顧客育成の基本と成功のポイント リピーターを獲得しLTVを最大化する方法
マーケティングにおいて既存顧客の育成は重要なテーマです。すでに購入経験のある顧客は自社の商品やサービスに興味があり、コミュニケーションしやすく、効率的に売り上げ向上へとつなげやすいからです。この資料では、顧客育成に関わる重要キーワードと具体的な手法について解説します。
リピーターの獲得は、企業が安定して売り上げを伸ばすために欠かせないことです。この記事ではリピーター獲得の重要性とメリット、リピーターが増えない原因、リピーターを増やす施策と成功事例を解説します。
リピーター獲得や顧客育成のポイントをご存知ですか?顧客育成に関わる重要キーワードと具体的な手法についてまとめた、今すぐ役立つ資料をご用意しました。
リピーターとは、自社の商品・サービスを2回以上購入している、もしくは契約を継続している顧客を指します。
ECサイトや店舗運営において、新規顧客の開拓にばかり力を入れ、リピーター対応がなおざりになっているケースがしばしば見られます。しかし、新規顧客とリピーターはいずれもバランスよく獲得する必要があるでしょう。
特に売り上げの安定化や利益率の面で、リピーターの育成・維持は欠かせません。リピーターの重要性を表す定説として、以下2つの法則が知られています。
マーケティングにおけるパレートの法則は「売り上げの80%は、20%の優良顧客に依存する」という考え方です。2:8の法則ともよばれるこの理論は、イタリアの経済学者であるヴィルフレッド・パレートが提唱しました。
顧客のなかには、人数割合としては多くないにも関わらず、繰り返し購入することで売り上げに大きく貢献してくれる存在がいることを表しています。安定した売り上げには、リピーターの存在が不可欠であることがわかります。
1:5の法則は、新規顧客獲得とリピーター育成のコストを比較する観点です。この法則によれば、新規顧客を得るのにかかるコストは、リピーターを育成するコストの5倍にのぼるとされます。新規に顧客となってもらうには、多くの場合、広告やプロモーションなどに投資して消費者に認知を広め、見込み顧客に購入を促す必要があるでしょう。
一方、購入したことがある顧客は、すでに商品・ブランドについて認知しており、一から集客する必要はありません。同じ金額を売り上げるのでも、初めて購入してもらうよりも、リピーターとなって再び購入してもらうほうが、コストパフォーマンスの面で優れているのです。
リピーターを獲得することで得られる具体的なメリットを、3点に整理して解説します。
前述した「1:5の法則」でも触れたとおり、リピーターの育成は新規顧客獲得にくらべて少ないコストで達成できるとされます。購入履歴がある顧客は、自社商品やブランドについてすでにある程度知識を持っており、購入にいたるまでのハードルが比較的低いことが期待できます。
またリピーターに対しては、自社がすでに保有している顧客情報を活用して個別に効果的なアプローチをとることも可能です。リピーターを多く獲得するほど、集客コストを抑えながら効率的に売り上げを得ることができるのです。
商品・サービスを何度も購入したり、契約を継続したりするリピーターは、企業に対して長期的に利益を積み上げていってくれる存在です。
このように顧客が生涯で企業にもたらす価値はLTVとよばれ、事業の安定性を測る指標として重視されるようになってきました。LTVの向上という観点からも、リピーターの獲得・維持は企業にとって必須といえるでしょう。
リピーターは、本人が購入するだけにとどまらず、新規顧客の獲得にも貢献してくれる点も見逃せません。自社商品・サービスに好感をもつリピーターはしばしば、レビュー投稿やSNSでの発信、普段の会話などで、商品・サービスについて好意的に触れてくれます。
リピーターが増えるほど、世の中に商品・サービスの認知を広めるチャネルが多くなり、新規顧客の流入が期待できるのです。
リピーターの重要性を認識していても、思うようにリピーター獲得につながらないという場合もあるでしょう。原因としては、以下のようなケースが考えられます。
購入履歴のある顧客に、再購入をはたらきかけるような仕組みを設けているでしょうか。ただ待っているだけでは、顧客が自発的に購入を繰り返してくれることはあまり期待できません。
一度商品・サービスを購入してくれたとしても、購入後に企業側から何のアクションもなければ、顧客に忘れられてしまいます。積極的にリピーターを育成する仕組みを構築しましょう。具体的な施策については後述します。
そもそも、商品・サービスが顧客にとって満足いくものでなければ、再度の購入は見込めないでしょう。思うようにリピーターが増えない場合は、顧客のニーズを満たす商品・サービスが提供できているかを改めて確認したほうがよいかもしれません。
レビューやSNSなどの口コミを収集・分析し、顧客が不満に思う点を洗い出すのも有力な手段です。配送やアフターサービスなど、商品自体の機能や品質以外の要素で不満が見つかるケースもあります。
マーケティングにおいて既存顧客の育成は重要なテーマです。新規顧客をロイヤルカスタマーに育てる方法についてまとめた、保存版の資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。
単発の購入で終わらず、顧客にリピーターとなってもらうには、具体的にどのような施策を行えばよいでしょうか。3つの観点で見てみましょう。
まず必要なのは、Webサイトや店舗に再訪したくなるようなはたらきかけです。例えば、次回の購入で使えるクーポンを発行すれば、顧客にとって再び購入を検討する動機付けになるでしょう。
またメルマガの配信や購入後のフォローメールなど、適切なタイミングでコンタクトを取ることで、購買意欲を刺激し、再来店への有力な導線になります。
自社から顧客への接触機会を多くもつことも重要です。自社商品・サービスを購入したことがあっても、企業やブランドに接する機会がなければ、印象はどんどん薄れていってしまうでしょう。接触機会を増やすには、オムニチャネル施策が有効です。
オムニチャネルとは、実店舗・ECサイト・SNSといったユーザーと企業のさまざまな接点(チャネル)を、横断・連携させることをいいます。複数のチャネルから多角的に接触機会を持つことで、企業やブランドの印象を強めることができます。
また、チャネルを横断してユーザーの情報や購買行動を一元管理することで、1人ひとりにあわせた最適なアプローチにつなげられるでしょう。
商品やブランドのファンを育てるには、価格以外の面で価値を認めてもらうことが欠かせません。価格面だけに魅力を感じて購入する顧客は、価格での優位性がなくなれば簡単に離れてしまうものです。
顧客をつなぎとめるために価格競争にとらわれすぎると、利益率が低くなってしまう恐れもあるでしょう。一方、商品やブランドに対する共感や応援といった、価格とは別の魅力を見出してくれた顧客は、継続して購入・契約してくれる可能性が高まります。
例えば、ブランドの成長や商品開発の裏側などのストーリー、エシカル消費やフェアトレードといった企業の姿勢などは、共感を得るポイントになります。
来店時に特別感のある体験をしてもらうことも、再訪の動機になります。商品やサービス、あるいはお店での体験が「ここでしか手に入らない」と感じさせることで、特別感を演出できます。
実店舗であれば、スタッフによる接客がユーザー体験の大きな鍵になるでしょう。1人ひとりに寄り添った声がけや、見送り時に「またお待ちしております」といった一言は、お店への好印象を残し「また来てみたい」という気持ちにつながります。
通信販売でも、購入した品物に手書きのメッセージが添えられていて、親しみを覚えたという経験がある人もいるのではないでしょうか。また「お得意様限定」のような特典も、特別感をくすぐる仕掛けです。
ECサイトをまた利用しようと思わせるには、使い勝手のよいUIが必須といってもよいでしょう。目当ての商品や情報が探しにくい画面、購入までの入力項目の多さなどは、そのECサイトを使うのを億劫に感じさせてしまいます。
Amazonなどの大手ECサイトでは、ワンタップやスワイプで購入が完了したり、支払い方法・お届け先の選択が容易にできたりと、購入までのスムーズな導線が設けられています。ユーザーが離脱せず、次回以降も訪れたいサイトにするため、改善の手間を惜しまないようにしましょう。
見込み顧客を商品・サービスを購入してくれる状態まで育成する、リピート購入してくれる優良顧客になってもらうまでの一連の活動を「顧客育成」といいます。Webやアプリ上で顧客育成を行っていくためには、顧客体験の向上が欠かせません。消費者1,000人を対象としたアンケート調査の結果から、Webサイトの顧客体験を向上するオンライン接客手法についてまとめた資料を公開しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。
前項で見たように、リピーター獲得のための施策はさまざまな面から行うことができます。しかし、施策を実行するにあたっては、以下のように注意したいポイントもあります。
リピーターに対して発信するチャネルと、新規顧客を呼び込むチャネルは、明確に区別したほうがよいでしょう。両者の自社ブランドや商品に対する認知には差があるため、届けるべき情報が異なるはずです。
一気にどちらにもアピールしようとすると、訴求ポイントが絞りきれない恐れがあります。広告出稿の場合は、狙った層に届く前に広告予算を使い切ってしまうかもしれません。
また、リピーターのほうが新規顧客よりも接点が多く、情報が届きやすいため、情報を発信する順番にも留意するとよいでしょう。
リピーターの獲得・維持は企業にとって不可欠なことですが、かといってリピーター施策に偏りすぎないように注意が必要です。ビジネスの成長には、新しい層の開拓が欠かせません。
新規顧客は当然ながら、将来のリピーター候補でもあります。将来にわたって、安定性を確保しながら成長し続けるために、リピーターと新規顧客はいずれもバランスよく獲得していく必要があるのです。
ここからは、リピーターの獲得に成功した企業の事例を紹介します。
お好み焼き店の「ぼてじゅう」各店舗では、LINE公式アカウントを活用して、顧客の再来店を促す施策を積極的に行っています。公式アカウントからの定期的な配信で顧客との接触機会を増やし、お得なキャンペーンやクーポン配布をきっかけに多くのリピーターが来店しています。
たとえお店から足が遠のく時期があっても、メッセージやクーポンの配信によってお店との接点を保ち、思い出してもらうことで次の機会につなげられる仕組みです。
化粧品および健康食品の製造・販売を手がけるファンケルは、ユーザーの利便性を高めるオムニチャネル戦略により、経営改善につながる成果をあげています。
同社は数年かけて顧客情報管理システム・通販システム・店舗システムを再構築し、Web・店舗・電話窓口といった販売チャネルを連携して顧客情報を一元管理できるようにしました。
ユーザーは店舗とWebをまたがって自身の購入履歴を確認したり、Webと店舗で共通のクーポンが使えたりとシームレスな顧客体験が可能です。使用感を試したい商品は実店舗で、まとめ買いはWebでといったように、チャネルを使い分けたリピート購入もスムーズに行えます。
店舗でも顧客のWeb購入履歴やカウンセリング情報を即時に確認できるため、より顧客に寄り添った接客につながっています。
無添加にこだわった石けん・洗浄剤の製造販売を行うシャボン玉石けんでは、商品へのこだわりや魅力をユーザーに伝える取り組みによって、リピーターの増加に成功しました。
具体的な施策の例としては、ECサイトを訪れたユーザーを、Web接客ツールのSprocketを通じて、商品のこだわりを伝えるコーポレートサイトのページに誘導するというものがあります。
シャボン玉石けんは通販以外にも小売店などでも販売しているため、商品のこだわりを閲覧してもらうことはブランディングとして意味があるためです。
結果的に、再来訪率、購買頻度、CVRのいずれも向上したことが確認されました。商品の理解が深まれば、リピーターとしてWebサイトに戻ってくる、購入回数が増えるという仮説が実証されたことになります。
顧客育成の基本と成功のポイント リピーターを獲得しLTVを最大化する方法
マーケティングにおいて既存顧客の育成は重要なテーマです。すでに購入経験のある顧客は自社の商品やサービスに興味があり、コミュニケーションしやすく、効率的に売り上げ向上へとつなげやすいからです。この資料では、顧客育成に関わる重要キーワードと具体的な手法について解説します。
サービス資料ダウンロード
Sprocketの機能、コンサルタント、導入事例、実績、
プラン体系などをご紹介します。(無料)
導入検討の相談・見積もり
新規導入、乗り換えのご相談、Web接客ツールの比較など
お気軽にお問い合わせください。(無料)
03-6420-0079(受付:平日10:00~18:00)