【CVR改善からさらにその先へ】コーポレートアイデンティティをリニューアルした理由

CX

深田 浩嗣

【CVR改善からさらにその先へ】コーポレートアイデンティティをリニューアルした理由

2023年の9月1日に、Sprocketはコーポレートアイデンティティ(CI)をリニューアルし、事業領域をWeb接客からCX改善に拡大するというリリースを出しました。ここに至った経緯やこれからについての想いを、CEOの深田が綴ります。

創業時から顧客心理の解明にマニアックにこだわり続けてきた

今回のリリースでお伝えしている「Sprocketの事業領域をWeb接客からCX改善に広げる」については、創業からの「企業とユーザーとの理想的な関係を作る」という想いを実現する上で、事業の正当進化と位置づけています。そういう意味ではこれまでの取り組みすべてがここにつながっているといって過言ではありません。

コーポレートアイデンティティ(CI)のリニューアル自体、全社に関わる大きなプロジェクトで、われわれ自身の根っこを見直すために数多くの議論を重ねた貴重な機会でした。その過程でも多くのメンバーやパートナーの皆様の尽力がありました。ここまでたどりつけたことにお礼を言わせてください。

顧客体験の向上のためには、顧客心理や行動傾向を読み解いていく必要があります。そこにマニアックにこだわり続け、7万回A/Bテストを実践し、「こういう状況のユーザーに対してはこういうことやるといいな」ということがわかってきました。

施策を打つことでユーザーの反応を見て、学びを得る。そこから改善のPDCAサイクルを回し続けることで本質的なCX改善が実現できます。

CX改善の好循環を生み出すことで、より多くの企業の成果創出にコミットできると考え、この度のCIリニューアルとリリース発表に至りました。

検証を繰り返すことで改善要因を見出す

SprocketがWeb接客ツールとして事業をスタートしたのは2016年にさかのぼります。CXという表現はいまでこそ当たり前の言葉になりましたが、当時はそれほどよく聞かれるわけではありませんでした。ただ、企業が持っている情報のうち、伝えるべきものが伝わるべき人に伝わっていない状況があるということにすごくもったいなさを感じていました。

ネットが浸透するにつれ、さまざまな情報が一般に流通するようになり、企業にとってネガティブ情報が広まりやすくなるという側面もあります。しかし、ほとんどの企業やそこで働く人達は真面目に仕事をし、真摯にユーザーと向き合っています。こだわりを持って商品やサービスを開発し、ユーザーに届けようとしています。

そういったこだわりや企業側の想いは、ユーザーの共感を呼び、選択基準の一つにもなるはずです。ですが、実際には企業とユーザーとの間に溝が生じてしまうことが多々とあります。ここをなんとかしたいという思いが、ぼくらがいま世の中でCXと呼ばれているものを眺める主な起点になっています。

こうした気持ちが当初からありましたので、事業を始めた最初の2・3年はクーポンやポイント付与などの金銭的なインセンティブには頼らない方法で顧客体験を改善しようということに強いこだわりがありました。

探したいものが見つけられずに離脱しているだけではないか、この機能を使えば解決できるのにそれに気づかずに帰っているのではないか、申し込みの直前になってやっぱり気になることが出てきたから申し込まなかったのではないか、こうしたことをさまざまに考え、検証を繰り返してきました。その結果、僕らが見えていないだけで、オンラインでの顧客体験において気づいてない改善要因がたくさんあることがわかってきました。

施策そのものではないSprocketの強みに気づく

試行錯誤の過程ではどのようなWeb接客体験が本質的なCX改善につながるのか、最初はとても苦労がありました。取っ掛かりが何もありませんでしたし、途中で離脱したユーザーはデータをあまり残さないので、分析から体験の「課題」を見つけることが困難だったためです。

ここで離脱するユーザーはこんな理由で離脱しているのではないかという仮説を立て、それを確かめるために施策を実践し、結果からユーザー理解の精度を高めます。そして、再度仮説を見直し、という地道なPDCAを繰り返すことで少しずつ考え方のコツがつかめるようになり、行動データからユーザーの心情を読み解けるようになり、だんだんとA/Bテストを効率よく回していくことができるようになりました。

同時にCX改善を実現するWeb接客シナリオのベストプラクティスの発掘が進みました。A/Bテストが早く回せるようになるにつれ、仮説を立て、施策に落とし込み、その反応から学ぶ、ということを繰り返しやすくなりました。その結果、「あ、選択肢を絞って提示すると選べるようになるのか」や「ハンバーガーメニューのアイコンの意味がわかってないユーザーが結構いるのか」といった具体的な成果につながるユーザー課題が次々と解明されていきました。

ふと振り返れば、実施している施策こそWeb接客がメインであるものの、本質的な自分たちの強みは施策そのものではなく、いかにユーザー視点に立って改善対象のサービスを眺めることができるか、そこから得られた仮説を施策実施の中で検証していけるか、さらには限られた時間の中で成果創出ができるか、といったことにあると気づき始めました。

自然に、クライアント企業様からも顧客理解の支援や顧客育成の支援など、Web接客施策の実施を超える領域のご支援を望まれることが増えてきています。クライアント企業様もこうした領域へのご関心がますます強くなってこられていますが、テクノロジーだけでなくその活用を十分にできるだけのリソースがないという声も多く聞かれます。僕ら自身が実際にPDCAを地道に回し続けてきている経験からも、ここまでのリソースをクライアント企業様に求めるのは難しいケースも多いだろうということもよくわかります。

タイパ重視の世の中で企業とユーザーとの理想的な関係を作る

コロナ禍を経てオンラインチャネルの重要性がより増す一方で、いわゆるデジタルネイティブなユーザーもどんどん増えてきています。そのような中で求められる体験の質も変わってきています。

僕の年代はネットが浸透し始めた時期にあたりますから、手元で得られる情報の量や質が増えていくこと自体に価値がありました。そもそも探しても得られなかった情報が得られる、わざわざ出向かないとできなかったことがオンラインで完結する、そこに価値を見いだす世代にとっては自分でいろいろとできるようになったことがオンラインの魅力でした。

ただ、様々な情報がすでに手元にあり、いろいろなことがオンラインでできることが当たり前になっている世代にとっては、そこに価値を感じることはありません。むしろ情報が多すぎる、怪しげなものが多く、見極めるのも大変、でも探せばわかることなら失敗はしたくない、というような気分が生じてくるのも自然な話です。より効率のいい体験が求められるようになり、「タイパ」という言葉が出てくるのも十分理解できます。

Sprocketのビジョンは「Connect、Empower、Boost」です。クライアント企業様とそのお客様の想いがつながり、力を与え合い、高みに向かえる世界を作っていきたいという考えで事業を推進させてきました。

これまでにないスピードで変化を続けている世の中において、このビジョンを実現するためには自分たちもより大きな課題解決にチャレンジする存在でありたいと考えています。そこで、改めて事業領域の拡大を宣言するとともに、Sprocket自身が変わっていくことを示す意味でCIのリニューアルを行うこととしました。

「CX改善に領域を拡大」といっても、われわれ自身はこれまでもそのつもりで事業に取り組んできましたので、中身が急に大きく変わるわけではないですし、無理な背伸びをしているつもりもありません。クライアント企業様とともに、PDCAのサイクルをこれからも実直に回し続けていきます。コンバージョンの改善だけを意図するのではなく、顧客育成やLTV向上といったより長い時間軸でのご支援にも領域を拡大していきます。

今後、少しずつCX改善の取り組みや新しい価値提供として世の中にお話しできることも増えてきますので、ご期待をいただきつつ、皆様のご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

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