訪問者のコンバージョン率を上げるべく施策に取り組むことをコンバージョン率最適化、またはCRO(Conversion Rate Optimization)といいます。この資料では、コンバージョン率を上げていくために必要な前提知識や考え方を解説します。
ROASとは? ROASの計算方法とROI、CPAとの違いを解説!
ROASとは「Return On Advertising Spend」の総称で「費用対効果」を確認するための指標で「広告の回収率」ともいいます。どのようなときにROASの数値を活用できるのか、計算方法を紹介します。
コンバージョン改善の基本知識をご存知ですか?すぐに役立つコンバージョンとする指標の定め方や改善施策の考え方をまとめた資料をご用意しました。
ROASとは?
ROASは、「Return On Advertising Spend」の頭文字を取った言葉で「ロアス」と読みます。日本語では「広告費の回収率」などと訳されることが多いでしょう。ROASは広告費に対してどれだけの売上効果があったのかを表す指標です。 ROASの数値を計算することで広告が売上にどのくらい貢献しているのかを数字で可視化できます。
ROASの数値が高ければ高いほど広告費の売上貢献度が高いことを意味し、効果の高い広告に対して適正に広告費を配分するための参考指標になります。 しかし、売上から算出するROASの数値がどんなに高くても利益が少ない場合があります。そのため、記事最後で紹介するROIやCPAなどの指標と合わせて活用することが重要です。
ROASの計算方法
ROASの計算方法についてご紹介いたします。ROASを求める計算式はこちらです。
広告からの売上 ÷ 広告費 × 100( % )
この計算式の結果から、広告費に対する売上比率がわかります。また、ROASでは、100 % を基準にしてどのくらいの広告費を回収できたかを確認できるだけでなく、1円単位での効果も確認できます。
では、実際に2社の例題からROASを計算してみましょう。 例えば、A社で80万円の広告費用で300万円の売上があった場合、計算式はこのようになります。
300 ÷ 80 × 100 = 375 %
この結果から、A社のROASは375%となり、広告費1円あたり3.75円の効果があることがわかります。
B社の例を見てみましょう。150万円の広告費用で60万円の売上があった場合の計算式は以下の通りです。
60 ÷ 150 × 100 = 40 %
この結果から、B社のROASは40 %となり、広告費1円あたり0.4円の売上効果があることがわかります。
コンバージョンとする指標の定め方、コンバージョン最適化のポイントをまとめた資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。
ROASを改善するポイント
ROASの計算方法がわかったところで、広告運用するにあたりROASを改善するポイントを大きく4つにわけてご紹介いたします。
CVRを高める
ROASの数値を改善する1つ目のポイントは、CVRを高めることです。CVRとは、「Conversion Rate」の略称で、コンバージョン率と紹介されることもあります。Web広告では、費用をかけてWebサイトやバナーなどを制作し、ユーザーをWebサイトへ誘導しますが、ユーザーがWebサイトを訪問するだけでは売上は上がりません。
そこで、Webサイトを訪れたユーザーにいかに購入につながるアクションを行ってもらうのかを意識したマーケティング施策(CVR向上施策)を実施し、売上を拡大、ROASの数値の改善を行います。具体的にはランディングページ・エントリーフォームの最適化などが挙げられます。
リピート率を上げる
ROASの数値を改善する2つ目のポイントはリピート率を上げることです。過去に購入履歴がある顧客に継続して商品・サービスを購入してもらうと、少ない広告費での売上拡大が見込め、ROASの数値を高めることができます。リピート率を高めるためには、ユーザーの購買データの分析を行いユーザーごとに最適なコミュニケーション(メルマガなど)を取ったり、リピートを促せる仕組み(ポイント施策やセール、キャンペーンなど)を提供したりすることが挙げられます。
Web広告のターゲットを明確にする
ROASの数値を改善する3つ目のポイントは、広告ターゲットを明確にすることです。Web広告を運用する場合は、購買意識の高い顧客に対し、ニーズに合った商品やサービスのWeb広告を適切なタイミングで表示させることが重要です。 Web広告でのターゲティングを明確に行うことで、顧客に合わせた広告を発信できます。
さらに、費用も最適に配分することで、顧客に対して最適なプロモーションを打つことができます。顧客に合わせたWeb広告を配信することで、ROASの数値を高めることができます。
Web広告の効果検証を行う
ROASの数値を改善する4つ目のポイントは、Web広告の効果検証を行うことです。ROASの数値を改善するためには、継続的に広告効果を検証していくことが重要です。検証を重ねていくことで、Web広告がどのような効果をもたらしているかを数字で確認できるようになり、費用対効果の高いWeb広告の取捨選択が可能になります。その結果、広告費用を適切に配分し、売上を上げ、ROASの数値を高めることができます。
ROASとROIの違い
ROASと関連した2つの指標、ROIとCPAはマーケティングにおいて、似たような場面で利用され、その違いがあやふやになりやすい部分があります。それぞれの違いと活用方法をご紹介します。
ROASとROIの違い
まず、ROIについてです。ROIは「Return On Investment」の略称で、日本語では「投資収益率」もしくは「投資利益率」と訳されます。投資費用をかけたものに対してどれだけの効果や利益があるのかを表した「費用対効果」がわかる指標です。
ROASとROIはどちらもかかった費用に対する効果・回収率を表しますが、その効果の対象に違いがあります。ROASでの効果は、かかった費用に対してどれだけ売上を上げられたのかを表しますが、ROIでの効果は、かかった費用に対してどれだけの利益を得られたのかを表します。
ROASとROIはそれぞれの指標の用いられ方にも違いがあります。ROASは広告に関する費用に限定して用いられます。それに対し、ROIは、広告などの営業活動やシステム・研究開発などへの投資をはじめ、企業の買収や出資(M&A)など広い場面での費用に対しても用いられます。
ROASとROIは両方を計算することでわかることもあります。例えば、ROASの数値が100%より高いと売上に貢献しているように見えますが、ROIを計算すると数値が100%より低いこともあります。この場合、売上は上がっているものの実は利益がない広告施策だったことになります。 このように、ROASとROIどちらか片方の指標にだけ重きをおくよりも、両方の指標を正しく理解し活用することが重要です。
ROASとCPAの違い
続いて、ROASとCPAについてどのような違いがあるのかご紹介します。CPAは「Cost Per Acquisition」の略称で「シー・ピー・エイ」と読みます。日本語では「顧客獲得単価」と訳されることが多いでしょう。CPAは1件のコンバージョン(CV)を獲得するために、どのくらいの費用がかかったかを表す指標です。
ROASとCPAはどちらも広告運用に対する指標ですが、ROASはかかった広告費に対して得た売上を算出し、CPAはコンバージョンに対してどれだけの費用がかかったかを表します。
これらの指標を用いる場面、適しているサイトにも違いがあります。 例えば、ROASでは、さまざまな商品やサービスを異なる価格帯で販売しており、その活動がオンライン上で完結するサイトに適しています。しかし、CPAは、販売する商品の種類や価格が一定で販売されていて購買活動がオンライン以外でも行われ、会員登録などの売上測定が測定できないサイトに適しています。これらの特徴から、事業やサイトに合わせて活用することが重要です。
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ROASの数値の確認は広告の費用対効果の検証に重要
今回は、ROASについて紹介しました。ROASの数値を算出することで、広告の費用対効果を可視化することができます。費用対効果を数値で算出し、継続的にモニタリングすることで、広告を経由した売上拡大を効率的に進めることができます。
しかし、広告の費用対効果は売上のみで判断するのではなく、上記で紹介したROI・CPAもあわせて確認することが重要なので、複数の指標を参考にしながら効率的な広告運用を行うようにしてください。
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