ハロー効果とは?メリットや具体例、マーケティングとの関係を解説

行動経済学

Sprocket編集部

イメージ:ハロー効果とは?メリットや注意点、マーケティングとの関係を解説

ハロー効果は「目立つ特徴が、対象の印象や評価に影響を与える現象」のことです。マーケティングの視点でも、プラスに作用することもあれば、マイナスに作用することもあるでしょう。ここではハロー効果について、ビジネスやマーケティングでの事例を交えて解説します。

ハロー効果とは評価がゆがめられる現象

ハロー効果(halo effect)とは「目立つ特徴が、対象の印象や評価に影響を与える現象のこと」です。1920年に心理学者のエドワード・ソーンダイクによって提唱されました。「halo」は日本語で「後光」や「円光」など、後ろからさす光のことです。対象が後ろから照らされることで、対象の価値以上に輝いているように錯覚してしまうというわけです。

例えば、街角にとある飲食店があったとします。美食家として有名なタレントがテレビで「おいしい」と言って「テレビで紹介された店」と看板を掲げたら、これまで興味を持たなかった人も「あの店はおいしいはず」と感じ、行列に並んででも食べたいと思うかもしれません。

このようにハロー効果によって人の評価にはゆがみが発生します。行動経済学や社会心理学の「認知バイアス」のひとつとして研究されているのです。

ハロー効果とピグマリオン効果の違い

ハロー効果と関連する用語に「ピグマリオン効果」があります。ピグマリオン効果は、アメリカの心理学者であるロバート・ローゼンタールが提唱した心理学用語で「期待をかけられると、成長するために努力する」ことを指します。

ハロー効果は対象を勝手に「できる人」と誤解するのに対して、ピグマリオン効果は対象に「あなたはできる人だ」と言うことで「できる人になるように努力する」という違いがあります。なお、ピグマリオン効果は、提唱者の名前をとって「ローゼンタール効果」と呼ばれることもあります。

ハロー効果とホーン効果との違い

ホーン効果も、ハロー効果と同様に、対象の印象をゆがめる効果のことです。しかしハロー効果が印象や評価をプラスに作用することに対し、ホーン効果はマイナスに作用します。実は、このホーン効果のホーンは、「悪魔の角」を指しており、ハロー効果の「後光」の対極になっているのです。ちなみに、このホーン効果は「悪魔の角効果」と呼ばれる場合もあります。

ポジティブ・ハロー効果とネガティブ・ハロー効果

ハロー効果には「ポジティブ・ハロー効果」と「ネガティブ・ハロー効果」の2種類があります。

効果の違いは字面のとおりで「ポジティブ・ハロー効果」は評価や印象がプラスに作用し、「ネガティブ・ハロー効果」は評価や印象がマイナスに作用します。ですから、ネガティブ・ハロー効果はホーン効果と同じといえます。

例えば、面接に来た2人の学生のうち、1人はアイロンがけされたスーツを清潔に着こなし、もう1人はヨレヨレのスーツだった場合、本来の能力差以前にポジティブ・ハロー効果と、ネガティブ・ハロー効果が生まれてしまうのです。

ハロー効果が現れやすいビジネスシーン

ハロー効果によって、実際にどれくらい評価や印象がどのようにゆがめられるのでしょうか。ここでは、ハロー効果が現れやすいビジネスシーンをいくつかご紹介しましょう。

スキルや職歴で人事評価が変わる

人事評価は、昇給や昇進に影響する大事な業務ですから、社員の能力を正しく判断する必要があります。しかしスキルや職歴により、人事評価にハロー効果が現れるケースがあります。

まずはスキルです。職種に直結したスキルであれば人事評価に影響しても当然ですが、業務に直結しない語学スキルが人事評価に影響を与えることもあります。例えば「英語ができる人」というだけで、業務遂行能力にかかわらず「仕事ができる」という高評価を受けるかもしれません。

また、過去の職歴も人事評価に影響します。例えば、前職が大手IT企業であった場合と、少人数のベンチャー企業の場合では、大手IT企業出身者のほうが、高評価を受ける場合があります。

学歴や人物像で面接の印象が変わる

面接は能力の高い学生を採用する大事な業務ですから、学生の能力を正しく判断する必要があります。しかし学歴や人物像でハロー効果が現れ、印象が変わるケースがあります。

まずは学歴です。履歴書を見たときは、国立大学や有名私大出身のほうが好印象でしょう。また「息子と同じ大学」など、私的な印象でハロー効果が現れることもあります。

また人物像では、前述した服装だけでなく、清潔さなどにもハロー効果が現れます。もちろんこれらはある種ビジネスマナーですので、当然それに従うべきです。しかし、声の大きさや顔などの外的な印象でもハロー効果が現れるケースがあります。

好感度の高い有名人の起用で広告の印象が変わる

テレビのCMやポスターなどの広告は、商品やサービスについて顧客に好印象を持ってもらいたいものです。ですから、好感度の高い有名人や、知名度の高い有名人を起用し、ハロー効果によるイメージアップを期待します。

例えば、化粧品の広告であれば人気女優や話題の女性アイドルを起用したり、健康ドリンクであれば有名なスポーツ選手を起用したりします。

ハロー効果のメリット

ハロー効果は自分自身や会社、商品やサービスなどの印象にもかかわってきます。ここではハロー効果のメリットについてご紹介しましょう。

高評価を受ける

ハロー効果によって、高評価を受けるメリットがあります。前述した人事評価のように、目立つポジティブな特徴があれば、全体の評価にも影響するのです。

信頼されやすい

ハロー効果があれば、信頼されやすくなるメリットがあります。例えば面接で「清潔感」があり、「親しみ」やすく、質問にもハキハキと答える求職者がいれれば、同じ内容の回答をしていたとしてもハロー効果で「この人は信頼できる」と思われるでしょう。

悪印象を好印象に変えられる

ハロー効果があれば、悪印象を好印象に変えられることもあります。例えば、会社で部下に厳しく指導するような上司でも、休日に散歩させている犬の糞をきちんと広い、優しい顔でお尻を拭いてあげている姿をみれば、その印象からのハロー効果で「実は優しい人なのかもしれない」と、全体の印象が変わるかもしれません。

ハロー効果のデメリット

ハロー効果は認知バイアスですから、評価や印象が本来のものと異なるケースもあります。また、ハロー効果の恩恵を受けない場合の問題も発生します。ここではハロー効果のデメリットについてご紹介しましょう。

不当な評価を受けてしまう

ハロー効果を受けるメリットもあれば、受けないデメリットもあります。前述した面接の例でいえば「面接官の息子と同じ大学だから」という理由でハロー効果が発生した場合、ハロー効果が発生しないほかの学生にとっては不利になります。結果として、本来採用に値する能力を有していても、ハロー効果の有無で不当評価を受けてしまうのです。

ハロー効果は持続しない

ハロー効果は「効果が持続しない」こともデメリットといえます。ハロー効果はさまざまな理由で評価や印象が高くなる現象ですから、必ずしも能力と評価が一致するわけではありません。従って面接などで「この学生はすごい」と思って採用しても、実際に就業してみたら凡庸だったというケースもありえます。このように、ハロー効果によって事実誤認してしまうデメリットがあります。

不祥事でイメージダウンが起きる

広告に有名人や著名人を起用すれば、商品やサービスのイメージアップにつながります。しかし、もし起用した有名人や著名人が不祥事を起こした場合はどうなるでしょうか。これまでプラスに作用していたイメージが、元に戻るどころかマイナスに作用するかもしれません。ハロー効果にはポジティブなものとネガティブなものがあるので、ネガティブに作用してしまうデメリットもあるのです。

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マーケティングとハロー効果の関係

広告の例で説明したように、ハロー効果はマーケティング分野にも関係があります。しかしやり過ぎれば「やらせ」や「だまし」になりかねません。虚偽や誤解のないように、正しく理解しましょう。ここでは、マーケティングの分野でハロー効果を活用する例を挙げていきますので、施策立案の参考にしてください。

著名人や有名人を起用する

これまでご紹介したように、イメージの良い著名人や有名人を起用することは、ハロー効果の活用法として定番といえるでしょう。

例えば広告であれば芸能人、オウンドメディアの記事であれば専門家や社会的地位の高い人物など、最適なアサインをしていきましょう。しかしあまり商品やサービスとかけ離れた人を起用すると、ポジティブな印象にはつながらないかもしれません。「有名だから」と起用するのではなく、イメージにあった人物の起用を心がけましょう。

受賞歴などを活用する

確かな実績としてハロー効果につながりやすいのが、受賞歴などです。信頼できる賞であれば「きっと優れているに違いない」というハロー効果が期待できます。賞品そのものが受賞していなくても、権威のある人のおすすめも印象のアップにつながります。

説得力のある数値データを活用する

数値データも、ハロー効果を生みやすい実績のひとつです。例えば書籍であれば「累計150万部突破の○○先生最新作!」と本の帯に記載すれば、ハロー効果で「きっと面白い小説である」という印象を与えられます。

きれいで嫌われないデザインにする

広告や商品パッケージ、Webサイトなど、マーケティングで使うデザインをきれいで悪印象を持たれないものにすることでも、ハロー効果を期待できます。もっともマーケティングでデザインに注意を払わないケースはないでしょうから、ハロー効果を意識せずに行っているともいえます。

ハロー効果を認識してユーザー心理を理解しよう

ハロー効果は、目立つ特徴が対象の印象や評価に影響を及ぼすことです。メリットだけでなく、デメリットもあります。

例えば「大手広告代理店の施策なのだから正しい」「受賞歴のあるデザイナーだから素晴らしいデザインだ」「著書のあるライターだから文章がうまい」など、プラスの印象で評価してしまうことは実際に多いでしょう。

マーケティングでも、消費者はさまざまな特徴を見て商品やサービスを評価しています。よりユーザー心理を理解するためにも、ポジティブなハロー効果だけでなく、ネガティブに作用しているハロー効果がないかという視点でも見直してみるのも大切です。

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