シナリオの自動最適化に挑む:Sprocket社員インタビュー
Web接客ツールSprocket(スプロケット)の分析機能を強化するために、2016年7月よりデータサイエンティストとして森下健が入社した。どんな思いで今、Sprocketに入ったのか。
Sprocket社に入社した経緯は?
以前は、ゆめみでCTOとしてモバイル向けサービス、オムニチャネルのソリューションなどの開発をしていました。データ系のエンジニアになりたいと思い、転職を決意したところ、深田に声をかけられました。その他の企業とも話をしましたが、最終的にスプロケットというプロダクトに将来性を感じ、入社を決意しました。
今はどんな業務を担当していますか?
スプロケットが取得したデータから、どんなユーザにどのシナリオを出すと効果があるか、機械学習的なアプローチを使って検証しています。具体的には、ユーザがそれぞれ持っている行動データなどを元に、条件でわけてシナリオを出した時の反応を機械学習し、反応がよいユーザ群を予測しシナリオの出し分けをします。
学習自体は機械が自動的に行いますが、その結果が適切かどうかを判定したり、そもそもユーザのデータのうち何を使うのかは人間が決めていくところになります。
スプロケットの役割は、購入を増やす、会員を増やすといったクライアントの目的を最大化することにありますが、機械学習の性能がよいほど同じデータを入れた時に大きな成果になります。それを目指して最適な方法に寄せていくのが私の目指すところです。
どんな形でプロジェクトに関わっていますか?
現在は、1つのプロジェクトによらず、今動いている案件のうちサンプルとして適しているプロジェクトを選択して試験的に実施しています。スプロケットの場合、いろいろな案件の実際のデータが得られて、検証できるという環境があります。しかも検証したフィードバックをすぐに次のアクションに反映させ、またその結果データが得られるという恵まれた環境ですし、非常に検証しやすいです。
いろいろなタイプのサービスの検証ができるので、サービスによらずに適用できるものを作っていきたいですね。といっても、サイトごとにユーザ層も個性も違うので、そう簡単にはできませんが、検証を重ねていきたいです。
すでに、Sprocket社には最初に導入すべきシナリオのノウハウは溜まっており、すぐに効果が出るようになっています。現在は、導入後さらに効果を上げるためのサイト内でのユーザの出し分けなどは1-2ヶ月かけてデータを収集し、傾向を分析して適用していますが、効果的なシナリオの出し分けを自動化し、より早いタイミングでできるようにして、効果をさらにあげていきたいと考えています。
シナリオの自動出しわけについては、AIだと思いますか?
今作っているシナリオの自動的な出し分けについては、まだAIとは呼べないと思いますが、AIは明確な定義がないので、どこからが自動化で、どこからAIなのか、曖昧ではあります。
Facebookでは写真の顔認識をしますが、最近は自動判別というように言われていますが、少し前まではAIと呼べるものだったと思います。普及した技術になると、人はAIと呼ばなくなるのかもしれませんね。
人工知能、機械学習の技術は興味があるので、時間を見つけて試していきたいですし、その結果がスプロケットに活かせればいいですね。
そもそもデータ系エンジニアになりたいと思ったきっかけは?
子どものころから、賢いコンピュータ、対話できるロボットに興味がありました。現在、対話するロボットやAIをうたっているものがあり、レベルとしてはまだまだですが、今後可能性はあると思います。
働く環境としてSprocket社はいかがでしょうか?
優秀なメンバーが多く、楽しいですね。よい意味でドライなので、話が早いですし、余計な気を使わなくていいので仕事を進めやすいです。
エンジニアとしての環境としては、AmazonのAWSやGoogleのBigQueryなどのクラウドサービスが利用でき、大量のデータを扱え便利ですね。
会社としてベンチャー気質があり、アイデアをすぐに形にするスピード感も楽しいです。
これからAIエンジニアを目指す人に向けてのメッセージを。
Webやスマホの世界は、経験が物をいうようなところがあって、理想論では片付かないものがあります。しかし、機械学習やAIの分野は現在研究が進んでいる分野で、少しずつビジネスに関連してきている段階なので、先端的な研究をしている学生が、そのままビジネスに入っていけるような可能性がありますね。花型になりつつある分野ですから、思い切って仕事に選んでみるといいと思いますよ。言葉としてのAIブームはここ1年くらいでしょうが、中身のあるブームなので、今後5-10年間くらいはホットな領域であり続けるでしょう。
前述したように、スプロケットはクライアントの環境のデータを得て、検証し、それをアクションにしてまたデータを得るということが可能な環境なので、AIや機械学習に関連する仕事をしたいという方に大きなチャンスがあります。
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