【連載第1回】成果に結びつくコンバージョン・指標を設定するポイントとは?

マーケティングノウハウ

深田 浩嗣

一言でコンバージョンと言っても、運営しているサイトや運営者によって定義はさまざま。弊社で提供するWeb接客ツールを使った「コンバージョン最適化」おいても、適切にコンバージョン行動を設定することからはじまります。

はじめにコンバージョンとは何か、つまり「どのように我々はコンバージョンを捉えるべきか」を考えるところからスタートしましょう。ポイントは、

の2点です。

この記事の目次

コンバージョンをどう定義するか考える

コンバージョンが「顧客への転換」を意味するのであれば、コンバージョン行動は、「計測が可能な具体的な行動であり、その行動をとれば顧客に転換したとみなしていい行動」と定義できます。そこで、まずは何がコンバージョンになるかを考える必要があります。

1つ注意が必要なのは、ここでいう「顧客」とは必ずしもお金を払ってくれている訪問者だけではないという点です。あくまで「サイト運営者にとって望ましいコンバージョン行動をとってくれる訪問者」を顧客と考えます。Sprocketでは、購入が発生しないタイプのサイトもコンバージョン最適化の対象としていますので、このような定義づけを採用することにします。

合わせると、本記事ではコンバージョン行動を

かつ

と定義します。ただし、顧客かどうかはリピートの回数や訪問頻度などに基づいて段階的に考えるべき場合も多々あるので、個別事例でのコンバージョン行動の定義づけについては別の機会に説明します。

<コンバージョンは明確であることが必要>

「計測が可能な行動」とは?

では「計測が可能」とはどのような意味でしょうか? 計測するには、何をもって「コンパージョン行動をとった」とするかを定義付けている必要があります。例えば、コンバージョン行動が購入や登録などの場合は定義には悩まないでしょう。

ただし正しく計測するには、「購入キャンセルの扱い」「仮登録と本登録のどちらを採用するか」「購入回数や金額でのランクづけの扱い」といった細部にまで厳密に定義が行き届いている必要があります。

いったん定義を決めれば、コミュニティサイトのような一見コンバージョン行動がないように見えるサイトでも、コンバージョンを計測できるようになります。

計測できるようにするには、サイト運営者である皆さんが直接に計測できるデータを使ってコンバージョン行動を定義しましょう。多くは、サイト内で訪問者がとった行動になりますが、なかにはサイト外の行動でコンバージョンを定義したくなることがあります。

ただここで重要なのは、皆さんが直接計測できないデータはコンパージョン行動を定義する要素として選択しないということです。

直接に計測できない行動は使わない

直接に計測できない行動の例として、「オフラインでの行動」が挙げられます。来店予約行動をコンバージョンとして考えたときに、「サイト内で予約行動をとった動問者が本当に来店したのか?」は重要な問いです。ただし本当に来店したかどうかを直接計測できない場合は、来店行為をコンバージョン行動として採用してはいけません。

「直接に計測できる」とは、「その行動がとられたかどうかを正確に捕捉できる」かつ「計測結果を自分の好きなときに入手できる」ことを指します。これに当てはまらない行動は、コンバージョン行動として採用するにはふさわしくありません。

直接に計測できない行動をコンバージョン行動として選ぶと、最適化どころかコンバージョンの有無さえ正しく認識(信頼)できなくなります。またプロセスが見えないだけでなく、結果さえ正しく認識(信頼)できなくなります。さらに、計測結果を自分で入手できないと、数値を得たいときに得られなくなります。「数値を出してください」と都度他部門に依頼するようだと、結果的にデータに接する頻度も少なく(月1回など)なり、改善のプロセスを回すどころではなくなってしまいます。

<直接に計測できるデータでコンパージョンを測る>

「望ましい行動」には段階がある

次に「サイト運営者が訪問者を顧客とみなす行動」とは何を意味するのかを考えてみましょう。どのような行動をコンバージョン行動とするか、つまり何を望ましい行動とするかは、皆さんにとってもっとも重要な意思決定の1 つです。

例えばECサイトでは、コンバージョン行動を購入行動と定義していることが多いでしょう。しかしほとんどのECサイトでは、単発の購入行動よりもリピート購入行動や定期購入行動のほうが、より望ましい行動として位置づけられます。リピート購買行動も、2回より3回、3回より4回のほうが望ましいに決まっています。

つまりコンバージョン行動には、「した / しない」だけでなく、「段階」や「プロセス」の概念があるということです。「中間コンバージョン」という言葉がありますが、これもコンバージョン行動に段階があることを示します。

コンバージョンというと「これをすればゴール!終わり!」というニュアンスを感じるかもしれません。実はその前にも後にも「段階の異なる望ましい行動」があり、その連なりで進んでいくことで訪問者が徐々に顧客になっていくという担え方のほうが現実的です。

<コンバージョンは段階的なもの>

計測可能にするために「望ましい行動」を決める

コンバージョンに段階があることを理解できると、例えば「コミュニティサイトでの投稿行動」も、(回数が増えれば増えるほどより濃い顧客と考えられるのであれば)コンバージョン行動として採用できます。ただし、「回数が多いほど」のままだと計測できないので、「どの段階まで至った訪問者を顧客とみなすのか」を決める必要があります。ここでは皆さん(場合によって経営者の)意思決定が求められます。

購入行動も「より多いほうがいい」に決まっていますが、それでは計測が可能になりません。計測を行うには、何回以上のリピート購入を望ましい行動とするかを決める必要があります。

押さえておきたいデジタルマーケティングの主な指標

コンバージョンを考えるうえでは、基本的なデジタルマーケティングの指標を理解しておく必要があります。以下に主な指標をまとめたので、復習として確認してみてください。

カート離脱率、フォーム離脱率

カートに商品を投入したユーザーまたはフォーム入力ぺージに到達したユーザーのうち、購入やフォーム入力の完了に至らなかったユーザーの割合

獲得単価、CPA (Cost Per Acquisition)

サイトのなかでされた「獲得行動」を1件とるために使われたコスト。資料請求・会員登録・トライアル利用などを獲得行動とすることが多い

クリック率、CTR (Click Through Rate)

テキストやパナーのリンクについて、それを表示された回数に対してクリックされた回数の割合。メール、サイト内バナー、広告などによく用いる

広告費用対効果、ROAS (Return On Advertising Spend)

広告経由の売り上げを広告費で割った数値。ECサイトなどでよく使われ、使った広告費の何倍の効果(売り上げ)があったかを把握するために使うことが多い

顧客単価、注文(購入)単価

顧客単価は顧客1人あたり購入額、注文単価は注文1回あたり購入額。混同しやすいが、1 人が複数回注文する場合があるので区別する。なお顧客単価の場合は計測期間を区切るほうがわかりやすいことが多い

セッション数、訪問数

Webサイトにアクセスした回数。セッション敢・訪問教は同義

滞在時間

Web サイト内の滞在時間。通常は1セッションあたりの滞在時間を指す

直帰率、離脱率

直帰率・離脱率はページごとに算出する。直帰率はあるページのセッション1 ページ目であるPV教のうち他のページを見ずに離脱したPV数の割合。離脱率はあるページのPV数のうち、そのページで離脱したPV数の割合。

投資対効果、ROI (Return On Investment)

課題を解消する施策やその最適化の実施にかかった投資に対しどれだけの効果が出たかの割合。投資と効果の算出方法を決めておくことが大切

ユニークユーザー (UU)数、MAU、WAU、DAU

Webサイトを訪問したユーザー数。一定期間に複数回訪問したユーザーは1とカウン卜する。通常はユニークのブラウザ一数としてカウン卜することが多い。数える期間が月、週、日の場合はMonthly、Weekly、Daily Active User(MAU 、WAU 、DAU) となる

リピート率、リピート数、再訪率

リピート率はある行動を初めて行ったユーザーのうち何人がそれを2回以上行ったかの割合。初回行動から2回目までの時間的な制限を設けるなどリピートの定義は明確に行おう。例えば再訪率の場合、月次再訪率はある月に訪問したユーザーのうち翌月も訪問したユーザーの割合とするなど

デジタルマーケティング担当者としては、ここに挙げた指標はしっかり押さえておきたいところです。

まとめ

成果に結びつくコンバージョンを設定するには、下記が大切です。

  1. 計測できる行動をコンバージョンにする
    オフラインでの来店など計測できない行動はさけます
  2. 直接計測できるデータをコンバージョンにする
    いつでも最新データを入手できるものを選び、他部門から月1回しかもらえないようなデータはさけます
  3. 段階的なコンバージョンを設定する
    初回購入・(3回以上の購入で)リピート顧客・(1年以上の継続で)ロイヤル顧客など、段階的な行動を計測する区切りを決めます

適切なコンバージョン設定ができれば、コンバージョン向上に取り組む基本の準備は完了です。

もし、計測しにくい行動や入手しにくいデータを重要なコンバージョンとして採用している場合は、ぜひこの機会によりよいコンバージョン設定を見直してください。

いちばんやさしいコンバージョン最適化の教本〜人気講師が教える実践デジタルマーケティング

深田浩嗣 著 / 2017年3月 インプレス刊

本記事は、私が2017年に出版した「いちばんやさしいコンバージョン最適化の教本」から、特に多くのサイト運営者・経営者に知ってほしい重要なポイントを、再編集しました。よりくわしい解説や、コンバージョン最適化の全体像を知りたい方は、ぜひ本書を読んでください!

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▼連載:いちばんやさしいコンバージョン最適化のコツ 記事一覧

  1. 成果に結びつくコンバージョン・指標を設定するポイントとは?
  2. コンバージョン改善施策の失敗でありがちな3つの間違った指標
  3. デジタルマーケティング施策は自社でやるべきか? 外注するべきか?
  4. コンバージョン最適化は3つの階層で考えよう
  5. KPIツリーでコンバージョン最適化を考えよう

  6. 単品系ECサイトのKPIツリー
  7. 予約系サイトのKPIツリー
  8. 資料請求、体験/来場予約系サイトのKPIツリー
  9. なぜユーザは離脱するのか?
  10. コンバージョン最適化には「リアル店舗」の接客を参考にしよう
  11. コンバージョン向上に欠かせない「ABテスト」で効果を上げるためのコツと結果分析での注意点

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