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【連載第4回】コンバージョン最適化は3つの階層で考えよう

2018/04/26 8:00:00

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コンバージョンの最適化は仮説の立案から実践、検証というプロセスをたどって行います。この一連の活動は、実はとても複雑な構造をしています。本記事では、この構造を「3つの構造」として捉えることでわかりやすくときほぐしていきたいと思います。


<この記事の目次>

 

◆個々の要素の最適化だけでは不十分

◆コンバージョン最適化を3 つの階層で捉えよう

◆最適化の「3つの階層」 を理解しよう

◆3つの階層は「仮説の階層」であることを理解しよう

◆「仮説の階層」を理解するのがカギ

◆従来の施策はほぼプロジェクトレイヤー

◆まとめ

 

個々の要素の最適化だけでは不十分

 

まず「コンバージョン最適化」 が何を指すかを考えてみましょう。一般に「コンバージョン最適化」というと、ページレイアウトやバナーのABテストを行ってCTR (Click Through Rate/ クリック率)の高いほうを採用したり、入力フォームを最適化したりする施策を想像するのではないでしょうか。こうしたページや画像、フォームなどの「個々の要素」 (以下、コンポーネント)に対する最適化はもちろん重要ですが、成果を出すためには枝葉にとらわれることなく全体を俯瞰する視点をもってこれらを行うことが大切です。

 

サイト全体で達成すべき目的に近づくには、「仮説と検証」のプロセスをくり返していきます。前述した個々のコンポーネントの最適化は、このプロセスの1 つに過ぎません。このようなコンポーネント単位の最適化を「狭義コンバージョン最適化」 と呼んでいます。そして仮説検証のプロセスをくり返すことを「広義のコンバージョン最適化」もしくは単に「コンバージョン最適化」と呼んでいます。

 

コンバージョン最適化を広義に捉えると、普段のサイト運宮業務も原則的にこの活動の一環として行われているはずなのです。くり返しますが‘ 部分最適に陥って「木を見て森を見ず」という状態にならないように、広義と狭義をうまく両立させながら進めていくことがコンバージョン最適化には重要です。

 

常に「広義のコンバージョン最適化」を頭に置いておくとで、部分最適化に陥る失敗を避けることができます。

 

コンバージョン最適化を3 つの階層で捉えよう

 

コンバージョン最適化を広義に捉えることは、日々のサイト運営業務をこなしているとなかなか離しいものです。どうしても目の前の業務に注力しがちで、その結果として狭義のコンバージョン最適化につい目がいってしまいます。

 

全体視点をもたずに部分最適を行っていると、「その施策を実施する意味がなかった」という結果になりかねません。例えば「バナーのCTRを上げるべくABテストをくり返していたが、そもそも遷移先ページのコンテンツがイマイチなのでCTRを上げても無駄だった」「メールの反応を良くするために配信時聞をいろいろと変えて試したが、メルマガ会員自体が減少傾向にあるためLINEに切り替えるべきだった」などといったケースです。

 

これらは皆、狭義のコンバージョンだけを見て、広義のコンバージョン最適化の視点を欠いていたために発生する失敗です。そこで、広義ー狭義の区別をわかりやすくするために、まずはコンバージョン最適化を図のような3層で捉えることからスタートしましょう。

 

<「3つの層」からなるCROP フレームワーク>

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「目的」→「指標」→「課題」→「解決手法」を決めていく4つの段階は、もつべき視点の広さに応じてそれぞれ3 つの層に当てはめられます。コンバージョン改善の「大前提」および課題の選定部分をもっとも広い視点で行う「マネジメントレイヤー」 、解決手法は施策の種類によって「プロジェクトレイヤー」 と「コンポーネントレイヤー」 に対応し、仮説検証はこの3層をくり返すプロセスと位置づけられます。

 

本記事ではこの図を「CROP フレームワーク」 (Conversion Rate Optimization Process フレームワーク)と呼びます。CROPフレームワークは、コンバージョン最適化のプロセスの全体像を俯瞰的に眺め、今自分たちが何をやっているかを理解して迷子にならないための地図の役割を果たします。

 


最適化の「3つの階層」 を理解しよう

 

では上中下の「3つの層」を1つずつ見ていきましょう。各層で広義のコンバージョン最適化に必要な業務を行います。層の違いは視点の違いを表しており、上が俯瞰的、下が部分的な視点での業務になります。

 

上の層では、対処する課題を決めるところまでを行います。課題の決定はサイト運営をするうえでもっとも俯瞰的な視点で行う必要があるため、この層には「マネジメントレイヤー」 という名前をつけます。

 

中の層では、決定した課題に対処する施策を実施します。特定の課題に対応する施策の実施ということで「プロジェクトレイヤー」と名づけます。

 

下の層では施策自体の最適化を行います。前述した狭義のコンバージョン最適化とは、この層で行われる施策を指しています。ここは「コンポーネントレイヤー」 と名づけます。コンポーネントには、Webページそのものやバナー画像、テキストのコピー、エントリーフォームなど、施策を構成する「要素」 (コンポーネント)が該当します。

 


3つの階層は「仮説の階層」であることを理解しよう

 

この3つの層での業務を進めていくうえで、いくつかの仮説に基づくことになります。例えば、上の層で対処する課題を「リピート購入の増加」 にしたとすると、「新規購入や流入の増加よりもリピート購入に力を入れたほうが良い」 という仮説を採用したこととなります。同様に、中の層での施策決定、下の層での最適化箇所の決定なども「リピート購入増にはこのやり方が最善だ」という仮説を採用したことを意味します。それぞれ、1つ上の層の仮説に基づいて次の層の仮説が立てられていることがわかると思います。

 

<仮説の構造と関係>

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「仮説の階層」を理解するのがカギ

 

これらの仮説はさらにいくつかの仮説から成立しています。

コンバージョン最適化の活動が複雑な構造をしていると述べた最大の要因が、この「仮説が階層構造になっている」点にあります。仮説の階層構造というのは大変に厄介で、捉えにくいものです。

 

よくある失敗事例も、この階層構造が問題を見えにくくしているために発生することが非常に多いです。

 

弊社では、この「階層化された仮説」 をいかに解きほぐしていくのを仕事にしているといっても過言ではありません。

 

<マネジメントレイヤーの仮説と施策の関係を考える>

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従来の施策はほぼプロジェクトレイヤー

 

皆さんが日々行っている施策はほぼプロジェクトレイヤーに該当する業務です。現在取り組んでいる施策がマネジメントレイヤーのどの課題を解決するための施策なのかをはっきりと認識できないと、「今取り組んでいる施策は何のためにやっているのか?」がわからなくなってしまいます。施策を実施している対象の課題がわからない場合は、マネジメントレイヤーに戻って「課題を決めるプロセス」をやり直すことをおすすめします。

 

まとめ

 

CV最適化の施策で成果を上げるためには、下記のポイントが重要です。

 

  • 「木を見て森を見ず」にならないように、「目的」→「指標」→「課題」→「解決手法」の決定順を意識する

  • 「マネジメントレイヤー」「プロジェクトレイヤー」 「コンポーネントレイヤー」の3層で考える

  • 日々の業務が、上位のマネジメントレイヤーでは何の課題解決のために実施しているか明確にする


 

最初は複雑に思えるかもしれませんが、常に上のレイヤーを意識してタスクを整理することで、業務の意味が明確になり、優先順位の低いタスクや目的の不明確なタスクなどを削減できます。そうすれば、マネジメントレイヤーの仮説検証もより高速に効率的に実施し、大きな成果を得ることができます。

 

「なぜやっているのかあいまいな施策が多い」「意味があるのか疑問に感じる施策がある」という場合は、今回紹介した方法を参考に現状業務の棚おろしをしてみてください。

 

 

いちばんやさしいコンバージョン最適化の教本
〜人気講師が教える実践デジタルマーケティング

深田浩嗣 著 / 2017年3月 インプレス刊

 本記事は、私が2017年に出版した「いちばんやcv.jpgさしいコンバージョン最適化の教本」から、特に多くのサイト運営者・経営者に知ってほしい重要なポイントを、再編集しました。よりくわしい解説や、コンバージョン最適化の全体像を知りたい方は、ぜひ本書を読んでください!


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