リアル店舗の未来形はショールーム? 竹中 真幸氏×宮野 敦氏対談OMOセミナーレポート

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Sprocket編集部

イメージ:レポート:いま作るべき、OMO時代におけるデジタルとリアル店舗の立ち位置

2021年12月17日(金)に開催した「いま作るべき、OMO時代におけるデジタルとリアル店舗の立ち位置」セミナーの一部を抜粋したレポートをお届けします。竹中 真幸氏と宮野 敦氏が登壇し、アパレルを中心にリアル店舗を持つ企業のOMO戦略について言及しました。

今、リアル店舗に起きている変化とは

OMOとは「Online Merges with Offline」の略で、オフラインとオンラインの融合を指します。似た言葉にO2O(Online to Offline)がありますが、こちらはオンラインからリアル店舗への送客を目指す考え方であるのに対して、OMOはリアル店舗とECサイトを区別せずに顧客体験の向上を目指すという違いがあります。

竹中氏も宮野氏も、長年リアル店舗での売り場作りや商品戦略を担ってきました。新型コロナウイルスの流行でリアル店舗を運営しづらくなったことも後押しして、リアル店舗に新たな動きが出てきているといいます。

オンラインセミナー『いま作るべき、OMO時代におけるデジタルとリアル店舗の立ち位置』で語られた内容を解説した資料も公開中です。下記のページからダウンロードできますので、そちらもぜひご参照ください。

【最新事例から読み解く】OMO時代におけるリアル店舗とECの立ち位置

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未来のリアル店舗はショールーム化する?

竹中氏は「これからはリアル店舗が認知の役割を果たす」と説明し、ユニクロ原宿店を例に挙げました。同店舗では壁一面にユーザーやスタッフのコーディネート例が映し出され、画面をタッチすることで好みのカテゴリーが絞り込まれていきます。最後にQRコードをスマートフォン読み込むことで売り場の棚の位置が表示され、荷物になるのが嫌な人は近所の店舗で取り置きすることもできます。

出典:『「ユニクロ 原宿店」オープン! 見どころや楽しみ方を紹介』(マイナビニュース)

リアル店舗をショールームとする取り組みについて、宮野氏はGU STYLE STUDIO 原宿の例も挙げました。同店舗では、その場で商品を購入することはできません。ディスプレイされている商品が欲しかったら、QRコードをスマートフォンで読み取って注文することで、近所の店舗や自宅で受け取れます。「リアル店舗のショールーム化」といえる事例です。

出典:『GUが原宿にショールーム型店 アバターで買い物体験』(繊研新聞社)

これらの事例は単に「リアル店舗からECサイトに移行している」という話ではなく、従来の課題を解決する試みの1つでもあります。リアル店舗において「店舗在庫の最適化」は大きな課題でした。1つの店舗に多くの在庫を入れすぎると、ほかの店舗への在庫の移し替えで人件費や配送費がかかります。それらのコストを一切かけずに、リアル店舗を表現の場として使っているわけです。

セミナーでは、ほかにも360°カメラとARを使った事例や、空港に設置された1坪の靴売り場の事例などについても触れ、リアル店舗の役割が多様化していることに言及しました。

スタッフの働き方にも変化

宮野氏は「オンラインとの融合で、スタッフの働き方も変わってきている」と説明します。例えばスタッフがコーディネート例を紹介する施策では、どの投稿経由での売り上げかもスタッフの評価になります。従来は店舗の立地である程度の売り上げ規模が決まっていましたが、地方のスタッフがエース級の売り上げを出すケースも出てきているのです。

動画の活用も増えています。Sprocketで成果を出しているのは、従来のような作り込まれたPR動画ではなく、スタッフがInstagramを使って自撮りでライブ配信する商品説明動画です。宮野氏は「昔は企業側がブランドを作っていたが、今はインスタグラマーの方たちがライフスタイルを発信してブランドを作っている」と説明します。

「ECのやり方に少し合わせる」のが第一歩

リアル店舗からオンラインに出て行くのとは逆に、EC限定ブランドがリアル店舗に進出する動きもあります。EC限定ブランドはリアル店舗のような在庫管理を行う必要がなく、企画と商品に集中して人気と売り上げを作れます。その後で、百貨店にショールームを出店する形です。

竹中氏は「リアルをオンラインにとか、オンラインをリアルにとか、そういう考え方の時代は終わりかけている」と指摘します。アジアでは、実店舗の商品にセンサーを取り付けて、リアル店舗でどの商品を見ていたのかの行動解析をするテストも行われています。

そのためにも、リアル店舗の立場から踏み出すべき第一歩は「マーチャンダイジング(商品計画)をECのやり方に少し合わせていく」こと。ただオンラインに移行するということではなく、リアル店舗の新しい役割を見つけて両輪で取り組む必要があるのです。

詳細はアーカイブ動画やホワイトペーパーで

セミナーでは、ほかにもリアル店舗特有の「音」や「匂い」についての話、EC限定ブランドがリアル店舗に進出する際に重要になるブランドイメージの話、広告を含めた顧客へのアプローチ方法の話など、さまざまなトピックに言及しました。

ここで触れられていない内容は、セミナーのアーカイブ動画やホワイトペーパーでご覧いただけます。ご興味のある方は、以下のリンクからご覧ください。

▼セミナーのアーカイブ動画視聴はこちらから
【12/17開催】いま作るべき、OMO時代におけるデジタルとリアル店舗の立ち位置

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