意外に多い「衝動買い」。ECサイトの場合は?

行動経済学

イメージ:買い物をするイラスト

前回「研究調査でも明らかに!クーポン配布のネガティブインパクト」という記事で、消費者行動論にもとづいて、クーポンの危険性を紹介しました。今回も消費者行動論を勉強中に見つけたお話です。テーマは「衝動買い」。

前回の記事
研究調査でも明らかに!クーポン配布のネガティブインパクト

購買行動の9割が「衝動買い」に分類される


消費者行動論では、「衝動買いが実際の購買のうちどのくらいを占めているか?」という研究もされています。ただし、今回取り上げる内容の研究はデータとしては古くて、1983年の流通経済研究所調査によるものなので、現状とはやや乖離がある可能性があります。ただ対象は実店舗における購買なので、そこまでは変わらないようにも思います。

調査によると、まず計画購買(衝動買いでない購買)は全体の11%とのこと。少ないですね!!

それ以外の89%は広義の衝動買い(非計画購買)とされていて、大きく分けると「店内刺激による誘導:12.9%」「店内刺激による誘発:76.1%」となっています。ちなみにここでは衝動買いは「来店前の予定や意図になかった商品を購入すること」と定義されています。

大きく以下の2種類に分類される衝動買いについて、詳しくみてみましょう。

ブランド選択・ブランド代替が店内刺激誘導によるもの


まず「ブランド選択・ブランド代替が店内刺激誘導によるもの」とは、ある商品を買うつもりはあったが、どのブランドにするかは決めていなかった場合や、あるブランドの商品を買うつもりだった場合に、店内のPOPや陳列など結果でどのブランドにするかを決めたり当初の予定と異なるブランドに決めたりするような買い方を指すとのこと。

想起購買、関連購買、条件購買、衝動購買、が店内刺激誘発によるもの


また2つ目の衝動買いの中に示される購買方法については、以下のような違いがあります。

想起購買:
来店前には購入予定はなかったが、ストック切れを思い出したり店内広告を目にしたりすることで、店内で購買が想起されて生じる。

関連購買:
買った(買おうとした)商品との関連性を店内で気づいた結果生じる。「今晩はトンカツだからキャベツもいるわ」など。

条件購買:
漠然と必要性は頭にありつつ、価格などの条件が揃えば生じる。

衝動購買:
上記の3つに当てはまらない衝動的な購買。

この分類を見ると誘導の方はお店の方で意図的に仕掛けたことで購入に至ったということで、誘発の方は消費者側が自分からその場で思いついて購入に至ったという違いといえるでしょう。

データをどのようにとったかも記載がなくて不明であり、普段我々が「衝動買い」と認識していない購買も衝動買いとして分類されていることを踏まえても、衝動買いの割合が大きいことがわかります。

もう一つ、博報堂生活総研が毎年出している定点観測結果を見てみましょう。

消費について、あなたにあてはまるものを教えてください。

これによると自分の消費活動について「衝動買いをする方だ」と回答している人は、毎年概ね30%前後となっていて、この20年ほど大きな変動は見られません。先ほどの結果では、89%が衝動買いだということの差が大きいこともやや気にはなりますが、ここで着目すべきは、衝動買いの割合は実際の購買においてはかなり大きなウェイトを占めているという点です。

ECサイトでも衝動買いは発生している


オンラインでの購買は、その性質上一般的には目的買いが多いでしょう。実際に運営側の方々とディスカッションをしていても、目的買いの人は結構取れている(購買ユーザとして実際に買ってもらえている)と思う、という声をよく聞きます。

E先ほどの衝動買いの定義をECに当てはめることを考えてみると、例えば総合型のECやメーカー型のECなどは、当てはまる衝動買いの分類はだいぶ変わりそうです。

メーカーのECの場合、そのブランドで買いたいということは確定しているので、商品レベルで上記のような衝動性が生まれることになりますし、総合型だとブランド選択・代替がサイト内の刺激誘導で起こるということがありそうです。

また、レコメンドツールは関連購買を誘発することに効果がありますが、Web接客施策だと回遊性を高めることで想起購買や衝動購買の誘発を促進するということになりそうですね。Sprocketでも回遊性向上のためのウィンドウショッピング型のシナリオは確かに一定の効果があります。

また実店舗になぞらえると、店内POPや店員の配置といった工夫はオンライン上ではまだそれほど見ませんので、ここはまだまだやれる余地があると思います。実際、Sprocket導入企業様での取組を見ていると、接客や案内のような使い方をすることでCVRが20~30%上がったということも実績が出てきています。

僕らのクライアント企業さんとお話していると、目的買い以外のユーザをどうコンバージョンするのかを課題に置いていらっしゃるケースも増えてきているように感じます。実店舗での衝動買いの割合の多さを考えると、本来はECでもここを伸ばすやり方を考えていくべきですよね。

ご興味のある方は是非一度お問い合わせください。具体的な実践内容をお教えします。

サービス資料ダウンロード

Sprocketの特徴、MA・CDP・BIの機能、コンサルティングサービス、事例などをご紹介します。

資料ダウンロード

導入検討の相談・見積もり

新規導入、乗り換えのご相談、MA・CDP・BIの各ツールの比較などお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

03-6420-0079(受付:平日10:00~18:00)