訪問者のコンバージョン率を上げるべく施策に取り組むことをコンバージョン率最適化、またはCRO(Conversion Rate Optimization)といいます。この資料では、コンバージョン率を上げていくために必要な前提知識や考え方を解説します。
【セミナーレポート&QA】 金融セミナー「金融の『ムズかしい』を解消してCVR2.5倍に!~ユーザーのつまづきポイントと対処事例をご紹介」
2020年6月25日 に開催した金融セミナーのレポートおよびQAです。金融商材ならではのフリクション(=スムーズな顧客体験を妨げる要素)を提示。代表的な3つのフリクションを示し、お客様の事例から攻略方法をお伝えしました。また事前・事後で皆さまからいただいた10の質問に対しこちらで回答しています。
コンバージョン改善の基本知識をご存知ですか?すぐに役立つコンバージョンとする指標の定め方や改善施策の考え方をまとめた資料をご用意しました。
概要レポート
まず、我々のおもてなしのデザインの基本は3つの要素の循環が必要です。「良質な体験提供」「顧客の満足と課題解決」そして「ビジネス成果向上」。その上で金融商材ならではのフリクション(=スムーズな顧客体験を妨げる要素)を提示。代表的な3つのフリクションを示し、お客様の事例から攻略方法をお伝えしました。
①金融商材における顧客の特徴と対策
- ユーザー側の商品知識と企業側の商品知識に差が大きいことから、金融商材こそ丁寧な接客が必要
- ユーザー体験の前提も変化しユーザーは情報を見つけきれない前提で設計すべき
- ユーザーのフリクションがサイト離脱を起こす前に予防策が急務
②金融業界独自のユーザー行動
- 初回CVまでの行動を滞在時間で分析した結果、業界が異なればパターンも変わることがわかる
- 金融は「情報探索」と「意思決定」の2つの行動に大きく分かれている
- それぞれの行動に合わせた打ち手が必要
③フリクションレスを実現する定番3事例
常陽銀行様、三井住友カード株式会社様などの事例を提示しながら、「顧客傾向とフリクションを取り除くための接客のポイント」を解説いたしました。最後に、ユーザー視点で観察することで様々なフリクションが見えてくる、丁寧な対処によってCVが改善できるということをみなさまにお伝えし締めさせていただきました。
最後にご案内したフリクション診断に関しては、お申込みいただいた企業様からは大変好評で「第三者目線でサイトが見られてポイントが炙り出されてよかった」などの高評価をいただいております!
金融業界については、保険・カード・銀行など個別で今後セミナー開催を予定しておりますので改めてご案内させていただきます。
いただいた質問10に対する深田からの回答
さてここからは、みなさまからいただいた10の質問に対する深田からの回答です。さらに深く聞いてみたいという方は、いつでも気軽にお問い合わせください。
- Q1:自社の金融商品申込ページからの途中離脱率を改善したい。
- Q2:金融のWebサイトへの訪問は、基本的に目的を持って閲覧するので、アクセスあってからのWeb接客は最重要項目だと思います。一方で、接客という観点で言うと、Webを通じた長期的な顧客とのコミュニケーション(接客?)についてはどう考えるべきか?
- Q3:対面営業→Web接客切り替え後の引き上げ率の変化や成約単価に変動はあるか?
- Q4:商品のご案内ページでWeb接客だけを取り入れても、Webサイト側にお客さまが知りたい情報が掲載されていなければ、資料請求以前に離脱してしまう気がします。一般の商品案内ページだと定型的になりがちなので、LPのようなページを作ってわかりやすいページを使いながらWeb接客していくなどの工夫をしていくといいのでしょうか?
- Q5:金融に対する障壁の下げ方は?
- Q6:競合他社との違い、メリット・デメリットは?
- Q7:ページジャンルごと、内容ごとの、最適なポップアップ表示タイミングやサイズやデザインについて
- Q8:他商材とのユーザーの動きの違い(検討期間、説明ページの滞在時間、フォームの離脱率 等)
- Q9:金融商材における言い回しの成功例を知りたいです。
- Q10:とりあえず、金融業界の実績を細かく聞いてみたい。
Q1:自社の金融商品申込ページからの途中離脱率を改善したい。
申込ページからの離脱率は6-7割位あると言われますし、商材によってはもっと高い場合も見かけます。一般的なEFO対策を実施することで入力の手間に関わる部分のフリクションは減らすことが可能ですのでもしこちらを実施していなければ取り組まれるを検討してみましょう。減らせる入力要素がないかも検討してみてください。
また、申込ページに辿り着くと、ユーザーも具体的に申し込んだあとのことをイメージし始めます。
「営業の電話がかかってくるのかな(ちょっと鬱陶しいかもな)」
「後戻りできなかったらどうしよう、キャンセルはいつまで出来るのかな」
など、そうなってから初めて気づくようなこともここでは出始めますので、セミナー当日でもご紹介していたような不安を払拭するコミュニケーションも効果が出やすいです。ポップアップを使って不安を感じ始めていそうなタイミングで配信するとこうした不安の除去にも効果的ですので合わせて考えてみてください。
ポイント
- 申込ページからの離脱率は6-7割
- EF0対策の実施、入力項目を減らす
- 不安を払拭、除去するコミュニケーションシナリオの実施
Q2:金融のWebサイトへの訪問は、基本的に目的を持って閲覧するので、アクセスあってからのWeb接客は最重要項目だと思います。一方で、接客という観点で言うと、Webを通じた長期的な顧客とのコミュニケーション(接客?)についてはどう考えるべきか。
長期をどういう期間として捉えるかですが、仮にリピート化して頂くことや(口座など開設後の)会員様向けということで考えますと、金融系の商材は馴染みのないものが多いので、商材の存在を認識頂くこと・メリットを理解頂くことといった気づきを誘発するようなコミュニケーションを実践するのはオススメです。
また、オススメする上ではオススメに良いタイミングというものがあります。良いタイミングがどこなのかを見つけるためには特定のセグメントにあててみて効果を試していくなどの試行錯誤が必要になります。データからうまく心情を読みといて、最適なタイミングを見つけてみてください。
ポイント
- 商材の存在を認識頂くこと・メリットを理解頂くことなど気付きの誘発
- どこが最適なタイミングなのか、特定セグメントにあててみる
Q3:対面営業→Web接客切り替え後の引き上げ率の変化や成約単価に変動はあるか
Web接客はあくまで機械が行うものですので、対面営業で人間が行う接客と同じという訳にはどうして行きません。もちろん人間が行う接客といっても様々ですが、エース営業マンと比べると見劣りするのは間違いありません。
ただデータから改善を図っていけることを活かし、属人的にならない接客コミュニケーションを提供することが出来るのがWebで実施するメリットです。結果の数値、効果があったか否かの数値が出ますので工夫をすれば引き上げ率を十分に向上させることが出来ます。
ポイント
- メリットは属人的にならない接客コミュニケーション
- データ結果から引き上げ率を向上させることができる
Q4:商品のご案内ページでWeb接客だけを取り入れても、Webサイト側にお客さまが知りたい情報が掲載されていなければ、資料請求以前に離脱してしまう気がします。一般の商品案内ページだと定型的になりがちなので、LPのようなページを作ってわかりやすいページを使いながらWeb接客していくなどの工夫をしていくといいのでしょうか。
弊社では、現実世界に例えて「Webサイト=店舗」「Web接客=店員」と住み分けて考えることをオススメしています。店舗側に情報がない場合、店員の説明でカバーするということも可能ですが、店舗側にもあったほうがもちろん良いと思います。ただなにがお客さんにとってわかりやすいのか、ということは色々と試行錯誤してわかることでもありますので、Web接客を使って先に試してみるのもよいでしょう。
ただ、LPが常にわかりやすいかというとそうでもありません。LPには商品の説明が丁寧に書かれていることが多いですが、例えばその商品を提供している会社のことはあまり書かれていなかったりします。
金融という商品は違いがわかりにくいというユーザーも多くいらっしゃいますので、そのような方にとっては商品そのものよりも「そもそもどういう会社なのか」をお伝えすることで納得して頂けるケースもあります。某老舗の保険会社さんの例ですが、歴史のある会社であり安心して長期間のお付き合いができるということを示すことで、成果が向上したという事例がありました。
Web接客ツールが配信するポップアップの中にサイト内にはないがお客様が知りたい情報を掲載することもできますので、新しくページを作らなくてもどのようなコンテンツが効果的かの試行錯誤は実践することができます。
ポイント
- 「Webサイト=店舗」「Web接客=店員」と住み分けて考える
- 商品そのものよりも、企業が何者かを伝えるほうが効果的な場合もある
Q5:金融に対する障壁の下げ方
金融系の商材は”説明を読み、理解することが大変”ということが障壁になっているケースがやはり多く、こちらからうまく案内の経路を作ってあげたり、簡潔に説明できる内容・順序を試行錯誤することは大切です。あとはなるべくお客さんの言葉で話しかけてあげること。これは流入経路によって出し分けるのも良いと思います。
ポイント
- 案内経路を作る、説明を完結に、お客さまの言葉で話しかけ
- 流入経路ごとに出し分ける
Q6:競合との違い、メリットデメリット
競合さんと比べられたお客様から頂く声としては、実績に基づく知見の深さを挙げられることが多いです。
例えばですが、接客シナリオ本数は9,200本、ABテスト検証回数25,000回、EC・非EC問わず250以上のWebサイトへの導入実績がございます。こちら詳細はインフォグラフィック2019をご覧ください!
- 多数のサイトで実践してきたからこその知見が頼りになる
- こういう(フリクションを見つけて対応するような)接客シナリオは自社では絶対に思いつかない、ユーザー視点になりきるのは自社だけでは難しいと感じた
- ABテストも単に数値だけ比較すればいいわけではないと気付かせてくれた
- データの見方が独特で勉強になる
また、支援の手厚さをご評価頂くこともあります。
- 導入後の進行ディレクションを安心して任せられる
- 改善をやりきるところまでサポートしてくれる
- 社内ではリソース・知見が無く、一通り任せられる会社でなければ依頼できない
- 自社開発のツールで運用しているので当然とはいえ詳しい。痒いところに手が届く対応をしてもらえている
こうしたことから、成果に対するご評価を結果としては頂きます。
- フリクションの解消が数値につながることが実感できた
- 十分な費用対効果を出すことが出来ている
- ABテストの結果が良くても簡単に勝ちと判断せず、多面的に評価しようする姿勢は信頼できる
逆に、
- レポート内容など専門用語が多くわかりにくいことがある
- 管理画面内のテンプレートが(競合に比べると)少ない
- Webサイト以外に配信する機能が乏しい
など、領域に特化していることでのカバー領域の狭さや専門性がデメリットとなる場合もあります。
Q7:ページジャンルごと、内容ごとの、最適なポップアップ表示タイミングやサイズやデザイン
まず、ページジャンルや内容に応じた絶対的に最適な答えというものはそもそもない、ということを認識しておくことはとても大事です。同じジャンルや内容であっても、ユーザーの意図が違えば最適な表示タイミングや内容が変わります。
ですので、最適な結果に辿り着くにはPDCAを回していくことを前提として考えておきましょう。ABテストを繰り返して改善を図っていくことが大切です。弊社の場合は平均して約3回、1回のサイクルをおよそ1ヶ月をかけて回していますので、だいたい3ヶ月位をかけてPDCAを回しています。
ポイント
- 最適結果に到達するにはPDCAを回し、ABテストを繰り返すこと。
Q8:他商材とのユーザーの動きの違い(検討期間、説明ページの滞在時間、フォームの離脱率 等)
セミナーでも少しだけご紹介していましたが、滞在時間分析でみると例えばローン系の商材ですと、借りる金額が大きくなるほど検討期間が長くなることが見て取れます。
これがアパレル・化粧品などであれば、見れば見るほど、つまり滞在時間が長くなるほど傾向としては購買意欲が上がることが多く見られます。ただ、行動データを分析するのであれば他商材との違いにフォーカスするよりは自社の商材・自社のサイトでどのような行動を取っているかにフォーカスしたほうがよいと思います。
ポイント
- 借りる金額が大きくなるほど検討期間が長くなる
- 自社商材、自社サイトでの行動データを分析しよう
Q9:金融商材における言い回しの成功例を知りたいです。
セミナーでの事例ですと、例えば家族事になるような商材の場合は「家族で相談する」という言い回しは背中を押しやすい表現だということがわかっています。あとは極力お客様の頭の中に浮かんでいる単語として言い回しを考える(金融商材としてよく使われている単語ではなく)ことが大切です。
言い回しの成功例は、弊社よりもむしろ実際のその商材を販売している営業マンやコールセンター、販売窓口の方のほうがよくご存知かもしれませんので、もし可能であれば一度ヒアリングして見られてはいかがでしょうか?
ポイント
- 言い回し成功例は商材担当営業マンやコールセンターにヒントがあるはず
Q10:とりあえず、金融業界の実績を細かく聞いてみたい。
こちらは時間の都合上事例はそこまでご案内仕切れませんでしたので、よろしければ個別にご説明させて頂きます
いただいた質問への回答は以上です。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
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