Pepper(ペッパー)は情報共有の常識を覆す可能性を秘めている
週末、二子玉川に新しくオープンした蔦屋家電においてあるPepper(ペッパー)を子どもと見に行ってきました。 子どもは興味津々で、ペッパーが動いたり話したりすること自体を楽しんでいました。僕もペッパーをナマで見たのは初めてだったので、色々と面白かったのですが、一番強く印象に残ったのは、ユーザのタッチポイントを押さえることの重要性でした。
子どもと一緒に体験したペッパーくん
ペッパーは、子どもとの会話の中では「ペッパーくん」です。蔦屋家電には2台のペッパーくんがいるわけですが、子どもは別のペッパーくんを見つけて「あ、あそこにもペッパーくんがいるよ」と反応しました。
要するに複数のペッパーくんを自然に同一視してるんですね。これは僕も同感で、1Fでいろいろ話したペッパーくんとの体験は、2Fのペッパーくんにも引き継がれていてほしいな、と自然に思ってしまいました。
どこにいてもペッパーくんと認識されることで生まれる可能性
おそらくですが、仮に高島屋にペッパーくんがいたとしても同じことを思うんじゃないかと思います。
ペッパーくんは、どこの店舗に設置されていようと、「同一人物」として振る舞うことがむしろ自然なんじゃないかという発見です。
この感覚は、最近デジタルマーケティング領域で懸念されている問題からするとかなり衝撃的なことだと思います。
ビッグデータ時代でのユーザデータの企業をまたいだ横断性については、プライバシー問題を中心にかなり慎重な姿勢が取られていることが多いと思います。ユーザの感覚としても「なんか知らない間に追いかけられていて気持ち悪い」というのがあります。
ペッパーくんは、この感覚を全く覆してしまう可能性がある。むしろ、他の店で会って話をしたんだからそれはちゃんと覚えて対応してくれよ、また同じこと言わないといけないのはウザイ、とさえ思うのかもしれません。
Webで同一性を認識させられればデータ流用の可能性が広がる
人物性を感じさせる見た目・振る舞いをしていることや、同一視しやすいUI(見た目や声、振る舞い)になっていることはもちろん大きな要因だと思います。
それを考えると、接触がWebサイトだけだった場合にユーザデータを共通化することとは根本的に異なるユーザー体験を提供しています。ただ、ペッパーのようなロボットは、うまくタッチポイントを押さえることで非常に有利なポジションを取れる可能性があるということがよくわかりました。
2015年4月には、日本橋三越本店に東芝製の女性の姿形をし、名前を持った案内ロボットが設置されたことがニュースになりました。この場合、案内係として個人化してしまうと「その百貨店の案内ロボット」になってしまうので、ペッパーのように複数の店舗やブランドで共通化して使う、ユーザ体験も共有するということはできなくなります。
どこにいても「ペッパーくん」として認識できることがまずは重要です。企業の立場から見ても、自社仕様にカスタマイズしなくてよいため、コストもおさえられます。ソフトバンクはもともと高価なロボットを安価で提供しているので、カスタマイズしてしまったら導入コストが合わなくなるでしょうし、企業の採算の都合もあわせて成立するモデルだと思いますが、どこにいてもペッパーくんであるという視点は、Sprocketとしても取り入れるべき本質があるように思いました。
まだ明快な答えがあるわけではないですが、データの流用性の議論は色々なところ出ており、データコンソーシアムのような団体ができたりもしています。こうした課題の有望な解決策の大きなヒントがあるように思います。
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