GA4への移行に向けて今取り組むべきこと~EC事業者目線で考えるGoogle アナリティクス 4
現行のGoogle アナリティクスであるユニバーサルアナリティクス(UA)のサポートが2023年7月1日をもって終了となります。UAからの移行先は、「Google アナリティクス 4(GA4)」です。この資料では、GA4への移行と、まず行うべきことについて解説します。
Googleアナリティクス 4(GA4)では従来の「直帰率」や「平均ページ滞在時間」の指標がなくなりました。これは分析の考え方が変わったことが関係しています。ここでは従来の直帰率と滞在時間がなくなった理由と、新たに見るべき指標を解説します。
GA4移行に向けて、すぐに取り組むべきことをご存知ですか?今すぐ着手すべきことをまとめた資料をご用意しました。
2022年6月22日現在、Googleアナリティクス 4(以下GA4)のヘルプで「直帰率」が復活しています。これは直帰率がなくなったことに対するユーザーの声を受けて指標を復活させたものと思われます。しかし説明を見る限り「エンゲージメントのなかったセッションの割合」となっており、これまでの直帰率とは計算式が異なります。
[GA4] ディメンションと指標(2022年6月22日現在) |
この説明のとおりであれば、ユニバーサルアナリティクス(UA)の直帰率と同じ扱いはできず、直帰率を見るためには「エンゲージメント」の概念を知らなければいけません。まだ名称が変わる可能性もありますが、情報がわかり次第追記いたします。
直帰率の話も含めて、GA4についてまとめた資料もご用意しています。ご興味があればダウンロードしてご活用ください。
Googleは、現在の主流であるユニバーサルアナリティクスのサポートを2023年7月1日をもって終了することを発表しました。ユニバーサルアナリティクスからGA4への移行について、詳しくは以下の関連記事で解説しています。なお、指標の名前などは2022年4月の情報をもとに紹介しています。
「直帰率」とは「ユーザーがWebサイトを訪問し、最初のページだけを見て帰ってしまった割合」のことです。冒頭でも触れたとおり、GA4のレポートでは直帰率の指標がなく、「探索」レポートからも選択できません。まずは、そもそもユニバーサルアナリティクスの直帰率とはどのようなものだったかを復習しましょう。
従来の直帰率は、該当ページの直帰数と、該当ページから始まるセッション数を使い、以下の計算式で算出していました。
従来の直帰率の計算式
直帰率 = そのページの直帰数 ÷ そのページから始まるセッション数 × 100
ページAの直帰率を計算する場合は「最初にページAを閲覧した」セッションが何回あって、そのうち何%がすぐに離脱したかを計算するわけです。
最初にページAを閲覧したセッションが2回あり、そのうち1ページだけですぐに離脱したセッションが1回の場合、ページAの直帰率は50%になる |
直帰率は「Webサイトを訪問したユーザーのニーズを満たしたかどうか」を測る目的で使われています。しかし、ユニバーサルアナリティクスの仕組み上「2ページ目を表示しなかった」という条件で判別するしかなく、必ずしも目的を達成するものではありませんでした。
例えばランディングページの内容が充実していて、ユーザーがじっくり最後まで読み込んで満足して離脱した場合でも、別のページを表示しなければ「直帰した」と見なされます。ページ内に埋め込まれた動画を再生して最後まで見た場合でも、次のページビューが発生しないものはすべて「直帰した」と見なされていました。
これでは、本来の目的である「ユーザーのニーズを満たしたかどうか」を測る指標としては不十分です。そこでGA4では、新しい概念と指標が登場しました。
GA4で追加された「エンゲージメント」とは「サイトやアプリに対するユーザーの操作」とGoogleのヘルプで定義されています。「エンゲージのあったセッション」の定義は以下のとおりです。
- 10 秒以上継続した
- 1 件以上のコンバージョン イベントがあった
- ページビューが 2 回以上あった
参考:[GA4] エンゲージメント レポート - アナリティクス ヘルプ
「2ページ目を表示したかどうか」という条件だけではなく、ページをじっくり読んだ、クリックやスクロールなどのコンバージョンイベントがあったなど何かしらのインタラクションがあったセッションを「エンゲージのあったセッション」として扱います。直帰率よりも、より実際のユーザーの行動を正しく見られるようになったといえるでしょう。
エンゲージメントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
全セッションのうちどれくらいエンゲージメントがあったのかを測る指標が「エンゲージメント率」です。エンゲージメント率は、以下の計算式で求められます。
エンゲージメント率の計算式
エンゲージメント率 = エンゲージのあったセッション ÷ すべてのセッション数
|
GA4で直帰率の指標はなくなりましたが、代わりにエンゲージメント率を見ることで、本来の「ユーザーのニーズを満たしたかどうか」という目的をより正確に測ることができます。
直帰率だけでなく「平均ページ滞在時間」や「平均セッション時間」の指標もGA4からなくなっています。これも直帰率と同様、ユニバーサルアナリティクスの計測方法に課題があったためです。
ユニバーサルアナリティクスでは、1ページ目を表示してから2ページ目を表示するまでの差分を1ページ目の滞在時間として計測していました。つまり、1ページだけ見て直帰したセッションは、仕組み上そのページの滞在時間を計測することができず、便宜上「0秒」として扱われていました。直帰したセッションだけでなく、そのセッションで訪れた最後のページは次のページが存在しませんので、すべて同様に計測できません。
従って、ユニバーサルアナリティクスでの滞在時間は絶対的なものではなく、あくまでサイト内の相対的な目安として使われてきました。
GA4のレポートには「平均エンゲージメント時間」という新しい指標があります。平均エンゲージメント時間は「ユーザーがサイトやアプリを実際に見ていた・使用していた時間」を表します。
具体的には、パソコンのブラウザーであればそのページのタブが裏に隠れず前面に表示されていた時間を、アプリであればバックグラウンドではなく前面に表示されていた時間を表します。
平均エンゲージメント時間の計算式
平均エンゲージメント時間 = 総エンゲージメント時間 ÷ ユーザー数
|
現在の主要なブラウザーはすべてタブ形式ですので、1ページ目と2ページ目の差分を測る従来の方法では、多くのユーザーが複数タブを開いてサイトを閲覧する現在の状況に即しているとはいえません。平均エンゲージメント時間を見ることで、1ページだけ閲覧して離脱したユーザーも、どれだけじっくりページを見ていたかを評価できるようになります。
平均エンゲージメント時間については、別の記事でも解説しています。GA4についてまとめた資料もご用意していますので、ご興味があればダウンロードしてご活用ください。
GA4は従来のセッション軸からユーザー軸での分析に切り替わることで、新たな概念や指標が登場しています。ユニバーサルアナリティクスを使っていた人は「GA4でもこれまでと同じレポートを見たい」と考えるかもしれません。しかし、そもそもの指標の考え方が変わっているものは、分析する側も考え方をアップデートする必要があります。それと同時に、これまで「直帰率が○○%以上は改善を検討する」といった目安を設けていた場合は、その目安自体を見直す必要があるでしょう。
Sprocketでは、すでにGA4とのデータ連携機能を正式にご利用いただけます。詳しくはSprocket Developer Hubのページでご紹介しています。ユニバーサルアナリティクス連携をご利用のお客様は、GA4連携への移行をおすすめいたします。GA4連携への移行は、担当コンサルタントにご相談ください。
GA4への移行に向けて今取り組むべきこと~EC事業者目線で考えるGoogle アナリティクス 4
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