リードナーチャリングはなぜ重要? 代表的な4つの施策、効率的な運用方法を解説

Sprocket編集部

リードナーチャリング

リードナーチャリング(見込み顧客育成)は、獲得リードを効率よく育成し、購買意欲を高めるためのマーケティング手法です。近年リードナーチャリングの重要度が高まっている理由、代表的な4つの施策、効率的な運用方法などを解説します。

リードナーチャリング(見込み客育成)とは?

リードナーチャリング(見込み客育成)は、獲得した見込み客(リード)を効率よく育成し、購買意欲を高めるためのマーケティング手法です。見込み客を獲得した際、その全員が商品やサービスを購入・利用してくれるとは限りません。そのため、見込み客に対して商品やサービスを利用したいと思ってもらえるようアプローチを行い、受注につなげていくことが重要になります。

このアプローチは、リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションという3段階のマーケティング手法のうちのひとつです。順番に見ていきましょう。

リードジェネレーション

リードジェネレーションは、見込み客(リード)を獲得するための活動のことです。リード獲得には下記のような方法があげられます。

・展示会での名刺交換

・Webサイトからの問い合わせや資料請求

・Webセミナー

・ホワイトペーパーのダウンロード

リードの獲得は、名刺交換のようにオフラインで行う方法と、Webセミナーやホワイトペーパーのダウンロードなどのオンラインで行う方法があります。

インターネットの普及や新型コロナウイルス感染症の流行により、オンラインのニーズは高まりました。オンラインでのリード獲得では、ユーザーに見つけてもらいやすいように、自社サイトをSEOで上位表示させたり、インターネット広告を掲載したりする方法があります。

オンラインでの集客は多くの企業が対策しているため、競合が多く思い通りに集客ができないことも少なくありません。リードジェネレーションでは、どのようにリードを獲得するのかや、効率よくリード獲得できるかを考える必要があります。

リードナーチャリング

リードナーチャリングは見込み客の育成をすることです。リードナーチャリングでは、獲得した見込み客に対して段階的なアプローチを行い、購買意欲を高めます。その際、見込み客の状況に合わせて、最適なタイミングで最適なアプローチを行う必要があります。

例えば「すぐにサービスを利用したい!」という見込み客には、サービスの利用方法や申し込みから利用までの流れなど、より具体的な情報を提供するといいでしょう。

一方で、見込み客自身はすぐにサービスを利用する必要がないと思っているものの、実は潜在的なニーズを持っている場合もあります。潜在ニーズを持つ見込み客には「こんな悩みはありませんか?」などとアプローチし、ニーズを顕在化する方法も有効です。

リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションとは、見込み客の選別を行うことです。獲得した見込み客を購買意欲の高さでカテゴライズし、見込み客のステータスによってアプローチを変えるやり方です。

購買意欲の高い見込み客を優先して対応する方が、受注につながりやすいため、営業の生産性も上がるでしょう。リードクオリフィケーションでは、メールを開封した人、資料請求をした人など、見込み客の行動に合わせてアプローチの優先度を設定し、絞り込みを行います。

リードナーチャリングとコールドリード/ホットリードの関係

リードナーチャリングでは、コールドリード、ウォームリード、ホットリードという言葉が使われます。それぞれの意味を見てみましょう。

コールドリード 商品やサービスへの興味関心が薄く、購買意欲が低い見込み客
ウォームリード 商品やサービスへの一定の購買意欲がある見込み客
ホットリード 商品やサービスへの購買意欲が高く、受注につながりやすい見込み客

購買意欲の低いコールドリードをホットリードに変化させることは、簡単ではありません。 そこで、見込み客に長期的なアプローチを行うことで、コールドリードからウォームリード、ウォームリードからホットリードと段階的に見込み客育成をします。このようにコールドリードをホットリードに移行させる手法が、リードナーチャリングです。

リードナーチャリングが重要視される3つの理由

近年は、顧客側の変化によってリードナーチャリングの重要度が増しています。リードナーチャリングが重要視される3つの理由を見ていきましょう。

理由1:検討期間の長期化・複雑化

インターネットでの情報収集が一般化し、ユーザーが商品やサービスを購入するまでのプロセスが長期化・複雑化しています。

例えば、従来であれば、商品やサービスの利用を決める際は、営業担当者や店員などオフラインでのコミュニケーションから大部分の情報を得ていました。しかし、インターネットで情報を簡単に収集・比較できることが増えたため、ユーザーは自ら複数の商品やサービスを比較検討し、条件に合う企業を絞り込むようになりました。

そのため、商品やサービスを提供する企業側は、ユーザーが比較検討する段階で選ばれなければ、リード獲得のチャンスを逃してしまうことになります。対策として、企業側はニーズが顕在化する前の購買意欲の低い見込み客も獲得しておくことが重要になります。

購買意欲の低い見込み客には、長期的なアプローチが必要になりますが、段階的にリードを育成することで、受注につなげられるケースも少なくありません。

理由2:興味関心が薄いリードの増加

インターネット経由でリードを獲得した場合、商品やサービスに対する関心が薄い見込み客も少なくありません。例えば、インターネット広告経由で獲得した見込み客は、企業や商品・サービスについて知ったばかりの状況であることも多く、リードを獲得した段階では受注確度が低くなりがちです。

しかし、商品やサービスに対する興味関心が低い見込み客でも、長期的に適切なアプローチを行うことで関係性の構築ができ、受注につながる可能性を高められます。このように、購買意欲の低い見込み客を受注につなげるためには、リードナーチャリングが重要なのです。

理由3:営業アプローチを避ける傾向

インターネット経由で獲得した見込み客には、興味関心の薄い見込み客も多く含まれている傾向にあります。そのような中、獲得したすべての見込み客に対して積極的なアプローチを行うことは、効率の良い方法とは言えません。

購買意欲の低い見込み客に対し、積極的にメールや電話で営業を行うと「押し売りされている」と悪い印象を与えてしまう可能性もあります。

一方で、購買意欲の高い見込み客には、メールや電話などの積極的なアプローチが好まれるため、見込み客の状況を見極めて適切なアプローチを行うことが重要だと言えるでしょう。

代表的なリードナーチャリングの手法4選

リードナーチャリングの目的には「タッチポイントの維持」「購買意欲の醸成」の2つがあります。タッチポイントは、見込み客との接点と言い換えられます。購買意欲が薄い見込み客とも適度に接点を保ち続け、見込み客の購買意欲が高まったタイミングで自社の商品やサービスを思い出してもらうことが目的です。

また、購買意欲の醸成では、ユーザーが持つ課題を認識させ、その解決方法として自社の商品やサービスの必要性を意識してもらうことを目的としています。

リードナーチャリングの具体的な手法をご紹介します。

手法1:メールマガジンのパーソナライズ

メールマガジンは「タッチポイントの維持」に有効な手法です。メールマガジンを送る際は、見込み客の状況に合わせて、興味関心のある内容を配信するのが効果的です。また、リードナーチャリングのメールマガジンでは、商品やサービスを売り込みすぎないことも重要です。

メールマガジンの配信は多くの企業で実施している手法のため、メールマガジンを配信したすべての見込み客にメールを開封してもらい、さらに中身を読んでもらうことは難しいでしょう。見込み客に悪い印象を与えてしまったり、不要な情報だと思われたりすると、配信停止設定をされてしまう可能性もあります。メールマガジンには、業界の最新情報やノウハウなど、見込み客にとって役立つ情報を盛り込み、開封率を上げる工夫をしましょう。

手法2:ニーズに合わせたセミナーの開催

リードナーチャリングでは、ニーズに合わせたセミナーの開催も有効です。メールマガジンでは、1通のメールで訴求できる内容や文字数に制限があるため、商品やサービスに興味関心の薄い見込み客へのアプローチに向いています。

一方、購買意欲の高い見込み客は課題意識が高いため、より具体的な情報を得られるセミナーが好まれます。見込み客が抱える課題にアプローチし、業界の最新情報やノウハウの提供や、商品やサービスの活用事例を紹介するセミナーを開催するといいでしょう。

手法3:オウンドメディアの構築

オウンドメディアの構築は、リードナーチャリングで有効な手法です。オウンドメディアとは自社で保有するWebサイトのことです。オウンドメディアに企業や商品・サービスの情報を載せることで、認知度の向上が期待できます。

また、オウンドメディアに商品やサービスの開発秘話や社員の思いなどを掲載し、他社との差別化や顧客のファン化につなげられる可能性もあります。自社のオウンドメディアがあれば、メールマガジンの登録や資料請求の導線を作ることも可能です。見込み客が自ら資料請求やメールマガジンの登録を行った場合、商品やサービスに対する興味関心が高いと判断できる点もメリットです。

手法4:SNSでの情報発信

リードナーチャリングでは、企業でSNSのアカウントを作成し、情報発信を行う方法もあります。SNSの投稿は「いいね」や「リツイート」などの機能があり、情報が拡散されやすいのも特徴です。オウンドメディアは検索エンジンで上位表示されなければ集客しづらく、SEOで検索上位を獲得するまでにはある程度時間がかかります。

手っ取り早く集客するためにリスティング広告を利用する方法もありますが、広告費がかかる点がデメリットです。対して、SNSの投稿は多くの人の目につきやすく、投稿自体に費用もかかりません。SNSでオウンドメディアの最新記事やコーポレートサイトの情報を投稿することで、費用をかけず集客につなげられるでしょう。

MAツールを使った効率的なリード管理

MAツールはマーケティングオートメーションツールの略で、リードナーチャリングの効率化に欠かせないツールです。MAツールがどのようにリード管理を効率化できるのか、詳しく見ていきましょう。

リードナーチャリングシナリオの自動化

リードナーチャリングでは、見込み客の育成シナリオ(リードナーチャリングシナリオ)が重要です。MAツールを使うことで、この育成シナリオを自動化できます。見込み客の状況に応じて送られるメールの内容や、メールを送るタイミングなどをあらかじめMAツールで設定できるからです。

例えば、入力フォームから資料請求や問い合わせがあった際に「お問い合わせありがとうございます」というメールを自動で送信できます。また、資料請求から日を空けて「資料でわからないことはありませんか?」「類似の事例資料はこちら」などのステップメールを送るよう設定することも可能です。

このとき、ステップメールを送る条件として、メールを開封したかどうかもMAツールによっては設定可能です。MAツールを使うことで、見込み客の状況に合わせたアプローチを自動化でき、営業活動の効率化にもつながります。

ホットリード判定

MAツールには、ホットリードの判定に役立つスコアリング機能があります。例えば、資料請求をしたか、メールを開封したかといった個別のアクションによって、見込み客がスコアリングされます。点数が高い見込み客はホットリードと判定され、営業が優先的に対応すべき見込み客であることがわかるのです。

リードナーチャリングでは、見込み客の状況に合わせたアプローチをしながら、購買意欲の高い見込み客へ優先的にアプローチし、受注確度の高い見込み客を絞り込んでいきます。そのため、MAツールを使った「リードナーチャリングシナリオの自動化」や「ホットリード判定」などの効率的なリード管理が大いに役立ちます。

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