A/Bテストは、マーケティング活動におけるWebサイトや広告などの改善に欠かせない手法です。方法自体はとてもシンプルですが、基本を押さえておかないとテストの意味が薄れてしまう可能性があります。この資料では、A/Bテストの実施するときの準備や注意点、具体的なA/Bテストの方法を解説します。
Googleオプティマイズとは?基本的な機能から導入の流れ、A/Bテストの方法を解説
Googleオプティマイズをはじめ、A/Bテストに使えるツールは、LPや運用型広告の成果を出すために欠かせないものです。ここでは、A/Bテスト機能を持つGoogleオプティマイズでできることや、利用するメリット・デメリット、使い方のフローなどをご紹介します。
A/Bテストを成果につなげる方法をご存知ですか?手っ取り早く知りたいという方に向けて、要点をまとめた資料をご用意しました。
Googleオプティマイズとは?
Googleオプティマイズは、Googleが提供している、Webサイトのテストツールです。例えば、Webサイトに設置するボタンの色やサイズ、文言、位置などを迷った時、どれを選ぶのが正解かは、実際に設置してみなければわかりません。Googleオプティマイズは、このような場合に、複数のケースで実際に運用してみて、どちらのほうがユーザーに訴求するかをテストできるツールなのです。
また、Webサイトのテストだけでなく、テスト結果をもとに表示ページを最適化するパーソナライズもできます。
Googleオプティマイズは2023年9月で終了(※2023年1月27追記)
2023年1月に、Googleオプティマイズは2023年9月30日をもって終了するとアナウンスがありました。Googleオプティマイズの最新の情報については以下の記事をご参照ください。
Googleオプティマイズの構成
Googleオプティマイズの構成としては、「アカウント」「コンテナ」「エクスペリエンス」という3つの要素があります。この要素というのは、箱のようなものを想像するといいでしょう。
まず、上位階層にGoogleオプティマイズの「アカウント」があります。このアカウントは、通常のGoogleのアカウントや、アナリティクスのアカウントとは別です。ですから、1つのGoogleのアカウント内に、複数のGoogleオプティマイズのアカウントを持つことができます。また、Googleオプティマイズのアカウントは、権限付与により複数のGoogleのアカウントで管理することもできます。
次に中間階層に位置するのが、実際にテストするWebサイトを指定する「コンテナ」です。テストには、GoogleオプティマイズのコンテナとGoogle アナリティクスのプロパティの連携が必要となります。また、コンテナは、Googleオプティマイズで調査したいWebサイト(ドメイン)1つにつき1つ必要ですが、サブドメインであれば、1つのコンテナで複数のドメイン上で横断的にテスト可能です。
下位階層のエクスペリエンスは、実際にテストを計測する部分です。エクスペリエンスでは、作成したボタンなどのテスト対象を計測することで、どの対象が有効かを判断できます。なお、エクスペリエンスでは、最大5つのテストや、カスタマイズができます。
Googleオプティマイズでできるテストとパーソナライズ
Googleオプティマイズでは、Webサイトのテストや表示するページを最適化するパーソナライズも設定可能です。ここでは、Googleオプティマイズでできるテストと、カスタマイズなどについて、ご紹介しましょう。
A/Bテスト
GoogleオプティマイズでできるWebサイトテストに「A/Bテスト」があります。A/Bテストとは、Webサイトで表示する要素について、どちらがユーザーに対して効果的かを比較検証するものです。
例えば、表示するボタンの色が「青」と「赤」どちらがいいとか、ボタンの文言を「興味がある」と「知りたい」をランダムに表示し、どちらがユーザーに訴求するのかを調べられるのです。
リダイレクトテスト
リダイレクトテストは、別名で「スプリット URL テスト」ともよばれ、A/Bテストを要素単位ではなく、ページ単位で行うことです。例えば、ランディングページなどで、ページAは「ビジネスライクな文章とクールなデザイン、ページBは「フレンドリーな文章とラフなデザイン」を作り、どちらがユーザーに訴求するページなのかを調べられるのです。
多変量テスト(MVT)
多変量テスト(MVT)と聞くと、難しくいイメージがありますが、A/Bテストのように2つのパターンを比較するのではなく、複数のパターンを比較するA/Bテストといえるでしょう。例えば、前述したA/Bテストの例を使うと、「青」ボタンで「興味がある」、「赤」ボタンで「興味がある」、「青」ボタンで「知りたい」、「赤」ボタンで「知りたい」の4パターンで、どの組み合わせがいいかを調べられるのです。
カスタマイズなど、そのほかの機能
Googleオプティマイズでできるのは、Webサイトのテストだけではありません。例えば、「カスタマイズ」ではWebサイトのテスト結果を反映した、表示ページのパーソナライズもできます。例えば、広告を見てLPに来たユーザーには、「知りたい」のボタンを表示し、検索流入したユーザーには「興味がある」のボタンを表示するといった、要素の出し分けを設定できます。
また、ページ上部にバナーを表示する「バナーテンプレート」という機能もあります。使い方としては、例えば夏期休業や冬期休業などサポートセンターの受付ができない場合など、その旨テキストにしてページ上で表示することで、ユーザーに休業を認知してもらえます。
A/Bテストを具体的な成果につなげていくためには、基本的なプロセスを正しく理解した上で、PDCAを回し続ける必要があります。7万回のA/Bテスト実績から勝ちパターンの見つけ方を解説した資料を公開中です。そちらもご参照ください。
Googleオプティマイズのメリット
Googleオプティマイズを利用すると、A/Bテストを行ったり、表示ページの最適化をしたりできることがわかりました。ここではもう少し詳しく、Googleオプティマイズを使うメリットを見ていきましょう。
コストがかからない
コストがかからないのは、Googleオプティマイズのメリットのひとつです。Googleオプティマイズには、有料バージョンの「Googleオプティマイズ360」と無料バージョンの「Googleオプティマイズ」の2種類があります。ですが、いくつか制限がある無料バージョンでも十分活用できます。
特別なスキルなしでテストページを簡単に用意できる
Googleオプティマイズを使えば、特別なスキルがなくても簡単にA/Bテストを実施できます。専門職でなくても、比較的容易にA/Bテストを行えるのは大きなメリットと言えるでしょう。
SEOや広告スコアに影響がない
SEOや広告スコアに影響がないのも、メリットのひとつです。GoogleオプティマイズでA/Bテストを行う場合、表示ページが変化するだけです。ですから、SEOの順位に影響したり、広告のスコアに影響したりしません。ですから、元々のページ評価を維持したまま、テストを実行できるのです。
テスト結果の自動集計ができる
テスト結果の自動集計ができるのも、Googleオプティマイズのメリットです。Googleオプティマイズでは、行ったテストのセッション数・コンバージョン数・コンバージョン率などを自動的に集計します。集計結果を基に、レポートなども簡単に作成できますので、分析作業をするのも簡単です。
Googleオプティマイズ利用のデメリット
Googleオプティマイズを導入するメリットは多数ありますが、残念ながらデメリットもあります。ここでは、Googleオプティマイズ利用のデメリットを紹介しますので、メリットとデメリットを比較して導入の参考にしてください。
ページの表示速度が低下する可能性
Googleオプティマイズでテストを行うと、ページの読み込み速度が低下する可能性があります。読み込み速度が低下することは、ユーザーがWebサイトにネガティブなイメージを持ちますので、早々に離脱してしまったり、本来得られるはずだったコンバージョンを失ったりするかもしれません。このようなリスクがあるのは、デメリットのひとつでしょう。
設定にある程度のスキルが必要なケースも
Googleオプティマイズのテストが原因でページの読み込み速度が低下する場合、タグの設置位置などで、ある程度回避することも可能です。しかし、本来HTMLなどの知識がなくても設置できることがメリットなのですから、スキルが必要になるのは本末転倒で、Googleオプティマイズのデメリットとなります。
Googleオプティマイズの利用フロー
Googleオプティマイズを利用するには、「登録」を完了した後に、「テストの作成」「ターゲットやスケジュールの設定」「目標設定」「結果」を行っていきます。ここでは、Googleオプティマイズの利用フローを簡単に、ご紹介しましょう。
1.登録
まずは、アカウントの登録です。Googleアナリティクスのアカウントでログインした状態で、Googleマーケティング プラットフォームの「オプティマイズ」ページから行います。表示されるポップアップ画面の指示に従い、メールやアカウント、地域、利用規約などの設定を行ってください。アカウント登録が終われば、自動的に「コンテナ」が作成されます。
2.テストの作成
続いては、テストの作成です。まずはエクスペリエンスを作成し、対象となる「URL」を入力し、テストタイプなどを選択します。続いて、パターンを作成します。パターン名や表示する比率を決めたら、要素を編集しましょう。編集ではテキストやHTMLの編集、JavaScriptを実行
などができます。
3.ターゲットやスケジュールの設定
続いて、ターゲットやスケジュールを設定しましょう。ターゲット設定は、テストする対象を決めるもので、「Google アナリティクスのユーザー「Google 広告」「UTM パラメータ」「デバイス カテゴリ」「行動」「地域」「テクノロジー」から選べます。また、どれくらいのテスト期間で終了するのかを決めて、スケジュールを設定しておきましょう。
4.目標設定
次に目標設定です。テストではコンバージョン率をメインに判断しますので、まずはGoogleアナリティクスと連携して、データを取得できるようにします。また、Googleタグマネージャーを利用したり、ページ内ソースに直接設置したりすることも可能です。
準備が整ったら、目標を設定します。Googleオプティマイズでは、「セッション時間」「ページビュー数」「直帰数」を選択できます。また、Googleアナリティクスに目標設定していれば、そちらも選べます。ただし、Google広告のコンバージョンを引用できません。目標は、メイン目標以外に、副目標を2つまで設定可能です。
5.結果の確認
テスト期間が終われば、自動的に結果が集計されます。GoogleオプティマイズかGoogleアナリティクスから結果のレポートを見ることができるので、レポート画面で「サマリー」「改善率の概要」「目標の詳細」を見て、テスト結果を確認しましょう。テスト結果に沿って、使用する要素を反映すればいいでしょう。
A/Bテストを行う際に重要となるライティングスキル、「言葉選び」についてまとめた下記の資料もご参照ください。
A/Bテストを成功させるテクニック
A/Bテストとは、Webページの要素を最適化するためのテストです。ですが、ただパターンを用意してテストし、結果の良い方を採用するだけでは、本当の意味で成功したとは限りません。例えば、20点のボタンと30点のボタンの単純比較では、30点のボタンの勝ちとなります。ですが、本当なら80点や90点のボタンが存在するかもしれないのです。では、どのようにすれば、A/Bテストを成功させられるのでしょうか。
問題点を確認しておく
そもそもの問題点がどこなのか、慎重に判断する必要があります。LPでコンバージョンボタンのクリック率が低いのであれば、押しやすいボタンを色や文言、配置などを改善する必要があります。しかし、ボタンを押したあと、フォーム入力で離脱しているのであれば、問題はボタンではないとわかります。
仮説を立てる
問題点がわかれば、それをどう解決するのか仮説をたてましょう。例えば、入力フォームで離脱しているのであれば、「フォームの項目が多すぎるから項目を減らす」のか、「入力エラーが誘発させないよう自動入力をさせる」のかなどです。
仮説を検証する
仮説を立てたら、A/Bテストなどを使って、改善案が正しいのかを確認しましょう。A/Bテストで対応できないなら、リダイレクトテストを使う方法もあります。最適なWebテストを使い、問題を解決するまで何度でもチャレンジしましょう。
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