保険業界に効く!Web接客シナリオ事例

インタビュー・対談事例

Web接客ツールSprocketが成果を上げやすい業界の1つに保険業界がある。Webサイトに訪問した人に、資料請求や申し込みなどコンバージョンとなるアクションを起こしてもらうためには、どんなシナリオがマッチするのか。今回は、保険会社のWeb接客の”勝ちパターン”について、プロデューサーの榎原に聞いた。

保険会社のコンバージョンとそこに至る経路

保険会社のWebサイトでのコンバージョンは3つある。1つは、資料請求、そしてもう1つが申し込み、3つ目に電話をかけてもらうというコンバージョンを設定する場合もある。

複数の保険会社を担当し、試行錯誤の末、成果につながる法則を見い出したのが、プロデューサーの榎原直人だ。

「契約の申し込みをオンラインで完結させるパターン、資料請求や電話を受けた後、担当者がフォローをして申し込みにつなげるパターンがあります。また、会社によっては、オンラインでの申し込みも用意しているものの、電話問い合わせにつないだほうが成約率が高いところなどもあります。

企業ごとの標準的な『契約までの経路』をヒアリングして、Web接客でその経路への後押しを行なうことから始めていきます。」(榎原)

申し込みや資料請求に至る前に、多くの人が経由する中間コンバージョンに当たるのが、契約金額のシミュレーションだ。ユーザは、シミュレーションで、契約の種別やタイプ、被保険者の年齢などを選択し、支払額や受取額を確認していく。

メディケア生命保険株式会社様の場合、金額シミュレーションの後で電話問い合わせをする方は、契約につながる傾向があるということでした。そこで、訪問者が金額シミュレーションをして結果を見ているタイミングで、電話問い合わせを案内するシナリオを実施したところ、電話問い合わせの件数を増やすことができました。」(榎原)

データ分析で、契約した人の多くが閲覧するコンテンツが見つかれば、そのページも中間コンバージョンとして、シナリオで誘導することもある。会社によって、Webサイトで公開しているコンテンツの種類や内容が違うので、それぞれのコンテンツを分析した上でシナリオを設計する。有効なコンテンツが少なければ、「こういうコンテンツを用意したほうがよい」と提言することもあるという。

図:保険業界のホスピタリティジャーニーマップ。

保険業界の Hospitality Journey マップ

人生の節目に考える保険。検討中の人に響く言葉を探す

生命保険、学資保険、死亡保険、医療保険、就労保険など、保険の種類は多種多様で、ニーズも異なる。Webサイトの訪問者については、どのように分析しているのだろうか。

「検討の度合いや知識の量に差はあるものの、ほとんどの訪問者が事前に情報を持ってWebサイトを訪れています。事前の情報は、比較サイトや雑誌等から得ているようです」(榎原)

事前にある程度の情報を持ってWebサイトを訪問する人たち。保険会社ならではの、共通した背景があるという。

「保険を考えるきっかけは、人生の節目です。結婚した、子どもが生まれた、入学したというポジティブな節目もあれば、親が亡くなった、身近な人が病気になったなどネガティブな節目もあります。人生の節目にある人たちに響くシナリオは何だろうと考えました」(榎原)

最初は、丁寧な接客が必要だと考えた。訪問してすぐに「いらっしゃいませ」「ようこそ」という声掛けをするシナリオを実施したのだ。しかし、すぐにポップアップを閉じられてしまった。

試行錯誤の結果、見つけたのが「家族で相談」というキーワードだった。

「”家族で相談する”ために『資料請求』というメッセージにしたところ、大きな成果が出ました。やはり、保険では家族が重要なのだとわかりました。実はこのキーワードを他社のサービスサイトで使ったことがありましたが、結果は芳しくありませんでした。その事例の場合は、もっとライトな検討であるとわかりました」(榎原)

訪問者の心に寄り添った声掛けの検証

保険は、契約したら数年にわたって支払いが続く高額商品であり、契約には慎重になる。検討を重ねている訪問者に寄り添った案内ができないかと、メディケア生命保険株式会社様の案件で検証を続けたという。その時は、2週間をサイクルに様々なワードを検証した。

「誰かが亡くなった体験をして保険を探している方などには、どんな声掛けだと聞いてもらえるのか、どんな声掛けが必要なのか、考え抜いた末に出てきた言葉が『お悩みはありませんか』でした。その言葉を出したら、シナリオのポップアップに参加してくれる方が急増しました。結果から、保険を選ぶかたは、悩んでまよっているのだ、ということが判りました。

保険は、訪問者の動機、背景、ストーリーを深く考えないと、メッセージが伝わりません。表示される言葉は平易ですが、丁寧に考えた末にたどり着いた表現です」(榎原)

なお、保険業界では法律の制約で使えない表現が存在する。複数の保険業界を担当した榎原は、保険業界ならではのルールを心得た上で、言葉の選定を行う。

現在、榎原は保険業界に共通するようなカスタマージャーニーの設計を検討している。

「Webサイト訪問前、訪問、シミュレーション、資料請求、申し込みのステップに応じた訪問者の心理、必要なコンテンツなどを整理して、より多くの企業で早く勝ちパターンが見つかるようにしたいですね」(榎原)

さらに進化する保険会社向けWeb接客シナリオ


写真:弊社カスタマーサクセス・プロデューサー榎原。

最近の潮流として、スマートフォンからの契約の増加がある。

「これまでは、スマートフォンは情報収集がメインで、情報を打ち込む必要がある資料請求や申し込みはPCが多いという前提がありましたが、最近は、スマートフォンでの入力に抵抗の無い方が増えております。PCに比べてスマートフォンはまだWeb接客の効果が小さいので、スマートフォンに特化したシナリオを見つけたいですね。

考えすぎて決められないこともあると思うので、ユーザの状況・心情に合わせた情報へ誘導し、『これで決めた』と、ユーザ自身の選択に自信を持てるようなシナリオを考えたいですね。

PCでもさらにセグメントを細かく区切って最適なシナリオを出したり、キャンペーンに応じたシナリオを実施するなど、できることがたくさんあります」(榎原)

SprocketのWeb接客ツールを導入する保険会社は一様に、Webサイトという接点の重要性に気づいているという。榎原はこれからもこうした企業の支援をしていきたいと考えている。

「自社のWebサイトでのコンバージョンを高めたい保険会社様は、ぜひご相談ください!」(榎原)

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