シナリオ設計に使う、コンセプトダイアグラム

マーケティング書評

先日、清水誠さんが著書「コンセプトダイアグラムでわかる ビジュアルWeb解析」を上梓されました。縁あって清水さんには直々にコンセプトダイアグラムの作り方をレクチャーしてもらいまして、Sprocket導入時に実施するシナリオ設計に活用しています。

コンセプトダイアグラムでわかる ビジュアルWeb解析

コンセプトダイアグラムとは何か

さて、書籍中にも書かれていますが、清水さんはコンセプトダイアグラムについて次のような考えをお持ちです。

カスタマージャーニーマップに似ていますが、ユーザ体験の可視化やサイト設計よりも、図解後にKPIや指標を定義してビジュアルで分析し、改善アクションにつなげることを主目的とする点が異なる

この点は、Sprocketが分析結果をどう改善のアクションにつなげていくかという点を非常に重視していることに通じています。僕らの「アクション」はギアという機能を通じて提供されるわけですが、Sprocketの公式サイトでも紹介しているようにギアのバリエーションはかなり幅広く揃えています。他社が導入している「アクション」では、いまだにクーポンメール頼みになっていることが多く、そういう状況はユーザの立場として強い疑問を持っており、もっと多様な形での「アクション」を実現したいということから、ギアを開発してきました。

徹底したユーザ視点のカスタマージャーニーとはどんなものか?


さて、話をコンセプトダイアグラムに戻しましょう。清水さんの著書にはその他にも共感できる点がいくつかあります。そのうちの1つが、強くユーザ視点で考えるという姿勢があること。一般的にカスタマージャーニーマップというと、企業視点で書かれます。「まずAをさせて、次にBをさせて、そしてCをさせるとコンバージョンだ」といった感じです。

でも、カスタマージャーニーの書き方を教える人は大抵「ユーザ視点で考えることが重要です」という話をされます。でもそのアウトプットとして出てくるカスタマージャーニーには企業視点でしかないものが多いのが事実です。

しかし、清水さんは本当にカスタマージャーニーをユーザ視点から考えています。書籍から引用すると、

NG:企業視点のステップ サイト訪問→サイト内検索→商品一覧→カート→購入
OK:顧客視点で作成 納得する→飲んでみる→思い出す→また飲む→レベルUP

抜粋なのでこれだけ見ても伝わらないかもしれませんが、使われている単語から視点の違いを強く象徴しています。上は「○○をさせる、見せる」という発想が根本にあって作られていますが、下は主語が完全に顧客になっています。この違いとても大きいと思います。

ビジネスのゴールとユーザの体験の2軸で考える


さらに、コンセプトダイアグラムが面白いなと思うもう1つの特徴があって、それはマップを横軸・縦軸の2軸で考えるという点です。書籍の中ではそれほど強調されているわけではないのですが、ここは僕らもかなり重要だと考えている点です。

片方の軸がユーザとしての体験の高まりを表現していて、もう1つの軸がビジネス上のゴールへの近づき度を表現しています。ユーザに企業視点でやってほしいことをやってもらえばそれでいいということではなく、あくまでユーザとしてより良い体験が伴うことでビジネスゴールにも近づいていくという発想が背景にあることがわかります。

こうしたユーザ視点でのシナリオ設計ができる道具というのはまさに僕らが求めていた手法でした。まだまだ清水さんには及びませんが、日々実案件の中でこのコンセプトダイアグラムの考え方は活用させてもらっています。

以下は、商品購入のカスタマージャーニーを作成した例です。ユーザが商品を知る→使い始める→使い続ける→買い増す/買い足す→買い続けたいというユーザのカスタマージャーニーを通して、どのような心理的な変化があるかを図式化しています。軸としては、商品理解習熟度(体験の高まり)、継続購入(ビジネス上のゴール)の2つを用意しており、体験が高まっていくことで継続購入にも結びついています。

図:コンセプトダイアグラムのサンプル図。商品理解習熟度を横軸、継続購入を縦軸。

コンセプトダイアグラムの例


現在開発中のSprocketの管理画面・分析画面にもコンセプトダイアグラムの発想を取り入れています。Sprocketは行動データを収集しているので、コンセプトダイアグラム上の各ステップは具体的にどんな行動をとった人が到達するのかを定義することで、数値として追いかけることが出来るようになります。現在開発中の機能には、これをひと目で分かるように可視化するというものがあります。

また清水さんに色々と教えてもらおう!

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