会員限定コンテンツ徹底比較!:ビール業界編

マーケティング

「トリプルメディア」という言葉が登場してしばらく経ち、ペイド、オウンド、アーンドの3種類のメディアを使い分けることも随分と定着してきたかと思います。中でも自社の自由にできるオウンドメディアにどのようにユーザを連れてくるのか、またその中でどのようにユーザを育てていくのかという部分はマーケティング上非常に重要な部分となっています。

企業サイトなどに用意されている会員限定サイトはまさにそのためのものですが、その中では一体どんなコンテンツが提供されており、また登録会員にはどんなメリットがあるのでしょうか。そして、企業は登録会員をどうやって育てているのでしょうか。

今回は、ビール業界の会員サイトをのぞいてみました。嗜好性の高い商品を取り扱うビール業界ですが、大手4企業を比較したところ、会員登録することでキャンペーン参加をうながし、気軽に読めるコンテンツやゲームを用意して楽しみながらユーザーの顧客育成に向かっていることがわかりました。

サントリータウン:記事にゲームにキャンペーン、豊富なコンテンツが楽しい


サントリーの会員サイト「サントリータウン」に会員登録すると、会員限定コンテンツやゲームを楽しんだり、クーポンを取得できます。ゲームやクイズに参加すると、サントリーポイントが貯まります。

サントリータウンは、商品情報はもとより、レシピから占い、ゲーム、お得なクーポンなど、コンテンツの種類や数が豊富で、幅広い層に受け入れられそうです。コンテンツの更新頻度が高いので、毎日チェックするという方も多そうです。

レシピをお気に入りにする、クイズで正解するといったちょっとしたアクションで、サントリーポイントがどんどん貯まるところもうれしいところです。ポイントを貯めると、プレゼントキャンペーンに参加できます。クイズに正解すると修了証がもらえ、それを工場見学の時に持って行くとプレゼントがもらえるといったO2O施策もあります。

コンテンツに親しんでもらうことで、ファンを作り、さらにキャンペーンでプレゼントして感謝の気持ちを伝えることで、顧客育成を促進していることがわかります。

画像:サントリーのキャンペーンサイト画面キャプチャ

会員登録すると料理レシピのお気に入り登録やゲームでポイントが貯められる

キリングループWeb会員サービス


キリングループWeb会員サービス My KIRIN」に会員登録すると、キリングループが開催するキャンペーンの一覧、応募履歴などを確認できるようになりました。同社ではこれまで、グループやブランド単位でキャンペーンを開催しており、顧客データの統合ができていなかったことを課題にしていたため、グループ・ブランド横断的にキャンペーン参加などができる仕組みを用意したという状況のようです。

最近リニューアルして、シーズンポイントという概念が導入されました。ログイン、コンテンツの閲覧などをするとシーズンごとにポイントが貯められ、次のシーズンのランクが決まります。このランクによって応募できるキャンペーンが異なり、たくさんポイントを貯めた人ほど価値のあるキャンペーンに参加できるようになります。

画像:キリンのキャラクター総選挙キャンペーンサイトのキャプチャ画像

キリンのWeb会員サービスで、グループ横断的なキャンペーンを楽しめる

リニューアルしたアサヒパーク、その中にさらにコミュニティサイトも


最近リニューアルされたアサヒパークもサントリータウンと似ており、コンテンツの閲覧やゲームをプレイして、ポイントの「うまい!GOLD」を貯めると、ポイントに応じたキャンペーンに参加できるという仕組みになっています。

またアサヒパークとは別にアサヒ ファンコミュニティも用意されています。アサヒパークが用意されたコンテンツをユーザーが消費するのに対して、ファンコミュニティでは、ユーザーがお題に答える、ユーザーがテーマに応じたアサヒビールの写真の入った写真投稿をするなど、ユーザーからの関与を促すより密度の濃いコミュニケーションが行われています。

画像:アサヒビールのファンコミュニティサイトの画面キャプチャ

アサヒファンコミュニティでは、ユーザーの投稿などのコミュニケーションが行われている 

サッポロビール


サッポロビールではポイントは「スターポイント」と呼ばれており、コンテンツ閲覧やゲームをすることで貯めていくことが出来ます。またランクの概念があり、貯めたポイント数でランクが変わります。ランクが上がると特別なキャンペーンに応募できるようになるようです。また、背景の画像を変更する事ができる機能があるのですが、変更できる画像の数も増えるようです。

総獲得ポイントの概念があるのは面白いですね。ポイントを消費すると減ってしまうので、そこでモチベーションがどうしても下がってしまいますが、それを防ぐ意図で用意されているのだと思います。

画像:サッポロビールのキャンペーンサイトの画面キャプチャ

ランクが上がると参加できるキャンペーンが増える 

番外:コカ・コーラパーク


ビール業界ではありませんが、コカ・コーラパークはやはり外せないかと思います。

こちらもキャンペーンの参加や特定サイトへの訪問や動画などのコンテンツ閲覧、ゲームを遊ぶことなどでポイントがもらえます。他社と違っているのは、商品ブランドごとにランクがつく点で、ユーザが見たコンテンツの種類によって特定ブランドのランクが成長していくようになっています。ポイントを獲得できるコンテンツの量が非常にたくさん用意されているのでこうしたことも実践できるわけですね。

ポイントはやはりキャンペーンの応募、そして壁紙を中心とするデジタルコンテンツとの交換として使うことができます。

画像:コカ・コーラパークのキャンペーンサイトの画面キャプチャ

コカ・コーラパークでは商品ブランドごとにランクがつく

各社の比較

会員限定コンテンツ比較 

さて、ビール業界+コカ・コーラのマイページをそれぞれ見てみました。似ている点もあれば、それぞれに異なっている点もあります。

共通点

各社の特徴点


サントリータウン:
ゲームは最もこだわって作っています。ゲームからのコンテンツの回遊は特に意識して作られている印象です。また唯一、工場見学と連動したコンテンツがあります。ここはおそらく部門間調整が大変だったのではないかと想像します^^; 他社のクーポンがあるのもここだけですね。

キリン:
ランクの概念があり、ランクが季節単位で変動するのはここだけです。常にアクセスを求めるという点では有効ですが、リセットされると基本的にはユーザはモチベーションを失うので、そこのケアは気になります。リニューアル直後のようで、まだコンテンツの量はあまり多くはありません。

アサヒ:
唯一、コミュニティがありそこでの活動でもポイントが得られるようになっています。またお店を登録することができます。来店促進も図りたいという意図が見えます。

サッポロ:
こちらもランクの概念があり、また唯一ランキングを設けています。ポイントの消化に特徴があり、他とは逆に、ゲームのプレイに対してのポイント消化があります。またガチャを回すことにも使えるようになっていて、レトロポスターが当たったりします。このレトロ系コンテンツはファンをくすぐるのではないでしょうか。

コカ・コーラ:
ポイントが付与されるコンテンツ量は最も多く用意されています。ランクの概念が最も細かいため、フィードバックの頻度が多くなることはユーザのやる気の促進につながります。唯一、開始時にチュートリアルが用意されているので、初心者にも優しい作りになっています。またゲームにチームバトルがあるのもここだけです。

Sprocketなら・・・!


同じようで各社特徴がありますが、Sprocketができることについて最後に紹介します。

Sprocketプラットフォームは行動に対してのポイント付与の基本的なインフラとして使って頂くことができ、コンテンツの追加や付与ポイント数の設定も柔軟にできます。今回紹介した事例では、アサヒさんを除いて、おそらくゼロから開発されているところが多いかと思いますが、Sprocketを導入することでコスト・スピードには大きくメリットを出せるだろうと思います。また、Sprocketはランクの設定(複数可)、ランキングと言った機能も標準で提供できます。

紹介した事例では、ゼロから開発しているせいかと思いますが、ランクの概念が粗いものが多く(数ランクしか無い)、必然的にランクが上る機会が滅多にありません。かなり遊ばないとランクが変動しないのはモチベーション上はマイナスです。フィードバックという点で言うと、ポイント付与時に「もらった」感が全体的に薄く、気づくと勝手に増えていっているという印象なのはもったいないです。ちょっとした演出を加えてあげればよりポイント獲得行動が増えると思います。

また、各社蓄積されるものがポイントしかないため、ユーザの粘着性はやや弱い印象を受けます。せっかくここまでの仕組みがあるのだからアイテムコレクション系の仕組みがあればより再訪や回遊を促すことができるでしょう。コレクションとぜひ連動することをオススメするのは、サントリータウンである工場見学との連携、サッポロであるレトロコンテンツの提供です。よりロイヤリティの高いユーザに刺さります。

加えて、訪問者同士でのちょっとしたソーシャルインタラクションがあるように設計すれば、競争心・好奇心・羨望といった感情を刺激することができるので、より強い行動促進につなげられます。コレクションの仕掛けを用意して、レア感のあるアイテムを提供していれば、ソーシャルインタラクションによりさらに「羨ましい」という気持ちを強めることができます。

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