施策の効果を最大化するための 消費者の行動心理をマーケティングに活用する方法
人間が行動をするときにどのような心理に基づいているかを紐解く行動心理学。その原理原則を正しく活用すれば、商品やサービスの魅力を最大限に訴求したり、顧客を動かすことが可能となります。この資料では、マーケティングに活用できる行動心理学についてわかりやすく解説します。
初頭効果とは、冒頭で接した情報がその後の情報に影響を与える心理効果のことです。アンカリング、親近効果、とハロー効果との違い、初頭効果をマーケティングに応用する具体例と注意点を解説します。
「人を動かす」心理学の使い方をご存知ですか?すぐに実践に活かしたいという方に向けて、ポイントをまとめた資料をご用意しました。
初頭効果とは、最初に提示された情報に強く影響される心理的な傾向を言います。例えば、初めて対面したときの身だしなみや表情、言葉使いといった第一印象が、その人のイメージとして残り続けるといった経験はないでしょうか。平たく言えば、人は第一印象に強く影響されがちということです。
初頭効果は、心理学者のソロモン・アッシュが明らかにしました。アッシュは、ある人物を形容する複数の語句を読んだ後、その人物の印象を評価する印象形成の実験を行ったのです。
実験では「明るい、頼もしい、嫉妬深い」のようにポジティブな順に並べた語句群を読んだグループと、「嫉妬深い、頼もしい、明るい」のようにネガティブな順に並べた語句群を読んだグループとでは、同じ語句を使っているにもかかわらず、前者の人物評価がポジティブになる傾向が見られました。
つまり、ポジティブな情報や強調したいポイントは、先に示すことでより効果的に印象づけられるということです。この心理効果は、宣伝やプレゼンテーションなどビジネスシーンでも広く活用されています。
初頭効果と同様に、第一印象が強く影響することを示す考え方に、アンカリングがあります。アンカリングとは、最初に提示された情報が基準点(アンカー)となってその後の価値判断を左右するという心理効果です。
アンカリングは、数字のように単独では特定の印象を与えないような情報にもはたらく特徴があります。このため、例えば通常価格を先に提示することでセール価格をいっそうお得に感じさせるといったように、相場感やお得感の演出によく使われます。
初頭効果とは対照的に、最後または判断の直前に与えられた情報が、強く影響を及ぼすことがあります。この心理効果を親近効果と言います。
親近効果を提唱したアメリカの心理学者N・H・アンダーソンは、模擬裁判形式の実験で、最後に述べられた証言が判決に強く影響することを示しました。最後に提示された情報が、全体の印象や評価・判断を左右するということです。
Webサイトや広告文などで、最もアピールしたいことを末尾に持ってくる方法は、親近効果を狙ったものと言えるでしょう。初頭効果と親近効果の使い分けについては後述します。
ハロー効果は、目立った特徴に引っ張られて、他の部分まで歪めて評価してしまう現象を言います。
大手企業や有名大学といった組織のネームバリュー、目を惹く容姿などの外見が、少なからず人物評価にも影響するケースに心当たりはないでしょうか。著名人の名前、専門性を示す肩書き、受賞歴といった、わかりやすく権威を感じさせる情報を提示することで、商品やコンテンツの信頼感を高める方法はよく使われます。
マーケティング施策を実行する上で、初頭効果といった人の行動原理を読み解くことは重要です。人間が行動をするときにどのような心理に基づいているかを紐解く「行動心理学」をマーケティングに活用するポイントをわかりやすくまとめた資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。
初頭効果はマーケティングにおいても有効に活用されます。具体例をシーン別に見ていきましょう。
デザインは、初めに目に触れる重要な情報のひとつであり、初頭効果がはたらきやすい部分です。例えば、Webサイトで初めに表示されるファーストビューは、ユーザーが閲覧を続けるかどうかを決定づける非常に重要な要素とされます。
Webデザイン、パッケージデザイン、また店舗デザインから得られる視覚情報は、ブランドや商品の印象を大きく左右します。
商品・サービスの魅力を端的に表現するキャッチコピーもまた、初頭効果を発揮しやすい要素です。特長を伝える文言や関心をそそる印象的なフレーズなどを初めに提示することで、ユーザーの心をつかみ、全体の印象を誘導する効果が狙えます。
初頭効果をマーケティングに応用する際に重要となるライティングスキル、「言葉選び」についてまとめた下記の資料もご参照ください。
自社商品・サービスについて販売や営業の場で紹介する場合も、初頭効果を意識したテクニックが使えます。相手に最も訴求したいポイントを話の初めに持ってくることで、ポジティブな印象をもって話を聞いてもらいやすくなります。
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判断やイメージ形成において、第一印象は少なからず影響を及ぼします。とはいえ、当然ながら物事の判断基準はそれだけではないはずです。第一印象だけに惑わされては、適正な判断・評価ができなくなる恐れがあります。
例えば、初めに強調されたアピールポイントに惹かれるあまり、懸念材料となりそうな点を実際よりも軽く捉えてしまうかもしれません。こうした判断の歪みは、初頭効果のはたらきを意識して相手を客観的に観察することで回避しやすくなります。
具体的には、相手が過度に第一印象に注力してイメージを演出しようとしていないか、話の順序によって必要以上にメリットを強調していないかなどがポイントになります。
前述したように、初頭効果は「最初に提示された情報」に、親近効果は「最後に提示された情報」に強く影響を受ける現象です。重要な情報をどのタイミングで伝えるかという点で両者は対照的と言えますが、以下のような観点で使い分けることができます。
初頭効果が有効なのは、初対面の相手にセールスをするときなど、相手の興味関心が低い場合です。というのも、こちらの話に関心をもっていない相手は、核心に入る前に話を聞くのをやめてしまう恐れがあるからです。
そこで、初めに「興味深い」「メリットがありそう」と相手に印象づけることで、話を最後まで聞く気になってもらえるでしょう。
反対に、ある程度こちらに興味関心が高い相手には、親近効果が有効です。話を最後まで聞く姿勢が既にある場合は、重要な情報を最後に提示することで、より強く印象に残すことができるからです。
結論に向かって、根拠を積み上げるなど話を順序よく展開することで、最後に提示した情報がより説得力を持つでしょう。
前項で述べた通り、初頭効果と親近効果は、相手の興味関心の度合いによって使い分けたいところです。しかし実際には、自分の話や商品・サービスに相手がどの程度の興味関心をもっているか、確信できるケースは少ないでしょう。
そこで有効なのが、初頭効果と親近効果を組み合わせる使い方です。具体的には、セールスシナリオを組み立てる際、特に訴求したい情報を、印象に残りやすい冒頭と最後に提示する構成にするのです。
また、メリットとデメリット両方を伝える場合は、デメリットを話の中間部分に配置すると、メリットをより強調できます。このように相手に示す情報の順番を意識することで、初頭効果と親近効果の両方を狙えるでしょう。
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