Sprocketが考える「3つの接客段階」とは?オンラインの体験向上に必要な要素と事例を紹介

オンライン接客

Sprocket編集部

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Web接客とは、オンラインで接客を行うことを指します。ポップアップやチャットといった形式は、手段でしかありません。重要なのは、ユーザーの心理に合わせて適切なコミュニケーションを取ることです。ここではSprocketが考える「3つの接客段階」をご紹介します。

「ポップアップ=Web接客」ではない

Web接客というと、ポップアップやチャットを思い浮かべる方が多いでしょう。 確かに、Web接客は一般的にポップアップ型とチャット型の2種類に分かれます。しかし、ポップアップやチャットは手段の話でしかありません。「Web接客=ポップアップやチャットである」というのは間違いです。

実店舗でも「声かけ」や「店内アナウンス」は接客の手段ですが、大切なのはその内容です。Web接客でも同様で、ポップアップやチャットを出したからOKというものではありません。「その接客を受けたことで、ユーザーの体験を向上できているのか、助けになっているのか」という視点が最も重要です。

この記事では、Sprocketがご提供するWeb接客のメソッドとユーザー体験についてご紹介します。

Web接客における3つの段階

Sprocketは、ユーザーのサイト内行動データをリアルタイムに分析し、ユーザー心理を読み取って最適な接客シナリオを出し分けます。業界やサイトにより当然ユーザー心理は異なりますが、ここではWeb接客における大きな3つの段階をご紹介します。

接客段階1:来訪者に広くお知らせする

最も基本的な段階は「来訪者に広くお知らせする」というものです。多くのポップアップツールやオプション機能がこの段階に属するでしょう。

例えば「新規来訪ユーザーに」「キャンペーンページを訪れたユーザーに」など、ざっくりとしたセグメントで訪れたユーザー全員に同じメッセージを表示します。

この方法のメリットは、多くの人にメッセージを届けられることです。例えばセールのお知らせやクーポンなど、相手の状態にかかわらず有用なメッセージに向いています。

「新規来訪者に」といったざっくりしたセグメントでは、相手の心理までは考慮されない

これは実店舗にたとえるなら、お店に大きな貼り紙をしたり、店内放送を流しているのと同じです。最も手軽ではありますが、ユーザー体験が著しく高まるという性質のものではありません。

相手の状況を考慮せずにアプローチすると、人によってはうっとうしく感じて、それが原因で離脱しているユーザーもいるかもしれません。しかし、ざっくりとしたセグメントしか切れない場合は、そうした離脱が起きていることにすら気付けないのです。

利用しているツールが機能不足だったり、十分なユーザーの行動データなかったりする場合はこの方法しか取れない場合も多いでしょう。しかしこれが「ユーザー体験を高める優れた接客」でないことは明らかです。

接客段階2:相手の様子を見て適切なタイミングで声かけする

次の段階は「相手の様子を見て適切なタイミングで声かけする」というものです。ユーザーの行動データをリアルタイムに分析して、行動特性を読み取ることで「購入の意欲がありそう」「迷っていそう」といった心理を読み解き、最適なコミュニケーションを行います。

ここで言う行動特性とは、「ページを閲覧した」といった行動の有無だけでなく、行動の回数や状態、時間、頻度などあらゆる要素が含まれます。実店舗にたとえるなら、優秀な店舗スタッフが常駐して、来店したお客様の様子を注意深く見ながら「今」というタイミングでそっと声かけするイメージです。

ユーザーの行動特性から、アプローチする内容とタイミングを見計らう

オンラインでは配送や送料などの不安がつきものです。ちょうど迷っていたり、困っているところに適切なサポートを受けられると、「気が利いているな」とユーザー体験の向上が期待できます。「今は話しかけられたくないな」というユーザーに対しては、じゃまをせずにそっとしておくことも大切です。

この段階の接客を実現するには、ユーザーの行動をリアルタイムに分析する必要があります。課題としては、いわゆる「ポップアップを出せる」ツールでここまでできるものは少なく、1つめの段階のように店内放送の役割しか果たせないものがほとんどなことです。

熟練の店舗スタッフは「声をかけるタイミング」に最も気をつかいます。オンラインでもそれは同様で「相手がどのような人か」だけでなく「今どのような状況か」というタイミングの見極めが重要です。まさに「接客」の腕の見せどころだと言えるでしょう。

Sprocketは、選択肢で分岐するマルチステップ型のWeb接客機能を備えています。適切なタイミングで声かけをするだけでなく、「本日は何をお探しですか?」といった声かけからユーザーの答えを聞き取って、簡単な会話を再現するようなきめ細やかな接客を実現可能です。

連続するポップアップで多彩な接客シナリオを表現できる

ここでは「ユーザーの行動特性から心理を読み解く」と簡単に説明していますが、この段階の打ち手は無数にあります。商材やWebサイトによる違いだけでなく、1人ひとりのユーザーに対して最適な接客は異なるからです。同じユーザーでも、タイミングによって心理が違うこともあるでしょう。「さっきは放っておいてほしかったが、今は聞きたいことがある」というケースも考えられます。

Sprocketは5万回を超えるA/Bテストの実績から、業界ごとに精度の高い接客シナリオをご用意しています。しかし「定型のシナリオを入れればOK」というものではありません。自社のユーザーが何を考えているのか、どのようなコミュニケーションが長期的に良好な関係につながるのかは、施策を行いながら仮説と検証のサイクルを回し続けていく必要があります。

接客段階3:外部データと連携して1人ひとりにパーソナライズする

最後は「外部データと連携して1人ひとりにパーソナライズする」段階です。すでに今お使いのMAやCRMなどのツールがあるなら、それらのデータを活用することでよりパーソナライズした接客を実現できます。

外部のデータと相互に連携することで、より高度な接客が可能です。実店舗にたとえるなら顔見知りや常連のようなもので、「どこの誰か」「これまで購入した商品・好みは何か」「何のコンテンツを見て来店したのか」といった情報がわかっているわけですから、ユーザーからすると「自分だけに向けた質の高い接客体験」を得られます

例えば、お得意様であればこれまでの行動履歴をもとにした提案を行ったり、特定のコンテンツを見たことがわかっていればそこから話題を広げたりといったことが可能です。

外部ツールや会員情報などのデータと連携することで、1人ひとりにパーソナライズした接客が可能になる

Sprocketは多くのMAやCDP、ECシステムとデータを連携することが可能です。接客時にもポップアップ内で動画やチャット、ソーシャルログインなどの各種サービスと連携でき、逆に接客の結果をCDPやCRM、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールにエクスポートすることもできます。

各種データを接客に利用したり、接客の結果データを連携したりできる

これからのマーケティングツールは、相互のデータ連携がポイントになります。自社で蓄積したファーストパーティーデータは、そのツール内だけでなくさまざまなコミュニケーションの接点で活用しようとする視点が欠かせません。

Sprocketでは、消費者1,000人を対象としたアンケート調査の結果から、Webサイトの顧客体験を向上するオンライン接客についてまとめた資料を公開しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。

オンライン接客で売り上げを上げる3つの方法

SprocketのWeb接客事例

Sprocketは300社以上のコンバージョン改善実績から、あらゆる業界・サイトでの接客事例を蓄積しています。3つの段階ごとに、いくつか実際の事例をご紹介しましょう。

接客段階1の例:来訪者に広くお知らせする事例

セールやキャンペーンなどを告知したい場合は、広いセグメントに対してメッセージを届けるのが効果的です。図の例では、来訪者全員にセールの残り期間を正確に伝え、買い逃しがないようにお知らせしています。

多くの人にとって有用な情報ですが、ポップアップが大きすぎたり声かけの頻度が高すぎると顧客体験を下げる原因にもなってしまいかねません。このような案内は、程度や頻度を慎重に設計する必要があります。少なくとも、同じユーザーに何度も表示されないようなコントロールが必要です。

また、すべてのポップアップで共通のことですが、必要ない人の体験を阻害しないよう、閉じる(×)ボタンがパソコンでもスマートフォンでも押しやすいか確認しましょう。Sprocketが1,000人の消費者を対象に行った調査でも、閉じる(×)ボタンの押しやすさが顧客体験に大きく影響することがわかっています。

多くの訪問者にセールの情報をお知らせする例

接客段階2の例:相手の様子を見て適切なタイミングで声かけする事例

ユーザーの行動データをリアルタイムに分析することで「そのユーザーが今どういう心理か」を想像して声かけの有無や内容を出し分けられます。図の例では、生命保険サイトで同じページを一定秒数以上見ているユーザーを対象に「ご不明な点はございますか?」と声かけして、内容を選択すると同じポップアップ内ですぐに回答する仕組みになっています。

実店舗のようにユーザーの様子を観察できれば、このような接客も可能になります。たとえヘルプページやFAQに書かれている内容でも、ユーザーが自力でそのページを探し出してくれるとは限りません。「今知りたいこと」をその場ですぐに提供できるかどうかが接客体験にかかわってくるのです。

Sprocketの事例にも、同じポップアップの内容でも表示するまでの秒数をチューニングするだけで効果が倍増したケースがあります。ユーザーの心理は常に変化しているので、タイミングは重要な要素です。ベストなタイミングを見極めるためにも、リアルタイムの行動分析が欠かせません。

申し込み画面で一定秒数迷っている人に声かけする例

接客段階3の例:外部データと連携して1人ひとりにパーソナライズする事例

MAやCRM、会員情報など外部のデータと連携することで、もう一段階高度なパーソナライズを実現できます。図の例では、会員情報やECプラットフォームとデータを連携することで、保有ポイントをお知らせして購買促進を図っています。

Sprocketはさまざまな外部データと連携しやすい仕様になっており、各種マーケティングデータを活用することでパーソナライズされた「あなただけの」接客体験を生み出せます。オフラインでは、あまり顔を覚えられると逆に気まずいという人もいますが、オンラインではそのような抵抗はありません。自分のことをよくわかってくれているサイトだと感じてもらえれば、長期的な利用継続が期待できます。

会員情報やECプラットフォームと連携してパーソナライズした案内を出す例

Sprocketでは、ECサイトや申し込み型サイト、資料請求サイト、お問い合わせ型のサイトなど、さまざまな業界における導入実績があります。詳しくは「導入事例」のページをご覧ください。

特徴的な事例をA4サイズにまとめたダウンロード資料もご用意しております。

望ましい「接客」を実現するために

この記事では、Web接客における3つの段階についてご紹介しました。同じ「ポップアップ」や「チャット」という表現手法でも、ユーザーの体験は大きく異なることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

Sprocketでは、企業とユーザーの長期的な関係性構築を支援しています。来訪者全員にスピーカーで連呼するようなポップアップでは、ユーザー体験は向上せず、逆効果になってしまうこともあります。オンラインの接客でも実店舗と同様で、大切なのはユーザーの心理を考えた上で、タイミングを見計らって最適なコミュニケーションを図ることです。そのためには接客の知見やノウハウ、そして仮説と検証のサイクルを回すための仕組みが必要です。

Sprocketは、さまざまな業界に精通した担当コンサルタントが、現状分析から課題の発見、施策の実施、仮説と検証のサイクルを回すところまで運用を代行いたします。「高機能なツールを導入したけれど、社内のリソースが足りず使いこなせなかった」という心配はいりません。

満足度の高い接客は、LTV向上にもつながります。自社サイトの接客体験向上をお考えの際は、ぜひSprocketにご相談ください。

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