5W2Hとは?各要素の意味や類似フレームワークとの違い、ビジネスでの活用シーンを解説

マーケティング

Sprocket編集部

5W2Hとは?各要素の意味や類似フレームワークとの違い、ビジネスでの活用シーンを解説

5W2Hは、情報伝達やマーケティング戦略に使うフレームワークの1つです。類似フレームワークの5W1H・5W3H・6W2Hとの違いや、5W2Hを構成する各要素の意味、メリットとデメリット、ビジネスでの活用シーンを解説します。

企画の立案、思考整理に役立つフレームワークをご存知ですか?主要な18のフレームワークを解説した資料をご用意しました。

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5W2Hとは?

5W2Hとは「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」「How Much(いくらで)」の英単語の頭文字をとった言葉で、情報整理・伝達において活用できるフレームワークです。生産数や費用などの数値を盛り込めるため、マーケティング活動や事業計画の作成などにもに役立ちます。

5W2Hと5W1H・5W3H・6W2Hの違い

5W2Hは、5W1Hの考えが基になっており、ほかにも5W3H・6W2Hといったフレームワークがあります。5W1Hは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の6つの要素で情報を整理します。

この5W1Hに別の要素を追加した5W2H・5W3H・6W2Hのフレームワークは、ものごとをさらに具体的に分析できるでしょう。要素が増えると情報量が多くなり、逆に情報を整理しづらくなる場合もあるため、目的にあったフレームワークを選ぶことが重要です。

5W2H:5W1Hに「How Much(いくらで)」を追加

5W2Hは「How Much(いくらで)」の要素により、数値を明確化するのに役立ちます。費用や利益など具体的な数値を整理できるため、マーケティング活動や事業計画の作成でも活用されるフレームワークです。

5W3H:5W1Hに「How Much(いくらで)」「How Many(規模)」を追加

5W3Hは「How Much(いくらで)」「How Many(規模)」の要素からも情報を整理するため、ものごとをより深掘りしたい時に役立つフレームワークです。仕事の優先順位を決めたり、課題特定に活用できたりと、さまざまなシーンで役立ちます。

6W2H:5W1Hに「Whom(だれに)」「How Much(いくらで)」を追加

6W2Hには「Whom(だれに)」「How much(いくらで)」の要素があり、ターゲットやコストを含めた全体像を把握する時に活用できます。6W2Hの8つの要素で行うフレームワークは、企画書の作成や競合分析などに役立ちます。

5W2Hを構成する各要素の意味

5W2Hは、7つの要素で構成されています。マーケティングでは市場分析が重要ですが、分析を繰り返していくと思考が混乱してしまう場合もあるでしょう。5W2Hには、それぞれの要素を1つのストーリーとしてまとめることで、客観的な視点から整理しやすくする役割があります。

Why(なぜ)

「Why(なぜ)」は、商品やサービスを販売する際に、目的を明確化するために使います。

「消費者はなぜ自社商品を購入してくれるのか」を分析していくことで、消費者のニーズが推測できます。

例えば、消費者が自社商品を選んでくれる理由の1つが「環境に配慮した製品である」という場合、商品のプロモーションで「環境への優しさ」を前面に押し出すという選択肢もあるでしょう。

また、商品・サービスの目的だけでなく、企業の存在意義(パーパス)をしっかり把握することも重要です。

What(なにを)

「What(なにを)」は言葉の通り、消費者に何を販売・提供するのかを考えるための要素です。

「What(なにを)」には、商品や商品価値があてはまります。現代では、消費者が商品を買う際に「商品を購入したらどのような価値があるのか」と考えることも増えました。ターゲットへどのような価値を提供すれば購買意欲を掻き立てられるのかを、しっかり分析することが重要です。

Who(だれが)

「Who(だれが)」では、ターゲット層を分析していきます。消費者となるターゲット層の分析では、商品を購入してくれているのが誰か、意思決定者は誰かを明確化することで、どのような商品を販売するべきかがわかってくるでしょう。

また、ターゲット層の分析だけでなく、企業側の関係者を分析することにも活用できます。例えば、商品開発チーム、マーケティングチーム、営業チーム、外部業者など、商品ができあがり消費者に届くまでに関わる人物を分析し明確化します。そうすることで、新たな課題が見えてきたり、新しいアイディアの発見にもつながります。

When(いつ)

「When(いつ)」では、あらゆる期間について分析していきます。商品の販売期間やキャンペーン実施期間などは、マーケティングにおいても重要です。

例えば、消費者が商品を求めているタイミングに合わせた販売期間を設定したり、キャンペーン期間を競合他社と被らない時期に設定したりなど、利益を上げるためには分析結果をもとに最適なタイミングを決める必要があります。

Where(どこで)

「Where(どこで)」では、商品を販売する場所について考えます。販売場所は、店舗販売やインターネット販売、訪問販売などさまざまです。

ターゲット層が商品を購入しやすい場所を分析し、購買行動が起きやすいシーンや消費者の利便性を考えて、商品の販売場所を決めましょう。例えば、スニーカーを販売する場合「試着をしてから購入したい」という消費者ニーズが多い時は、実店舗での販売やポップアップショップなどに期間限定で出店することも検討できます。インターネット販売と実店舗の両方で販売する方法もあるでしょう。

How to (どのように)

「How to (どのように)」では、どのように販促を行い集客をするのかを考えます。

商品を販売するためには、ターゲット層に商品の存在を知ってもらう必要があります。販促手段は、広告やSNSキャンペーン、DM発送、メディア露出などさまざまです。どのような販促を行うかは、効果や予算の観点からも検討する必要があります。

How much(いくらで)

「How much(いくらで)」では、商品をいくらに設定するのかや商品販売にかけたコストをどのように回収するのかなど、お金まわりの戦略を考えます。

利益を増やすためには、商品の制作コストや人件費、商品の価格設定なども戦略的に決める必要があるでしょう。ビジネスにおいて、どのくらいの期間で制作コストを回収し黒字化するかも重要です。

5W2Hなどのフレームワークは、組み合わせて使うことで最大限の効果を発揮します。主要な18種のマーケティングフレームワークをまとめた資料も公開中です。そちらもぜひご参照ください。

マーケティングの主要フレームワーク18選

5W2H活用のメリットとデメリット

マーケティングにおける、5W2H活用のメリットとデメリットを見ていきましょう。

5W2Hのメリット

5W2Hのメリットは、「具体的なビジネスロードマップが描ける」「マーケティングで重要な要素を深掘りしやすい」の2つが挙げられます。

5W2Hの7つの要素から分析を行うことで、どのようなターゲットにどのような商品を販売するかや、企業側のコンセプトなどを明確化して、ストーリー性のあるビジネスロードマップを描くことができます。

また、5W2Hは7つの各要素を深掘りするのにも役立ちます。例えば、以下のように「How much(いくらで)」を、その他要素「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の観点から分析を進めてみましょう。

When(いつ) ターゲットの需要による価格変動など
Where(どこで) 販売場所(実店舗やオンラインなど)にかかる費用など
Who(だれが) 商品制作から販売までにかかる人件費など
What(なにを) 商品の販売価格など
Why(なぜ) 商品の販売価格設定の理由など
How(どのように) 商品の販促コスト、制作コストの回収方法など

このように5W2Hの要素から分析を進めることで、分析が苦手な場合でも具体的な戦略を立てやすくなるでしょう。

5W2Hのデメリット

5W2Hは、7つの要素からより具体的な分析ができるメリットがある一方、不要な情報の深掘りで分析中に混乱が生じる恐れがある点はデメリットです。

マーケティングにおける分析では、5W2Hのフレームワークが役立ちますが、必ずしもすべての要素を分析に取り入れる必要はありません。

目的に応じて、必要な5W2Hの要素を取捨選択することで、整理した情報が分かりやすく伝えられることもあるのです。5W2Hフレームワークでは、状況に応じて明確化する要素を選択し分析を行いましょう。

5W2H

5W2Hフレームワークの活用シーン

5W2Hフレームワークが、仕事上のどのようなシーンで活用できるかを見ていきましょう。

議事録・報告書

5W2Hフレームワークは、議事録や報告書の作成にも役立ちます。議事録や報告書は、相手へいかにわかりやすく、伝えたいことを伝えられるかが重要です。

主に必要になる事項は「何についての報告書・議事録であるか」「伝えたい要点は何か」「要点の詳細」などです。この際、5W2Hフレームワークを活用することで、内容を具体的かつ客観的にまとめられます。情報整理に慣れていない場合は、以下のように5W2Hの要素をフォーマットにし、内容を埋めていきましょう。

When(いつ) 報告書の提出日、いつの出来事か
Where(どこで) 出来事が発生した場所はどこか
Who(だれが) 作成者や提出先はだれか
What(なにを) 何についての報告なのか
Why(なぜ) なぜ報告が必要なのか
How(どのように) どのような対応をしたか、または必要か
How much(いくらで) 量や金額はどれくらいか

企画・事業計画

企画・事業計画では、目標の達成までに何をすべきかを明確にする必要があり、ここでも5W2Hが役立ちます。新しい企画を進める際、ターゲットにどのようなニーズがあり、どのような商品を販売するのか、どれくらいの利益が見込めて、制作コストはいつ回収する計画なのか…など、決めるべきことがあります。

企画・事業計画を作成する際に、5W2Hのフレームワークに当てはめることで、重要性や必要性、具体的な道筋などが明確化できます。5W2Hを活用することで、企画の良さを伝えやすくなるでしょう。

マーケティング戦略

マーケティング戦略を考える際は、市場分析が必須です。5W2Hのフレームワークには、市場分析に欠かせない4P分析(Product、Price、Place、Promotionの視点でターゲット分析をする考え方)が含まれています。

したがって、5W2Hの7つの要素から分析を行うことで、目標を達成するまでの具体的なストーリーを描けるでしょう。フレームワークを活用することで、思考整理がしやすかったり、目的を見失うのを防げたりします。

また、マーケティング戦略を考える際は、「どのように問題解決するか」「客観的視点で見れているか」「思考整理できているか」も重要です。5W2Hのフレームワークは、分析する項目を事前に決めて取り組むため、必要な項目を客観的に分析できるでしょう。

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