Z世代とは?意味や特徴、年代ごとの世代の呼び方や次の世代についても解説

マーケティング

Sprocket編集部

Z世代とは?世代の定義や価値観の特徴、マーケティング施策のポイントを解説!

Z世代(ゼット世代)は近い将来マーケットの中心となる世代で情報発信力も高まっています。若者向けの施策に悩むマーケターも少なくないでしょう。そこで、Z世代の意味や特徴、由来を解説。ゆとり世代・ミレニアル世代・アルファ世代といった他の世代との違いを整理します。

いま話題の「Z世代マーケティング」のポイントをご存知ですか?手っ取り早く知りたいという方に向けて、要点をまとめた資料をご用意しました。

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Z世代とは?

Z世代とは、一般的に「1990年代後半~2010年代に生まれた世代」のことを指し、世界人口の約32%を占めています(*)。もともと、アメリカで使われていた「ジェネレーションZ」という言葉が「Z世代」として日本で広がっていきました。

読み方はそのまま「ゼット世代」で、日本では「スマホネイティブ」「ソーシャルネイティブ」とも呼ばれています。物心が付いたころには、すでに最先端のデジタル技術に触れており、テクノロジーやインターネットとの親和性が高いのが大きな特徴です。

Z世代の価値観や嗜好などは、今後サービスや商品を開発・販売していく企業にとって重要な意味を持っています。

ジェネレーションX・ミレニアル世代・Z世代の定義

アメリカでは、Z世代よりも前の世代のことを「ミレニアル世代(Y世代)」や「ジェネレーションX(X世代)」と呼んでいます。それぞれ、10年単位で生まれる世代をアルファベットで表しています。各世代の生まれた年と2022年時点の年齢を表にまとめました。

世代の名称生まれた年(2022年時点の年齢)
ジェネレーションX(X世代) 1960~1970年代(40代前半~60代前半)
ミレニアル世代(Y世代) 1980~1990年代(20代半ば~40代前半)
Z世代 1997~2012年ごろ(10代前半~20代半ば)

最初に名付けられたジェネレーションXは、アナログからデジタルへの変化を経験しています。テレビの爆発的な普及により、娯楽への興味関心が高い世代です。ミレニアル世代は新千年紀に由来しており、2000年以降に成人した世代です。子どものころからインターネットに触れる機会があり「デジタルネイティブ」とも呼ばれています。

Z世代は「X」と「Y」の次世代という意味から、その名が付きました。すでにインターネットが普及している時期に誕生しており、ミレニアル世代と区別するために「真のデジタルネイティブ」と呼ぶこともあります。アメリカの場合は、1997~2012年に誕生した世代をZ世代としていますが、国によっては多少前後しています。

日本の世代別の呼び名と定義

Z世代という言葉は、日本を含めて世界各国で広く使われている名称です。ただ、X世代やY世代という言葉は日本でほとんど使われておらず、日本独自の名称でそれぞれの世代を表しています。日本独自の世代名称と、生まれた年・2022年時点の年齢を表にまとめました。

世代の名称生まれた年(2022年時点の年齢)
団塊の世代(第二次世界大戦後のベビーブーム世代) 1947~1949年ごろ(73~75歳)
バブル世代(バブル景気による企業の大量採用期に社会人となった世代) 1965~1969年ごろ(53~57歳)
団塊ジュニア世代(団塊の世代の子どもにあたる第二次ベビーブーム世代) 1971~1974年ごろ(48~51歳)
就職氷河期世代(採用難で非正規社員として社会生活を送った人が多い世代) 1971~1982年ごろ(40~51歳)
ミレニアル世代(2000年以降に社会に出た世代) 1980年代以降(27~42歳)
ゆとり世代(詰め込み教育からゆとり教育に変わった時期に学生時代を過ごした世代) 1987~2004年ごろ(18~35歳)
Z世代(生まれたときからデジタル技術が身近にある世代) 1990年後半ごろ~2000年代(10~20代半ば)

年代や名称は、メディアなどによって異なる部分があり、上記はあくまで一例となります。また、年代の区切り方にも諸説あり、海外では10年区切りで分けているのに対し、日本では5年・15年などさまざまです。そのため、団塊ジュニア世代と就職氷河期世代が重なったり、ゆとり世代とZ世代が一部重なったりするなど、世代が被ることもあります。

Z世代とミレニアル世代の消費行動の違い

Z世代とミレニアル世代では、育ってきた環境の違いにより、趣向や消費行動に違いがあります。

ミレニアル世代より前の世代の消費スタイルは、モノの消費を中心とした消費スタイル「モノ消費」でした。ミレニアル世代は、所有では得られない体験や経験を重視する消費スタイルである「コト消費」へと変化しました。

さらにZ世代では、その瞬間、ある場所でしか味わえない価値であるトキを重視する「トキ消費」へ移り変わってきていると言われています。トキ消費は、博報堂生活総合研究所が提唱する概念です。

他にも、Z世代の消費傾向の特徴を表す言葉として、ホットペッパーグルメ外食総研エヴァンジェリストの竹田クニ氏が提唱する「イミ消費」やコラムニストの荒川和久氏が提唱する「エモ消費」などがあります。

Z世代の消費活動の傾向やマーケティング施策のポイントについては下記の資料もご参照ください。

Z世代マーケティング攻略法

Z世代の価値観の特徴

「真のデジタルネイティブ」ともいわれるZ世代は、ジェネレーションXやミレニアル世代とは異なる価値観を持っています。当然、個人差はありますが、主に以下のような価値観の特徴が挙げられます。

インターネット中心の情報収集を行う

Z世代は、情報へのリテラシーが高く、あたりまえのようにインターネットから情報収集を行います。その反面、テレビや新聞などは「自分に興味がない情報が含まれている」と考える人も多く、欲しい情報だけを得やすいWeb媒体の利用が進んでいます。

YouTube・TikTok・Instagram・TwitterなどのSNSから積極的に情報収集をしています。さまざまなWeb媒体を駆使し、自分にとって必要な情報かどうかを見極めながら情報に触れています。また、Z世代は情報に対する警戒心も強く「どの情報を信じるのか」の決断を慎重に行う傾向があります。信憑性がない情報に対しては敏感に反応するため、企業は信頼できる情報提供の徹底が重要です。

社会問題への関心が強い

Z世代は現実的な暮らしを考える傾向があり、社会問題への関心が強いのが特徴です。原因は、若いうちに東日本大震災を経験したり、リーマンショックに触れたりしていることが考えられます。加えて、環境問題などの社会的な取り組みが広がっていることから、SDGsに関心を持つ人も多く見られます。

消費の観点からも、環境に配慮して商品を購入する傾向があり「エシカル消費」の意識が高いのも特徴のひとつです。インターネットやSNSの普及で、個人でも手軽に問題提起が可能になったことで、社会問題について発信する若者も増えています。Z世代は、環境や貧困などの社会問題を他人事と考えず、自分の問題として捉えて行動できる世代といわれています。

多様性・共感性を重視する

Z世代は、SNSなどでさまざまな価値観を持つ人と接する機会が多いため、ダイバーシティ(多様性)や共感性を重視する傾向があります。例えば、男性の仕事と家庭の両立に対する考え方です。人材サービスを提供する「パーソルキャリア株式会社」が2021年に実施した『男性育休に関する意識調査』 によれば、Z世代に該当する20~24歳の男性の80%以上が「子どもができたら育児休業を取得したい」と考えていることがわかりました。

ほかにも、商品購入の際に「自分の価値観と合うか」「商品やサービスを紹介する人に共感できるか」という点も重視します。以上のように、Z世代は多様性や共感性を大切にするため、企業側のブランディング戦略にも変化が必要となります。

Z世代のコミュニケーションの特徴

物心ついた頃からインターネットで多くの情報に触れてきたZ世代は、多様な価値観を持つ人と接する機会も多く、多様性を大切にするという考え方が当たり前になってきています。

そのため、自分の価値観についても、「自分らしさ」を尊重する傾向が強い世代です。一人ひとりと個別に向きあい、個人の考えや価値観を尊重するコミュニケーションが望まれます。

タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する

若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」が実施した調査『Z世代の映像コンテンツの楽しみ方に関する意識調査』では、動画配信系サブスク登録者の85%が「タイムパフォーマンスを重視する」と回答しました。

タイムパフォーマンスとは、かけた時間(タイム)に対する満足度を表す言葉で、「タイパ」と略されます。これまでは、時間帯効率を表す「コスパ(コストパフォーマンス)」が重宝されてきました。しかし、物質的に満たされた今の世代では、時間的な価値を高めてくれるものが好まれる傾向にあります。

前述の調査では、「タイパを重視する理由」についても質問。最も多かった回答は「自分が価値を感じるコトに、時間を割きたいから(49.3%)」というものでした。

人々の行動を理解し、それを戦略に活かすためには多角的な視点を持つことが重要です。Sprocketでは顧客心理を読み解くためのヒントをわかりやすくお届けするメディア「スプ論」も公開しています。知見を広げる情報発信を行っていますので、ぜひご覧ください。

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Z世代をターゲットにしたマーケティング施策のポイント

Z世代は、これまでの世代とは価値観が大きく異なるため、新しいマーケティングを展開していく必要があります。とはいえ、新しい考え方を持つZ世代に対して「どのようなマーケティング戦略を立てて、実行すれば良いのかわからない」と、悩むこともあるでしょう。ここからは、Z世代をターゲットにしたマーケティング施策のポイントを3つ紹介します。

ポイント1:商品の背景やストーリーを発信する

価値観・共感性を重視するZ世代には、商品の背景にあるストーリーや想いを伝えることが重要です。

上記のような想いや目的を考え、企業活動としてのパーパス(存在意義)を明確にすることが、Z世代からの信頼・共感の獲得につながります。商品やサービスのストーリー性を発信する際は、Z世代が情報収集として活用しているSNSを使うのがおすすめです。Z世代の心に響くよう、音楽や映像を駆使してブランドストーリーをアピールすると、より良いでしょう。

Z世代の考え方の傾向や消費行動の特徴については、下記の記事で詳しく解説しています。

ポイント2:上質なカスタマージャーニーを提供する

Z世代へのマーケティング手法として、上質な体験を提供することも大切です。Z世代は、商品そのものだけではなく、以下のように「その商品から生まれる体験」にも魅力を感じる傾向があるためです。

そのため、店舗側は「どのような体験を提供したりイメージさせたりできるのか」を考えることが大切です。ユニークな体験を提供して満足させることができると、SNSなどで拡散や共有してもらえる確率が上がるでしょう。

ポイント3:オンラインとオフラインを融合させたマーケティングを行う

Z世代へのマーケティング方法として、オンラインとオフラインを融合させたアプローチも有効です。Z世代は商品を購入するときに、オンラインとオフラインの両方を活用する傾向があるからです。

例えば、ショッピングをする際は、事前にSNSやインターネット上の口コミなどをチェックし、商品の情報を集めてから実店舗で購入します。逆に、実店舗で見た商品をインターネットで調べ、オンラインストアで購入するケースも少なくありません。

そのため、インターネットだけの宣伝や実店舗だけの展開にならないよう、注意が必要です。情報の収集・取捨選択の能力に長けているZ世代に対しては、リアルとオンラインの両方を体験できるアプローチをしていきましょう。

Z世代向けのマーケティング施策を実施する上で重要となるライティングスキル、「言葉選び」についてまとめた下記の資料もご参照ください。

「顧客を動かす」訴求メッセージ

Z世代の次はアルファ世代

Z世代は「1990年代後半~2010年代に生まれた世代」といわれていますが、次の世代を「アルファ世代」といいます。アルファ世代は、2013~2020年代の半ばごろに生まれた人を指し、ミレニアル世代の子どもが該当します。

Z世代と同様、生まれたときにはあたりまえのようにSNSがあることから、リアルとオンラインの関係性が強い世代といえるでしょう。

Z世代とアルファ世代

小学校におけるプログラミング教育の実施など、今後はIT技術の使用がより身近になります。アルファ世代が社会に進出するのは、2030~2040年代。彼らが社会問題や環境問題に対し、これからどのように考えて行動していくのか、多くの期待と注目を集めています。

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