外貨取引の申し込みが1.4倍に! SMBC信託銀行が実践したリアル店舗に学ぶWeb接客手法とは

申込み型サイト銀行・信用金庫

株式会社SMBC信託銀行 様

三井住友フィナンシャルグループ傘下である株式会社SMBC信託銀行。2020年9月より、外貨の充実したサービスと外貨建て運用商品を豊富にそろえている「PRESTIA(プレスティア)」にSprocketを導入いただいております。今回は、同行の個人業務開発部 プロモーション開発グループに所属し、主にウェブ制作のディレクションやUI/UXの改善、SEOなどを担当されている滝沢 美奈さまに、導入いただいた背景や導入効果を伺いました。

写真:プレスティア

*本記事は、2022年2月3日に開催されたセミナー「多様化するデジタルマーケティングの高度化」の内容を編集したものです(株式会社セミナーインフォ主催)

リアル店舗の接客シーンを思い描きながらシナリオを設計

− コロナ禍もあって、さまざまなお客さまがよりデジタルにシフトしている状況、店舗に行きにくくなっている状況、あるいは、お客さまと非対面での接点が増える中で、お客さまとの関係づくりや体験を設計する上で大切にしていることを教えていただけますでしょうか?

(滝沢氏)はい、当行も店舗を構えておりますので、Web上でよりリアルな接客に近づけられるよう心がけています。実際の店舗での接客シーンを思い描きながら、適切なタイミングでお客さまのニーズに先回りしたアクションができるようなシナリオを考えています。

− リアル店舗とオンライン両方使われる方、オンライン側へのシフト、中にはオンラインだけで完結されるお客さまも増えていらっしゃるのでしょうか?

(滝沢氏)そうですね。お客さまのニーズに合わせて、店舗だったりネットだったりを使い分けていただければ良いのかなと思います。

− 接客体験の強化をデジタル上で意識されていると思いますが、リアルでもお客さまとの接点を大事にされている事例があれば、教えてください。

(滝沢氏)はい、一定のお取引をいただいているお客さま向けの特別なサービス「プレスティアゴールド」のお客さまをお迎えするための専用ブースが支店に用意しておりまして、ラウンジのようにくつろぎながらお話ができる「特別感」のある空間をご提供させていただいております。そういった意味で、お客さまとのリアルな接点を大事にしております。


左:Sprocket 深田
右:SMBC信託銀行 滝沢さま

− ありがとうございます。滝沢さまはリアル店舗での接客のご経歴もあると伺っておりますが、具体的にどのような接客をやっていらっしゃったのでしょうか?

(滝沢氏)はい。私は以前、プレスティアゴールドのお客さま向けのコンサルティングを行っていました。お客さまの興味・関心あることにお応えすることはもちろんなのですが、お客さま自身が気付かれていない潜在的なニーズは何なのかということを絶えず考えながら、お客さまとたくさんお話をしました。お客さまも金融機関にすべての情報を出していただけるわけではありません。お客さまに寄り添った対応で、信頼関係を構築しながら、有意義なご提案ができるように努めていました。

− お客さまとの接客時に「よくされていた質問」はございますか?

(滝沢氏)雑談が多かったですね。もちろん最終的にはお客さまのコンサルティングをメインに考えているのですが、それまでにお客さまのことをたくさん知るための雑談が必要かなと個人的には思って、よくお話はさせていただきました。

− そうなんですね。弊社はデジタル上での体験設計を考える立場であり、リアルで当たり前のように行われていることはデジタルだとどんな風にやるべきなのか、みたいな視点でモノを見ることは多いのですが、あらためて雑談は、デジタル上ではやらないなと思いました。今後のヒントを得られましたので、その辺りも合わせて、滝沢さまのご経験をいろいろと伺えるとありがたいです。

課題はパーソナライゼーションとグループ間の情報共有

− 昨今の状況も含めて、マーケティングにおいて課題に感じていらっしゃることがあれば、教えてください。

滝沢氏)プライバシー保護の意識が高まるなか、デジタル上で当行の存在感を示していくにはどうしたらよいかという点です。それを実現させるためにはパーソナライゼーションが欠かせないと思っております。Webページ・Eメール・Web接客・広告・SNSなどワンストップでパーソナライズ施策を打つ必要があると考えています。現状、それぞれの担当ツールがグループで分かれているため、グループ間の情報連携が重要になってきます。

− プライバシー保護の話が出ましたが、お客さまのデータは、実際どこまでを使用され、どのように活用されていらっしゃるのでしょうか?

 (滝沢氏)基本的に当行で使わせていただくデータは個人情報保護法の範囲内で利用させていただいており、それを止めてほしいとおっしゃられるお客さまに関しては、それに応じた対応をとるという方針になっています。

また具体的にどういうデータを使ってマーケティング施策を行っているかというと、Web上の行動データと取引履歴をAIにくり返し学習をさせ、どういうユーザー層にどのような取引ニーズがあるのかを導き出して、営業活動に活用をしております。行動シナリオをいくつかパターンを作り、自動でEメール配信などを行い、コンバージョンアップに寄与しております。

− オンラインをリアルに近づけようと模索されていらっしゃいますね。またグループ間の情報連携において、横断的にマーケティング施策を実行する上での組織間の対処、乗り越えるヒントはございますか?

(滝沢氏)グループごとに利用しているバラバラなシステムを全体最適化し、統合的にマーケティングコミュニケーションを行えるような仕組みを構築する必要があるのではと考えています。

Sprocket導入のきっかけと背景

− 2020年9月に導入いただきましたが、導入のきっかけや背景を教えてください。

(滝沢氏)Sprocketを導入する前は、他社のWeb接客ツールを試験的に導入していました。Web接客がコンバージョンアップに貢献できる点は確認できましたが、一方でさまざまな機能があるものの使いこなせていない、人手不足で手が回らないなどの課題もありました。御社の提供するサービスはそれらの課題を解決できるサポート体制が整っていたため、導入に至りました。

− 人事のローテーションで部署移動もある中で、リソースにお困りの企業さまも多く、御行も同様に弊社のコンサルティングをご評価いただけて、非常にありがたいですね。

現状のマーケティングの取り組み状況

(滝沢氏)お客さまの活性化・エンゲージメント獲得をミッションに掲げ、1to1アプローチやWebへ誘導するための施策を行っています。現在は既存のお客さま向けのWeb接客シナリオ中心ですが、今後はWeb広告からの新規のお客さま向けのシナリオにも取り組んでいきたいです。

− Web接客の良かった点、成果を感じられた点、改善ポイントなどを教えてください。

(滝沢氏)良かった点は圧倒的なCV改善率の高さと、対シナリオ非表示群との明確な効果測定です。セグメントを絞りすぎて、シナリオ表示者数が少ない場合、公開から数か月たってもシナリオ検証結果が出ないことがある点は改善していこうと思っております。

− どうしてもセグメントを絞りたくなってしまいがちですよね。バランスに注意しながら、施策を実行していただければ幸いです。

施策事例のご紹介

金融業界におけるカスタマージャーニーマップとSMBC信託銀行さまの施策

旧キャッシュカードから新キャッシュカードへの切り替え促進

ログイン履歴がないユーザーに対して、新キャッシュカードへの切り替え、口座登録を促進したところ、申込完了改善率が138%になりました。

上記施策の動画をご覧いただけます

インターネットバンキングへの登録促進

ネットバンキングが未登録のユーザーに、ログインに必要な情報をご案内したところ、登録改善率が105%になりました。 

上記施策の動画をご覧いただけます

外貨取引促進

外貨サービスに関心がありそうなユーザーに外貨サービスを紹介したところ申込完了改善率が140%になりました。

上記施策の動画をご覧いただけます

アプリ利用促進

サイトに訪問されたユーザーにアプリの存在とキャンペーンを伝えたところ、アプリダウンロードURLクリック率が137%になりました。

銀行の形にとらわれず、顧客が求める機能を果たせる存在に

− 今後お客さまとの関係性構築は、どのようなイメージを描かれているのか教えてください。

(滝沢氏)商品・サービスによる資産運用サポート・DX推進による利便性向上はもちろんのこと、非金融サービスの活動をきっかけにした、関係づくりが増えていくことも期待しています。

顧客体験の向上や持続可能な社会の実現への取り組みの一環として、現在「次世代」アーティストを支援する「アートブランチNEXT」を展開しています。現役美大生の作品を全国の店舗に展示するとともに、Webサイトや動画でもご紹介するなど、多くの人の目に触れていただく機会を設けています。

とても興味深い取り組みですね。アーティストに注目した経緯はどのようなものだったのでしょうか?

 (滝沢氏)そうですね。美術大学の学生の皆さまは、日本の文化芸術の「担い手」ですので、今後、芸術家やデザイナーとして社会で活躍することを目指すにあたっては、作品をより多くの人に知っていただく機会が必要となります。当行は、作品を知っていただく機会を創出することが、学生の皆さまの支援となり、日本の文化芸術の活性化への貢献につながると考えています。

− 素晴らしいですね!最後に金融業界の今後について、注目している点があれば教えてください。

 (滝沢氏)はい、「銀行の形にとらわれず、顧客が求める機能を果たせる存在に」というビジョンを当グループは掲げています。金融の機能を中心に据えながらも、あらゆるサービスを提供できるようなプラットフォームを作れないかと考えていくことがこれからの時代求められていくのかなと思っております。一従業員として、これまでの銀行のイメージの殻を破って、新しい発想をもってチャレンジしていきたいですね。

− 今後はサービスの輪を広げて行くということで、非常に楽しみです。本日は貴重なお話ありがとうございました。

導入理由と効果を一部動画にしておりますので、ご覧ください。

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