Instagram広告とは?媒体特性と広告の種類、出稿方法や費用相場、成功事例を紹介

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Sprocket編集部

Instagram広告とは?媒体特性と広告の種類、出稿方法や費用相場、成功事例を紹介

Instagram広告は、Z世代やミレニアル世代にリーチでき、ビジュアルや世界観をメインにしたクリエイティブが特徴です。広告の種類や出稿方法、課金方式と費用相場、注意点するポイント、成功事例を紹介します。

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Instagram広告とは?

Instagramは、国内のアクティブユーザー数が3,300万人(2019年6月公表)を超える、主要なSNSのひとつです。画像と動画というビジュアル面を軸としたサービスで、2010年のサービス開始から若い世代を中心に利用者を広げてきました。

総務省の調査によると、国内のInstagramの利用率は全年代を通じて増加を続けており、2021年度の利用率は全年代で48.5%と、LINEに次ぐ高い利用率となっています。なかでも10代・20代では70%を超える利用率です。このようにいまや主要なプラットフォームとなったInstagramは、広告の配信先としても重要性を増しています。

Instagramの媒体特性

Instagram広告について知る前に、まずInstagramという媒体ならではの特性を確認しておきましょう。前述したとおり、Instagramは写真や動画といったビジュアル面に特化したSNSです。2017年の流行語大賞「インスタ映え」に象徴されるように、もともとは見栄えの良いおしゃれな写真を共有する楽しみ方が主流でした。それが、検索に便利な「ハッシュタグ」や、投稿後24時間で消える「ストーリーズ」機能などが加わり、より気軽で日常的なツールという位置づけへと進化しています。

ユーザーの利用セッションは短時間で頻回の傾向にあり、1日に何度も利用される日常に浸透したコミュニケーションツールと言えるでしょう。ユーザー同士の交流という従来のSNSの役割に加え、気になるお店や商品などの情報収集にも手軽に使われていることもInstagramの特徴です。食べ物や旅行、動物といったカテゴリのトピックが人気であることから、実生活に根付き、消費行動にも強く関わっていることがうかがえます。

さらに、ショッピング機能の実装など、Instagramはビジネス上でも大きな役割を担うようになりつつあります。他のメディアと比べて女性ユーザーが多い点も特徴的で、若年層を中心としながらも、幅広い世代にアプローチできるメディアと言えるでしょう。

Instagram広告の特徴

Instagramは日常的なコミュニケーションや実生活に根付いた情報収集を隙間時間に楽しむ、プライベート感の強いプラットフォームです。一般消費者を直接のターゲットとしないBtoB企業では、Instagram広告での集客は難しいでしょう。くわえて、ビジュアルでの訴求という点では、ネットワークサービスやソフトウエア、金融商品といった無形商品・サービスは、Instagramの強みが発揮できないかもしれません。

また、Instagram広告は普通の投稿と同じように、ユーザーのフィードやストーリーズに写真や動画形式で配信されます。いかにも広告という印象を抑えられる反面、ユーザーに違和感を与えずに惹きつける高品質なクリエイティブが重要になります。

Instagram広告のメリット

Instagram広告を活用するメリットとして、以下のような点が考えられます。

企業公式アカウントのフォロー率が高い

多くのInstagramユーザーが、参考になる情報や楽しめる投稿、あるいはお得な情報を求めて企業アカウントをフォローしています。InstagramはSNSのなかでも、企業やブランドの世界観を視覚面から効果的に伝えられ、かつ日常的にユーザーの目に触れることで身近に感じさせることができるチャネルと言えるでしょう。ユーザーが企業アカウントに親しみやすい点は、広告の配信先として大きな強みになります。

Z世代・ミレニアル世代にリーチできる

先述のとおり、Instagramは特に若い世代に普及しているプラットフォームです。今後の消費行動の中心となるZ世代・ミレニアム世代に広くリーチできることから、これらの世代をターゲットとする企業には欠かせない広告媒体となるでしょう。

広告ターゲティングの精度が高い

Instagram広告はターゲティングの精度の高さにも強みがあります。Instagram自体は詳細な個人情報の登録を課しませんが、Meta社が運営するFacebookのデータを利用できるためです。年齢や性別だけでなく、仕事、ライフイベント、居住地や訪れたエリアなど、Facebookの膨大なデータから得られる細かいターゲティングによって、広告効果の向上が期待できます。

低予算から広告配信を始められる

Instagram広告はあらかじめ決めた上限金額内で出稿できるため、予算を抑えて広告配信を始めることが可能です。少額すぎるとほとんど広告が表示されずに終わってしまうため、現実的な目安としては月額3万円程度からとされます。Instagram広告の課金方式には複数あり、詳しくは費用の目安とあわせて後述します。

広告は出稿したら終わりではなく、効果検証を繰り返し、改善し続ける必要があります。ウェブ広告の基本的な種類と仕組み、広告効果を高めるために押さえておきたいポイントについてまとめた、保存版の資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。

Web広告の基本と広告効果を最大化する方法

Instagram広告の種類

Instagram広告は、配信面とフォーマットの組み合わせでさまざまな種類の広告を配信できます。まず、広告を表示できるInstagramの配信面には以下の4つがあります。

出稿できる広告フォーマットは以下の3つです。

これらをふまえて、基本的なInstagram広告の種類を確認しておきましょう。

写真広告

シングル画像を表示する広告で、フィード・ストーリーズ・発見タブに配信できます。正方形・縦型・横型のいずれも使用できる汎用性の高いフォーマットです。シンプルな見た目で広告色を抑えることができ、ユーザーに抵抗感を持たれにくい形式と言えるでしょう。

動画広告

Instagramの動画広告は、フィード・ストーリーズ・発見タブ、そしてリールと、すべての配信面に掲載できます。ターゲットに合った配信面を選んでユーザーにアピールできるでしょう。認知拡大のために強く目を惹きつけたい場合や、動画のほうが魅力を伝えやすい商品・サービスなどに適しています。

カルーセル広告

カルーセル広告は、スワイプによって複数の画像や動画を表示できる広告です。フィード・ストーリーズ・発見タブに掲載できます。最大10点の画像または動画を掲載できるうえ、それぞれの画像または動画に異なるリンクを設定することも可能と、多くの情報を持たせることができるフォーマットです。複数の商品紹介や使い方の説明、またブランドストーリーをより深く知ってもらうのにも効果的です。

ストーリーズ広告

ストーリーズは24時間限定で表示される投稿機能です。フィードへの通常投稿とは別に、より日常的な写真や動画を気軽にシェアするのによく使われています。ストーリーズに配信できる広告は、画像・動画・カルーセル広告です。縦長のフルスクリーン表示によって、インパクトや没入感の強い広告を届けることができるでしょう。

投稿内にWebサイトへのリンクやアンケートスタンプを設置することもできます。スライドショーのようにワンタップで次の投稿へ飛ばせるため、ユーザーにストレスを与えにくい配信面と言えます。

発見タブ広告

Instagramの「発見タブ」は、キーワード入力によるアカウントやトピックの検索に加えて、まだフォローしていないアカウントの投稿から自動でおすすめが表示される機能です。おすすめの投稿は、ユーザーの閲覧履歴や「いいね」などの行動にもとづいてパーソナライズされます。

この発見タブにも広告が配信できるようになりました。おすすめの投稿がグリッド表示される「発見ホーム」、タイルから投稿を選択すると表示される「発見フィード」のそれぞれに広告を出すことができます。発見タブ広告は、新しいユーザーやコンテンツへ積極的に興味を広げようとするユーザーにリーチできる配信面です。

Instagram広告とFacebook広告は連携できる

Instagram広告は現在、Facebook広告の機能の一部として提供されており、Facebookと共通の広告マネージャからInstagram広告の出稿・管理が行えます。注意点とメリットを確認しておきましょう。

広告連携の注意点

Facebook広告の広告マネージャを使えば、Instagramアカウントがなくても広告出稿は可能です。ただし、その場合は機能がかなり制限されることに注意が必要です。まず、配信されたInstagram広告に付いたコメントに対する返信や削除はできません。ユーザーとの交流の機会が損なわれるだけでなく、不本意なコメントへの対処ができないリスクがあります。

また、広告に表示されるアカウント名はFacebookページ名がグレーで表示され、タップしても進めません。ユーザーが広告で企業やブランドに興味をもっても、アクションがとれなくなってしまいます。これらをふまえると、Instagram広告を出すのであればInstagramアカウントは必ず作成したほうがよいでしょう。

広告連携のメリット

InstagramとFacebookのアカウントを連携させることで、2つのプラットフォームに対して広告の同時投稿が容易に行えるメリットが生じます。ただし、前述した通りInstagramは若い世代や女性が中心、Facebookは30~40代が多くビジネスの要素も強いプラットフォームです。

ユーザー層にあわせてクリエイティブを使い分ける工夫も必要かもしれません。両者の併用に向いているものには、デザイン家電や不動産といった、30~40代をターゲットとし、高品質な広告クリエイティブで訴求するような商材が考えられます。

Instagram広告の出稿方法

Instagram広告を出すには以下の3つの方法があります。

これらのうち、本記事ではInstagramアプリと広告マネージャによる広告出稿についてこのあと解説します。なお、Instagramで広告を掲載するには、アカウントの要件として以下のいずれかの方法が挙げられています。

すでにInstagramアカウントを持っているか、新規作成する場合

MetaビジネスマネージャにInstagramアカウントを追加する方法です。ビジネスマネージャはFacebookページやアプリ、FacebookやInstagramの広告アカウントを一元管理するツールで、広告マネージャもこのツールに含まれます。

ビジネスマネージャにInstagramアカウントを追加することで、そのアカウントから広告が出稿できるようになります。複数のInstagramアカウントで広告を運用したい場合にも適している方法です。

Instagramアプリから広告出稿したい場合

Instagramアプリから広告出稿する場合のやり方です。アプリから広告出稿するには、ビジネスアカウント(ビジネスプロフィール)が必要です。既存のInstagramアカウントをビジネスアカウントに切り替えるか、ビジネスアカウントを新規作成し、Facebookページとリンクさせます。

ビジネス用にInstagramアカウントを新規作成したくない場合

ビジネス用にInstagramアカウントを作りたくない場合は、FacebookページをInstagram広告の発信元とすることもできます。Instagram用に別途プロフィールを作成しなくても、Facebookページの情報がそのまま表示されるアカウント(ページバックInstagramアカウント)が設定され、Instagram広告を利用できます。

Instagram広告

Instagramアプリから広告を出す方法

Instagram広告のうちもっとも手軽な方法が、Instagramアプリから「投稿を宣伝」することです。Instagramアプリ内の広告ツールで、既存の投稿を選択し、目標・予算・期間などを設定するだけで広告を出稿でき、審査で承認されると広告配信が開始されます。

インプレッション数やエンゲージメント数といった広告の結果は、広告インサイトから確認できます。投稿の宣伝とインサイトを利用するには、前述したとおりビジネスアカウントへの切り替えが必要です。

広告マネージャから広告を出稿する方法

広告マネージャはFacebook広告と共通した広告作成ツールです。キャンペーンや広告の設定・管理、結果の確認など、1か所でさまざまな機能を利用できます。広告マネージャでInstagram広告を作成する大まかな流れは以下の通りです。

1.広告の目的を選択

使用する画像や動画を用意したら、広告マネージャでまず広告の目的を選択します。この目的は、広告で目指す成果を明らかにするもので、配信面や課金方式にも関わる重要な項目です。

2.広告セットを入力

次に、予算や期間、オーディエンス、広告クリエイティブなどの広告セットを入力しましょう。このとき、配置(広告の配信面)でInstagramを含むように設定することで、Instagramに広告を配信することができます。

「手動配置」でInstagramを指定するとInstagramの配信面のみに、また「自動配置」を選択するとInstagramを含むすべての配置から広告効果の高い場所に自動で配信される仕様です。

3.プレビューを確認

最後にプレビューを確認して送信すると、審査を経てInstagram広告が配信開始されます。

本格的に取り組むなら専任担当が必要

大まかな設定内容は上記のとおりですが、Instagramはトレンドの変遷や仕様変更も頻繁な、移り変わりの早いSNSです。本格的にInstagram広告運用に取り組むとなると、相応のリソースを必要とします。専任の担当者を設けるか、外部の専門家に依頼するのが現実的でしょう。

Instagram広告の課金方式と費用相場

Instagram広告は予算を自由に決めて出稿できます。適切な予算を設定するため、課金方式と大まかな費用相場について理解しておきましょう。

Instagram広告の課金方式は目的ごとに異なる

まず、Instagramには以下4つの課金方式があります。

このうち基本となるのは、画像や動画の表示回数に応じて料金が発生するインプレッション課金(CPM)です。ただし、Instagram広告では、これらの課金方式を無条件に選べるわけではありません。選択できる課金方式は広告の目的によって異なります。広告の目的とは、広告出稿時に設定する項目で、以下の6種類(※)から選択します。(※2022年11月現在)

わかりやすい例では、課金方式のうちアプリインストール課金(CPI)は、広告の目的を「アプリの宣伝」に設定した場合にのみ選べます。広告の目的の設定により、目指す成果とその指標となるユーザーのアクションを明確にして出稿することで、広告の費用対効果を高めることができるでしょう。

Instagram広告の費用相場

Instagram広告の出稿金額は最低100円から可能ですが、あまりに低い予算だと、ほとんど広告が表示されることなく終わってしまいます。効果検証や成果につなげるには、最低でも1日あたり数千円、月額にして3万~10万円ほどは見込んだ方がよいでしょう。

Instagram広告の費用は規模や広告の種類、目的によってさまざまです。課金方式と、アクションごとの費用単価をまとめました。

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Instagram広告の注意点

Instagram広告で注意したい点をまとめました。Instagramの特性をふまえ、広告の目的や商材によっては不向きな場合もあることを知っておきましょう。

シェア機能がないため拡散されにくい

Instagramには、他のSNSにあるようなシェア機能が備わっていません。ユーザーの手による二次拡散が期待できないため、広く新規顧客を獲得する目的には不向きと言えるでしょう。Instagram広告でコンバージョンを狙うには、アプローチしたい層にピンポイントで広告が届くように、ターゲティングの精度を高めることが欠かせません。

BtoB広告はリーチしにくい

前述したようにInstagramはプライベートな使われ方が一般的です。企業向けのBtoB広告は一般消費者には興味を持ってもらいにくいうえ、ターゲットとなる企業の担当者にピンポイントでリーチする見込みは高くないでしょう。また企業アカウントへのリーチもあまり期待はできません。企業のInstagramアカウントでは、情報収集よりも発信を主目的とする使われ方が多いと見られるためです。

広告ポリシーの審査がある

Instagram広告の出稿にはFacebookの広告ポリシーにもとづく審査があります。ポリシーに違反すると広告が掲載されないだけでなく、是正しないまま何度も出稿を繰り返すとアカウント停止などの措置が取られることもあります。

ポリシーの項目は多岐にわたりますが、しっかり確認して確実に規定を満たすように対策しましょう。審査はほとんどの場合24時間以内に完了するとされていますが、承認までに時間がかかることもあります。スケジュールには余裕をもって出稿したほうがよいでしょう。

掲載済みの広告でも、クリエイティブやターゲット設定に変更があった場合は新たに審査が行われます。

画像や動画内のテキストは20%未満に

Meta社によると、投稿画像や動画内のテキストは20%未満の割合に抑えたほうが広告のパフォーマンスが高くなることが示されています。画像・動画に載せるテキストは最小限に抑え、テキストで伝えたい情報はなるべく本文部分に含めるようにするとよいでしょう。なお、かつては画像・動画内のテキスト量が20%を超えると審査に通りませんでしたが、そうした制限は現在撤廃されています。

宣伝色の強い広告は向いていない

Instagram広告では宣伝色をあまり出しすぎないような配慮が必要です。Instagram広告は一般投稿にまぎれて表示されるため、ほかの投稿になじまない広告クリエイティブは敬遠されてしまいます。バナー広告やFacebook広告などでは明確なPRが効果的な場合もありますが、Instagram広告の場合は世界観を壊さないクリエイティブが求められます。

Instagram広告の成功事例

最後に、Instagram広告の成功事例を見てみましょう。

パナソニック株式会社

大手家電メーカーのパナソニックは、高級オーブントースター「ビストロ」の新モデル発売にあたり、Instagramをプロモーションの主軸に据えました。同社はブランディング開始前の段階から、Instagramの分析によって消費者インサイトを探りました。その結果を生かして広告コンセプトを立案し、Instagram広告のフォーマットに最適なクリエイティブを作成・展開していきます。

特徴的なのが、認知目的・商品理解の促進・商品検討の促進と、購買行動のすべてのフェーズに対して訴求するフルファネルのアプローチをとったことです。広告効果を調べるブランドリフト調査を行ったところ、上記3つの広告すべてを見た人は、広告認知やブランド想起率が大きく高まったことがわかりました。売り上げも旧モデルと比較しておよそ2倍と、大きな成果を上げています。

三越伊勢丹

老舗百貨店である三越伊勢丹のオンラインギフトサイト「MOO:D MARK by ISETAN」は、さらなるコンバージョンアップを目指し、Instagram広告によるホワイトデーキャンペーンを行いました。

同社はもともとFacebook広告での配信を行っており、配信面にこだわりがありました。そこにInstagram広告の追加を検討するにあたり、効果テストとしてギフト需要の高いホワイトデーを利用してキャンペーンを行ったものです。

購入完了者の動向データから類似オーディエンス機能を用いてリーチを拡大し、商品カタログの機能をもつコレクション広告を活用して詳細な商品情報を提供しました。結果、Facebookのみで広告配信していたときと比べ、購入数増加と購入単価の改善、さらにCPMの削減までも果たしています。

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