オンラインショップにクーポンは必要か? Sprocket流・クーポンの考え方と使い方

八木 祐介

オンラインショップにおけるクーポンは、現場でもよく相談されるトピックです。オンラインショップにクーポンは必要なのでしょうか? クーポンのメリットやデメリット、Sprocket流のクーポンについての考え方や使い方をご紹介します。

オンラインショップにおけるクーポンとは

オンラインショップにおけるクーポンは「クーポンコード」という形式で発行されます。クーポンコードには、メルマガやLINEなどを通じて、大勢のユーザーに配布する共通のものや、誕生月や購入履歴など特定の条件を満たしたユーザーに配布する共通、もしくは固有のものなどがあります。

リアルな店頭ならば、所持しているクーポンを提示するだけで割引特典が受けられますが、オンラインではクーポンを所持しているだけでは使えず、クーポンコードを入力することで利用が可能となるケースがほとんどです。

クーポンを使うメリットとデメリット

ユーザーにクーポンを使っていただくことで、必ずトレードオフが発生します。多くは注文や購入に金銭的な値引きをしたり、ノベルティをプレゼントしたりなど、ユーザーがベネフィットを享受できる一方で、事業者側は利益率が下がったり、コストが発生したりします。

事業者側から見ると、クーポンを提供することで、新規顧客を開拓できたり、不要な在庫を処分できたりなどのメリットもありますが、支出も発生します。メリットもデメリットもあるということです。

もちろん、クーポンを使ってくれたユーザーは、リピーターとなって何度も注文するようになるなど、長い目で見ればほかにもメリットがあり、事業者側の支出は投資コストという考え方もできるかもしれません。そのあたりは別途検証が必要になるので、今回はクーポンを提供した直後のメリット・デメリットについて考えていきます。

オンラインショップにクーポンは必要か?

注文完了数(コンバージョン数)を向上させるために、クーポンはなければならないものでしょうか。個人の消費活動という観点では、クーポンは購入モチベーションにもつながりますし、購入のきっかけにつながることがあるのも事実でしょう。

不特定多数のユーザーにクーポンを配布して購入機会を作り出すという意味では有用ですが、クーポンを使われすぎると利益率が下がるデメリットもあります。また、クーポンを乱発することで、ユーザーが次のクーポンが発行されるまで買い控えをするリスクがあることも気にしておきたいポイントです。

オンラインショップにおけるクーポンは、あっても良いと思いますが、目的、使い方、使用頻度、タイミング、利用対象者など、配りすぎて損をするようなことがないよう留意したいところです。

ちなみにSprocketでは、クーポンに頼らずともコンバージョン率を改善するノウハウが山ほどあります。むしろクーポンを使うケースが少ないかもしれません。クーポンで購入者数を増やす施策よりも、まずはWebサイトの使い勝手を補助する接客シナリオを入れるなどして、コンバージョン率の改善を進めていくことを推奨しています。

今回は「クーポン」施策そのものを否定するのではなく、適切かつユーザーフレンドリーにご利用いただく「Sprocket流クーポンの使い方や考え方」についてご案内します。

Sprocketがおすすめしないクーポン施策

先にSprocket単体では実現が難しいクーポンの施策を整理しておきます。ここでいう「Sprocket単体」とは、「Webサイト側が保持する顧客データ」の提供を受けずに実施できる範囲の施策を指します。

「この人は恐らく何もしなければ買わずに離脱してしまうだろうけど、クーポンを提示すれば買ってくれるはず」といったユーザーを特定するような、いわゆるAI(機械学習)を用いるような施策はできません。

ただ、この手の施策は「できない」というより「やらない」「おすすめはしない」という側面もあります。もしクーポンを出していれば、もしクーポンを出さなかったならば。この「たられば」を検証するのに適切な検証方法がないからです。「クーポン経由で〇件売れた」という事実は確認できたとしても、クーポンを出さなくても売れていた可能性も否定できません。

そして、Sprocketを導入いただく前にさかのぼった購入履歴や、ユーザー属性(性別や年齢)を条件にしてクーポンを配信する施策はできません。くり返しになりますが、あくまでデータ連携をしていないという前提です。

Sprocketならではのクーポン施策

「Sprocketならではの施策」も、同様にWebサイト側の持つ「顧客データ」と連携をしていないことを前提とします。

Sprocketを導入いただいた後であれば、会員登録の有無や、購入履歴の有無でクーポンを出し分けることが可能です。例えば「初めてWebサイトにきたユーザー」や、「会員登録はしているけれど購入履歴のないユーザー」など、購入経験のないユーザーに対して、初購入のきっかけ作りとしてクーポンを提示するような施策です。

任意の指定期間、購入履歴のないユーザーに対して再購入促進のためのクーポンを提示したり、一定の期間中に指定回数以上の買い物回数のあるロイヤリティの高いユーザーに絞ってクーポンを提示したりするなど、購入履歴のあるユーザーに対しての施策は有効です。

そしてもうひとつ。特定の条件に当てはまるユーザーに対してWebサイト訪問時にクーポンコードを提示するような施策も実施可能です。例えばクーポンコードの付いたメールマガジンを閲読したユーザーに対して、あるいはその逆のクーポンコードを知らないユーザーに対してクーポンコードを提示する、といった具合です。

Sprocketの所持するデータだけでも、しっかりとセグメントを切って適切なユーザーに対してクーポンを配布することができます。もし顧客データをSprocket側に受け渡すデータ連携を実現したとすると、Sprocket単体での施策以上に精度の高い、また幅の広い施策実現できます。まさに鬼に金棒です。

Sprocketの考えるベストなクーポンの使い方

Webサイト内のユーザーの行動(あるページの閲覧、滞在時間、要素のクリック、スクロール量など)だけで、そのユーザーが「買う」か「買わない」か、心理的に読み解くのは困難だと考えます。もちろん「買うかどうか悩んでいるんだろうなぁ」という推測はできますが、クーポンを提示することで買ってくれる可能性もあれば、クーポンを提示しなくも買ってくれる可能性もあります。完全に「購入意思」を把握することは不可能です。

Sprocketの機能を使ってクーポンを配布するのであれば、あいまいさを排除し、明確な目的を持って実施することをおすすめします。ここで言う明確な目的とは「どんなユーザー(誰)」に対して「なぜ配布をするのか?」を決めることを意味します。

「どんなユーザー(ターゲット)」は、クーポン配布対象をセグメント条件で指定します。「購入未経験のユーザーに絞る」などがわかりやすい例かと思います。「なぜ配布するのか?」は、ターゲットが決まればわりとシンプルに決まるはずです。「未購入者に対し、初回購入のきっかけ作りに」、「1回のみ購入したユーザーに対し、リピート購入を促すために(F2転換)」などです。特に「F2転換」に関しては課題を感じている方も多いのではないでしょうか。

ターゲットが明確であれば、無駄に多くのユーザーにクーポンを排出する必要もないので、全体の売り上げに対する利益率を大きく下げてしまうリスクを避けられます。

クーポンの提示タイミングと提示方法

クーポンを提供するターゲットが明確ならば、なるべく早いタイミングでご案内することが良いと考えております。具体的にはトップページや、ランディングしたページ(セッション開始ページ)です。

理由は、くり返しになりますが提供すべき対象が明確ならば、早めに告知した方がより使ってもらえる可能性が高いからです。例えば、トップページから流入したユーザーが、商品一覧ページから欲しい商品を探し、気になる商品があって商品詳細ページに到達します。商品詳細ページにまでたどり着くユーザーは、商品購入の検討段階に入りますが、そもそも検討に入る前にWebサイトから離脱してしまうユーザーも多いだろうと考えられるからです。

クーポンの提示方法は、同一セッション内で複数回行うような施策をご提案しています。最初の提示は、クーポンを利用可能なことを告知する目的です。実際に使えるクーポンコードを提示しますが、このタイミングで提示したクーポンコードを覚えたまま買い物をするのは難しいでしょう。ですので、あくまで告知です。ポップアップ上では、「ご注文時に再度ご案内します」などのテキストを入れ、覚えなくても良いことをあわせてご案内しています。

2回目の表示は、カートページやクーポンコードの入力エリアです。欲しい商品をカートに投入し、いよいよ購入プロセスに入るというタイミングでご案内します。ここでの目的はリマインドです。持っている権利を失うことなく、ご利用いただくためでもあります。

この2回に分けた案内が、ユーザーのストレスを軽減し、気持ちよくお買い物いただく方法だと考えています。

クーポン提示した事例

Webサイトに「初めて訪れたユーザー」を対象とした事例です。当然初めての訪問なので、会員登録は済んでいません。会員登録さえ完了させれば「クーポンコード」を利用できるキャンペーンのご案内になります。

トップページ到達時点で、クーポンコードを使えるキャンペーンを実施していること、新規会員であっても会員登録を済ませれば、クーポンコードを利用できること。この2点をバナーとテキストでご案内をしています。早々にクーポン対象の商品を知りたい方もいれば、会員登録を済ませてから商品探しをする方もいるというケースを想定して、トップページのポップアップからは、「会員登録」と「クーポン対象商品」の動線を用意しています。会員登録完了直後に、クーポン対象ページをご案内する旨もご案内することで、会員登録を先に済ませることを推奨しています。

会員登録をしなければクーポンコードを利用できません。会員登録を完了させてから「クーポン」対象商品のページを探すのは、初めてサイトに訪れたユーザーには煩雑に感じるでしょう。そこで、会員登録完了ページに2つ目のポップアップを仕込んでいます。会員登録の作業が完了した時点で、すぐにクーポン対象商品ページに遷移できるようにガイドを入れています。

その後、ユーザーがWebサイト内を回遊し、欲しい商品を見つけカートに入れると、カートページにたどり着いたタイミングで、3つ目のポップアップでクーポンコードを表示します。できればクーポンコードの入力エリア付近で表示したい内容ですが、ゲスト購入でも買い物が可能であり、購入フローではゲストと会員を見分けることができないため、カートページで表示する方法を選択しています。 

Webサイト訪問時、つまり早い段階でユーザーにクーポンキャンペーンを実施中であることを、会員登録後に対象商品ページを、最後にクーポンコードのリマインドを案内する。この一連の流れを、ユーザーの体験に沿ってシナリオを組むことで、想定ターゲットを着実にゴール(注文完了)に導くことを可能にします。

まとめ

クーポンを使ってでも期間中の売り上げ目標を達成しなければいけないときや、倉庫の在庫を一掃しなければいけないときなど、事業者側の事情で「誰でも使用可能なクーポン」をばらまくようなケースもあると思います。ただ、少しでも多くの利益を確保する(損失を減らす)ために「誰に」と「なぜ」を明確にして、目的を持って行うことも重要と考えます。

使ってもらいたいターゲットを明確にすること、クーポンの使い方をていねいにガイドすることは、ユーザーフレンドリーですし、オンラインショッピングのクーポン利用の煩わしさを減らすことで、Webサイトへのリピート訪問やリピート購入などの副次的な効果も期待できるのではないでしょうか。

クーポンを配布することで、一時的に売上を作ることはできるかもしれません。しかし、クーポンを乱用すると、クーポンを配布しなければ売上を作れなくなるリスクも秘めているといえます。

Sprocketは、クーポンを使わずともコンバージョン率を改善する実績とノウハウがあります。まずはクーポンを使わないコンバージョン率向上の施策からから着手し、クーポンを使うのであれば、明確なターゲット像と目的を持って実施することをおすすめいたします。

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