ロイヤリティを醸成し売上を向上する SNSマーケティングで顧客の心を掴む方法
SNSを通して情報発信やユーザーとのコミュニケーションを行うSNSマーケティング。この資料では、SNSマーケティングの概要やSNS別の具体的な手法のポイント、指標について解説します。
ファンマーケティングは、商品やブランドに愛着を持つ「ファン」との交流を深めて、LTVの増大や新規顧客獲得を狙うマーケティング施策です。メリットや注意点、ファンを見つける方法や主なファンマーケティング施策、成功事例を紹介します。
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ファンマーケティングとは、企業やその製品、ブランドに対して好意を持っているファンを増やし、中長期的な目線での売上の増加や固定客による安定的な購買などを狙いとするマーケティングの手法です。具体的な方策としては、以下のようなものが挙げられます。
従来はテレビCMや雑誌広告などマスメディアを利用したマーケティングが一般的でしたが、インターネットの普及によってWebマーケティングが発達し、SNSを利用した口コミや双方向的なやり取りによる、意図的な「ファン」の育成が可能になりました。
ファンはその製品や企業に対して愛着を持っており、ブランドスイッチが起きにくく製品への口コミをSNSのなどに投稿しやすいという特徴があります。ファンを育成することで購買層の維持だけでなく、新規ユーザーの獲得や製品へのフィードバックなど、様々なメリットを得られるでしょう。
ファンと似た用語に「リピーター」があります。どちらも「再来店、再購入をしてくれる」という部分は同じように見えますが、「その商品や企業に愛着を持っているかどうか」という点において差があります。リピーターは単に「再来店や再購入をする顧客」で、愛着を持っているかどうかは問われません。
「家から一番近い店だから、いつもここで買い物をする」「類似商品の中で、一番安い商品だからこれを購入している」といったように、愛着ではなく時間的、金銭的な理由などでリピーターとなっている場合も多くあります。この場合、家の近くに別の店ができたりすればそちらを利用するでしょうし、より安い商品が並ぶようになるとそちらへ乗り換えられてしまうでしょう。
しかしファンは「企業や商品自体に愛着を持って」いるため、近くの店での取り扱いがなくなっても、ネットショップ経由などで同じ商品を購入してくれる可能性が高いでしょう。
ファンと、似た用語である「ロイヤルカスタマー」との差は、その熱量にあります。ロイヤルカスタマーも企業や商品に愛着を持ち、積極的に支持してくれる層ですが、熱心さはファンほどではありません。
どちらも繰り返し商品を購入し、簡単には他者に乗り換えないという部分は同じです。しかし商品についてのコミュニティをつくったり、積極的に口コミをSNSへ投稿したりという愛着度においてはファンの方が上回っているでしょう。
ファンマーケティングが重要視されているのは、既存顧客の維持が従来より重要になり、SNSが普及してテレビCMや雑誌広告などのマス広告の影響力が減ってきたからです。ファンマーケティングが今、そしてこれから大切になる理由を以下で解説します。
現在の日本は少子化が進み、2011年以降は一貫して人口が減っています。人口が増えているときは市場の規模が大きく、「既存顧客が離れる分、新規顧客を開拓すればいい」という戦略でも十分に売上を伸ばせました。
しかし今は日本市場全体が縮小してきており、ターゲットとなる顧客数も減ってきています。既存顧客の減少分を新規顧客で穴埋めするのが困難になっており、既存顧客の維持が売上の維持において重要になっています。
マス広告の影響力が低下し、多くの消費者に一度に商品やサービスについての情報を届けることが難しくなったという背景もあります。テレビの視聴時間や雑誌の発行部数は年々減っており、それに伴ってマスコミに使われる広告費も減りました。
『2021年 日本の広告費』によると、2021年にはインターネット広告費がテレビや新聞などマスコミ4媒体の広告費を上回るまでになっています。従来のようなマス広告中心のマーケティング施策ではなく、顧客に情報が届きやすいよう複数の経路で情報発信を行う必要があるのです。
スマートフォンの普及によって多くの人がSNSを使うようになり、SNSで商品の口コミや評判を調べてから購入する消費者も多くなりました。ファンはその情熱からよい口コミを投稿することが多く、ファンを大切にし、増やすことでブランドの知名度や好感度を上げられます。
企業が発信する情報もSNS経由で消費者に届くことが多くなり、SNSを通じてファンを育成することで潜在顧客の掘り起こしも狙えるでしょう。
LTVとは「顧客生涯価値」(Life Time Value)のことで、「1人の顧客が生涯のうちにもたらす利益」を指します。新規顧客の獲得が困難になっている今は「1人の顧客に、長い間自社商品をより多く購入してもらう」ことでLTVを高める必要があります。
このとき特に重要なのが「上位20%の顧客の囲い込み」です。「パレートの法則」では、上位20%の顧客が80%の売上をもたらしていると考えられているからです。
実際にカゴメは「上位2.5%の顧客が売上の30〜40%を占めている」ことを突き止め、ファンコミュニティを作りコア層の顧客離れを防ぐ施策を打ち出しました。
SNSマーケティングは、過去の成功事例や戦略のポイントを把握することで、成果を上げる可能性が高くなります。SNS別の具体的な手法のポイントと指標をまとめた、今すぐ役立つ資料をご用意しました。そちらもご参照ください。
ファンマーケティングには「売上の安定化」「新規顧客の獲得」「フィードバックの獲得」というメリットがあります。有効にファンマーケティングを活用できるよう、それぞれについて理解しておきましょう。
ファンはその商品やサービスに対して愛着を持っており、長期に亘って売上に貢献してくれる傾向にあります。またファンは一般顧客よりも多くの商品を購入してくれることが多く、ファンを維持することで安定した売上を維持できます。
とりわけ成熟した市場において、ファンによる売上の安定は重要です。成熟市場においては競合同士でほぼ商品やサービスの内容・機能に違いはなく、価格で差別化をする必要に迫られます。
当然ですが、価格を下げると利益の減少につながります。しかし「商品・サービスそのもの」に価値を見出しているファンは、価格で差別化を行わずとも購入を続けてくれるでしょう。
新しく商品やサービスを購入する前に、SNSや口コミサイトなどを使って他のユーザーの感想を参考にする人が増えています。消費者目線のリアルな感想を確認することで、より自分にあった商品を失敗なく手に入れようと考えているのです。
ファンの数が多いと口コミの数も増え、新しい顧客を呼び込む確率が高まります。新規の顧客を獲得するには既存顧客の維持の5倍コストがかかるとされています。ファンの口コミを利用することで、新規獲得コストのうち広告費や信頼関係の構築などのコストを節約できるでしょう。
ファンは積極的に製品やサービスを利用しており、ファンの声を聞くことで消費者としての正直な感想が得られます。商品の使用感をSNSで募ったり、ファンミーティングなどを行ったりすることで、企業側が気づいていなかった改善点や、ユーザーが求めている商品像などが得られるでしょう。
製品のフィードバック調査にかかる費用も節約できますし、ファンを巻き込んだ施策を打つことで、ファンコミュニティの盛り上がりや購買意欲を刺激する効果も期待できます。
ファンマーケティングはすぐに成果が出るものではありません。また、炎上リスクも伴います。ファンマーケティングを行うにあたって、注意すべき点について知っておきましょう。
ファンの育成には「愛着」と「信頼関係」の醸成が必要です。どちらも時間がかかり、すぐにファンを増やすことは難しいでしょう。素晴らしい商品などに感動してファンになってくれる場合もありますが、そのようなケースは稀です。
企業のブランドコンセプトや商品開発への取り組みなどを知っていく中で、徐々に企業やその発信者に対して好感を抱くようになり、ファンが育成されていきます。じっくりと顧客との関係性を深める時間が必要です。長い目でSNSやコミュニティを運用するようにしましょう。
新しいファンを増やすためには、ファンコミュニティの風通しを良くして開放的な雰囲気にすることが大切です。内輪だけのルールやヒエラルキーのあるファンコミュニティでは、新しくファンになった人が「このコミュニティは面倒そう」と感じて、せっかくの情熱が冷めてしまいかねません。
排他的なファン層や発言力の強いファンなどが出てこないように、最初からルールを定めておくことや、新旧のファンのコミュニケーションができるような仕組みなどを作ることが大切です。
SNSでは短い文字数や写真で情報を伝えるため、意図せず炎上が起こってしまうこともあります。ファンマーケティングを行うには、ファンの共感を呼ぶ仕掛けも必要です。単に情報の発信だけでなく、企業の「中の人」による、やや個人的な意見やくだけた投稿も必要でしょう。
しかし、ファンとの距離が近くなりすぎた態度や、プライベートすぎる発信内容などは、炎上リスクも高くなります。炎上させないようなポリシーを定めておくだけでなく、炎上した際の誠実な対応も重要となるでしょう。
ファンマーケティングを始めるには、まず自社の商品やサービスのファンを発見しなくてはなりません。ファンをどのように見つけるべきか、2つの方法を紹介します。
1つ目の方法は「上位顧客をファンと定義する方法」です。すでにある顧客リストの中から、購入回数や購入金額などが多い人をファンと定義します。この場合はすでにあるものを使うだけであり、比較的時間がかからず簡単にファンを見つけられます。
ただし、この場合本当にファンでなくとも購入回数や金額が多いとファンと定義されてしまい、必ずしも熱量の高いファンのみが抽出されるわけではありません。
2つ目の方法はSNSなどの投稿を分析し、自社のファンを探す方法です。SNSをエゴサーチし、自社の製品やブランドについて頻繁に投稿している人や「好き」と投稿している人を探すとよいでしょう。
SNS上ではファンと簡単につながりを持てますが、エンゲージメントを維持するには、毎日の投稿チェックや「いいね」などのリアクションが欠かせない点に注意が必要です。
ファンマーケティングの施策を展開する上で重要となる「Z世代」を中心とした世代別マーケティングのポイントをわかりやすく解説した資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。
ファンマーケティングの代表的な手法について解説します。自社の顧客層やブランドイメージに合わせた施策を組み合わせてファンを増やしましょう。
企業の「中の人」とファンを直接つなぐ「ファンミーティング」は、ファンの感想やフィードバックを得るよい機会です。普段は直接会えないからこそ、ファンにとっても特別な機会となり、愛着を深めるきっかけとなります。
ファンコミュニティを作ることで、商品への理解度や利用方法をファン同士で深め合う場を提供することが可能です。ファン同士の交流により商品についての愛着が深まるだけでなく、商品やサービスの活用方法が増えて販売機会が増える効果が期待できます。
SNSで地道にユーザーと交流することも、ファンの増加につながります。企業の情報発信だけでなく、ユーザーからの疑問に答えたり、くすりと笑えるようなユーモアのある投稿をすることで「フォローして投稿をチェックしたい」と思うようなアカウントにするのがコツです。
月額利用料を払い、サービスを提供するサブスクリプション形式のビジネスは、ファンの囲い込みに役立ちます。ただし、サブスクリプションを継続してもらうには、ファンの熱量を維持できる魅力的なコンテンツやイベントが必要になります。
ライブ配信は、その場で視聴者の疑問に答えたり、反応に合わせた対応が可能です。撮影済み動画の配信とは違う柔軟な対応ができ、よりユーザーと密なコミュニケーションができるでしょう。
有名人やインフルエンサーなどを起用したイベントにすることで、新たなファン層の獲得も狙えます。
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多数の人から資金調達をする方法です。商品やサービスについてユーザーの反応を見ながら資金の調達ができる点が特徴です。
支援者となった人はそのままファンとなることが多く、最初からファンのいる状態で新プロジェクトや起業などを始められます。
商品サンプルの送付やサービスの初期モニターを依頼することで、商品・サービスに対する理解を深めてファン化を狙います。商品・サービスに対してのフィードバックを得るだけでなく、いち早く商品・サービスを利用した感想をSNSへ投稿してもらえば、商品の認知度を高める効果も期待できます。
上記に限らず「ファンを育成する取り組み」すべてがファンマーケティングにつながります。例えば店舗での柔軟な対応や丁寧な接客なども、ファンを作る大切なきっかけです。接客マニュアルやブランドイメージを反映した店舗づくりなども、広い意味でファンマーケティングといえるでしょう。
ファンマーケティングにおいて、自社に合わせた施策や手段を講じることは大切です。成功事例を参考に、自社に適したマーケティング方法を検討してみましょう。
「よなよなエール」などのクラフトビールで有名な株式会社ヤッホーブルーイングは、市場の約99%を大手ビールメーカーが占める中、ファンを味方につけ業績を伸ばすことに成功しました。
他社との差別化を徹底的に行い、ターゲットを絞り込んだ商品開発をすることで逆に「コアファンに刺さる」商品を売り出しています。そして、ファンの特性に合わせた交流イベントやSNSでの顧客参加型イベント、サブスクリプションを行うことで愛着を高めつつユーザーデータの収集もしています。
当初「ヒットする要素が見当たらない」とされ、制作資金の調達ができなかった映画『この世界の片隅に』は、クラウドファンディングによって約3,900万円を調達することに成功しました。
さらにクラウドファンディングで獲得したファンによる口コミがきっかけとなり、映画は興行収入27億円を突破するヒットを記録。
クラウドファンディングを活用するにあたって、監督の片渕須直氏は毎週こまめに制作の進捗状況を報告することで支援者を巻き込み、「映画のDVD」や「前売り券」など、できるかどうかわからない商品をリターンとしない誠実さで熱い支持を得ました。
株式会社カインズは、DIY好きのためのコミュニティ「CAINZ DIY Square」をつくることでユーザー同士の交流の場を設けることと、店舗への来店動機を高めることに成功しました。
コミュニティでは「DIYキャプテン」と呼ばれるカインズスタッフへの質問ができたり、自分のDIY作品をユーザー同士で紹介しあうだけでなく、ワークショップ講座への導線も張られています。オンライン・オフライン双方を活性化できる仕組みになっており、非常に強いファンが生まれる土台となっています。
ロイヤリティを醸成し売上を向上する SNSマーケティングで顧客の心を掴む方法
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