マーケティングにも生かせる行動変容とは?習慣を変える5つのステージを解説

行動経済学

Sprocket編集部

イメージ:マーケティングにも生かせる行動変容とは?習慣を変える5つのステージ

「行動変容」は、人の意識が変わって行動や習慣が変わることを指す言葉です。行動変容には5つのステージがあります。学習コンテンツなど、継続する系のサービス提供しているなら、知っておいて損はありません。ここでは行動変容のマーケティングにおける活用例をご紹介します。

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行動変容とは

行動変容とは、人の意識が変わることで行動が変わり、最終的に行動を維持するまでの変化を指します。最初は無関心な行為でも、その行為が自分にとって有用なこと(またはやらなければ危険なこと)だと気づき、徐々に行動しよう考えます。そして、実際に行動し、それを継続する。

行動変容では、この一連の流れが「無関心期」「関心期」「準備期」「実行期」「維持期」の5つのステージに分かれます。

もともとは医療や健康の用語

行動変容は、もともと1980年代の前半に「どうしたら禁煙できるか」を研究したことから作られた言葉です。その後、健康維持のために生活習慣を変えるためのステージモデルとして利用されてきました。最近では、新型コロナウイルス感染症対策として、感染防止のための行動変容が求められたことも記憶に新しいところです。

行動変容とマーケティングの関係

おおもとは健康関連の用語である行動変容ですが、マーケティングの分野でも応用できます。例えば、英会話教室などの学習をなかなか継続できない人でも「英会話を学ぶと字幕なしで映画を見られる」「TOEICなど英会話の資格があれば給与が上がる」など、さまざまな働きかけを行うことで行動変容が起き、最終的に英会話学習を継続できるようできるかもしれません。

もちろん簡単に行動変容が起きるわけではありませんが、「消費者がどのように行動変容していくのか」を知ることは、マーケティングの施策を考える上で大切です。

マーケティング施策を実行する上で、行動変容などの行動原理を読み解くことは重要です。人の行動原理を紐解く「行動経済学」をマーケティングに活用するポイントをわかりやすくまとめた資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。

マーケティングで使える行動経済学

行動変容の5つのステージ

冒頭でご紹介したように、行動変容のステージは「無関心期」「関心期」「準備期」「実行期」「維持期」の5つに分かれています。ここでは、前述した英会話教室を例に、各ステージで人がどのような状態であるかを説明していきましょう。

なお、各ステージには時間的な経過で分類していますが、時間が経過したからといって自然と次のステージに進むわけではないことに注意してください。

無関心期

無関心期とは「6か月以内に行動を変えようと思っていない状態」のことです。

このステージの心理状態としては「英会話を学んだほうが良い」ということに気付いていないか、すでに英会話学習挫折してしまい、学習を始めようとする意志を持っていません。ですから、英会話学習に関して、何も実行していませんし、やる気もない状態です。無理に何かをやらせても、長続きはしないでしょう。

関心期

関心期とは「6か月以内に行動を起こす意志がある状態」のことです。

心理状態としては「英会話を学んだほうが良い」ということに気付いていますが、始めることに対して抵抗を持っており、本当に英会話学習が必要かどうか迷っています。ですから、興味は持っていますが、具体的には何も実行していない状態です。

準備期

準備期とは「1か月以内に行動を起こす意志がある状態」のことです。

心理状態としては「英会話を学ぼう」と決意しています。ですから、率先して英会話教室のパンフレットをもらったり、英会話学習の本を買ったりして、英会話学習をするための具体的な準備を始めている状態です。

実行期

実行期とは「行動を起こしてから6か月未満の状態」のことです。

心理状態としては「英会話学習を始めたものの、本当に持続できるのか」に迷いがあります。英会話教室に通い始めたり、英会話学習の本を読んだり、映画を英語字幕で見たりして、できるだけ英会話に慣れ親しむような学習を始めている状態です。

維持期

維持期とは「行動を起こしてから6か月以上の状態」のことです。

心理状態としては、生活の一部として英会話学習を取り入れて、継続的に続けられるような状態を作れています。習慣的に英会話学習を行えるよう、スケジュールを組んできちんと学習をしている状態です。

ステージ別の有効なアプローチ

行動変容のステージを進めるためには、有効なアプローチがステージごとに異なります。ここでは、ステージ別に行動変容を促すには、どのようなアプローチが有効なのかを見てきましょう。

無関心期に有効なアプローチ

無関心期に有効なアプローチとしては「気付き」を与えることです。課題に対して「○○するとメリットがある」「○○しないとリスクがある」など、取り組むとどうなるか、取り組まないとどうなるかを認識してもらえるようアプローチします。

例えば、一人暮らしの女性向けに「スマートホームにすれば自動化や節電だけでなく、防犯にも有効です」という情報を提供すれば、「スマートホームっていいかもしれない」と関心を持ち、行動変容ステージがひとつ上がるかもしれません。

関心期に有効なアプローチ

関心期に有効なアプローチは「気付き」に加えて「動機付け」を与えることです。課題に対してメリットやリスクを知ったとしても、実際に行動に移すかどうかを迷っている状態ですから、行動することへの不安を取り除くアプローチや、行動した場合の具体的なメリットを認識してもらえるアプローチをします。

例えば、スマートホームの例なら「自動化をすることで自宅に帰ってすぐに入浴できる」とか「照明を自動でオン・オフして留守であることを悟らせない」などの情報を提供します。これにより、消費者は具体的な利用イメージとメリットが伝わり「具体的に調べてみよう」と、行動変容ステージが1つ上がるかもしれません。

準備期に有効なアプローチ

準備期に有効なアプローチは「自信」を与えることです。課題に対して「自分は行動することができる」と確信させるような、アプローチをします。

スマートホームの例なら「女性が1人でスマートホーム環境を構築して継続しているレビュー」や「スマートホーム化を代行している業者」の情報などを提供します。これにより、消費者は「どのようにすれば実行できるのか」を決めやすくなり、行動変容ステージを上げる決め手になるかもしれません。

実行期に有効なアプローチ

実行期に有効なアプローチは「支援」です。課題に対して行動を始めたとしても継続はできていない状態ですから、いつやめてしまうかわかりません。そこで、不安を解消できるように「継続に対しての称賛を送る」などのアプローチが有効です。

スマートホームの例なら「スマートホームは今これほど人気です」「使いこなしている最先端の人たち」などの情報を提供します。これにより、消費者は自分がしていることは周囲から称賛されるような行為なのだと認識し、継続するモチベーションにつながるでしょう。

維持期に有効なアプローチ

維持期に有効なアプローチは実行期と同じく「支援」を与えることです。状況的には安定して行動を継続している状態ですが、実行期と同様に、何かのきっかけで前のステージに戻るかわかりません。したがって、アプローチの方法は、実行期と同じです。

スマートホームの例なら、スマートホームを導入した人のコミュニティを作り、仲間を作る手助けをするなどのアプローチがあります。

行動変容の考え方をマーケティングに応用する際に重要となるライティングスキル、「言葉選び」についてまとめた下記の資料もご参照ください。

「顧客を動かす」訴求メッセージ

ポップアップ型のWeb接客を使った施策事例

ポップアップ型のWeb接客ツールでは、ユーザーの心理に合わせて案内を出し分けることが可能です。Sprocketで実施した施策から、行動変容ステージに当てはまる例をご紹介します。

気付いてもらう

1つ目は、関心期に向けた「動機付け」のアプローチです。健康食品のサイトで、一度きりではなく継続して利用することで期待できるメリットを訴求することで、ユーザーに習慣化・定期購入の提案をしています。

具体的な方法を案内する

2つ目は、準備期に向けた「自信」を与えるアプローチです。化粧品のサイトで、ケアが必要なことやメリットは訴求済みのユーザーに対してトライアルセットを案内することで、「これで始められる」という実行するための具体的なアクションを提示しています。

学習系コンテンツには行動変容が有効

ご紹介したように、英会話学習のような学習系コンテンツや、習慣化してもらいたい商品・サービスの場合、行動変容の考え方がマーケティングに応用可能です。消費者がどのステージにいるのかを推測し、最適なアプローチを行えれば、自然と消費者の行動変容を促せるでしょう。しかしあくまで自発的に「始めよう」と認識してもらうことが大切ですから、押し売りのようなアプローチは控えましょう。

Sprocketは、ユーザー行動から心理を推測して声かけの内容を出し分けることが可能です。ユーザーが行動変容でどのステージなのかを考えることで、最適な声かけは変わります。Sprocketは、50,000回を超えるA/Bテストで150以上の成功シナリオを蓄積しています。ユーザー心理にもとづいたCVR向上施策をお考えの場合は、ぜひご相談ください。

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