IA(インフォメーションアーキテクト)は何をする人?Webサイトの情報設計の考え方や課題、解決法を紹介

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Sprocket編集部

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IAは「インフォメーションアーキテクト(Information Architect)」の略で、情報設計を専門に行う人のことです。適切な情報設計はWebサイト制作の基礎になります。ここではIAが取り組む内容や情報設計の考え方、課題とその解決法をご紹介します。

IA(インフォメーションアーキテクト)とは?

IAは「インフォメーションアーキテクト(Information Architect)」の略です。IAとは「情報設計」を専門に行う人のことですが、同じくIAと表記して情報設計そのものである「インフォメーションアーキテクチャ(Information Architecture)」を指すこともあります。

IAが人のことを指すのか、情報設計のことを指すのかは、文脈により判断が必要です。一般的に単体で「IA」という言葉を使うときは、人を指すことが多いでしょう。

情報設計(インフォメーションアーキテクト)とは

情報設計とは「情報を最適な形に設計すること」を指します。情報設計が活用される範囲は非常に広く、さまざまな場面で使われますが、特にWeb制作の領域でよく使われます。整理されていない情報はユーザーにとっても使いづらいものです。正しい情報設計は、UXにも良い影響を与えます。

IAと役割が近いポジションとしてはコンサルタントやデザイナーがいますが、IAはその両方を兼ね、かつ各所をつなげる役割を担います。詳しくは次の項でご紹介します。

IA=情報の専門家がいるメリット

Webサイト制作においてIAがいるメリットは、情報設計により各制作チームとWebサイトのパフォーマンスを最大化できることです。Webサイト制作には、さまざまな役割の人がかかわります。例えば戦略立案にはコンサルタント、ユーザー分析にはアナリストやUXリサーチャー、サイト設計にはWebデザイナーなど、それぞれ専門的な役割があります。しかし相互理解が浅いと、高いパフォーマンスにはつながりません。

IAがいることで、各所の業務を無駄なくつなげたり、会社の戦略とユーザーニーズのバランスを考慮した設計を行ったりすることが可能になります。IAはそれ自身が凝ったデザインを制作するような役割ではありません。IAは情報とかかわるチームの交通整理のような役割を担い、企業とユーザーにとって最適な形を設計するのです。

IAが取り組むこと

IAの取り組みは、大きく3つに分類できます。まずは「誰に対して」「何を伝えるのか」を考えることが必要です。それをもとに「どこに何の情報があるべきか」を考慮して設計をしていきます。

サイト戦略

3C分析、4P分析、PEST分析、5F分析など、業界や企業規模に合った手法で市場や競合の情報や、ユーザーニーズを調査・分析します。またアクセスログによる定量的な分析と、アンケートやインタビューなど定性的な調査も行います。それらの分析結果からWebサイトのゴールを決定します。

ユーザー分析

「ユーザーは、ゴールを達成するためにどう動くのか」を想定し、ゴールまでの導線とそれに必要な要件を検討します。

ユーザー心理をもとにユーザーをセグメントし、ターゲットユーザーを明確にしていきます。そしてターゲットユーザーに沿ったシナリオを策定し、コンテンツと機能を定義していきます。

Webサイトの設計

ここまででそろえた材料をもとに、サイトの構造と各種コンテンツの構造のワイヤーフレームを作成し、ユーザーの導線をインターフェースに落とし込んでいきます。

実際に公開する際もユーザビリティテストを行うことで、作成したサイトがユーザーにとって本当に良いものかをチェックし、完成度を上げていきます。

IAが取り組む情報設計の課題

企業のWebサイトを前提に考えたとき、IAが取り組む情報設計には課題もあります。それは、ひとことで言うと「ユーザー目線と企業目線のギャップ」です。

情報設計はあらゆる人を考慮する

情報設計は「あらゆる人がアクセスする」ことを前提に情報を整理して、構造化します。例えば同じシリーズ配下に3つの商品がある場合は、それぞれを並列で扱います。しかし、そのうち1つの商品がメディアで取りあげられて頭ひとつ抜けた売り上げだった場合は、どうでしょう?

マーケター目線としては、もちろん売れ筋の商品をより強くプッシュしたいはずです。「○○テレビで紹介されました!」といった特集ページを用意して、ユーザーのニーズに応えようとするかもしれません。

しかしIAの立場では「あらゆるユーザー」を考慮する必要があります。たとえ人数が少ないとしても、その商品以外の情報を探しに来たユーザーにとっても使いやすく、探しやすい必要があるわけです。

もう1つ、別の例を挙げましょう。フラワーショップのECサイトは、毎年母の日が近くなると特集ページを用意します。しかしその時期にWebサイトを訪れるユーザー全員が母の日のカーネーションを探しているわけではありません。

お祝いや冠婚葬祭の花、自宅用の観葉植物を探している人にとって、母の日特集でWebサイトが埋め尽くされると「使いづらいWebサイト」になってしまいます。企業側がどんなに母の日の商品を売りたくても、それ以外の商品も追いやることなく、探しやすい状態を保つ必要があるのです。

企業目線とユーザー目線のバランスが必要

情報設計の専門家である羽山祥樹氏は、Sprocketが2022年6月7日に開催したセミナーの中で「企業側の都合でWebサイトの『陣地取り』を始めると、ユーザー目線からどんどん離れていく」と指摘しています。企業側の都合でやりたいことと、ユーザー1人ひとりが「今やりたい」ことにはギャップがあり、両者の目線は同じにはなり得ないのです。

その一方で、羽山氏は「(あらゆる人を考慮した)情報設計は、どうしても総合カタログのようになりがち」と説明します。セミナーでは「企業サイトの情報設計では、社内の承認を得つつ、ユーザー目線も損ねないバランスが必要」という方針が示されました。セミナーの詳細にご興味のある方は、以下の資料をご覧ください。当日のセミナーの質疑応答は、別の記事でもまとめています。

“ユーザー目線”をどう実現する?社内政治に負けないWebサイトの情報設計

資料ダウンロード

情報設計の課題をポップアップ型のWeb接客でカバーする

それでは、企業サイトの情報設計はどのように進めればいいのでしょうか。羽山氏は「ポップアップ型のWeb接客ツールに可能性を感じる」と語りました。つまり、あらゆる人を考慮して使いやすく整理された構造を保ちながら、そのユーザーが必要としている情報が推測できるのであれば、動的にポップアップで案内するという考え方です。

Sprocketは、ユーザーの行動データをリアルタイムに分析して「そのユーザーが何を知りたいか」「今、どういう心理か」を推測して案内を出し分けます。Webサイトに大きな手を加えずに施策を実施できるので、システム上改善しづらいサイトやページでもユーザーごとに声かけして案内することができます。

事例1:問診型案内(何をお探しですか?)

何をお探しですか? と訪問目的を尋ねる例

複数のサービスや商品がある場合、情報設計ではすべてを同列に扱います。季節商品やキャンペーン中の商品など、特に強いニーズがありそうなカテゴリーがある場合は「本日は何をお探しですか?」と直接聞いてしまう手もあります。Webサイトの情報設計を担保しながら、ユーザーのニーズを満たす効果的な方法です。

事例2:離脱防止(送料や返品などの不安解消)

ページ遷移せずに不安や疑問をその場で解消する例

FAQは、通常「よくある質問」や「お問い合わせ」内にまとめられています。しかしECサイトで商品をカートに入れたときなど、送料や返品などが気になるタイミングがあります。そのときにいったんカート内の商品を放っておいて「よくある質問ん」ページに移動するのはユーザーにとって負担となり、離脱の原因となってしまうこともあります。ポップアップ型のWeb接客を利用することで、気になるタイミングを見計らって声かけすることで、離脱を防止する有効な施策となります。

もちろん「よくある質問」内にも情報は掲載されているので、IAの視点からの情報設計も問題ありません。

まとめ

WebサイトにおけるIAとは、あらゆるユーザーにとって使いやすく、探しやすいように情報を整理して設計する役割を果たします。しかし、最適な情報設計が企業側の目線と矛盾を引き起こすことも少なくありません。

それを解決するには、企業の目的を達成しつつ、ユーザー目線での探しやすさも損なわないバランスが必要です。ひとつの方法として、ポップアップ型のWeb接客ツールがあります。

Sprocketはユーザーの行動データをリアルタイムに分析し、最適なタイミングでポップアップによる「声かけ」が可能です。5万回を超えるA/Bテストの実績から得られた知見をもとに、さまざまな業界で効果のある接客シナリオを多数ご用意しております。

Webサイトの情報設計と成果のバランスでお悩みの方は、ぜひご相談ください。

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