結しているともいえます。「顧客が顧客に発信する」情報ほど有効なことはないからです。企業あるいは商品やサービスの推奨者となるロイヤルカスタマーに、アンバサダーとしての役割を担ってもらうことで、非常に効果的なプロモーションを行うことができます。

ロイヤルカスタマーを調査、育成し、安定的な収益を増やそう

企業にとって、ロイヤルカスタマーはこれまで以上に重要性を帯びています。多様化した顧客側の価値観に対し、企業側はあらゆるアプローチをし、顧客ロイヤルティを高めることが急務です。常に顧客のリアルタイムデータを精査し、ロイヤルカスタマーの調査・育成に注力し、安定的な収益増加を模索・追求しなければならないでしょう。

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