マーケターだけでなく経営者にも届けたい!「いちばんやさしいコンバージョン最適化の教本」が目指したこと
「いちばんやさしいコンバージョン最適化の教本」が発売されて早1ヶ月。紀伊国屋書店新宿店でビジネス書ランキング3位に輝くなど、売れ行きも好調です。著者の深田浩嗣に本書についての思いを聞いてみました。
間違いだらけのコンバージョン最適化
--出版おめでとうございます!書籍の内容について教えてください。
深田:
コンバージョン最適化は、個別施策にばかり目がいって「木を見て森を見ず」の状態になりやすい傾向にあります。本書では、全体の木も個別施策の森も見るというように2つの視点を両立させるための考え方を解説しています。
もちろん、この考え方がわかっている方もいらっしゃいますが、往々にしてチーム全体、あるいは社内の他の部署も含めて考え方が共有できているというケースはあまり多くないのではと実感しています。
チーム全体でコンバージョン最適化のプロセスを回していくためにも、まずはこの考え方をチームメンバー間で共有できることを目指しました。
--確かにチーム全体の理解は大切ですね。どんなことがきっかけで、本書の執筆をしようと思ったのですか?
深田:
クライアントと話す中で、コンバージョン最適化のキモとなると我々が考えている点について、かなり認識のバラつきが大きかったり、あるいは捉え方が異なっていると感じていました。私たちは、Sprocketというツールを使ってコンバージョン最適化を行いますが、基本的なコンバージョン最適化の考え方や仕事の進め方はツールに依らず共通です。そこで、ツールにこだわらず、汎用的に適用できるコンバージョン最適化の考え方を整理したいと思ったのがきっかけです。
もう1つは、デジタルマーケティングに関してABテストの手法やLPOの作り方、メール配信の最適化、Web接客など、個別の施策やツールを解説した書籍や記事は多く見るのですが、施策やツールを横断した全体的なプロセスや持つべき視点を解説している書籍、文献が自分が知る限りでは見当たりませんでした。
ツールや手法は多様化していますから、どの課題に対して何の施策をなぜ実施するのか、全体像を整理して、デジタルマーケターが迷わないようにしたいという思いから、執筆を決意しました。
デジタルマーケティングの担当者から経営者まで読んでもらいたい
--どんな方に読んでもらいたいですか?
深田:
自分の中では、この本は「デジタルマーケター応援本」と位置づけていますが、いろんな立場の方に読んでもらいたいですね。
日々、ABテストを回している人にとっては、個々のABテストに一喜一憂するだけでなくどういう視点を持って実施すれば次のキャリアのステップアップにつながるかの指針になると思います。
マネジメントする立場の人にとっては、チームとしてプロセスをどうまわしていくか整理できるのではないかと思います。
さらに経営層の人にも読んでいただきたいです。自社にとってのコンバージョンは何かということは経営視点でもあるからです。また、多くのデジタルマーケターの悩みに、デジタルマーケティングに対して期待が大きくなっているのに、リソースが増えないということがあります。期待と現実のリソースにギャップが有るんですね。経営者には、そこに気づいてほしいという思いがありますし、経営層にまで届いて変わってくれれば最高ですね。
--経営層まで読んでもらえれば、Webマーケティングのチームとしてもうれしいですよね。さて発売して1ヶ月経ちますが、反響はどうですか?
深田:
おかげさまで売れ行きも好調です。発売直後には、新宿の紀伊国屋書店のビジネス書部門で3位になりました。
また、業界の第一人者の方から書籍の内容を褒めていただいたのも嬉しかったですね。他にも、「わかりやすい」「よくまとまっている」というコメントをいただきました。今後は書籍の内容を踏まえたセミナーを実施する予定もあります。
数度にわたる書き直しで「いちばんやさしい」を目指した
--執筆にはかなり時間をかけたと聞いていますが、一番苦労した、大変だったことはどんなことですか?
深田:
タイトルにある「いちばんやさしい」というところで、編集者から何度も「やさしくない」「わかりにくい」と差し戻しにあいました。全編の書き直しを2回、細かい修正も入れると6−7回、修正を入れています。最後の方はかなり苦行になりましたが、その結果「いちばんやさしい」が実現できたと思います。
内容で言うと、コンバージョン最適化の全体像を示すCROPフレームワークに落とし込むところに非常に頭を使いました。最終的な形になるまで、多くの方からアドバイスやフィードバックをいただきましたし、納得できる形に整理できたという自信があります。
コンバージョン最適化以外にも使えるスキルに
--では最後にこれから読まれる方にメッセージを!
深田:
デジタルマーケティングは、正解がない、わからない中で仕事を進めなければいけません。他の仕事に比べて、これでよいのか迷ったり不安に感じることも多いでしょう。そういう中でも正解に近づくための指針があるんだ、ということが伝わればと思います。また、デジタルマーケターの皆さんは不安を感じながらも施策を行っているという苦労が経営者や他の部署の人にも伝わればと思います。
また、この考え方はコンバージョン最適化はもちろんですが、いろんなことに応用できる考え方です。私自身も自社の会社経営に取り入れていますし、スポーツや学習などそれ以外のことに対しても取り入れられます。一生使えるスキルとして身につけてほしいですね。
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