標本とは?マーケティングリサーチにおける意味、標本調査と全数調査の違い、標本の抽出法を解説

マーケティングリサーチ

Sprocket編集部

標本とは?マーケティングリサーチにおける意味、標本調査と全数調査の違い、標本の抽出法を解説

マーケティングリサーチにおける標本とは、調査のために母集団から抽出された一部のことです。この記事では、標本と母集団の関係、標本調査と全数調査の違い、標本の抽出法をわかりやすく解説します。

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標本とは

マーケティングリサーチにおける標本とは「調査のために母集団から取り出した、一部の集団」のことで、サンプルとも言います。「自社製品の顧客満足度について知りたい」と考えた場合、調査対象は「自社製品ユーザー全体」です。

しかしユーザー数が多い場合などは全員を調査するのは非常に困難なので、一部のユーザーのみを調査することで対象者全体の情報を推測します。この時、調査に協力した一部のユーザーが「標本」です。

標本と母集団の関係

母集団とは、調査のために知りたい、データを取りたいと思う対象者すべてのことです。顧客満足度調査をしたい場合は「自社製品ユーザー全体」が母集団になります。自社ブランドの20代女性における認知度を知りたい場合は、母集団は「全国の20代女性」です。母集団の中から「アンケート調査を依頼したユーザー」など、調査を目的として選びだした集団が標本です。標本は常に母集団より小さく、母集団の一部となります。

標本調査(サンプリング)とは

標本調査とは、標本のみを調査して母集団の情報を推測する調査方法のことです。標本をサンプルということからサンプリング調査とも言われます。仮に、顧客満足度調査を行う場合、理想は顧客全員にアンケートを行うことですが、実際には難しいので一部の顧客を選んで調査を行うでしょう。これが標本調査です。

標本調査を行うことで、母集団すべてを調査しなくとも母集団の性質を推測できます。しかし標本調査では集団の一部しか調査できないため、必ず誤差(標本誤差)が生じます。母集団をより正確に推測するには、標本を母集団から偏りなく抽出することが重要です。

標本調査と全数調査(悉皆調査)の違い

標本調査が「母集団の一部のみを調べ、母集団の性質を推測する調査」であるのに対し、全数調査(悉皆(しっかい)調査)とは「母集団すべてを調べ、その性質を明らかにする調査」です。国勢調査を思い浮かべるとよいでしょう。

標本誤差が生じてしまう標本調査に比べ、全数調査は母集団のすべてを調べるため、正確なデータが得られるというメリットがあります。しかし母集団の大きさによっては手間や時間、膨大なコストがかかることから、マーケティングリサーチでは標本調査が使われるのが一般的です。

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標本の抽出法

標本の抽出方法にはいくつかの種類があり、調査の目的や調査対象の性質により使い分けられます。代表的な抽出方法を以下で解説します。

有意抽出法

有意抽出法とは、その調査において「典型的」「代表的」と考えられる性質を持つ対象をリサーチャーが選び、それを標本とする抽出方法です。伝統的に行われていた手法であり、より少ない標本数で調査が可能というメリットがあります。

インタビューなど、少数の人から的確に意見を集めたい時に効果を発揮するでしょう。しかし標本の選び方に客観性がなく、標本誤差を統計的に計算できないというデメリットがあります。

無作為抽出法

無作為抽出法とは、簡単に言えばランダムで調査対象者を抽出する方法です。乱数などを用い、対象である母集団から無作為に標本を抽出します。無作為抽出法は統計的に標本誤差を計算でき、客観性に優れています。

説得力のあるデータを提示したい、母集団を正確に推定したい時に向いているでしょう。ただし、無作為抽出法を行うには対象とする母集団全体の名簿がなくてはなりません。そうでないと、全員を等しい確率のもとで抽出できないからです。

リサーチにおける標本

集落抽出法(クラスター抽出法)

母集団全体の名簿が用意できない際には、集落抽出法(クラスター抽出法)を使います。集落抽出法では、最初に調査を行う地域やクラスターを選択し、その中のすべての人や会社などを調査します。

全国の高校生のなりたい職業を調べる目的で、全国の高校のうち10校を無作為に選び、その高校に通うすべての生徒に回答してもらうケースなどが当てはまるでしょう。この場合、学校が集落(クラスター)になります。

集落抽出法には「集落間のばらつきが大きい場合、結果に偏りが出てしまう」というデメリットがあります。上記の例で言うと、10校のクラスターに農業高校や水産高校を含めた場合、普通科が70%以上を占める全国平均とは乖離した結果が出てしまう可能性があります。

二段抽出法

集落抽出法(クラスター抽出法)で抽出した地域やクラスターが大きい場合は、更にそこから一部を無作為に抽出し標本として調査します。全国から10校の高校を選んだあと、更に各校から生徒を50人ずつ抽出して標本とするのが二段抽出法です。

二段抽出法のメリットは、母集団が大きい場合でも時間的・金額的コストを低く抑えられることです。しかし、2回の標本抽出を行うため標本誤差が大きくなりやすく、同じ地域(クラスター)内に似た特徴のものが多くない場合、偏りが出やすい点に注意が必要です。

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