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「選択的注意」Webマーケティングで知るべき人の心の動き

Koji Fukada
Koji Fukada

Young business woman working typing on computer in her office

目次

1. 選択的注意とは?
2. 選択的注意はなぜWebマーケティングで重要なのか?
3. 選択的注意に寄り添ってユーザーの行動を促すには
4. 選択的注意の外にあるものを気付かせるには
Sprocketについて

1. 選択的注意とは?

選択的注意、とは心理学の言葉です。人間の注意力は選択的に働くものである、ということを表しています。「選択的」とはどういうことでしょうか?わかりにくい表現ですよね。学術用語なのでちょっととっつきの悪い表現になっているのですが、人間の注意力とはどのようなものなのかを知ることは、Webマーケティングを考える上でも役に立ちます。ちょっとだけガマンしてお付き合いください。

みなさんも次のような経験があるのではないでしょうか?

・集中すると目の前のことにしか注意が向かなくなる、周りの声や音が聞こえなくなったり、見えなくなったりする
・「聞こえない」「見えない」というのは、実際に聞こえていなかったり見えていなかったりするわけではない。耳や目に入ってはいるのだが、それと意識しない(気付かない)状態のこと

このように、人間の脳というのは自分が注意を払っている対象に対し非常に集中するという動きをします。没頭すると時間が経つのもつい忘れてしまうということがありますが、そのくらい人間の集中力というのは集中の対象外のことを排除させるような働きをするのです。

このような現象のことを「選択的注意」と呼びます。

2.選択的注意はなぜWebマーケティングで重要なのか?

ではなぜこの選択的注意がWebマーケティングでも知るべき心の動きになるのでしょうか?

それは、Webというメディアが選択的注意が働きやすいメディアだからです。

同じ「テキストを読む」というタイプのメディアと比べてみましょう。本の場合、(速読など特殊な読み方をしていない限り)基本的には最初から最後まで一通り読む、という読み方をします。そのため、注意の有無に関わらず全文に目を通すことになりますので、本というメディアの中では選択的注意は働きにくくなります。

これが新聞だとどうでしょうか。すべての記事をくまなく読む・・・方もいらっしゃると思いますが、多くの方は見出しを見て読むかどうかを決める、自分の興味のある記事なら読む、というような読み方をされるのではないかと思います。このような読み方は、本に比べると選択的注意が働きやすい読み方と言えます。

Webの見方もこれに近いと言えます。すべてのページをくまなくブラウジングする・・・という読み方にそもそもWebは向いていません。いろいろな場所から色々なページへのリンクが張られていますし、一方通行的に書かれている・ページが配置されているわけでもありませんから、基本的には興味のある内容を拾って読むという読み方になります。

「読む」というのも適切ではないかもしれません。スマホで見ていると、とりあえず指でページを下の方にどんどん送りながら、目に止まったところを「見る」「眺める」というような感覚に近い。

Webはこのような読み方をするメディアですので、「選択的注意」が基本的に働きます。むしろ選択的注意の対象に入っていないと目に入らないような読み方です。

Webマーケティングの支援をしていると、サイトを運営している側の皆さんは「ページに書いてあることは読んでいるはず」「このページに来たということは内容を目にしているはず」という前提で物事を考えていると感じるケースがよくあります。

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人間の持つ「選択的注意」という働きを知っていれば、この前提に疑いを持つことが出来ます。例えば「このワードで流入してきたユーザーは、こういうことに関心を持ってきているはずだから、このページだと選択的注意の対象になるのはこのあたりではないか」「逆に、それ以外はほとんど目に入っていないかもしれない」

こういう発想でユーザーの行動を想像してみると、Webマーケティングの考え方がまた変わってくるのではないでしょうか。

3.選択的注意に寄り添ってユーザーの行動を促すには

ユーザーの選択的注意の対象はどうなっているのか、うまく寄り添うことが出来れば効果的にこちらの伝えたいことを伝えることが出来ます。ただ、Webの場合はリンクをたどることでいろいろなページにいけてしまうため、ユーザーの選択的注意の対象内のコンテンツが、ユーザーが閲覧中のページ内にあるとは限りません。

「なんかどっかに書いてあったな」と思って探しに行ってくれるかもしれません。ただ、例えばそれが申込みフォームだったらどうでしょうか。「どっかに書いてあったから」といって探しに行ったきり戻ってこないということが往々にして起きてしまいます。

手前味噌ですが、1つ事例をご紹介します。(▼導入事例 | 株式会社東京個別指導学院様)
申込みフォームにてポップアップを使うことでユーザーの選択的注意の対象となるコンテンツをうまく配信し、申込みを促すことが出来たというものです。

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申込時に気になるであろう内容をポップアップで配信することでうまく目に入れることが出来たという事例です。

実際にクライアントさんもおっしゃっておられるのですが、ここで表示している内容は実はページ内でも説明をしています。それでも目に入っていない場合がある、ということをこの例は示しています。

それだけ、1つのページ内でもユーザーの選択的注意の対象は移り変わっていっている、ということでしょう。特に申込みフォームまでたどり着いているということは、ある程度真剣に考え、いろいろなことを頭の中で想定し組み立てながらページを見ているはずです。

その瞬間瞬間に選択的注意の対象が変わっていくと考えると、ちょうどいいタイミングでページの該当箇所がユーザーのスクリーンのビューの中になければ、気付かずに終わってしまうということが起きても不思議ではありません。

ポップアップの面白いところは、配信のタイミングをユーザーの行動に合わせてコントロールすることが出来るところです。タイミングは機械的に指定をするものの、人間が話しかけるような体験を生み出すことが出来ます。

多分ちゃんと気づいていないのではないか、という行動を示しているユーザーに配信してあげることで、ユーザーの選択的注意に寄り添いながら行動を促すことができるようになります。

4.選択的注意の外にあるものを気付かせるには

選択的注意の外にあるものでも、なんとかして気付かせることは出来ないでしょうか?普通に考えて相当手強い課題です。そもそも気づいていないのですから、自発的に気付かせるというのは難しいように思います。

そこで、またしても手前味噌で恐縮ですが、1つ事例をご紹介します。(▼導入事例 | 株式会社大地を守る会様)
ポップアップを使って「Webサイトの使い方を案内する」ことでユーザーの行動を促すことが出来たというものです。

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これは何をやっているかというと、画面の左上にあるハンバーガーメニューに吹き出しを当てて、「ここをクリックすると商品一覧が見える」ということを教えています。

おそらくこのブログの読者のみなさんからすると「はぁ?なんでそんなことするの?」と思われるのではないかと思います。みなさんにとってはこのハンバーガーメニューは馴染みのあるものですし、そこをクリックすることで何かしらメニューが開くだろうということは当たり前だと思いますので、商品を見ようとしているときにここが選択的注意の対象外になるということにはなりません。

ただ、このサイトはやや高齢の方などネットリテラシーの必ずしも高くないユーザーも来られるそうです。そういったユーザーにとってはハンバーガーメニューは見慣れないオブジェクトです。商品を見たいと思って訪れているときに、なんだかよくわからない三本線は商品と無関係に見えるので、選択的注意の対象に入らないのです。

そのため、敢えてこのように周囲のエリアを暗くして吹き出しと吹き出しが指しているハンバーガーメニューだけを目立たせるようにすることで、ある意味強引に注意の対象にしてしまっています。ただ、本来「商品を見たい」と思っているユーザーであれば「あ、そこを押せば良いのか」という気付きになりますので、体験を邪魔していることにはなりません。結果として購入率が改善されるという効果を生み出すことが出来ています。

ポップアップにはこのような使い方ができます。そして実は、このポップアップを配信するセグメントやタイミングも重要です。「商品を見たいと思っていそうな行動を取っているがまだこのハンバーガーメニューを押していないな」というユーザーをうまく狙いましょう。

このようなやり方を知っていると、で選択的注意の対象外にあっても気付かせることが出来ます。

5. 僕らはSprocketといいます

最後に宣伝です。
Sprocketはユーザー起点の体験設計を実践している会社です。そのためこのような「人間の心の動きとはどのようなものなのか」に常に興味を持ち、また実践のなかでの活用方法の試行錯誤を繰り替えしています。

ご紹介したような、ユーザーの行動に合わせてポップアップを配信できるプラットフォームを開発・提供しており、これを使って人の気持ちに寄り添った体験を作ることが得意な会社です。

どのような取組をしているの・・・?ということにもしご興味いただければ、ほんの一部ですがこちらのホワイトペーパーにてご紹介しておりますので、よろしければダウンロードいただければ嬉しいです。



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