リターゲティング広告とは?仕組みや種類、メリット・デメリット、Cookie規制の影響について解説

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Sprocket編集部

リターゲティング広告とは?仕組みや種類、メリット・デメリット、Cookie規制の影響について解説

リターゲティング広告は、自社サイトの閲覧経験があるユーザーに対して表示されるWeb広告の一種で、コンバージョン率が高く、効率的な広告運用が可能です。リターゲティング広告の仕組みや種類、メリット・デメリット、Cookie規制の影響について解説します。

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リターゲティング広告とは?

リターゲティング広告とは「一度自社のWebサイトを訪れた人に対して配信する広告」のことです。「ある通販サイトを見たら、他のWebページを訪れた際にその通販サイトの広告が表示されるようになった」という経験がある人は多いと思いますが、あれがリターゲティング配信された広告の例です。広告の配信媒体はWebページ以外にもアプリやSNSなどがあり、目的に合わせた形式での出稿が可能です。

リターゲティング広告の配信対象は「一度自社サイトに訪問した人」なので、より自社のサービスなどに関心がある層だと考えられます。そのため、高いコンバージョン率が期待できるでしょう。

BtoBの場合は、1度他社製品との比較検討が行われるケースが多く、すぐに購入につながることは稀です。そのため、自社製品について思い出してもらうという意味でも、リターゲティング広告は有効な施策になります。

リターゲティング広告の仕組み

リターゲティング広告では、自社サイトに設置する「タグ」(HTMソースに貼り付ける文字列)が必要になります。広告用のリターゲティングタグは、各広告出稿システム上で取得できます。広告配信の仕組みを順番に見ていきましょう。

  1. リターゲティングタグをWebページに設置する
  2. リターゲティングタグを設置したWebページにユーザーが訪問すると、タグによりCookieが発行される
  3. Cookieの情報を元に、ユーザーの配信リストを作成する
  4. 条件を設定してリターゲティング広告を配信する

リターゲティングタグは、1ページだけでなくWebサイトのトップページ、商品紹介ページ、購入ページなど複数ページに設置しておきましょう。そうすることで、「商品紹介ページを見た人には3日後に広告を配信しよう」「商品を購入した人には配信を止めよう」など、ユーザーの状況ごとに配信内容を調節できるようになります。

リターゲティング広告とリマーケティング広告の違い

リターゲティング広告と似た広告配信方法としてリマーケティング広告があります。この2つの違いは簡単に言ってしまえば「サービス提供会社の違い」で、Google 広告のサービスが「リマーケティング」、Yahoo!広告のサービスが「サイトリターゲティング」です。

サービス提供元の差による配信先の違いや細かな差はありますが、「Webサイトに訪問した人を対象に広告を配信する」という基本はどちらも同じです。

その他、Facebookの広告などでも「リターゲティング」を採用しており、用語としては比較的「リターゲティング」を使う人のほうが多いでしょう。

リターゲティング広告とリエンゲージメント広告の違い

リターゲティング広告と似た言葉としてもう1つ、リエンゲージメント広告があります。リエンゲージメント広告とは、主にアプリにおける休眠ユーザーの掘り起こしを目的とし、アプリをインストールしたものの使っていない会員や、以前にWebサイトを訪れたものの商品の購入に至らなかった相手に対して広告を配信することです。

リターゲティング広告とリエンゲージメント広告は、「一度自社に対して興味を持ってくれた人に広告を配信する」という点についてはほぼ同じです。違いは、リターゲティング広告は広告を一度自社Webサイトを訪問したユーザーに配信する「方法」を重視し、リエンゲージメント広告は広告配信の結果ユーザーを呼び戻す「目的」を重視している点です。

ユーザー分析をした広告配信の結果が休眠顧客の呼び起こしにもつながるため、リターゲティング広告の一種としてリエンゲージメント広告を位置づける考えもあります。

リターゲティング広告の種類

リターゲティング広告にもいくつかの種類があります。ターゲティング手法と配信先媒体の違いを中心に、6つのリターゲティング広告について解説します。

1:標準のリターゲティング

標準のリターゲティングとは、過去に自社Webサイトに訪問したことのあるユーザーに対してバナー広告やテキスト広告を配信するもののことです。配信先は広告枠を販売しているWebサイトやアプリ、SNSなどであり、具体的にどのようなサイト・アプリに表示されるかは、契約する広告配信事業者や配信設定によって異なります。

どんな商品やサービスの広告にも使いやすく、バナーなどを準備するだけで配信できるのが特徴です。「トップページで離脱した人より、商品詳細ページまで見た人に広告配信頻度を多くする」といった、ユーザー属性ごとの配信内容の調節は可能ですが、個別に広告内容を変化させることはできません。

2:動的リターゲティング(ダイナミックリターゲティング)

動的リターゲティングとは、標準のリターゲティングが進化したもので、ユーザーの行動履歴を元にして関連性の高い広告を自動で作成・配信します。

配信先は標準のリターゲティングと同じくWebページやアプリなどですが、ユーザーによって検索内容が変化する不動産会社や人材派遣会社、取扱商品が多いECサイトなどに向いた出稿方法です。

「一度自社サイトで中野区のワンルームマンションについて検索した人に対し、中野区や新宿にあるマンションやアパートの広告を表示させる」などが動的リターゲティングの例です。ユーザーの嗜好により合致した広告を配信できるため、高いコンバージョン率が期待できます。

3:動画リターゲティング

動画リターゲティングとは、自社のYouTube動画を視聴したユーザーに対して広告を配信する手法です。Google広告アカウントと紐付けられるため、YouTube内での動画広告はもちろん、検索広告やディスプレイ広告の配信もできます。

自社ブログ内やSNSに貼られた動画の視聴者もリターゲティングの対象となるため、動画による認知度向上に力を入れている企業に向いているでしょう。動画を視聴したユーザー以外にも、動画に高評価をしたユーザー、チャンネル登録したユーザーなどのリターゲティングリストが作成可能なため、目的に応じて使い分けられます。

4:RLSA(検索広告向けリマーケティング)

RLSAとは、自社のWebサイトに訪問したことのあるユーザーに対して、検索結果に表示される広告をカスタマイズする機能のことです。

例えばサイト訪問歴のあるユーザーへの入札価格を高くすることで、訪問歴のないユーザーに比べて広告を表示させる可能性を高めたり、訪問歴のないユーザーと異なった広告文を表示させたりできるようになります。勤怠管理システムの広告を配信する場合なら、「訪問歴のあるユーザーのみ『勤怠』単独キーワードでも広告を配信する」「新規顧客には無料トライアルの広告を、トライアルを試したことのある顧客には継続利用の広告を配信する」などの活用ができるでしょう。

ユーザーに合わせた配信内容・配信量を設定できるため、広告費を抑えてより効率的な運用が可能です。

5:アプリのリターゲティング

アプリのリターゲティングとは、自社のアプリをインストールしたユーザーに対し、アプリ内の行動に応じて広告を配信する手法で、他社のアプリやWebサイト上に広告が表示されます。

アプリをインストールしたものの利用しなかったり、1回利用しただけで終わってしまったユーザーを再び呼び戻すために広告を配信するケースが多いでしょう。

ゲームやECなど、アプリの利用によって収益が発生するビジネスモデルの企業に向いています。

6:顧客のリストにもとづくリターゲティング(カスタマーマッチ)

顧客のリストにもとづくリターゲティングとは、企業が顧客から集めたメールアドレスや電話番号などの個人情報を元に、既存顧客や既存顧客に似た層に広告を配信することです。配信先はディスプレイ広告や検索広告、動画広告など多岐にわたります。

利用サービスにもよりますが、最低数100〜1,000件程度の顧客リストがないと上手くマッチングができないため、すでにある程度の顧客がいる企業に向いているでしょう。

個人情報を取り扱うため注意が必要ですが、良質な顧客リストを用意できれば新規顧客の開拓も行える点が魅力です。

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Web広告の基本と広告効果を最大化する方法

リターゲティング広告の3つのメリット

リターゲティング広告を活用するために、以下で紹介するメリットを確認しておきましょう。

1:コンバージョン率(CVR)が高い

リターゲティング広告の配信対象となるのは、過去に自社のWebサイトを訪問した履歴があるユーザーです。この場合、すでに自社製品やサービスについて興味があり、購入を検討しているユーザーが多いことが予測されます。

つまり、リターゲティング広告では「自社製品を知ってもらう」という段階を省略しながら、購入や契約に対して意欲的な層にピンポイントでアプローチできるのです。したがって、リターゲティング広告のコンバージョン率は高くなる傾向にあります。

2:顧客獲得単価(CPA)を抑えられる

顧客獲得単価とは「コンバージョン1回のために必要な広告費用」のことであり、「かかった広告費用 ÷ コンバージョン数」で求められます。

リターゲティング広告ではコンバージョン率が高くなるため、顧客獲得単価が低くなる傾向にあります。つまり、リターゲティング広告は少ないコストで顧客を獲得できる、費用対効果が高い施策と言えるでしょう。上手にリターゲティング広告を使うことで、広告費を抑えつつ顧客を獲得できます。

3:見込み客へ再アプローチができる

「商品ページを見ていたが離脱してしまった」「カートに商品を入れたまま離脱した」など、購入確率の高い見込み客への再アプローチが簡単に行えるのもリターゲティング広告のメリットです。

一度Webサイトを離脱してしまったユーザーに対して、リターゲティング広告を配信することで「買い忘れていませんか?」と購入を促す働きが期待できます。

すでに自社商品を購入してくれた人には広告を配信しない設定にもできるので、不必要に何回も同じ商品を勧めてしまうこともありません。

リターゲティング広告の2つのデメリット

リターゲティング広告にもデメリットは存在します。実際にリターゲティング広告を運用する際の注意点をまとめました。

1:顧客の新規開拓には向かない

リターゲティング広告は「1度自社のWebサイトを訪れた人に対して広告を配信する」手法であるため、基本的に自社商品やサービスについてまったく知らない人にアプローチができません。つまり、新規顧客の開拓や、潜在顧客に対しての認知向上などにリターゲティング広告は不向きです。

ディスプレイ広告などの、自社について知らない人にもアプローチできる広告手法と組み合わせて運用し、Webサイトへの新規訪問者を増やしつつ、リターゲティング広告の効果を高めていきましょう。

2:マイナスイメージを持たれる可能性がある

リターゲティング広告はその性質上、同一のユーザーに同じ会社の広告を何回も配信します。そのため、ユーザーはさまざまなWebサイトで何度も同じ広告を目にするでしょう。

配信頻度によってはユーザーに「広告がしつこい」と思われてしまい、かえってマイナスイメージを持たれてしまう可能性があります。配信頻度を調節し、顧客獲得に有効であり、かつ不快感を与えないラインを探るようにしましょう。

リターゲティング広告

サードパーティCookie規制によるリターゲティング広告への影響

リターゲティング広告で使うCookieは、複数のWebサイトを横断して利用する「サードパーティCookie」と呼ばれるものです。しかし、個人情報保護の観点から、サードパーティCookieに対する規制が強化されてきています

すでにリターゲティング広告用のサードパーティCookieはApple社のSafariで使用できなくなっていますし、2023年後半にはGoogle Chromeでも規制されて使えなくなる予定です。

現在のサードパーティCookieを使ったリターゲティング広告での施策や効果測定が厳しくなるため、別の方法でリターゲティングを考える必要があるでしょう。

サードパーティCookieに替わるターゲティング手法は?

サードパーティCookieによるターゲティング手法の代わりとして注目されているのが、ファーストパーティーデータを使ったターゲティングです。

ファーストパーティーデータとは企業が直接自社で集めたデータのことで、自社のWebサイトの閲覧データや顧客の購買履歴などが当てはまります。Google広告の「カスタマーマッチ」を利用したり、データ連携ツールを使ってYahoo!広告と顧客リストデータを連携したりすることで、ファーストパーティーデータを利用したターゲティング広告が配信可能です。

加えて、ペルソナやカスタマージャーニーを見直し、コンバージョンに至る人が増えるような道筋を作ることもより重要になるでしょう。

また、それ以外にもゼロパーティーデータという、ユーザーが意図して企業と共有するデータを活用したWeb接客も有効です。Web接客によってサイト利用の不安を払拭したり、適切な商品を提案したりすることで、離脱を防ぎコンバージョンへ導けるでしょう。

【まとめ】サードパーティCookie規制とゼロパーティデータ活用

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