【図解あり】コンバージョン率(CVR)とは?計算式や平均値、改善のポイントを解説

マーケティングノウハウ

深田 浩嗣

イメージ:コンバージョン率(CVR)とは?計算式や平均値、改善のポイントや注意点を解説

CVRはConversion Rateの略で、全体のうちどれくらいがコンバージョンに到達したかの割合を表す指標です。計算式はとてもシンプルですが、何を分母とするかは注意が必要です。コンバージョン率(CVR)の意味や計算式、注意点、目標値の考え方、改善のポイントなどをご紹介します。

コンバージョン改善の基本知識をご存知ですか?すぐに役立つコンバージョンとする指標の定め方や改善施策の考え方をまとめた資料をご用意しました。

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コンバージョン率(CVR)とは

コンバージョン率(CVR)は「一定期間の訪問数のうち、どれくらいがコンバージョンに到達したかの割合」を表す指標です。

コンバージョン率の英語表記は「Conversion Rate」で、通常はアルファベット3文字で「CVR」と略されます。そのままカタカナで「コンバージョンレート」と表記されたり、「顧客転換率」と呼ばれたりする場合もあります。

コンバージョンの例

コンバージョンとは「サイトを訪れた人が、サイトの運営者が目的とするアクションを取ること」つまり「訪問者が見込み顧客に転換(Conversion)した」ということを意味します。

例えばECサイトであれば購入件数、申し込みサイトであれば申し込み件数などがコンバージョンの代表的な指標です。CVRが高いということは、そのWebサイトの商品の購入率が高い、申し込み率が高いということを表します。

コンバージョンについては、以下の記事で詳しく解説しています。

コンバージョン率(CVR)の計算式

CVRの計算式はとてもシンプルです。コンバージョン数を一定期間のセッション数で割り、100を掛けることでCVRを求められます。式で表すと以下のようになり、Webサイトのパフォーマンスを測定する指標として広く用いられています。

CVRの計算式(Webサイト)
CVR = コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100

例えば、100回の訪問があったうち3回コンバージョンが発生したのであれば、コンバージョン率は3%となります。200回の訪問で3回コンバージョンが発生したのなら、コンバージョン率は1.5%です。

100セッションで3回のコンバージョンがあった場合のCVRは3%

このようにCVRの計算式はとてもシンプルですが、何を分母にするかは場合により異なります。さまざまなケースでCVRを改善するポイントを35ページにまとめた資料をご用意していますので、ぜひお手元にダウンロードしてご活用ください。

コンバージョン率改善の基本

Web広告のコンバージョン率(CVR)の計算式

Webサイトだけでなく、リスティング広告やディスプレイ広告などのWeb広告でも、CVRは重要な指標です。広告のCVRを計算する場合は「広告経由でWebサイトを訪れたうち、どれくらいがコンバージョンに至ったか」を知りたいわけですから、「クリック数」が分母になります。

CVRの計算式(広告)
CVR = コンバージョン数 ÷ 広告のクリック数 × 100

こう聞くと複雑そうに見えますが、CVRは「全体のうちどれくらいが目的を達成したかの割合」であることを押さえておけば、難しくはありません。

広告の場合は、訪問数ではなく「広告をクリックした人」が分母になる

コンバージョン率(CVR)計算時の注意点:分母は何か?

CVRを計算する際は、いくつか注意点があります。「コンバージョンが発生した件数を母数で割る」という考え方は変わりませんが、母数の条件が変わってくることがあるからです。

セッション数の定義を確認する

まず、分母となるのはセッション数で、ページビュー(PV)数ではありません。仮に1回の訪問で10ページ閲覧してコンバージョンしたとしても、分母となるセッション数は「1」です。

また、セッションは計測方法も影響します。例えばGoogleアナリティクスでは1セッションにつき30分が計測期間の標準です。したがって、30分間ユーザーの操作がないと「セッションが切れた」という扱いになります。つまり1人の訪問者が30分離席して、席に戻ってからコンバージョンにつながるアクションをした場合、分母のセッション数は2となりますので、CVRは100%ではなく50%となります。

GA4では分母がセッション数ではなくユーザー数になる

新しいバージョンであるGoogleアナリティクス 4(GA4)では、セッションではなく「ユーザー軸」での分析が前提になるといわれています。その場合、CVRの計算式も分母がセッション数ではなくユーザー数になることでしょう。同じ「CVR」でも、何を分母にするかで結果が変わってくるので注意が必要です。

コンバージョン率(CVR)の目標値はどう決める? 平均値や目安について

Webマーケティング担当者の頭を悩ませるのが、目標とするCVRの設定です。CVRは何をコンバージョンと設定するかにより変わってきますが、目標CVRを決めるには大きく2つの考え方があります。

自社の目標数値からCVRの目標値を計算する

WebサイトのCVR目標を決めるなら、自社サイトが目標とする数値から必要なCVRを割り出して計算する方法がおすすめです。

例えば、訪問数が1,000のサイトで20件のコンバージョンが必要であれば、目標のCVRは2%です。あとは、そのCVRをクリアできるように改善をしながらサイト運営をしていきましょう。

「これ以上はCVRを上げられない」となった場合は、20件のコンバージョンを得るために訪問者のほうを増やす必要が出てくるわけです。

必要なコンバージョン数やCVRを計算するためには、KPIツリーを作成するのがおすすめです。KPIツリーについては、業界別の例も含めて以下の記事で詳しく解説しています。

調査データからCVRの平均値を参考にする

目標を決めるもう1つの考え方は、CVRの平均値をベンチマークとして参考にすることです。しかしこれまで解説してきたとおり、CVRは計算に使う数値の定義やWebサイトによって大きく変動するものなので、おすすめはできません。目安や平均値を見るときは、そのまま自社に適用するものではないという前提を忘れずに、あくまで参考値として捉えることを忘れないでください。

米国のContentsquareが2021年に調査したデータによると、すべての業界の平均は1.82%となっています。デバイス別のCVRでは、デスクトップやタブレットが2%を超えているのに対して、モバイルでのCVRは1.5%と低めです。Contentsquareは「モバイルの体験向上に引き続き投資する必要がある」と述べています。

デバイス平均CVR
デスクトップ 2.3%
モバイル 1.5%
タブレット 2.6%

同調査における業界別の平均CVRなどについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

コンバージョン率(CVR)を改善する5つのポイントと考え方

CVRの改善はWebサイトの成果に直結します。CVRを改善する際の代表的な方法は、次の5つです。

訪問したにもかかわらずコンバージョンせずに離脱したユーザーは、何かしらのフリクション(引っかかり)を感じています。それらの離脱理由を1つひとつていねいに解消することで、ユーザーの満足度を上げ、長期的にコンバージョンを底上げすることが可能になります。

「集客して訪問を増やす」「CVRを改善する」はどちらか一方だけではなく、バランス良く取り組むことが理想です。多くの場合は広告やSEOなどの集客施策ばかりに目が行きがちですが、CVRの改善も同じくらいに重要な要素であることを押さえておきましょう。

コンバージョン率の改善方法については、以下の記事でより詳しく解説しています。

コンバージョン率(CVR)改善のサイクルを作る

CVRの目安を調べようとすると、先ほどご紹介した平均値のようにさまざまな数値が見つかるでしょう。しかし、ここまで解説したようにCVRに絶対的な基準はなく、業種や事業規模、あるいは定義の仕方によってCVRの数値は大きく異なります。他社の数字と比べて悩むよりも、自社なりの基準をしっかりと定めて期間ごとの推移を計測し、CVRが低い要因を考えたり、それを改善するための仮説を立てたりして自社なりの改善サイクルを回していくことが重要です。

実際にCVRを計測して運用すると、外的な要因でアクセス数やCVRが大きく変動することがあります。例えば、ECサイトは通常時とセール時で、季節商品では時期によっても数値が変化します。特に2020年は新型コロナウイルスの影響で既存の年度とは大きく環境が異なっており、前年比の数字があてにならないというケースも少なくないでしょう。

Webサイト担当者はCVRの数値に一喜一憂せず、外的要因の存在を見極めて状況に応じたCVR改善施策を実施していくことが大切です。

Sprocketでは、消費者1,000人を対象としたアンケート調査の結果から、Webサイトの顧客体験を向上するオンライン接客についてまとめた資料を公開しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。

オンライン接客で売り上げを上げる3つの方法

Web接客でコンバージョン率(CVR)の改善サイクルを回そう

CVR改善施策に取り組む際は、時期や年度による不確定要素を取り除くためにA/Bテストを実施するのが有効です。CVR改善は一度やったら終わりではありません。何がユーザーのコンバージョン到達までの障害になっているのか仮説を立て、施策を実施して効果を検証するサイクルを回していく必要があります。

WebサイトのCVR改善にはWeb接客も有効

Sprocket(スプロケット)は、WebサイトのCVR改善に特化したCRO(コンバージョン最適化)プラットフォームです。ユーザーの行動データをリアルタイムに分析し、最適なタイミングを見計らってポップアップによる「声かけ」を行うことで、ユーザーの課題解決や離脱防止を実現します。

Sprocketは累計5万回を超えるA/Bテストの実績から、業界を問わずあらゆるWebサイトでのCVR改善メソッドを豊富に蓄積しています。システム上改修がしづらいWebサイトでも、大がかりなサイト回収を行うことなく素早く仮説と検証のサイクルを回すことが可能です。

「CVR改善に取り組みたいが、何から始めればいいのかわからない」「社内に知見やリソースがない」という場合でも、導入直後から担当コンサルタントが精度の高いCVR改善施策をご提案します。詳しくは「Sprocketが選ばれる理由」や「導入事例」のページをご覧ください。

CVRの改善は、長期的なWebサイトの成果向上を期待できます。CVR改善に課題をお持ちの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

Q&A

コンバージョン率(CVR)とは何?

コンバージョン率(CVR)は「一定期間の訪問数のうち、どれくらいがコンバージョンに到達したかの割合」を表す指標です。英語の「Conversion Rate」から3文字を取り「CVR」と表されます。

コンバージョン率(CVR)の計算式は?

CVRの計算式は「CVR = コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100」です。広告とその他で扱う数字が異なる場合もありますが、「コンバージョン数を母数で割る」という考え方は同じです。

コンバージョン率(CVR)の平均は?

2021年のContentsquare調査によると、すべての業界の平均CVRは1.82%です。ただし、業種やサイトの種類によっても数値は大きく異なるため、あくまで参考として捉えてください。自社の売り上げなどの目標とセッション数から、必要なCVRを計算するのも有効です。

コンバージョン率(CVR)を改善するには?

大きくは「コンバージョンの定義や設定を見直す」「コンテンツの内容やCTAを見直す」「ランディングページを見直す」「サイト構造を見直す」「セグメントを見直す」という5つのアプローチがあります。コンバージョンに至らず離脱したユーザーの離脱理由を1つひとつていねいに解消していくことが重要です。

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