訪問者のコンバージョン率を上げるべく施策に取り組むことをコンバージョン率最適化、またはCRO(Conversion Rate Optimization)といいます。この資料では、コンバージョン率を上げていくために必要な前提知識や考え方を解説します。
目標設定に必須!KPIとKGIの違いやまとめ方の例を徹底解説。
コンバージョン改善の基本知識をご存知ですか?すぐに役立つコンバージョンとする指標の定め方や改善施策の考え方をまとめた資料をご用意しました。
WEBサイトの改善をしていくにあたり、この施策って何のために実施していたの? と迷ってしまったり、指摘されたりした経験はありませんか? それはサイトを改善する目標が定まっていない場合に起こることです。WEBサイトに期待する目標は売上、資料請求の件数、メールアドレスの獲得数など様々です。そのためこれらの目標を整理しきれていないと、段々と改善の方向性がずれていく場合があります。今回は目標整理のために必要なKPIやKGIについてご説明します。
そもそもKPIとKGIの違いとは?
目標を設定する際にはKPIという言葉は聞いたことがあるかもしれません。一方で、KGIという言葉もありますよね。これらの違いは何なのでしょうか? それを正しく理解するためには、それぞれの正式名称を知る必要があります。
- KGI・・・key goal indicator(重要目標達成指標)
- KPI・・・key performance indicator(重要業績評価指標)
サイトを改善するにあたり、はじめに目標を設定する必要があります。そのため、まずは重要目標達成指標であるKGIを定める事が重要です。そして、その達成に貢献する重要な業績指標を定める必要があるため、KPIを定めていきます。つまり、KGIという目標達成を評価する中間指標としてKPIを設定していく、ということなのです。ここでは、KGIはKPIの上位に位置する言葉であるということがご確認いただけたのではないでしょうか。
KGIとKPIの設計に必要なこと
実際にKGIやKPIを現場に波及させていくためには、いくつかのプロセスを経て図としてまとめる必要があります。下の図のようにまとめてしまえば、サイト改善が何に向けて動いているのかを現場や上司に示しやすくなります。ここではKGIとKPIをどのようにまとめていけばよいかを説明していきます。
ECサイトのKGI、KPIのまとめ方例
①KGIと目標を決める
まず最終的なゴールを設定しましょう。自身の運営しているサイトが施策によって最終的にどうありたいかを定義してください。今回はECサイトを例として上げて最終的なゴールを「売上を改善する」にします。これが決まると、KGIと目標が定まってきます。KGIは重要指標という言葉が示す通り、定量的に定義されます。今回の場合、金額として定量的に評価できる「売上」がKGIとなります。加えて漠然と「改善する」では、方向性が定まりづらいため定めた指標がどこまで行けばよいかを示す必要があり、これが目標となります。例えば「売上(KGI)を+110%上げる」とした場合、「+110%まで伸ばす」という箇所がKGIの目標値となります。
②KGIに紐づく重要な評価指標(KPI)を定める。
つぎに、KGIで定めた「売上を+110%上げる」を達成するために必要な要素(KPI)を洗い出していきます。KPIを設定するためには目標を構成する要素を分解する必要があります。分解の考え方として計算式で表現できるかということを考えましょう。
例えば目標が売上であれば、1人の顧客が1,200円の商品を3つ購入し3,600円の売上が発生したとします。この場合、
3,600円=1人×1,200円の商品単価×3つの購入商品数
という計算式が成り立ちます。そうすると、3,600円という売上を改善するためには
- 顧客数を増やす
- 商品単価を上げる
- 購入商品数を増やす
という項目に分解できます。顧客数、商品単価、購入商品数、の3つがKPIとなります。
下の図ではWEBサイトタイプ別に目標の分解例をあげてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
【目標の分解例】
③KPIを達成するアクションを決める。
最後にKPIが決まれば、それに対してのアクションを決定していきましょう。例えば、
問い合わせサイトの場合、資料請求を目標とし以下の3つのKPIを立てた時は次のようなアクションが考えられます。
【KPI】
(1)ユーザー数の増加
■アクション:広告を改善して流入するユーザーを増やす。SEOで上位表示させるワードを増やす。
(2)問い合わせ率の改善
■アクション:エントリーフォームのABテストをする。
アクションをしっかりと掲載することで施策の具体性が増します。また、(1)のアクションは広告のCPAを下げるという2次KPIを立てて上げるとなおわかりやすくなります。
KGI、KPIを設定する上で、注意すべき点は、重視する指標は何かという重み付けです。WEBサイトの規模によっては、分解したKPIの数がかなり多くの項目になっていくことがあります。そうすると、せっかく目標に対しての評価項目や施策は整理できても実現する場合はかなりの労力が発生し、なかなか実行しづらい場合もあります。
例えば、とあるブランドサイトの認知度獲得において
認知度(KGI)=FB拡散数+TW拡散数+その他ソーシャルメディアの拡散数
と3つのKPIに因数分解したとします。
ただ認知度獲得はFacebookやTwitterですでにやりきってしまっており、伸びしろがない状況でこれらのSNS拡散を強化しても、目標達成には中々結びつきづらくなってしまいます。この場合「その他ソーシャルメディアの拡散数」に重きを置くと予め設定しておけば、例えば「LINE公式アカウントの友達数を300人にあげる」という施策の重要度を組織に共有することができます。組織内の施策の優先順位をコントロールするためにも予めKPIの重み付けをしておきましょう。
コンバージョンとする指標の定め方、コンバージョン最適化のポイントをまとめた資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。
事例から見るKPI→KGIの改善
目標をKGIとKPIを元に整理すると、どのような効果が生まれるのでしょうか? Sprocketのコンサルティング事例を元に説明していきます。
【シャボン玉本舗様の事例】
購入率が130%、有料会員登録率が136.7%に改善。さらにその後のリピート率や頻度も向上。
WEB接客ツールのSprocketでは顧客の売上改善のために売上を3つのKPIに分解します。
【シャボン玉本舗様のKGI、KPI整理の図】
KPIを達成するために必要なアクションを設定した後、WEBサイト上では下の図の設計でアクション(=WEB接客)を実行しました。
来訪時はシャボン玉友の会サイトをどのように使えば良いかの接客シナリオを表示、サイトを回遊している際には他コンテンツへの導線を設置して商品理解を醸成させ、ギフト商材閲覧時にはそれ以外の商品も購入できる旨を説明した購入促進シナリオを表示させました。
【KPI向上のアクションをWEB接客で】
結果、KPIの一つである定期購入の数を増やすことに成功。KPIを達成したことによって購入率が上昇し、KGIである売上改善に貢献することができました。
このように予めKPIを設定し、アクションを実行していけば施策の意図も把握しやすく、また売上(KGI)から因数分解して決定した定量的な指標のため、KPIの数値の改善がKGIの改善に直結し、結果目標の達成につながります。
Sprocketでは、消費者1,000人を対象としたアンケート調査の結果から、Webサイトの顧客体験を向上するオンライン接客についてまとめた資料を公開しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか? KGIとKPIをしっかり把握して図としてまとめればサイト改善に混乱せずスムーズに目的に沿った行動ができるようになります。本記事を参考に、ぜひ自社の改善の際にも活用してみてください。
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