マーケティングファネルとはどんな意味?基本的な種類や活用事例を解説

マーケティング

Sprocket編集部

マーケティングファネルとはどんな意味?基本的な種類や活用事例を解説

商品の認知から購入にいたるまでのフェーズを図式化したものがマーケティングファネルです。今回は、マーケティングファネルの基礎的な知識や種類、活用事例などを紹介します。

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マーケティングファネルとは?

マーケティングファネルは、「消費者が商品を認知してから購入するまでのフェーズを図式化したもの」のことを指します。ファネル(Funnel)とは日本語で漏斗(ろうと)を意味します。マーケティングファネルの基本形は後述する「パーチェスファネル」です。以下の4つのフェーズを図式化したものです。

パーチェスファネル

「認知」の層が一番大きく、「興味・関心」「比較・検討」「購入・申込」へ進むに従って小さく狭くなっていきます。全体は逆三角形の形で表現され、まるで漏斗のような形から「ファネル」と呼ばれています。

マーケティングファネルには3種類ある

マーケティングファネルには主に3つの種類があります。それぞれどのようなものなのか解説します。

パーチェスファネル

パーチェスファネルとは、消費者が商品を知ってから購入するまでの流れを、一般的な心理変化の段階としてフェーズ化させたものです。もともとパーチェスが英語で購入という意味であるため、購買ファネルと呼ばれることもあります。

パーチェスファネルは購買行動プロセスモデルの「AIDMA」を視覚化したものです。AIDMAは、「Attention(認知)」「Interest(興味・関心)」「Desire(比較・検討)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の5つで構成されています。

インフルエンスファネル

インフルエンスファネルは「インターネット上における消費者の動き」に対応し、パーチェスファネルとは逆に購買後の行動に焦点を当てたものです。「継続」「紹介」「発信」の3段階で構成されています。

インフルエンスファネル

ダブルファネル

上記で説明した2つのファネルを組み合わせたものがダブルファネルです。流れとしてはパーチェスファネルで、次にインフルエンスファネルとなります。

ダブルファネルでは、認知から購入にかけて狭くなった層を、さらに継続、紹介、発信と広げていきます。ただ商品を購入して終わりではなく情報発信までもつながっていることから、さらなる新規顧客の増加も見込めるのが特徴です。

ダブルファネル

マーケティングファネルなどのフレームワークは、組み合わせて使うことで最大限の効果を発揮します。主要な18種のマーケティングフレームワークをまとめた資料も公開中です。そちらもぜひご参照ください。

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マーケティングファネルが古いと言われる理由

現在、既存のマーケティングファネル(≒パーチェスファネル)は古いものとして考えられることが少なくありません。その理由として3つ挙げられます。以下でそれぞれ解説します。

理由1.消費者の価値観が多様化したため

1つ目の理由は、消費者の価値観が多様化したためです。以前は消費者は雑誌や本、テレビなどで情報収集することで、商品を知り購入につながっていました。当時は消費者がつかめる情報にも限りがあり、新商品を出せば売れるという時代でした。

しかし、さまざまな商品やサービスが登場し、消費者が商品やサービスを選ぶ際のポイントも多様化しました。その上、インターネットの普及によって、以前よりも豊富な情報を自発的にキャッチできる状況です。消費者の価値観が変化し、マーケティングファネルのような流れには当てはまらない購買行動も生じています。

理由2.消費者の購入経路が多様化したため

2つ目の理由は、消費者の購入経路が多様化したためです。以前は、スーパーマーケットやデパートなどの実店舗で商品を購入するケースがほとんどでした。しかし、今ではECサイトやSNS上で購入するなど、消費者の購入経路が多様化しました。

その他、消費者が商品を購入するきっかけも複雑化したことも、マーケティングファネルが古いと言われる背景にあります。インフルエンサーによる宣伝や口コミなどの影響で購入するケースもあり、これまで使われてきた広告表現に対して嫌悪感を抱く消費者も増えてきました。

理由3.サブスクやシェアリングサービスが増加したため

3つ目の理由は、サブスクリプションサービスやシェアリングサービスが増加したためです。商品やサービスを購入して所有する時代から、商品・サービスの持つ本質的な体験の価値を共有する時代に移り変わりつつあります。そのため、従来のマーケティングファネルが適用しにくくなったとも言えます。

BtoBの場合はまだ利用できる

しかしながらマーケティングファネルは現在でも使える考え方であり、特にBtoBの場合は有効的と言えます。なぜなら、BtoBは認知から購買までのプロセスがまだシンプルであることが多いためです。

一方でBtoCの場合、消費者は一度で購入までスムーズに進むわけでなく、複雑な軌道を描きながら購入へと行き着きます。感情的思考が大きく影響する点も、BtoBとの大きな違いといえるでしょう。

マーケティングファネルの活用事例

マーケティングファネルの活用事例として挙げられるのが、「Charles Tyrwhitt」です。イギリスを拠点とするメンズファッションブランドである「Charles Tyrwhitt」は、マーケティングファネルを活用した動画を複数制作しました。その結果、広告の費用対効果が5倍となり、CVRが2.2倍にもアップしています。

それぞれファネルに合わせた動画が作られているのがポイントです。例えば最初の「認知」ならば、イメージを訴求するブランディング動画を制作し、認知度の拡大を目指しました。

適切なタイミングで商品訴求を行うことにより、効果的な動画広告を打ち出すことに成功しています。

参考:動画広告のROASを5倍に改善した方法!マーケティングファネルを使った事例紹介(シャトルロックジャパン株式会社)

マーケティングファネルの代わりになるもの

マーケティングファネルは今でも活用できるものですが、状況によっては別のフレームワークを活用するほうが適切な場合もあります。ここでは、マーケティングファネルの代わりになるモデルをご紹介していきます。

フライホイール

フライホイールとは、アメリカのマーケティング会社であるHubspotが提唱した循環型のフレームワークです。顧客を中心としてカスタマーサービスや営業、マーケティングが展開する形で、円形で表現されています。顧客に対して各部門が一連となり、興味・関心から顧客のファン化まで行います。

フライホイール

フライホイールは効率的にエネルギーを蓄積し、回転速度を高めれば事業が拡大していくことを表しています。マーケティングファネルと比べると抽象的なモデルであるものの、消費者の新しい購買行動をうまく捉えているフレームワークであるといえるでしょう。

消費者の意思決定の旅

もう1つは「消費者の意思決定の旅(CDJ:Consumer Decision Journey)」です。2009年にアメリカのコンサルティング会社であるマッキンゼーが提唱したフレームワークで、「初期段階」「積極的な評価」「購入の瞬間」「購入後の体験」という4つの要素で成り立っています。

消費者の意思決定の旅

マーケティングファネルは漏斗型の形からわかるように、下層へ行くに従って対象人数が減っていきます。しかし、「消費者の意思決定の旅」の場合、必ず消費者の数が減るとは限らないようになっているのがマーケティングファネルとの大きな違いです。

まとめ

マーケティングファネルとは、消費者が商品の認知から購入に至るまでのプロセスを図にしたものです。しかし、現代では消費者の購買行動の変化やサブスクの登場などで古いものと捉えられることがあり、新たなフレームワークも登場しています。
ここで注意したいのが、「マーケティングファネルが古い=使えないフレームワークではない」ということです。現在でもBtoBでは効果的であるため、状況に応じてマーケティングファネルを活用するかどうかを考えてみましょう。

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