MAツールとは? SFA・CRMとの違い、メリット・デメリット、国内シェアを徹底解説

Sprocket編集部

MAツール

近年、市場が拡大しているMAツールは、サードパーティーCookie廃止後のマーケティングにおいて活用が期待されています。営業支援ツールのSFA・CRMとの違いや、MAツール導入のメリット・デメリット、国内シェアを詳しく解説します。

MAツールとは?

MA(マーケティング・オートメーション)は、マーケティング活動を仕組み化することを指します。オートメーションとは、人手によらず動作や調整がなされる状態にすること、つまり「仕組み化」を表す言葉です。

MAはマーケティング活動の中でも、見込み顧客の獲得から商談化までの顧客開拓の部分を主な対象とします。なぜなら、顧客開拓には大量のデータ管理や個々の見込み顧客に合わせた煩雑な作業が避けられないからです。

このようなマーケティング活動の仕組み化を実現するために用いられるツールやソフトウエアが「MAツール」と呼ばれるものです。MAツールを導入しこれらを自動化することで、マーケティング活動の効率を大きく向上することが期待できます。

MAツールの重要性

MAツールの市場は拡大の一途をたどっています。株式会社矢野経済研究所による「DMP/MA市場に関する調査」では、2020年におよそ544億円だった市場規模が、2021年は600億円(見込み額)に拡大しました。さらに2025年には市場規模は812億円にものぼると予測されています。

株式会社矢野経済研究所|DMP/MA市場に関する調査(2021年)

この背景には、顧客の購買行動のデジタルシフトがあります。顧客の購買行動が実店舗からオンラインへと移り変わるにつれて、顧客に関するデジタルデータが充実してきました。同時に、IoT技術の発達は、膨大かつ多種多様なデータを収集・分析することを可能にしています。

同調査では、新型コロナウイルス感染症の拡大がこういったデジタルシフトに拍車をかけていることが示唆されています。また、インターネットの普及により、企業のマーケティング活動も変化を余儀なくされています。BtoCにおいて、顧客は商品・サービスの購入前にオンラインで情報収集することが一般的になりました。

BtoBにおいても、旧来行われていた対面による営業活動に代わり、非対面で顧客を開拓・育成する仕組みが求められるようになっています。こうした背景から、MAツールをはじめとするデジタルマーケティングツールを使ったデータ活用は、ますます重要性を増しています。

MAツールとSFA(営業支援システム)・CRM(顧客関係管理)の違い

MAツールと類似した業務支援ツールに「SFA(営業支援システム)」「CRM(顧客関係管理)」があります。いずれもITを活用して業務を支援するツールであり、混同してしまいがちですが、三者はそれぞれ異なる役割を持ちます。詳しく見ていきましょう。

MAツールとSFA・CRMは顧客対応のフェーズが異なる

MAツールとSFA・CRMの役割の違いは、それぞれを適用するフェーズをイメージするとわかりやすいでしょう。MAツールは見込み顧客の獲得・情報管理から育成・選別に関わる作業をシステム化し、商談の機会創出をサポートします。

SFAは、商談の進捗などの案件管理、営業活動の記録やスケジュール管理、予実管理など、営業プロセスを可視化し効率的に管理するシステムです。CRMは、顧客の購入履歴や対応履歴を集約し、既存顧客との関係維持や満足度向上に貢献するツールです。

つまり、対応段階から見ると、MAツールは見込み顧客の獲得~選別という営業活動の手前まで、SFA・CRMはホットリードとして育成・抽出注出された顧客への営業活動が主な対象と言えます。

SFAとCRMの違い

前述した通り、SFAは営業部門の業務を最適化するため、CRMは顧客との関係を維持・向上するために使われます。SFAは営業活動を効率化することで、CRMはLTV(顧客生涯価値)を高めることで、それぞれ自社の売り上げ・利益の向上を図る手法であると言えるでしょう。ただし、使われるフェーズや機能、対象データが重なる部分もあるため、実際の製品においては両者の境界線が曖昧なものも少なくありません。

MAツールでできること

MAツールは、見込み顧客の獲得から育成、そして商談につなげるまでのマーケティング活動を、情報の一元管理や作業の自動化により支援するツールです。MAツールの主な機能を顧客開拓のステップに沿って具体的に見ていきましょう。

1:リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、見込み顧客を獲得することです。自社商品・サービスに関心をもつ可能性がある個人や企業の情報を得るための施策、例えばイベント開催や名刺交換、Webサイトからの問い合わせ・資料請求などが含まれます。問い合わせや購入といったコンバージョンにつながるランディングページ(LP)は、見込み顧客との大事な接点になります。

MAツールには、問い合わせや登録用のフォームや、ランディングページを作成する機能が用意されており、Webサイト制作の専門知識がなくても手軽に作成することが可能です。MAツールで作成したフォームを通じて獲得した顧客情報は、そのままMAツールのデータベースに保存されるため、データ管理の面でもメリットがあります。もちろん、名刺交換などオフラインで獲得した見込み顧客についても登録でき、情報を一元管理できます。

2:リードナーチャリング

見込み顧客を育成する工程を、リードナーチャリングと呼びます。メールマガジン配信や広告、アプリ提供など、情報提供やコミュニケーションによって、見込み顧客の購買意欲を高める施策が行われます。このとき重要なのは、単に企業から情報を押しつけるのではなく、見込み顧客に応じてアプローチを切り分けることです。企業規模や業種、担当者の役職などの属性、またメール開封や自社Webサイト閲覧、資料ダウンロードといった行動など、考慮すべき要素は多岐にわたります。

このように個人にあわせたきめ細かいアプローチは、数が多いほど手作業では困難ですが、MAツールを使うと効率的に行えます。リードナーチャリングを支援する機能としてMAツールに備わっているのが、予約メール配信やステップメール機能、シナリオ機能などです。これらの機能により、見込み顧客の属性や行動に応じて、あらかじめ設定しておいたシナリオに沿ってメールを配信したり、コンテンツに誘導したりすることができます。

3:リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションは、商談へつながりそうな見込み顧客を選別し、営業部門へ引き継ぐことです。リードナーチャリングによって見込み度合いが高くなったリードの中から、アプローチすべき対象を選定します。

例えば、メルマガの開封率やWebページの閲覧回数といった行動からは、関心の高さやアプローチに対する反応のよさが測れます。企業の規模、担当者の所属や決裁権限といった見込み顧客の属性も、商品・サービスとの相性や成約の可能性を判断する大事な指標になるでしょう。

MAツールにおいてこうした選定に力を発揮するのが、スコアリング機能やホットリード抽出機能です。スコアリング機能は、見込み顧客の行動や属性を数値化し、自動集計して見込み度合いを算出できる機能です。基準を設定することで、一定期間に獲得したスコアから、見込み度合いの高い顧客=ホットリードを自動的に抽出することもできます。

MAツールを導入する3つのメリット

MAツールには顧客開拓に役立つさまざまな機能があることがわかりました。次に、MAツールを導入することで得られるメリットを4つにまとめました。

メリット1:適切なタイミングで見込み客へ情報を届けられる

MAツールを使うと、見込み顧客へのアプローチを適切なタイミングで行うことが可能になります。MAツールには、自社Webサイトの閲覧履歴や資料ダウンロードなどの行動を分析し、興味のありそうなコンテンツを最適な方法とタイミングで届けられる仕組みがあります。見込み顧客にとっても、企業から押しつけられる宣伝ではなく、今ほしい情報をタイムリーに得られることで、企業に対する印象アップが期待できるでしょう。

メリット2:マーケティングと営業部門で同じデータを管理できる

部門間でデータを共有できることもMAツール導入の大きなメリットです。マーケティング部門で獲得・育成した見込み顧客を、スムーズに営業部門での商談につなげるためには、両部門の共通認識と連携が欠かせません。見込み顧客についての意識が統一されていないと、せっかく獲得・育成した有望な見込み顧客に対して営業がアプローチできず、商談の機会を逃すこともあるでしょう。

逆に、まだ検討段階がそれほど進んでいない見込み顧客に対して、過剰な営業をかけてしまうこともあるかもしれません。MAツールは客観的なデータからスコアリングし、ホットリードを抽出する条件を設定できるため、見込み度合いに関する認識のずれを防ぐことができます。商談の結果など営業部門の観点を取り入れてスコアリングを見直し、ホットリードをより確度高く抽出できるように改善することも可能です。

メリット3:マーケティングや営業活動の効率化ができる

MAツール導入の最大の意義とも言えるのが、マーケティングや営業活動を効率化できることです。MAツールによって見込み顧客獲得・育成・選別が仕組み化されることで、顧客開拓から商談へと効率よく連携できるでしょう。また、仕組み化のメリットは、単に手間を減らせるというだけではありません。データにもとづく分析・スコアリングによって、有望な見込み顧客を客観的に抽出できるという点も重要です。

旧来の飛び込み訪問や営業電話による顧客開拓、また担当者の経験や勘に頼ったアプローチ対象の選別では、確度の低い見込み顧客にも工数を割かざるを得ません。しかし、MAツールを導入すると、成約が期待できる見込み顧客に絞って営業活動を行えるため、案件化や成約率が高くなるでしょう。Webページ閲覧数や資料ダウンロード数など、マーケティング施策の効果を測定・分析しやすくなることも、ツールを導入するメリットです。

MAツール導入で発生する3つのデメリット

MAツールはマーケティング活動に大きな効果を発揮しますが、導入・運用にあたっては少なからず負担が生じます。以下のような点に留意し、導入は計画的に進めるとよいでしょう。

デメリット1:リードをデータ化する手間がかかる

MAツールの利用には、見込み顧客の情報をデータ化するために、ある程度の手間がかかります。まず、対面での名刺交換などオフラインで得た見込み顧客の情報は、MAツールで使えるようにするために、項目やルールを決めた上でデータとして取り込まなくてはなりません。

また、別のツールで管理していた顧客データをMAツールに取り込む場合も、データの整理・加工を要することがほとんどです。複数の部門やシステムでばらばらに顧客情報が管理されていたり、古いデータが混在したりする場合は、名寄せやデータクレンジングといった作業も発生します。

デメリット2:使用料などのコストがかかる

MAツールの導入には、ライセンス費用や使用料などのコストが発生します。国内外のベンダーからさまざまなMAツールが出ており価格はさまざまですが、ほとんどの製品が月額料金など継続して費用がかかるシステムです。

また、当然ながら高機能であるほど費用は高くなる傾向にあります。自社の規模や活動内容からツールに求める機能を明らかにした上で、費用対効果のバランスを考慮して選定する必要があるでしょう。

デメリット3:コンテンツ制作のリソースが必要になる

MAツールを活用した見込み顧客の獲得・育成には、見込み顧客との接点となるコンテンツマーケティングが欠かせません。興味関心を満足させるコンテンツや、業務に役立つ知識など、ユーザーにとって価値のある情報を作成・発信することで、集客のみならず自社に対する信頼感を醸成できます。

そうしたコンテンツは、Webサイトやブログ、SNS、ホワイトペーパー、メールマガジンなど、さまざまな媒体を使って発信します。見込み顧客の属性や購買プロセスに応じて、内容だけでなく適切な媒体を選ぶ必要もあるでしょう。

複数の媒体にわたって質の高いコンテンツを制作するには、相応のリソースが必要になり、内容によっては、マーケティング部門に限らず全社的な協力が必要になることもあるかもしれません。充実したコンテンツを継続して生み出し続ける体制が求められます。

MAツールの国内シェアは?

国内外のベンダーからさまざまな製品が発売されているMAツールですが、実際のシェアはどのようになっているのでしょうか。株式会社DataSignが集計した2021年12月時点の国内MAツールのシェア上位5社を表にしました。

サービス名比率
1 Pardot 19.8%
2 BowNow 17.5%
3 Marketo 10.6%
4 HubSpot 10.1%
5 リストファインダー 7.6%

データ参照元株式会社 DataSign|Webサービス調査157,700サイトで検出されたマーケティングオートメーション TOP 401(2021.12)

Cookieレス時代に向けてMAツールの活用を

AppleのSafariやGoogle Chromeなど、プラットフォーム各社はブラウザのサードパーティーCookieを廃止する方向に進んでいます。サードパーティーCookieによる広告・集客が見込めなくなる中、企業が自社で収集したデータは重要性を増すと考えられます。MAツールは、見込み顧客の獲得・育成・選別の各プロセスにわたって、データの面からマーケティング活動を効果的にサポートしてくれます。Cookieレス時代のデジタルマーケティングに欠かせないツールのひとつと言えるでしょう。

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