顧客情報を活用したパーソナライゼーション パナソニックがアプリダウンロード率を3倍にした方法
パナソニックのユーザー向け会員サイト「CLUB Panasonic」。そのアプリ版のダウンロード率を飛躍的に高めた方法について解説します。
アプリのダウンロードを促進するには、アプリのメリットを伝えることが必要です。金銭的メリットや利便性など切り口はいろいろとありますが、「このタイミングで刺さる訴求は何か」という視点も重要です。ここでは、不便と感じていそうなタイミングで利便性を訴求することでダウンロード率を改善した事例をご紹介します。
あるクレジットカードサイトでは、会員向けのアプリダウンロードを促進したいという課題がありました。アプリのダウンロードを促すには「ダウンロードしたい」と思ってもらえるような利便性を訴求する必要があります。アプリを利用すると利用金額や明細を簡単に確認できるため、その魅力を最大限感じてもらえるタイミングでアプリの利便性を訴求する施策を実施しました。
アプリを訴求するシナリオを表示したのは、Webサイトの利用明細確認画面です。Webサイトで明細を確認するには都度ログインする必要があり、それを面倒と感じているユーザーが一定数いるという仮説のもとでシナリオを設計しました。
利用明細は毎月確認するものですから、表示頻度は月に1回とし、直近7日以内にアプリ紹介ページを閲覧したユーザーには表示しないように設定しました。利便性を訴求するパターンとは別に、お得なダウンロードキャンペーンを訴求するパターンでもA/Bテストを行いましたが、利便性を訴求したパターンのほうが常に2倍以上好調で、シナリオ非表示のパターンと比較してダウンロード率が250%に改善しました。
アプリの魅力を伝えるのにも最適なタイミングがあります。今回は「毎月利用明細を見るためにログインするのが面倒」と感じていそうなタイミングを見計らって、アプリであればそれが不要であるという訴求を行いました。そのときのユーザーの心理に刺されば、金銭的なメリットを訴求するよりも強くユーザーの行動を促すことができるのです。共通のバナーを1つ作って使い回すのではなく、ユーザー心理を考えて場所とタイミングでの出し分けが有効です。
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