目指すは世界!Sprocket×人工知能でマーケティングの常識を変える
Sprocketにデータサイエンティストとして入社した森下健。深田とは同世代で大学院時代の同期でもある。今回は、2人の対談を通して、Web接客ツールSprocket(スプロケット)が人工知能、機械学習の要素を取り入れて、どのように進化するのか、今後の展望について探っていく。
機械学習ならプログラマーの設計を超えるアウトプットがある
深田:先日のインタビューで賢いコンピュータについての興味があるという話がありましたが、どういうきかっけがあって興味を持ったんですか?
森下:子どものときに、テーブルトークRPGのゲームマスターに憧れがありました。テーブルトークRPGというのは、コンピュータを使わず、紙とペン、ルールブックでストーリーを進めるRPGで、ゲームマスターはそのゲームの進行やルールを決める人。ゲームがおもしろくなるかどうかは、ゲームマスターの腕次第というわけです。このゲームマスターをコンピュータで作れないか、そういう思いがありましたね。
深田:子どもの頃からコンピュータに興味があったんですか?
森下:小学1−2年生のとき、Basicのプログラミングができる小さいコンピュータが家にあって、ちょっとしたコードを書けたんですよね。自分の思った通りに作れるのがおもしろくて、それが最初のきっかけかもしれないです。
深田:機械学習に興味を持ったのはいつですか?
森下:初めて機械学習という言葉を聞いたのは、大学院にいた2000年ごろ。プログラムは、プログラマーが設計した通りの動きをするもので、言われた以上のことをやる道具ではありません。しかし、機械学習は、機械がプログラムされていないことを自分で学習していく。そこに興味を持ちましたね。
深田:機械学習に取り組み始めたのは?
森下:ゆめみを辞めた後に、データサイエンティストになりたいと思って、機械学習を研究する会社に入り、そこで3年くらい取組みました。決まったルールでも、ルールが動的に変更されれば、同じ入力でも違う出力が出る、そんなことをいろいろ試していました。
スプロケット×人工知能の使い所が見えた
深田:その会社を紹介したのは、実は僕なんですけども。僕たちは、そもそも大学院時代の同期で隣の研究室にいました。当時、僕は技術がどう進むのか、人間の社会にどう活用できるのか関心がありました。
人工知能、機械学習的なアプローチが現実的なものになりつつある今、Sprocket社が実現したいことと、森下が今までやってきたことが組み合わせれば、よい成果がありそうだと思って、入社してもらいました。
採用するときに、事業として利益が出せるのかどうかはお互いに検討しました。Sprocket社の規模では「研究」に投資する余裕はないなかで、事業としての成果が出せるのか。率直なディスカッションを経て、僕も森下も可能性があると信じられたから採用しました。
人工知能はいろいろなところで言葉が使われている割に、どう落とし込むかは未知数。研究所を作っている企業もありますが、そういうところはまだ逆に何もできていないんだな、方向性が見つからないんだなという印象です。
うちの場合も、マーケティングに使えるプロダクトとして人工知能はどういう風に落とし込めるのかは、なかなかみつかりませんでした。しかし、森下が入社してから、技術についてディスカッションしたり自分で勉強する中で、すでにアイデアが具体化しています。
森下:入社して2ヶ月、プロダクトとしてリリースできる機能の開発に注力しています。現状のスプロケットのABテストの出し分けはランダムで、その上で効果的なシナリオを見出します。これを、この人にはA、この人にはBというように、機械学習の結果から自動的にシナリオを最適化することを目指しています。
判定の基準の一つが、ユーザの行動パターン。いろいろなタイプのサイトのユーザ行動データが取得できるスプロケットで、すでに大量のデータを蓄積しているからこそ、できるアプローチです。
深田:ユーザ行動によるセグメント分けは、他社のツールでもありますね。Salesforceではpredictive analytics(予測分析)みたいな形で、購入しそうかどうかを予測してセグメント分けして、メールの出し分けなどをやっています。
スプロケットの挑戦がそれの先を言っているな、と感じるのは、ユーザを分析して自動的にマッチするシナリオをあてていけることですね。そこがポイントだし、面白いと思います。
年内には、実際の案件で試していく予定で、協力していただけそうな会社さんにお声がけしています。自社でやってもいいよ!という方は、ぜひお問い合わせください。
Sprocketが目指すこと
深田:人工知能のアプローチを製品に組み込むことで、短期的には導入していただいているお客さんへの成果を最大化することを目指します。機械化することでより少ないリソースでそれが実現できるので、ROIも向上します。
機械化、自動化というのは、Sprocket社として重視する方向性の一つです。Web接客ツールの方向性として、チャット対応と言うものがありますが、人力が必要になります。チャットボットの可能性は考えましたが、我々の結論としてはイマイチ、ということになりました。まず、カバーするべき技術の幅が広すぎますね。MAのシナリオのもっと複雑なシナリオを作るようなイメージですし、そもそもテキスト入力というインタフェースをユーザが好むのかどうか。人工知能はいろいろなアプローチがありますが、スプロケットのプロダクトとしてはチャットボットは選びませんでした。
シナリオのチューニングの自動化、ユーザの出し分けの自動化など、Sprocketの強みを活かせる使い方を突き詰めたいですね。
森下:長期的には?
深田:スプロケットを世界で勝てるツールにしたい。Facebookは、サービスの裏側で日常的にアップデートして精度をあげ、プラットフォームを進化させています。
Sprocket社ではテクノロジーに投資して、世界で通用するプロダクト、リスペクトされるプロダクトを作って世界で勝つことを目指したい。技術的な先端性があるだけでなく、世の中に役に立つものを作っていく、そうでなければ僕らがやる意味がないとおもっています。
森下:まずはマーケターに役立つツールですね。
深田:そうですね、ちょっと別の視点ではありますが、企業がクーポンなどの金銭的インセンティブを使わないでお客さんとの関係を築ける仕組みを作りたいという思いがあります。マーケターの方と話すと分かるのですが、クーポンを使うのは短期的に一番効果があるからです。だけど、短期的な施策と中期的な施策がつながっていないんですよね。
だから、スプロケットではクーポンを使わずに、短期的な施策が中期的な施策として有効であるような、それを示せる実績を出していかなければいけないと思っていてます。成功すれば、マーケターも金銭的インセンティブのループから抜け出せますし、企業とお客さんとの関係も本質的なものになります。
森下:深田さんが目指す夢に向かって、僕は機械学習を使ってスプロケットを進化させていきたいです。機械学習もコンピュータと同じで道具に過ぎないので、どうやって役立てるかを考えていきたいです。
ビジネスに使えるためには、世間の2、3歩先を行かないといけない、しかも最短距離をとらないといけないと思っていて、アイデアを実現するための調査、そしてプロダクトへの実装というところに注力したいです。
深田さんからは、いろいろなアイデアを聞かされていて、実際にできるのか、できないのかを判断しながらやっています。そういう意味で、ツアーの出し分けというのは直球のアプローチですが、これはデータがそろっているからこそできること。将来的には、コンテンツを分析してコンテンツを自動生成するなども考えられます。といっても現実味はありますが、ハードルが高いのでまずはできるところからプロダクトに落とし込んでいきたいですね。子供のころの憧れだったゲームマスターを、スプロケットのシナリオの自動化、ルール化で実現できそうです。
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