失敗しないWeb接客:導入前に知っておくべき施策の流れ
「Web接客・Web接客」という言葉を目にする機会が随分と増えてきました。実際にこの施策を導入する上では、一体どのようなことを考える必要があるのでしょうか?今回はWeb接客ツールの導入時に何をどのような順序で考えていくべきかをお話します。
接客の流れを分解する
一般的な店舗での「接客」という行為を分解して考えてみましょう。基本的には次の4つで接客という行為は構成されています。
- 1)観察する
- 2)接客アクションを選択する
- 3)接客アクションを実施する
- 4)実施の結果が出る
- →1)に戻る
この流れはWeb接客だろうと実店舗の接客だろうと変わりません。接客に優れているとされる旅館の女将さん、レストランのウェイターさん、航空会社のCAさん、などいずれもこの1)~4)の行為で接客行動を取っています。
観察することはいずれも同じですが、選択できる接客アクションは提供されているサービス内容やその人の能力・知識や経験によって違いがあります。また選択の際にはその人なりに目の前のお客さんにとって何が最適かを判断するというプロセスがあります。
実際に選択した接客アクションを取ると、お客さん側になんらかの反応という結果が生じます。あるいは何も反応がないという結果になることもあるかもしれません。
いずれにせよ、接客の結果を観察することで次の接客アクションを選択する・・・ということでこのサイクルが繰り返されることになります。
Web接客の流れを考える
Web接客の考え方も基本的にはこれと同じこととなります。
Web接客の場合は
- 1)観察する →ユーザの行動データや属性データを収集する
- 2)接客アクションを選択する →どのような場合にどのような接客アクションを取るのかのルールを決める
- 3)接客アクションを実施する →ページ上に何かしらのフィードバックを返す
- 4)実施の結果が出る →フィードバックを受けたユーザの行動が変わる
といったところですね。
「観察」はタグ埋めやAPIコールなどで機械的に収集されることが多いかと思いますが、場合によっては利用するデータを予め決めておくこともあるでしょう。カート離脱に特化してWeb接客する場合などは収集する行動データは限定されますね。
Web接客のアクションを考える
接客アクションの選択は、どこで誰にアクションを取るのかという部分と、どんなアクションを取るのかという部分の2つで成り立っています。
Sprocketを含めた多くのWeb接客ツールはルールベースの判定として設定することが多いです。判定のさせ方は大きくは次の2種類です。
- 2-1)どのページに訪れたら接客アクションを実施するか(どこで)
- 2-2)過去の行動履歴や属性データから、どのセグメントに属するユーザなら接客アクションを実施するか(誰に)
この2つを組み合わせてルールを設定することになります。実店舗に例えると声をかけるタイミングどこにするかを予め決めておくという感じですね。
こういう行動を取ったユーザがこのページに訪れた時、どんな気分だろうかということをいかに具体的に想像できるかがキモになってくる部分です。
アクション=クーポンの落とし穴
実施するアクションについては、多く見られるのはクーポンを配布するというものです。大半のWeb接客ツールはこのアクションを採用していますが、Sprocketとしてご提案する際には、Sprocket側からクーポン配布アクションを提案することは基本的にありません。
クーポン配布は短期的な成果は出やすいものの、「クーポンコストにより実際の成果がマイナスされる、導入企業様にコストを強いることになる」「消費者側のクーポン待ちを誘発するなど長期的に見たマイナスの影響がある」といった観点から中長期的に継続しにくい施策であると考えているためです。
ここは導入企業側の考え方にもよると思いますが、よくある話としてクーポン配布に頼るようになってしまうと、なかなかそこから抜けられず、全体的な漸減傾向を止められなくなってしまうという現象がありますので十分注意される方が良いかと思います。
Sprocketの場合のアクションとしては、次にやるべきことをお知らせする、実施することで生じるメリットを伝えるなど、店員のお声がけのような形でのアクションを提案しています。これにより、サービスの理解を深め、次に訪れる動機も持たせることができるからです。
例えば、NTTレゾナントさんの「教えてgoo」に導入した事例では、質問を投稿した人に「お礼」「ベストアンサーを選定する」という次のアクションをお知らせするガイドを表示したことで、アクションが24%アップしました。質問を投げっぱなしではなく、その後のフォローをすることで、よりよいコミュニティに成長させることを目指しました。またお客様とも協議する中で、クーポン訴求でアクションが増えても、明らかに短期的になってしまうのでコミュニティとしては合わないというお話もありました。
また、ECサイトのティーライフさんでは、会員登録するメリット「誕生日月にプレゼントがある」「ポイントが貯まる」などのメリットをお知らせするガイドを表示したことで、会員登録率が表示しない場合に比べて11倍になりました。こちらも、クーポンでその時1回おトクに買えることを訴求するよりも、中長期的なメリットを伝えてサイトに定着することを目指したのです。
さて、話をアクションの実施に戻すと、アクションとして表示するビジュアルの違いも色々なパターンが用意されていることが多く、ブランドに適したアクションを実施することができます。
アクション実施自体は基本的にリアルタイムで実施されますので、直前の行動をルール判定に使うことができる場合が多いです。
実施結果の分析
最後に実施結果の分析となります。
ABテスト機能が内包されているツールが多いため、結果の良し悪しはすぐにわかるようになっています。ここで重要となるのは結果をどう分析するかという点です。Web接客手法は率直に言ってまだまだ発展途上の領域です。どのようなやり方が自社にとって効果的なのかは試行錯誤を繰り返す必要があるため、結果分析をしっかり実施していくことがその知恵を蓄積していく上で重要となります。
結果分析の難易度は、事前にどのようなデータを収集するかが設計されているかどうかで大きく変わります。また、そのデータが分析できるように可視化されている必要もあります。(Sprocketは分析機能に強みがあります)。またデータの設計と言うと難しそうに聞こえるかと思いますが導入時にはしっかりこちらで支援しておりますのでご安心ください。
戦略的なWeb接客を実施しよう
さて、Web接客の基本的な流れを整理しましたが、まとめると、Web接客実施時に考えることは
- ルール :どのページでどんなセグメントのユーザに出すか
- 接客内容 :どんな接客内容を提示するか
- 分析 :結果をどのように分析するか
の3つとなります。
Web接客はうまく当たれば大きな成果を出すことができるので、ぜひ色々とトライしてみてください!
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