ユーザーの体験フローを可視化するワークショップを行いました(エクスペリエンスマップ)
IAの上野裕樹です。今回は、先日社内で行ったエクスペリエンスマップのワークショップについて書いていきます。前半は手法やマップの種類について、後半はワークショップの様子を書いていきます。
3つのマップ。「エクスペリエンスマップ」、「ユーザーストーリーマップ」、「カスタマージャーニーマップ」
まずは、UX系(?)の手法でよく使われているのですが、ユーザーの体験を視覚化し共有できるマップの手法に注目します。マップ化する手法は多種ありますが、今回はその中でも時系列でまとめる際によく使われる3つの手法について見ていきます。特に誤解をされていることが多いカスタマージャーニーマップについては、注意して見ていきます。
エクスペリエンスマップ
広範囲、かつ一般的な体験を総合して、視覚化するときによく使われるマップです。サービスとの関わり方が細かく見えていなかったり、特定サービスに限った状況より、自然な生活そのものについて知りたい時に使うことが多い手法です。
「一般的な」人が目標を達成するために通過するエンドツーエンドの経験全体の視覚化です。この経験は、特定のビジネスや製品にとらわれません。一般的な人間の行動を理解するために使用されます
(より具体的で特定のビジネスに関連することに焦点を当てたカスタマージャーニーマップとは対照的に)。
ユーザーストーリーマップ
正確には、『ユーザーストーリーマッピング』の中で紹介されるマップです。これは製品やサービスに関わるユーザーの行動をマップにしたものです。サービスや機能的な内容を中心としたユーザーとの接点を表すので、ユーザー視点やUXについて詳しく知らなくても、要件やタスクとして扱いやすいマップだと思います。
カスタマージャーニーマップ(=ユーザージャーニーマップ)
カスタマージャーニーマップには、「人物」「シナリオ」「フェーズ」「動作と手順、思考、感情」「洞察」の5つの要素共通要素はあるものの、バリエーションがとても多く、世界中で普及されているのが特徴です。「とりあえずカスタマージャーニーマップ」という方も多いかと思います。ペルソナであっても、ユーザーにとってのゴールはユニークになることから、「複数ユーザーをマージすること」や、「ゴールを事前に決めてしまう」「表形式の穴埋めにしてしまう」などは行わないようにしましょう。
ジャーニーマップとは、1人のユーザーが目的を達成するためにたどるプロセスを視覚化したものである。
3つのツールを比較してみると、それぞれ特色があるものとわかりました。簡単にまとめると、エクスペリエンスマップは特定のサービスや個人に依存しない広範囲で一般的な体験、カスタマージャーニーマップは特定の個人の体験、ユーザーストーリーマッピングは製品・サービスとの関係中心の体験、という位置づけになるかと思います。
ワークショップレポート
[13:00~] ワークショップの内容説明
[13:20~] エクスペリエンスマップ
[16:30~] ディスカッション
今回の自社サービスにおけるエクスペリエンスマップの作成は、過去の価値マップ作成よりスムーズに作成できました。時系列でまとめるという、わかりやすい最初の分析軸が決まっていたのでスムーズに進んだのだと思います。ユーザーの心理状態をつかみながら作成するので、ユーザーのモチベーションの変化を掴みやすく、自分たちが提供するサービスが真に届く価値になっているか視覚化できます。
1つのマップ内に複数のユーザーの体系が混じっていることで、時系列の体験タスクと心理のギャップから整理が難しいものもありました。このギャップがわかってくれば(あまりに細かいセグメントのユーザーを追いかけても事業インパクトが出せないのですが)、ケースや属性別のユーザーによるカスタマージャーニーマップから、提供するサービスを分けて考えることができそうです。
前半で勉強した3つの手法を前提に今回のワークショップでできたマップを表すと、個人ではなく集団の情報であり、サービスとの関係性が中心であるものの、それぞれの心理状態も把握したいので、「カスタマージャーニーマップのエッセンスを用いながらも、エクスペリエンスマップとユーザーストーリーマップ間のマップ」ということになるかと思います。
個人的な所感ですが、各マップの種類はそれぞれ定義はあるものの、ビジネスの現場では「取得できるデータ」「使えるデータ」「使えるリソース」「関係者間のリテラシー」など、状況は様々です。そのような状況下ですから、成果物は臨機応変にカスタマイズしつつも、知りたいことや共通認識としたいことの一貫性が保っていることが重要だと思っています。
例えば、メモ1枚だけでもユーザー視点を共通認識とするためなら、それでも十分だと思います。
今後も、このような活動を通して、Sprocketをよりよい製品・サービスにしていきます。
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