ユーザーの興味に合った接客ができていますか? - シナリオ企画に使えるヒートマップ機能をリリースしました
今回はコンバージョン影響度分析に続き、新しい分析機能の第二弾リリース、ヒートマップ分析についてご紹介します。唐突ですが、みなさんはユーザーの興味をどれだけ把握してWeb接客のシナリオを作ったり、サイト内コンテンツを改善していますか?
業界人間ベムの「「ABテスト」って・・・」という投稿で、
それってAからZまで考えてからABテストしてるのかな?AとBのふたつだけ考えてどっちがいいかなんて、もしかするとどっちが一番ひどいクリエイティブかを選別するYZテストかもしれないよね?
- ※業界人間ベム「「ABテスト」って・・・」 より引用
というセリフがあります。これは痛い指摘です。
もしユーザーニーズから外れたシナリオをリリースしてしまったら?まさに YZテスト を実施することになります。テストに費やす時間を無駄に過ごすことになるでしょう。デジタルの人間としては、YZテストではなくABテストにどうに近づけていくか、これを真剣に考える必要があります。
Sprocket で分析機能に力を入れているのは、こういった時間のロス、改善スピードのロスをなくしたいからです。変化が早いデジタルの世界で効率良く PDCA をまわすためには、シナリオ導入前にしっかりとした現状把握を行うことが欠かせないのです。
Sprocket の分析機能が目指すもの
こういう問題が起きないように、Sprocket では以下のような点にこだわって分析機能の開発をしています。
今回リリースするヒートマップ分析
ヒートマップ機能は、一般的に以下の4つを指すことが多いようです。
- アテンションヒートマップ(ページ内のどこがよく閲覧されているかを計測)
- スクロールヒートマップ(ページスクロールを計測)
- クリックヒートマップ(ページ内要素のクリックを計測)
- マウスヒートマップ(マウスの動きを計測)
今回のリリースでは、接客シナリオの企画に特に役立つと思われる、アテンションヒートマップとスクロールヒートマップを実装しました。
アテンションヒートマップ
ユーザーがページのどの部分を長時間閲覧しているかを可視化します。平均滞在時間が長いほど該当箇所が濃い赤色で表現されます。(最大60秒)
スクロールヒートマップ
ユーザーがどこまでページを見ているか、もしくはどこでどの程度離脱しているかを可視化します。
オプション指定
ヒートマップ画像が2つに分かれているのはなぜか?ここまで記事をご覧になって、そう思われた方も多いのではないでしょうか。
Sprocket が提供するヒートマップは高い柔軟性を持ち、Web接客への活用が容易になるように、分析オプションの指定が可能となっています。オプションには2つの項目を指定できます。
行動データの有無
特定の行動データ(ページ閲覧、スクロール、ページ内要素クリックなど)が検知されているユーザーと検知されていないユーザーでヒートマップ画像を分けて生成することができます。これにより、特定の行動を取る人と取らない人で行動傾向がどう違うかを分析できます。
活用例)コンバージョン行動でヒートマップを分けて分析することで、コンバージョンしやすいユーザーのページ閲覧傾向を掴み、Web接客のシナリオ企画に活かす
接客シナリオの表示有無
シナリオが当たった後のデータとそれ以外のデータでヒートマップ画像を分けて生成することができます。これにより、接客シナリオが行動傾向にどのような影響を与えるかを分析できます。
活用例)シナリオで誘導した重要な説明箇所の閲覧時間が伸び、結果としてコンバージョンが上がっていることが確認できる
ヒートマップ分析の活用方法
Sprocket のヒートマップ機能を Web 接客に活用する一般的な流れをご紹介します。
(1) シナリオ作成前の分析
コンバージョンユーザーとそうでないユーザーのヒートマップを別々に作成し、コンバージョンするユーザーがよく見ているページ内コンテンツを特定します。
(2) Web接客の実施
コンバージョンするユーザーがよく見ている部分への導線が弱かったり、その部分に到達する前にページを離脱するユーザーが多い場合は、接客シナリオで該当箇所へ誘導することによってユーザーの理解度を上げ、結果として CVR を改善できる可能性があります。
この仮説に基づいて接客シナリオを企画・作成し、シナリオが表示された場合(表示パターン)と表示されなかった場合(非表示パターン)で A/B テストを実施します。
(3) シナリオの効果分析
表示された場合(表示パターン)と表示されなかった場合(非表示パターン)でユーザー行動、ページの閲覧傾向がどのように変わるか再度ヒートマップ分析を行います。
活用事例(三井住友カード様)
三井住友カード様にはヒートマップ分析機能のα版段階から検証にご協力いただき、実際に以下のようなシナリオでヒートマップ分析を活用、CVR が 111% 改善しました。
対象のコンバージョン行動
契約済みユーザーのカード利用枠引き上げ
ヒートマップ機能によるシナリオ企画前の分析
コンバージョンユーザーとそうでないユーザーのヒートマップを別々に作成したところ、シナリオ企画に活用できる3つの示唆が得られました。
- カード利用枠の引き上げには「継続的な引き上げ」と「一時的な引き上げ」の2パターンの申込が存在する
- PC は2パターンの説明が横並びで比較しながら見られるが、SP は縦並びでページが縦長のため、SP 向けの接客シナリオが必要
- コンバージョンユーザーの多くは、ページ上部のページ内リンク(①)から、継続的な引き上げの説明ブロック(②)まで遷移し、申込んでいる
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Web接客の実施
ヒートマップ分析で得られた示唆から2つの課題があると仮定しました。
- サービスとして「継続的な引き上げ」と「一時的な引き上げ」があることに一定数のユーザーが気づいていない
- SP はページが縦並びで長いため、コンバージョンに寄与する「継続的な引き上げ」コンテンツに一定数のユーザーがたどり着けない
この課題解決を目的として、「継続的な引き上げ」と「一時的な引き上げ」の2つがあることを説明し、継続的な引き上げの説明ブロックに遷移する接客シナリオを実装しました。結果として、期待した通りCVR(コンバージョン率)を 111% 改善することができました。
まとめ
ユーザーについての理解が不充分なままシナリオを企画すると、接客品質が低いYZテストで終わってしまう可能性があります。品質の高い接客シナリオを企画し、真のABテストを実施するうえで、ヒートマップ機能は事前分析として大きな力を発揮します。
Sprocket のヒートマップ機能の特徴は、行動データを使った柔軟な分析ができる点と、シナリオの効果を可視化できる点です。
シナリオ企画段階では、コンバージョンユーザーにセグメンテーションしたヒートマップを作成し、コンバージョンユーザーのページ閲覧傾向をつかむことで、仮説立案からシナリオ企画の流れをデータの裏付けをもって進められます。
ABテスト実施後には、従来の CTR(Click Through Rate:シナリオ参加率)や CVR(Conversion Rate:コンバージョン率)のリフトアップ数字に加えて、シナリオの効果をヒートマップでも確認することが出来ます。
設定も簡単ですので、今後のシナリオでは新しいヒートマップ分析をぜひ有効活用していただければと思います。
(by Sorakubo )
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