知識資産のAI活用基盤「ナレッジプラットフォーム」構想を発表

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Sprocket編集部

イメージ:知識資産のAI活用基盤「ナレッジプラットフォーム」構想

株式会社Sprocketは、AI時代に向けた新たなマーケティング基盤「ナレッジプラットフォーム」構想を発表します。 企業はこれまでCDPやDWHなどのデータ基盤を構築し、データの統合管理と分析を実現してきました。しかし、AI時代の今、データだけでなく、企業が蓄積してきた情報と、それらを整理・体系化した知識をAIが活用できる形で管理することが重要となります。当社は、こうした暗黙知を含む知識のAI活用基盤「ナレッジプラットフォーム」を通じて、企業のマーケティング活動をAIドリブンに変革し、新たな顧客体験の創出を支援します。

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ナレッジプラットフォームの概要

ナレッジプラットフォームとは、業界や事業に関する情報に加え、それらを整理・体系化した知見やノウハウといった知識を、AIが活用できる形で整備するための新たな基盤です。データだけでなく、暗黙知を含む知識をAIが活用できる状態にします。これにより、AIによる分析、企画、施策のアウトプットの質が高まり、人は戦略的・創造的な業務に専念できます。ナレッジプラットフォームを通じて、企業のマーケティング活動をデータドリブンからAIドリブンへと進化させることが可能です。

ナレッジの例

ナレッジプラットフォーム構想イメージ

ナレッジプラットフォーム開発の背景

顧客体験の向上への挑戦とデータ基盤の進化

顧客の価値観が多様化する現代において、企業の画一的なコミュニケーションでは、個々の顧客が求めるニーズや期待に応えることが困難になっています。企業は今、顧客との接点における体験価値の向上という大きな課題に直面しています。

この環境変化は、企業の経営戦略にも大きな影響を与えています。当社の調査によると、中期経営計画を策定している企業の約50%が顧客体験(CX)を重点戦略として位置づけており、単なる商品やサービスの提供から、顧客1人ひとりに寄り添った体験価値の創造への転換を進めています。

多くの企業はこの課題に対応するため、顧客1人ひとりに最適化されたコミュニケーションの実現を目指し、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)やDWH(データウェアハウス)などのデータ基盤を導入してきました。顧客の行動履歴や属性データを統合・分析することで、パーソナライズされた体験の提供を図ってきました。

これらのデータ基盤は、データ活用が進展した時代におけるマーケティング活動の重要な土台として、企業の事業成長を支えてきました。

AI時代における新たな課題とナレッジプラットフォーム開発へ

データ活用が当たり前となり、AIが業務に浸透しつつある現在、マーケティング業務は大きな転換期を迎えています。データ分析やレポート作成、キャンペーンの自動化など、従来、人が行っていたオペレーション業務の多くがAIによって自動化され、マーケターは戦略立案や顧客理解、施策開発といった創造的な業務により多くの時間を投資できるようになりました。

この変革を最大限に活かすためには、企業、業界の情報や知見、ノウハウなどの知識をAIが活用できる形で整備することが不可欠です。しかし、マーケティング業務に必要な業界特有の商慣習、顧客心理の理解、実務で蓄積された知見やノウハウなどが言語化されず、組織内に眠ったままになっているのが実情です。

AIがそれらを活用し、企業独自の文脈や顧客を理解することで、より精度の高い分析や提案が可能となり、人はその洞察を活かしてこれまで以上に価値ある戦略や施策の創出に専念できます。

上記の背景から、当社は、データドリブンからAIドリブンへのシフトを実現し、暗黙知を有効活用する新たなマーケティング基盤として、ナレッジプラットフォームの開発に取り組みます。

データドリブンからAIドリブンへのシフト

SprocketのAIエージェントサービス

SproAgent(スプロエージェント)は、マーケターと生成AIが協力して業務を進めるためのAIエージェントです。マーケティング業務を効率化し、人にしかできない付加価値の高い仕事に、より多くの時間を生み出します。

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2つの知識源による相乗効果

このナレッジプラットフォームの核となるのは、2つの知識源の活用です。第一に、クライアント企業の固有知識をクライアント専用のナレッジプラットフォーム上で活用できるようにします。第二に、Sprocketが運用支援で培った知識を同プラットフォーム上で活用できるようにします

企業内のデータや知識に最適化された内製AIでは、「既知の分析結果」や「社内の延長線上にある施策」になりがちで、新たな示唆や打ち手が生まれにくいという課題があります。一方、第三者であるSprocketは、業界や企業を横断して多様な知識を取り入れ、企業の条件に合わせた提案が可能です。

ナレッジ化の例

当社は創業以来10年間、単なるツール提供にとどまらず、400社以上の伴走支援を通じて、多くの企業の顧客体験(CX)の改善を実現してきました。12万回以上のA/Bテスト、施策の立案と実行、改善を繰り返す中で、業界や業種を問わず普遍的な顧客理解の法則と各企業固有の成功パターンを追求してきました。

この実践で得た膨大な知識は、「なぜその施策が成功したのか」「どのような顧客心理が働いたのか」「どのタイミングでどのようなアプローチが効果的なのか」という深い洞察です。

当社の強みは、この知識の蓄積と活用の仕組みにあります。あらゆる施策において、仮説立案から効果検証までを記録し、要因を言語化してきました。こうした継続的な知識の言語化により、属人的になりがちな知識を組織全体で活用し、再現性のある成果の創出を可能にしています。

さらに、当社のコンサルタントとエンジニアが密接に連携し、既存のサービス改善に反映させる体制を整えています。顧客の課題を解決する過程で発見された新たなアプローチは、汎用的なサービスとして展開し、すべての顧客に価値を提案します。

この「実践と開発の融合」こそが、当社のナレッジプラットフォームを実用的なものにする原動力です。マーケティング領域の実践で培った知識を最大限に活用し、AI時代における新たな価値提案を行います。

今後の展開

全プロダクトとサービスのAI統合と機能強化

当社は、全プロダクトおよびサービスにAI技術を統合し、根本的な機能強化を実現します。この構想はすでに着実に進行しており、2025年7月にリリースしたSproAgentのデータ分析エージェントでは、ナレッジプラットフォームとの連携、運用を開始しています。単なるデータの可視化にとどまらず、業界特性や顧客心理を踏まえた深い洞察を含むアウトプットの生成が可能となり、分析結果の質が大幅に向上しています。

プロダクトにおいては、AI技術を活用することで、ナレッジの追加や更新が即座に機能向上につながる仕組みを構築します。これにより、クライアントごとの個別ニーズに柔軟に対応できるほか将来的には、AIエージェント同士が相互に連携し、企業間の知識共有と価値創造を加速させるAtoAの未来を見据えた開発を進めています。

サービスにおいては、AIがコンサルタントの業務を支援することで、分析精度の向上、施策立案の高速化、属人的なスキルへの依存を抑えた安定的なサービス提供を実現します。さらに、クライアント固有のナレッジをAIが学習し、活用することで、継続的な顧客体験の向上を図ります。

ナレッジ基盤と連携するAIエージェント群SproAgentの拡張

当社は、新たなAIエージェントのリリースも予定しており、ナレッジプラットフォーム構想を実現するための重要なプロダクト群として順次機能を拡充していきます。

これらのAIエージェントがナレッジプラットフォームを参照することで、企業固有の文脈に最適化されたAIドリブンなマーケティングの実現が可能となります。単なるツールを超えた、AI時代における新たな顧客体験の創出を支援してまいります。

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