消費者の行動と心理を理解する マーケティングリサーチの基本用語と手法
マーケティングを成功させるための手段として用いられる「マーケティングリサーチ」。この資料では、消費者ニーズや自社に求められていることを把握するために大切な調査の基本とポイントをわかりやすく解説します。
デスクリサーチとは、対人調査の前段階の調査で、既存の統計データや調査資料から情報を集める方法です。この記事では、デスクリサーチのメリット、デメリット、実際の手順や注意点、デスクリサーチに便利なサイトを紹介します。
マーケティングリサーチを成功させるポイントをご存知ですか?すぐに役立つ分析方法をまとめた資料をご用意しました。
デスクリサーチとは、インターネットや文献を利用し、新しく調査を行わず既存の統計や調査のデータを収集・分析するリサーチ方法のことです。調査だけでなく、その結果をレポートにまとめるところまでを指すこともあります。
デスクリサーチは大まかに市場環境や業界トレンドなどを調査するのに適しており、具体的な市場調査やマーケティングリサーチの前段階として行われることが多くなります。
まずデスクリサーチで仮説の構築や予備調査を行い、その後で必要な部分のみ対人調査を使ってリサーチすることで、調査にかかるコストや費用、時間を節約できるのです。
デスクリサーチのメリットは以下のような点です。
アンケート調査など一般的なマーケティングリサーチを行う場合、調査票の作成や調査対象への依頼といったプロセスを踏む必要があります。そのため調査の開始から結果の分析まで時間が必要です。
しかし、デスクリサーチは実際に調査を行うわけではないため調査票の配布や回収の手間がありません。その分の時間や費用を抑え、すぐに調査結果を得られるでしょう。パソコンやスマホを利用してどこでもリサーチができる手軽さも長所です。
デスクリサーチのデメリットは以下のような点です。
自社で企画するマーケティングリサーチと違い、デスクリサーチでは政府や他社が行った調査結果を収集します。そのため、必ずしも自分たちの目的に合致するデータがあるとは限りません。データがあっても情報が古かったり、断片的であったりすることも多いでしょう。
インターネットを使ったリサーチは、検索に使った語句によって検索結果が異なってきます。偏った語句で検索していると、収集できる情報も偏ってしまうため注意が必要です。インターネット上には真偽の不明な情報も多いので、惑わされないようしっかり出典を確認する必要もあります。
実際に自分でデスクリサーチをする場合、どのような流れで行えばよいのでしょうか。ここでは「新事業のための業界調査をする場合」で考えてみましょう。
最初に「何を目的としてリサーチをするのか」を整理しましょう。目的が曖昧なまま調査を始めると、必要のない情報まで大量に集めてしまったり、見当違いな結果をレポートしたりしてしまいます。遠回りに感じるかもしれませんが、目的を整理することで無駄がなくなり、最終的にかかる時間と手間が大幅に削減されるのです。
「業界調査」といっても「業界全体の動向の把握」「流通チャネルの把握」「これから求められるサービスの分析」では求められるデータは異なってくるでしょう。リサーチの方向性や知りたい内容を明確にすれば、無駄や漏れなくリサーチできるようになります。
目的が整理されたら、そのために具体的に調査すべき内容をリストアップします。業界の動向を知りたいのであれば「生産量」や「市場規模」「製品・サービスの価格変動」を調査するとよいでしょう。
調査項目を具体的にすることで用いるべき検索キーワードや注目すべき語句が明らかになり、より早く的確なデータに辿り着きやすくなります。また、リストアップの際にはどの程度の情報の深さや広さを求められているのかも意識すると、リサーチの時短につながります。
調査すべき内容が決まってようやく、データを集める段階に入ります。多くの場合デスクリサーチはインターネットで行われますが、分野や内容によっては図書館で専門誌や論文にあたったほうがよい場合もあります。
「高品質で付加価値の高い商品が求められるようになり、製品価格は上昇傾向にあるのではないか」など自分の中で仮説を立て、それに従ってデータを探しましょう。
情報を集めやすくなり、レポートにまとめる際もスムーズです。仮説の根拠となるデータはなるべく複数収集し、多角的に仮説を立証できるようにしましょう。また、可能なら仮説に対しての反対意見や異論を想定し、それに対しての反論データまで集められると、より説得力のあるレポートが作成できるでしょう。
調査データが集まったら、導かれる結論と根拠となるデータをレポートにまとめます。偏った、あるいは不明確な根拠に基づいた結論にならないよう、官公庁や調査会社などの発表している、正確な情報を元にして結論づけましょう。
この際、最初に立てた仮説が間違っていることがわかったり、求めるデータがなく詳細が不明なままになったりすることもあります。もし仮説が違っていたら、仮説を立て直して検討を行い、より正しいと思われる結論を導きましょう。
情報不足で結論が得られないときは「現状ではどのように考えられるのか」「何のデータがあればよいのか」を明確にしましょう。追加で対人リサーチを行う場合、どのような質問をすればよいのかの示唆が得られます。
マーケティングリサーチやインタビューの方法とコツをまとめた資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。
コストを掛けず手軽に取り組めるデスクリサーチですが、いくつかのポイントを押さえて調査・レポートを行わないと誤った結論に辿り着いたり、トラブルの原因となったりすることもあります。以下で、デスクリサーチをする際に気をつけたい注意点を解説します。
情報には1次情報と2次情報があります。1次情報とは元となるデータそのもの、2次情報とはそのデータを元に分析や編集を行い、作成者の意見が加わったもののことです。
「沖縄以外の西日本では東日本より牛肉が多く購入されている」という政府の統計データは1次情報ですが、それを引用して「西日本は東日本よりも牛肉が食卓に上る割合が多いだろう」と述べるブログは2次情報になります。
2次情報は1次情報を加工・編集した人の意図が加わっているため、間違っていたり筆者にとって都合がいいように情報が歪曲されていることもあります。調査結果を見つけたらその出典を確認し、1次情報にまで遡って正確なデータを手に入れるようにしましょう。
調査会社が行っている調査や研究のデータを引用する際は、引用の要件を満たしている必要があります。文化庁は、「引用における注意事項」とし、以下の4点を取り上げています。
- 他人の著作物を引用する必然性があること。
- かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
- 自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
- 出所の明示がなされていること。(第48条)
また、調査結果の利用について調査元が利用要件を設けている場合があります。調査結果に付随する注意書きを確認するようにしましょう。
調査結果をまとめる際、情報の出典元がないと信憑性が低くなってしまい、リサーチの信頼性が大きく損なわれてしまいます。データの出典元は必ず資料に明記するようにしましょう。
資料リサーチの段階から「これは使えそうだ」と感じた調査データのURLや文献の出版社・出版年などをメモしておくと、レポート作成時に再検索する必要がありません。
また、その調査がどのような調査方法を用いたか、調査対象は誰かなども合わせて確認しておきましょう。これらが明確でない調査データは結果が偏っている場合があり、デスクリサーチの結果として利用するのに適さない場合があるからです。
マーケティングリサーチと組み合わせることでマーケティング活動に活かせる主要フレームワークをまとめた資料も公開中です。そちらもぜひご参照ください。
デスクリサーチでよく利用される、調査データが集まったサイトを紹介します。リサーチの目的に合わせて使い分けるとよいでしょう。
政府統計の総合窓口(e-Stat)は、国勢調査や労働力調査といった日本の政府が行った統計を閲覧・利用できるサービスです。
キーワード検索だけでなく分野・組織別での調査結果検索もでき、ピンポイントで調査名がわからなくてもデータを探せます。国勢調査や家計調査、消費者物価指数をはじめとした幅広い調査結果にアクセスできます。
統計ダッシュボードでは、政府や民間企業の主要統計データをグラフで公開しています。消費支出や世帯収入といった約5,000のデータが収録されており、利用ルールに従えば複製は自由です。
グラフで経年変化や地域差を見られるため、視覚的にわかりやすいデータが手に入ります。
生活定点とは、隔年で行われる生活者の意識調査です。首都圏・阪神圏の人を対象に、約1400項目にも及ぶ項目で質問を行っています。
質問内容は「あなたの暮らし向きは去年と比べてどうですか?」「今後、何にお金をかけたいと思いますか?」といったもので、消費者心理や行動原理を知る上で役立つでしょう。
リクルートのWebページでは、リクルートグループの行った調査や収集したデータを公開しています。関連会社がある「雇用」や「住宅」「旅行」「飲食」「美容」のジャンルに強く、「転職・就職」や「外食市場」のデータを得たい場合に適しています。
野村総合研究所のWebページでは「エネルギー市場動向」や「カーボンニュートラルの実現に向けた消費者と中小企業の課題と対応」など、経済や産業、生活者の動向について話題になったテーマを中心に調査したレポートを閲覧できます。
データだけでなく分析も行われているため、馴染みのない分野でも読み込みやすいのが特徴です。
調査のチカラはオンラインに公開された調査データのリンク集です。ビジネスに関するものからカジュアルな話題まで、膨大な調査データが一気に検索できます。
ただし調査のチカラでわかるのは概要だけです。必ず調査元のページに移動し「調査会社」「リサーチ方法」「利用許諾」を確認する必要があります。
知るギャラリーは、全国の消費者パネル調査で有名なインテージが運営するWebサイトです。「コロナ禍における生活者マインド」「スマホアプリ利用実態」といった、特に消費者理解やマーケティングに役立つデータを手に入れられます。
NTTコム リサーチでは、NTTコムが自社のモニターを対象に行なったアンケート調査結果を公開しています。
『「電力」に関する調査結果』『「SDGs消費」に関する調査結果』などトレンドに関する調査が中心で、回答者の性別や年代の割合まで公開されているのが特徴です。
MMD研究所はモバイル専門のマーケティング機関で、スマートフォンやアプリに関する調査データを公開しています。
「カーナビアプリの利用経験」「シニアのモバイル端末所有率」など、インターネットでの集客や販売を中心とする企業向きのデータが閲覧可能です。
「HoNote(ホノテ)」はネットリサーチ大手のマクロミルが運営するオウンドメディアで、世の中のトレンドや話題についての調査・分析結果が公開されています。
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