顧客育成の基本と成功のポイント リピーターを獲得しLTVを最大化する方法
マーケティングにおいて既存顧客の育成は重要なテーマです。すでに購入経験のある顧客は自社の商品やサービスに興味があり、コミュニケーションしやすく、効率的に売り上げ向上へとつなげやすいからです。この資料では、顧客育成に関わる重要キーワードと具体的な手法について解説します。
ファンコミュニティとは、企業のブランドや商品・サービスに関心を持つ人を集め、ファン同士またはファンと企業が交流するコミュニティのことです。この記事ではファンコミュニティとSNSマーケティングの違い、企業が導入するメリット、注意点、成功事例を解説します。
リピーター獲得や顧客育成のポイントをご存知ですか?顧客育成に関わる重要キーワードと具体的な手法についてまとめた、今すぐ役立つ資料をご用意しました。
ファンコミュニティとは、企業のブランドや商品などに関するファンの集まりのことで、主にオンライン上でファンによって形成されるコミュニティを指します。主なコンテンツとしては、掲示板やQ&Aといったファンによるコメント投稿、企業からの情報発信、ゲームなどのお楽しみコーナーなどが見られます。
コメント投稿や「いいね」などのアクション、イベント参加など、ファンコミュニティ内の活動が計測され、活動に応じてポイントが付与されるサービスも一般的です。ファンコミュニティは、ファン同士あるいは企業とファンとの交流の場であり、率直な感想や熱心な意見が飛び交う情報源でもあります。
企業側がファンコミュニティを運営し、そこで得られる情報をマーケティングに活用するコミュニティマーケティングも広く行われるようになりました。ファンコミュニティ自体は、インターネットが普及する以前からあるオーソドックスな手法です。
コロナ禍で対面のコミュニケーションが制限されるなか、オンラインのファンコミュニティがユーザーとの接点を作り出す場として再度注目を集めています。
ユーザーとの交流の場として、SNSを活用している企業も多いでしょう。ファンコミュニティとSNSマーケティングにはどのような違いがあるのでしょうか。SNSの特徴はその拡散力です。
さまざまな層が利用しているため、SNSマーケティングによる投稿がバズれば多くの人の目に留まるチャンスがあります。認知拡大やブランディングに力を発揮するでしょう。反面、SNSにおける企業からの発信は一方向的な情報になりがちです。
ユーザーと企業が継続的に関わりをもったり、企業や商品と深い関係を構築したりといった「ファン化」に結びつくのは容易ではありません。一方、ファンコミュニティはその名の通り「企業や商品に関心をもつ層」が集まったものです。
企業がユーザーと双方向的に継続して交流し、関係を深めてコアなファンを育てていく下地として期待できます。コメント投稿とアクション以外にも、さまざまなコンテンツでSNSよりも多彩な楽しみ方を用意できるのもファンコミュニティの強みです。
また、参加者のコミュニティ内での活動を追跡し、熱心なファンへと育っていくきっかけや経過を分析することもできます。コミュニケーションツールとしてだけでなく、ファン化を促す施策に活用できるでしょう。
マーケティングにおいて既存顧客の育成は重要なテーマです。新規顧客をロイヤルカスタマーに育てる方法についてまとめた、保存版の資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。
ファンコミュニティの導入によって得られるメリットを、4つの観点で見てみましょう。
ファンコミュニティは、顧客ロイヤルティを醸成し、LTVを高めることにつながります。ファンコミュニティは、程度の差はあれ同じ対象に関心をもつ人が集まる場です。共感できるコメントを目にする、共通の話題で盛り上がるなど、参加者が連帯感を持つ機会を多く提供できます。
ファンコミュニティを通じて他のファンと関わることで、企業・ブランドへの愛着を深めることができるでしょう。メンバー限定の特典や、コミュニティサイトでのアクションに応じてポイントを付与する仕組みなども、ファンに「自分は企業に優遇されている」という特別感を抱かせることができます。
ファン活動のモチベーションのさらなる上昇が見込めます。企業・ブランドへの愛着心を強く持ってくれたファンは、契約を長期継続したり新商品の購入に積極的だったりと、購買行動も活発になることが期待できます。
LTV向上という観点からも、ファンコミュニティを導入してファンを育てることにはメリットがあるのです。
ファンコミュニティを運営することは、既存のファンとの関係を深めるだけでなく、新規顧客獲得にも効果があります。まず、熱心なファンはしばしば、自らSNSや口コミを通じて商品やブランドについて発信してくれます。
したがって、ファンを増やすほど、潜在顧客や見込み顧客にアプローチするチャネルが増えることになるのです。ファンコミュニティによってコアなファンを育てることで、多額の宣伝費をかけなくても継続的に認知拡大が期待できます。
また、ファンコミュニティをオープンにすることで、見込み顧客に向けても効果的な情報発信ができます。というのも、購入を検討している段階の消費者にとって、自分と同じ立場の一般ユーザーの意見は、判断の重要な要素となるからです。
実際に商品を使っている人のレビューや商品の使い方など、リアルな声を見てもらうことで、購入を後押しできるでしょう。ファンコミュニティは、ユーザーが自発的に発信するUGCの宝庫でもあるのです。
ファンコミュニティは、ユーザーの声を把握する有力な手段という点も見逃せません。商品・サービスに関する感想や改善要望などについて、調査を外部リサーチ会社に依頼した場合、委託費用がかかることはもちろん、結果が出るまでにやり取りに時間を要するでしょう。
一方、ファンコミュニティを活用すれば、自社商品・サービスのユーザーに対して直接リサーチが可能です。商品レビューの集計・分析やアンケート調査だけでなく、テーマに沿ったディスカッションやテストモニターなど、さまざまな切り口で情報を得ることができます。
コミュニティ内での参加者同士のやり取りをモニターするほか、オフラインでの座談会やイベントを積極的に設け、ユーザーの率直な意見を吸い上げることに力を入れている企業も多く見られます。商品開発やサービス運営の重要なヒントとなるでしょう。
情報共有が活発なファンコミュニティは、カスタマーサポートの工数削減にも役立ちます。利用歴が長く熱心なファンは、他のユーザーの疑問や悩みの相談に応じる姿がしばしば見られます。
商品・サービスに関する疑問について、ファンコミュニティ内でユーザー同士による問題解決に至るケースが多いほど、カスタマーサポートの負担が軽減できるでしょう。Q&Aやその経緯が他のユーザーも参照できる形で残ることで、同じ内容の問い合わせに何度も対応する手間も抑えられます。
例えば、数多くのユーザーを抱えるGoogleは、GoogleアカウントやGmail、YouTubeなどのサービスごとに、ユーザーが助け合う掲示板形式のヘルプコミュニティを設けています。各コミュニティには膨大な量の質問と解決策が蓄積されており、カスタマーサポートの工数が大幅に抑えられていることが窺えます。
ファンコミュニティにはさまざまなメリットが期待できますが、効果を上げるためにはいくつか注意したいポイントがあります。
ファンコミュニティの参加者は、商品・サービスのユーザーや参加を希望する人なら誰でもよいというわけではありません。参加者数が多いほうが盛り上がると考えがちですが、質のよいファンが集まらなくては、せっかくファンコミュニティを立ち上げても有意義な場にはならない恐れがあります。
冷やかしや嫌がらせ目的の参加者を排除するのはもちろん、商品・ブランドに思い入れがないユーザー、コミュニティ内でのアクションにつながらないユーザーも避けたいところです。
ファンコミュニティの立ち上げ時には、商品やブランドに対して熱意があり、貢献意欲をもって誠実にフィードバックを返してくれるファンを意識して集める必要があります。具体的には、複数種類の商品を継続的に購入してくれているユーザーなどが望ましいでしょう。
ファンコミュニティを構築しても、参加者の活動・交流が活発化して軌道に乗るまでには年単位で時間を要します。
新規ファンを惹きつけるようになるには、多くの魅力的なコンテンツが蓄積されコミュニティの存在が一般に知られるまで、地道に運用を続けなければなりません。ファンコミュニティの価値が直接的に目に見えないことで、社内で理解を得られにくい場合もあるでしょう。
かといって、利益目的と感じられるような宣伝色が強い企画をファンコミュニティに持ち込むと、参加者がしらけてしまう恐れがあります。すぐには効果が出ないことをふまえ、長期的に取り組む必要があります。
ファンコミュニティには、管理・運用を行うリソースが必要です。参加者の興味を引く情報発信、コミュニティ内の活動を活性化させるようなトピック提供やコメント投稿など、マーケティングとコミュニケーションのスキルが求められます。
またユーザー間のトラブルや不適切な内容の投稿など、コミュニティ内で問題が起こったときには速やかに収拾する必要があります。できれば担当者は専任で置くことが望ましいでしょう。
こうしたコミュニティの管理運営を行う仕事は、コミュニティマネージャーという新しい職種として近年注目が高まっています。
見込み顧客を商品・サービスを購入してくれる状態まで育成する、リピート購入してくれる優良顧客になってもらうまでの一連の活動を「顧客育成」といいます。Webやアプリ上で顧客育成を行っていくためには、顧客体験の向上が欠かせません。消費者1,000人を対象としたアンケート調査の結果から、Webサイトの顧客体験を向上するオンライン接客手法についてまとめた資料を公開しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。
ファンコミュニティの運営で成果を出している企業の事例を紹介します。
格安スマホ・格安SIMを扱うmineoは、サービス開始の半年後にファンコミュニティサイト「マイネ王」を立ち上げました。登録メンバー数は累計78万人を超え、回線契約数の半数をゆうに超える計算です。
1日のコメント・回答数は連日2,000件を超えるなど、活発な活動が見られ、掲示板やQ&Aには日々数多くの質問・回答が寄せられています。さらに、先輩ユーザーが「サポートアンバサダー」として1対1の個別チャットで相談にのる仕組みもあります。
このようなファンコミュニティ上の活発なやり取りは、カスタマーサポートの負担軽減に役立っていると言えます。コメントへの応援やお礼にパケットをプレゼントできる「チップ」や、余ったパケットをプールして助け合う「フリータンク」といった、ファン同士のつながりを感じるユニークなコンテンツも同サービスの特徴です。
同社は複数の第三者調査で顧客満足度1位を獲得、解約率も低い水準を保っており、ファンコミュニティを通じたユーザーの満足度が事業の成果にもつながっています。
ネスレ日本では、家庭用コーヒーマシン「ネスカフェバリスタ」を職場などに無料レンタルし、コーヒーを定期購入してもらう「ネスカフェアンバサダー」制度を2012年に導入しました。企業との契約ではなく、窓口として個人をアンバサダーに任命し、職場でカフェコーナーの設置・管理や商品注文を担ってもらうシステムです。
アンバサダー専用のコミュニティサイトでは、カフェコーナーの工夫や商品のアイディアなど、活発な情報発信・交流が行われています。ネスレ側も、対面のミーティングやアンバサダーを招いてのパーティを全国各都市で開催するなど、接点を増やしてファンの声を吸い上げることに力を入れてきました。
アンバサダーの熱意ある活動によって、商品の認知やコーヒーを通じた良質な体験を職場で広めることに成功しています。さらに、口コミや紹介によるアンバサダー応募が増加しているといい、ファンがさらなるファンを呼ぶ仕組みが実現できているといえるでしょう。
エイジングケア化粧品などを展開するアテニアは、登録者数20万人超という化粧品業界としては大規模なファンコミュニティを運営しています。キャンペーン参加や商品レビューだけでなく、さまざまなテーマで同世代ならではの気軽なやり取りが行われ、本音が集まる場所として重要な役割を果たしています。
同社の分析によると、ファンコミュニティの導入後1~2年で顧客ロイヤルティとLTVを向上させる効果が確認でき、現在では商品開発やサービス検討に欠かせない存在となっているとのこと。
例えば新商品の展開にあたっては、ファンコミュニティで得られた、肌の悩みのうち優先すべき悩みを「選択することにストレスを感じる」という声が生かされました。美白とシワ改善を同時に叶える「私は選ばない」というメッセージを強く打ち出し、話題となったのです。
結果、基礎スキンケア全体の売り上げが前年比で26%増と、確かな成果につながっています。
ファンコミュニティで成果を出す企業も多く見られる一方、運営が思うようにいかないというケースも珍しくありません。ファンコミュニティを導入したものの、活動があまり盛り上がらず参加者が増えない、また成果を感じられないまま閉鎖してしまったというケースも見られます。
ファンコミュニティでの参加活動を活発にするにはどのような方法があるでしょうか。ここでは、Web接客ツールをコミュニティサイトに導入し、ユーザーに具体的なアクションを促すのに成功した事例を見てみましょう。
森永乳業では、乳製品のファンコミュニティサイト「Newの森」を運営し、乳製品への関心や商品理解を高めてもらう取り組みを行っています。しかし、サイトに訪問しても「コミュニティへの関わり方」や「コンテンツの楽しみ方」がわからなければ、すぐに離脱され再訪につながらないのではないか…という課題が挙がりました。
そこでWeb接客ツールSprocketを導入し、コメント投稿や「拍手」といった具体的なアクションをユーザーに促す仕組みを作りました。コミュニティサイトのキャラクターが話しかけるようなメッセージ表示で、アクションを起こすページへ誘導しつつ、親しみのあるコミュニケーションを取ることができます。
この施策によって、ユーザーのコミュニティ参加活動が184%に改善しました。
顧客育成の基本と成功のポイント リピーターを獲得しLTVを最大化する方法
マーケティングにおいて既存顧客の育成は重要なテーマです。すでに購入経験のある顧客は自社の商品やサービスに興味があり、コミュニケーションしやすく、効率的に売り上げ向上へとつなげやすいからです。この資料では、顧客育成に関わる重要キーワードと具体的な手法について解説します。
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