ロイヤリティを醸成し売上を向上する SNSマーケティングで顧客の心を掴む方法
SNSを通して情報発信やユーザーとのコミュニケーションを行うSNSマーケティング。この資料では、SNSマーケティングの概要やSNS別の具体的な手法のポイント、指標について解説します。
UGCとは、ユーザーによって作成されたコンテンツのことで、主にSNSやブログへの投稿、レビューなどを指します。この記事では企業のマーケティングにおけるUGCの活用について、メリットや注意点、具体的な流れ、成功事例を詳しく解説します。
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UGCとはUser Generated Contentの略で、一般のユーザーによって生み出されたコンテンツを表す言葉です。UGCの例としては、ブログ・SNSや動画サイトへの投稿、また口コミサイトやECサイトのレビュー投稿などが挙げられます。
企業が発信する商品情報や広告とは異なる、こうした一般ユーザーが発信する情報を、商品・サービスの購入にあたって参考にするという人も多いのではないでしょうか。
UGCと似た言葉にIGC(Influencer Generated Content)があります。インフルエンサー生成コンテンツと訳され、主に商品・サービスのプロモーションのためにインフルエンサーが発信するコンテンツのことです。
企業ではなく個人の発信という点はUGCと共通していますが、IGCはインフルエンサーの影響力を利用した広告という意味合いが強く、一般ユーザーが自発的に発信するUGCとは区別されます。
しばしばUGCと混同されるのがCGM(Consumer Generated Media)という用語です。CGMは、一般ユーザーの投稿で成り立つメディア(媒体)を指します。具体的には、「Yahoo!知恵袋」や「食べログ」といった投稿サイトのほか、TwitterやInstagramなどのSNSもCGMに含まれます。
UGCはユーザーが生成した情報そのものであるのに対し、CGMはUGCが生成・投稿される場所と捉えるとよいでしょう。
アライドアーキテクツの調査資料によると、インターネットで商品を購入する際にUGCをチェックする人は9割近くにのぼっています。また半数以上の回答者が、企業が発信する情報よりも「商品を購入した方から発信される情報」を重視すると答えました。
このように、消費者が商品・サービスを購入するにあたり、同じ消費者の立場から発信されるUGCはますます重要な要素になっており、マーケティングにおいてUGCの活用は欠かせません。さらに、企業がUGCに力を入れる背景には、次に挙げるような変化があります。
自社Webサイトへの訪問履歴をもとにユーザーを追跡して広告を表示する「リターゲティング広告」は、コンバージョンにつながりやすい施策として広く使われてきました。しかしサードパーティーCookieの廃止などCookie規制が強まるなか、今後はCookieを使用する仕組みのリターゲティング広告には頼れなくなるでしょう。
リターゲティング広告に代わり、コンバージョン獲得への有力なアプローチとしてもUGCは注目されています。
スマートフォンなどのデバイスを通して膨大な情報に触れる現代、少なくないユーザーが、押しつけ感のある広告に嫌悪感を抱いています。広告が表示されると、内容にかかわらず反射的に「閉じる」ボタンをクリックする人も多いのではないでしょうか。
このような企業から一方的に届けられる広告と比べて、同じ消費者の声であるUGCは、ユーザーに価値のある情報として受け入れられやすいでしょう。
SNSが普及し、企業がインフルエンサーに依頼して自社商品・サービスをPRしてもらう「インフルエンサーマーケティング」が広く行われるようになりました。その結果、いわゆる「企業案件」が頻繁に見られるようになり、インフルエンサーそのものに宣伝色を感じてしまうようになったユーザーは少なくないでしょう。
こうした中、より信頼できる情報としてUGCは重みを増していると考えられます。Creative Groupが行った美容・スキンケアの購買行動についての調査では、大多数の女性が口コミに強く影響されていることが示されています。特に、インフルエンサーの投稿よりも一般ユーザーによる情報のほうがより重視されていることがわかりました。
SNSはコミュニケーションツールだけでなく、情報収集ツールとしても重要な位置づけになりました。これは、検索エンジンでさまざまな媒体から情報を探すよりも、自分と関心や嗜好が似た一般ユーザーの声のほうが、信頼できる判断材料と見なされる場合があるということです。
SNSでの情報検索に使われるのが「#」に特定の文字列をつけた「ハッシュタグ」です。多くのSNSに備わるハッシュタグ機能を使った検索は「タグる」と呼ばれ、他ユーザーが発信するリアルな情報を探し、共通のキーワードを通じてつながることを可能にします。
さらに、近年ではInstagramの「発見タブ」が若い世代を中心に頻繁に使われるようになりました。発見タブはフォロー・フォロワー関係によらず、ユーザーに合ったおすすめの投稿が表示される機能で、発見タブを流し見して気に入ったコンテンツとの遭遇を楽しむ行動は「タブる」と呼ばれています。
発見タブに表示される投稿は、ユーザーの興味関心に合ったコンテンツ、または属性・趣味嗜好に共通点があるユーザーに表示されるよう、アルゴリズムによってある程度絞られています。このようにSNSを通じて触れる情報には、認知・関心・比較検討といった購買に至る前のプロセスが凝縮されており、購買に直結する可能性が期待できます。
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マーケティングにUGCを活用することで得られるメリットを、詳しく見ていきましょう。
UGCの大きな利点は、企業側のコンテンツ制作コストが抑えられることです。UGCは一般ユーザーが自発的に発信するものですから、広告費や制作費をかけて一からコンテンツを準備する必要はありません。SNSは時に爆発的な拡散力をもつため、うまく活用すれば高い費用対効果が見込めます。
実際に購入・利用した人による、現実味のある感想や評価は、ユーザーにとって高い説得力を持つ情報です。企業から一方的に示される広告などと比べて信憑性が高く、購入にもつながりやすくなります。
ときには「意外な使い方」や「アレンジレシピ」など、企業側が気づかなかった視点が見つかることもあります。
UGCはユーザーにとって親近感を覚えやすいコンテンツです。活用次第で、ユーザーとの距離感を縮めエンゲージメントの向上が期待できるでしょう。例えばSNSの企業アカウントで、ユーザーの投稿に対しシェアやコメントといったアクションをすることでコミュニケーションをとれます。
また、ハッシュタグはしばしば、同じキーワードに関心をもつユーザー同士のコミュニティとしても機能します。ユーザーに指定ハッシュタグでの投稿を促すことで、ファンコミュニティの生成を狙うことも可能です。
UGCを活用するには、多くの場合、ユーザーが投稿したUGCを企業公式アカウントがリポストしたり、LPや広告にUGCを転載する形で利用します。情報の取り扱いについては、以下のような点に注意が必要です。
他者が発信した情報を利用するにあたり、著作権を侵さないことは最も基本といえます。UGCを自社のコンテンツに利用する場合は、投稿したユーザーへ事前に利用許諾をとる必要があります。
InstagramやTwitterなどのプラットフォームは、外部のWebサイトに投稿を埋め込む機能がありますが、この機能を使った場合でも原則的に利用許諾は必須と考えたほうがよいでしょう。
商材によって注意が必要なのが、薬機法の広告規制です。薬機法は簡単にいうと、医療・美容・健康といった分野の商品を対象に、効能や効果の虚偽・誇大表現や、医薬品・医療機器と誤認させる表現を禁止するものです。
UGCはユーザーによって生成されますが、それを企業が素材として使った時点で企業の表現物として見なされ、薬機法の対象となります。活用するUGCを選定する際は、これらに抵触する表現が含まれていないか十分に吟味しましょう。
ステルスマーケティング(通称ステマ)は、広告であるにも関わらず、一見して広告に見えないように装う行為をいいます。UGCの活用策として、商品モニターやインフルエンサーに口コミやSNS投稿を依頼する場合は注意が必要です。具体的には、依頼によって投稿されたUGCには「PR」表記や自社との関係性を明示しなくてはなりません。
ステルスマーケティングは消費者からの信頼を失墜させるだけでなく、法的な規制の対象へと動きつつあります。消費者庁は2022年12月に『ステルスマーケティングに関する検討会報告書』を発表し、今後は景品表示法による規制に向け準備をすすめることを示しました。
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UGCマーケティングの基本的な進め方を、4つのステップに分けて解説します。
UGCを活用するためのキャンペーン計画を立てます。UGCは無計画に収集・転載するだけでは、成果につながりません。Instagramでユーザー投稿をやみくもにリポストすると、自社アカウントにさまざまなテイストの画像が入り乱れ、世界観を崩してしまう恐れがあります。
また、サービス改善や今後の商品開発に生かすなどの目的なら、好意的な感想だけでなくネガティブな内容のUGCも積極的に収集する必要があるでしょう。どのようなUGCを獲得し自社にどう生かすのか、ターゲットや自社の立ち位置に合わせ、戦略的に考えましょう。
ユーザーにUGCを積極的に生成してもらうための施策を実施します。SNSであれば、ブランドや商品の魅力を伝える独自のハッシュタグを設定し、ユーザーにそのハッシュタグを付けての投稿を促すことが有効です。ユーザーがUGCを投稿したくなるような仕掛け、例えばハッシュタグをつけて投稿すると特典をプレゼントするキャンペーンなども効果的でしょう。
キャンペーンに参加した投稿に公式アカウントが反応することで、ユーザーとのコミュニケーションや興味の醸成が進み、さらなるUGC生成につながります。
SNS以外では、購入者による商品・サービスのレビュー投稿も重要なUGCです。レビューを得るには、自社ECサイトに購入者によるレビュー書き込み機能を持たせる方法がよく見られます。商材によっては、評価やコメントだけでなく写真を添付できるようにすると、よりリアルな情報を共有してもらうことができるでしょう。
「参考になった」「いいね」ボタンのように、ユーザー同士が簡単なコミュニケーションを取れる仕組みも、レビュー欄の活性化に役立つかもしれません。そのほか、メールを介して購入者にレビュー依頼する方法もあります。依頼メール送信のタイミングは、商品をある程度使用したであろう時期を見計らうとよいでしょう。
各プラットフォームから、商品・サービスに関連するUGCを収集・選定します。UGCはあくまで個人が投稿するものですから、内容や品質にはばらつきがあり、すべてがそのまま使えるわけではありません。
好意的な内容だからといって、真偽や権利侵害の面で疑いのある投稿を採用しないように注意も必要です。洗い出したUGCは活用方法に応じて分類します。収集したUGCの活用方法としては、手軽なものではSNSの公式アカウントでリポスト・リツイートを行い、他のユーザーに紹介することです。
また、ECサイトの商品ページに掲載する購入者によるレビューは、購入を検討する人を効果的に後押しできるでしょう。その他にも、LPや広告の素材としてUGCを活用する方法もあります。前述したように、利用するUGCの投稿者へ利用許諾を取ることを忘れないようにしましょう。
施策で利用したUGCは、モニタリングし定期的に見直すことも重要です。コンバージョン率改善など、効果が見られたUGCはどのようなものか定量的に把握しましょう。
成果につながりやすいUGCのタイプや利用した媒体などを分析し、さらに精度の高いUGCの獲得・活用へつなげることで、継続的な改善を目指します。
さまざまな企業がUGCをマーケティングに活用しています。いくつかの事例を見てみましょう。
スナック菓子メーカーのカルビーは、グラノーラ「フルグラ」の発売30年を記念し、TwitterとInstagramでキャンペーンを実施しました。およそ4カ月にわたって、月替わりのテーマに応じた写真をユーザーから募集し、最後に投稿写真からモザイクアートを制作するという企画です。
「フルグラ30年分相当」の商品と電子マネーという、大胆な参加者プレゼントも話題になりました。ハッシュタグ「#フルグラモザイクアート」を付けて投稿するだけと気軽に参加でき、募集テーマもアレンジレシピなど思わず参加したくなるようなもので、多くの投稿が寄せられました。
世界でも有数のカメラブランドであるGoProは、ユーザーが実際にGoPro製品を使って撮影した写真を、InstagramやYouTubeで定期的に紹介しています。スカイダイビングやサーフィンなど、スポーツ・アクションシーンに定評のあるカメラだけあって、目を惹かれるフォトジェニックな写真の数々が見られます。
当初は自社Webサイトへの掲載でしたが、SNSに場所を移したことで、より気軽にUGCが投稿されるようになり、同社のプロモーションに大きな役割を果たしています。「優れた写真を撮ってWebサイトに掲載されたい」というモチベーションが、さらなるUGCを生み出す好循環を実現しているといえるでしょう。
家具・インテリア用品の大手であるニトリにも、多くのUGC施策が見られます。例えばTwitterでは、同社商品に関する投稿を見つけ、商品詳細のURLやおすすめなどの情報を加えてリツイートしています。自然発生したUGCを利用することで、押しつけがましさを感じさせずさりげないコミュニケーションが可能です。
Instagramでも「#mynitori」や季節に応じた指定ハッシュタグでの投稿を募り、多くのUGCを得ています。インテリア実例の投稿サイト「RoomClip」と共同でのイベントやモニター企画も、活発なUGC創出を促しています。
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