Sprocket 公式ブログ

Web接客で使うデータの種類と重要性についての考察 ~データ連携機能の開発にあたり考えてみました

2019年08月07日(水)

Sprocket は、企業とユーザー間のコミュニケーションの質を向上することを目指しています。ファンを増やすことが企業価値に直結する今の時代、ユーザーのことを理解したうえで、最適なメッセージを届けることが必要です。

適切なコミュニケーションのためには正確なユーザー理解が欠かせません。そのため、Sprocket では最近も、ユーザーを把握・理解するための新機能を2つリリースしています。


【分析関連の最近の新機能リリース】

2018年9月26日
どこにポップアップを入れるのが正解?コンバージョン影響度分析機能をリリースしました

2019年4月10日
ユーザーの興味に合った接客ができていますか? - シナリオ企画に使えるヒートマップ機能をリリースしました

コンバージョン影響度分析では ページビュー(PV) を、ヒートマップ機能ではユーザーの ページ閲覧箇所・滞在時間 をデータとして計測します。これらの開発を進める中で、Web接客のために収集する情報には、いくつかの種類・カテゴリーと、重要度の違いがあると考えるようになりました。


今後 Sprocket プラットフォームを拡張していくにあたり、サイトで活用できるデータを網羅的に整理しておくことは、Sprocket にとってもクライアント企業にとっても価値があるはずです。そこで、この記事ではWeb接客で使うデータの種類とその重要性について考察してみます。

Sprocket で取得できるデータ(行動データ)の説明

 

まず、Sprocket プラットフォームで特徴的な行動データについて説明します。Sprocket では、以下の3種類のユーザー行動を管理画面で定義し、行動データとして計測できます。

 

  • ページビュー(PV)
  • ページスクロール
  • 要素クリック

 

図1

Sprocket で計測できるサイト内行動データ

 

ページビュー(PV)

ページビュー(PV)は Google Analytics などの主要な解析ツールで主に取得されるデータです。もちろん Sprocket でもこのデータは取得しています。取得したデータはWeb接客に加えてサイト分析データとして活用しています。

 

ページスクロールと要素クリック

Sprocket で取得できる特徴的なデータはページスクロール要素クリックです。Sprocket では、この2種類のデータも管理画面の設定だけで簡単に取得することができます。

ページスクロールと要素クリックはユーザーが意思をもって起こす行動のため、単純なページビューと比べてユーザーの興味がより強く表現されるタイプのデータと言えます。取得したデータはページビューと同様、ユーザーとのコミュニケーションと分析の両方で活用できます。

 


行動データが Sprocket でどう活用されているか

 

行動データは Sprocket の接客エンジンの根幹です。シナリオ表示からコンバージョンに至るまでの典型的なフローは以下となります。フロー図から分かるように、Sprocket では行動データを以下の4つの目的で使っています。

 

  • シナリオ開始のトリガー
  • シナリオの発動対象ユーザーかを判断するユーザーセグメンテーション
  • シナリオに対するユーザーの反応計測
  • コンバージョン行動の計測

 

図2

Sprocket の処理の流れと行動データの関係

 


Sprocket ではこれら全てを行動データとして共通的に扱う
ことができます。この特徴的なアーキテクチャーにより Sprocket はプラットフォームとしての柔軟性・拡張性を実現しています。

 

Webサイトで取得・活用できるデータの種類と重要度

次に、もう少し広い視点で、Web サイトで取得できるデータとその Web 接客における重要度について整理してみましょう。まずデータ種別の違いとして、大きくサイト内のユーザー行動とユーザーの属性に分けることができます。

サイト内ユーザー行動の分類と重要度

サイト内のユーザー行動の重要度は以下のように整理できます。

サイト内行動の重要度

図3

 

まず、ページビュー(PV)データよりも要素クリックなどサイトコンテンツに関連したユーザー行動の方が、ユーザーを理解するうえでの重要度が高いと考えられます。この記事の冒頭でも触れたように、ユーザーが意思を持って起こす行動であり、ページビューと比べてユーザーの興味がより強く表現されるからです。


さらに重要度が高いのは、ユーザーの興味関心が反映されたデータです。このタイプのデータはECサイトを例に取ればカートへの商品投入商品購入のデータです。ユーザーの趣味嗜好を把握することで、より精度・質の高いコミュニケーションが可能となります。

このタイプのデータ活用の例として、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という協調フィルタリングベースのレコメンドが挙げられます。レコメンドが CVR に大きく寄与することは、多くの EC サイトで実証済みですので、説明するまでもないと思います。

ユーザー属性データの分類と重要度

次にユーザー属性データですが、こちらはデータソースで分類してみました。

ユーザー属性データの重要度

図4

 

ユーザー属性に関しては、やはり自社で取得できる 1st party データに勝るものはありません。GDPR などデータ管理のルール策定が進み、2nd、3rd party データを使うことが難しくなるトレンドは今後も続くことが見込まれます。中長期視点で 1st party データや ユーザーID をベースとしたデータ取得・活用がますます重要になるのは確実です。

そのため、データの重要度は 1st party データが「高」、それ以外を「低」に分類しました。

 

データ連携機能で取り扱いが可能になるデータ

これまで Sprocket では、重要度が高いデータを網羅的に取り扱えず、一部の接客は企画案として存在するものの、実現が難しいという課題がありました。

この課題を解決するために、今回データ連携機能をリリースしました。データ連携機能により、標準機能として下表オレンジ色セルのデータを取り込めるようになり、接客の幅が広がります。

サイト内ユーザー行動の取り込み

 

JavaScript タグを埋め込むだけの対応で、ユーザーの興味関心が反映されたデータを簡単に Sprocket プラットフォームに取り込めます。分かりやすい活用例でいうと、特定の商品を購入したユーザーにセグメントして接客したり、カート内に特定の商品があるユーザーのみに接客するといった One to One 接客に近い顧客体験を実現できます。

 

図5-2

 

データの活用例


  • 特定商品を購入したユーザーに関連性の高い別の商品をレコメンド
  • 購入商品のサポート情報を表示
  • 送料無料対象になっていないユーザーにカート内接客で追加購入を訴求
  • コホート分析・RFM 分析など、分析目的での利用
  • Sprocket AI 機能の学習データとして使用

 

ユーザー属性データの取り込み


基本的に1st party 〜 3rd party まで、ファイル形式のデータ取り込みが可能となります。1st party data については、JavaScript タグによるサイトからの取り込みも可能です。

活用事例として、サイト来訪者にお誕生日クーポンを配布したり、DMP の属性情報を取り込んでセグメント条件として利用することが簡単にできるようになります。

ユーザーの属性
図6-1

 

データの活用例

  • 接客シナリオとしてお誕生日クーポンを配布
  • DMP など外部連携先から取り込んだ属性データを接客シナリオのセグメント条件として使用

 

外部サービスとのデータ連携

データ連携を実現するためにプラットフォーム基盤を整備したことで、外部サービスから出力したデータを簡単に Sprocket に取り込めるようになりました。システムとして任意フォーマットの取り込みを可能にしたことで、クライアントの要望に応じが柔軟な対応(データ取り込み)が可能です。

今回のリリースに合わせて、具体的に以下のサービスと連携しましたので、併せて発表を行っています。

 

  • Adobe Analytics(アドビ システムズ 株式会社)
  • Arm Treasure Data (トレジャーデータ株式会社)
  • AudienceOne®(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社)
  • Cross-Channel Marketing Platform(チーターデジタル株式会社)
  • ecbeing、メルカート(株式会社ecbeing)
  • futureshop、commerce creator(株式会社フューチャーショップ)
  • Salesforce (株式会社セールスフォース・ドットコム)

※アルファベット順


まとめ

Sprocket ではこの度、データ連携機能をリリースしました。

データ連携機能により、Web接客において重要度が高いユーザーの興味関心が反映されたデータの取り扱いが可能になりました。

取り込んだデータは、接客のセグメンテーションとデータ分析に活用できます。Sprocket には Data Marketing Science という分析専門のチームがあり、社内限定(α版)の分析機能も数多く存在します。今回のリリースにより、細かなセグメンテーションによるコミュニケーション品質の向上に加えて、研究開発段階の分析機能の開発が促進されればと思っています。

データ連携機能の検討にあたっては、Webサイトで取得できる主なデータの分類とその重要度を定義しました。私見に基づいた部分もありますが、データの重要性について網羅的に検討したことは、今後のプラットフォーム拡張を考えるうえで、とても良い機会となりました。

また、データ連携機能により、Sprocket プラットフォーム外の柔軟なデータ取り込みが可能になり、外部サービスとの連携も容易になりました。Sprocket 以外のデータ取り込みとWeb接客への活用について具体的なご要望があれば、ぜひ Sprocket の担当プロデューサーまでご相談ください。

今後の対応予定として、天気・気象データ、TVCMデータ、クライアント企業のイベントデータなど、Web接客に活用できる外部データの取り込みにも順次対応していく予定です。

 

(by Sorakubo )

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