予告:Markezine新連載!初回の横山隆治さんとの対談でわかった3つのポイント

マーケティング

今月より、Markezineで新連載を持つことになりました。これからの時代、Webでのおもてなしをどう実現していくかというテーマで、事業会社、ベンダーなど様々な立場の方と対談するものです。第一弾として、横山隆治さんと対談をしました。今回は、記事掲載前に、この対談で得られた気づきをちょこっと紹介させていただきます。

写真:MarkeZineさんのインタビューを受ける弊社代表の深田

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マスとデジタルとリアルの連携、ブランディングとROI……山積する課題の打開策とは?

今回の対談は、マーケティング全体像の課題感という観点からスタートし、「リピート育成」が重要という落とし所を意図した流れをイメージしていたのですが、さすがは横山さんで、視点がデジタルにとどまらずとても勉強になりました。

以下、メモがてら対談での気付きと思ったことをまとめています!

テレビの視聴データを使ったマーケティングのパーソナライズ化


まず印象的だったのは、「テレビもデジタルデバイスである(になる)」という発言。テレビはマスメディアとして捉えられているし、僕もそう思っていたわけですが、実は既に現在販売されているテレビの視聴データはメーカーには一定蓄積されているとのこと。個人の特定には至らないまでも、世帯としてどんな番組を見ているかということはデータとして技術的には利用が可能になっている。

また、家庭内で同じLANを使っていれば、IPベースで同じ世帯内で見ている他のネットデバイスも特定ができるはず、ということで、テレビと他のデバイスをつなげるということができるはずとおっしゃる。確かにできるのかもしれない。そうなると、マスの視聴データ、広告接触データといったものを活用してスマホへの情報発信といったことができるという。

どうしても、スマホ・PCだけへの広告活動だけだと配信ボリュームを作ることはいまだに難しく、たくさんの人にリーチしようとするとテレビはやはり強い。ただマスのテレビとパーソナルなスマホの乖離が大きいのが現在のマーケティング上の大きな問題だと言う。ただ、近々この間を埋められるようになるだろうと。そうなると、テレビをもっと活用してダイレクトにサイト・アプリに集客するような手法が発展してくるだろう。CMもパーソナライズされるようになるんだろう。

こういう話が1つ。

ファンには新陳代謝がある。ではつなぎとめるには?


もう1つ面白かったのは、「結局ファンを作るといっても、新陳代謝が必要なんです」という話。1つのブランド、製品のファンである期間はそもそもそんなに長くないよね、という見解を持っておられた。この発想は今までなかったんだけど、言われてみればもっともで、例えばアップルのようなブランド力の強い会社であれば5年とか10年とかかなり長い期間ファンであるのかもしれないけれど、一般消費財メーカーとか飲食チェーンとか、そんなに長くないかもしれない。

個人的な体験で言うと、コンビニで買うお茶は僕は「伊藤園おーいお茶」のシリーズが好きで、基本的にお茶が飲みたいときはこれを買います。でもあるとき「ヘルシア」を選択的に買っていた時期があって、たしかそれは3ヶ月~半年くらい続いた気がする。でもその後またおーいお茶に戻った。ひょっとしたらヘルシアはこの間、デジタルを活用することで僕をもっとつなぎとめられたかもしれない。

あるいは僕の妻は、デリバリーピザといえばドミノピザ一択で、注文するピザの種類も固定だったのだけれど、最近ちょっと作りが変わったのが味が落ちた気がすると言って(確かに僕も同意した)今はいろいろ違うのを試している。「なんで味が変わったのか」「どういうふうに作っているからおいしいのか」といったことを僕らが知る機会があれば変えなかったかもしれない。あるいは他のデリバリーピザからすると獲得チャンスだ。

こういうふうに見ていくと、確かに「ファン」といってもファンである理由が薄いとあっさり変えてしまうし、変えた時にちゃんと捕まえられないとやっぱりどこかに行ってしまう。一般消費財なんて所詮そういうもんだ、と割りきってしまえば、いかにその期間を延ばせるかが大事になってくる。そこは確かにデジタルの出番だよね。

もっといえばSprocketの出番もここにあると思う。買った人が、買い続ける理由付けをちゃんと持てるようにしてあげること。ファンを育成するという言葉に集約されるのかもしれないけど、一定期間でどこかに行ってしまうある意味移り気な消費者をいかにつなぎとめられ続けるかという観点も大事な気がした。

ブランドイクイティを計測するためのソーシャルメディア


3つ目。

Sprocketのビジョンの説明資料の中で「ファンの役割」モデルを紹介しています。これはオウンドメディアでファンを育てて、ソーシャルメディアでファンにポジティブ情報を循環してもらえるようにするのがファン育成の順当な流れだということを説明しています。横山さんもこの意見には賛同を示しつつ、ソーシャルメディアは本来は「指標」として見ていくべきだという話があった。

テレビで話題を流せば、ソーシャル上で波及効果が出てくる。ブランド力の高い企業や製品なら、何もしなくても一定の情報流通があるけど、ブランド力が低いとあまり話題にならない。そこで一定の話題を提供し続ければ、徐々にブランドが形成され、ネイティブの流通量が増えていく。

ブランドイクイティ(ブランド資産)という概念があって、売上としては出てこないけど、ブランドイクイティが高ければ、広告を打たなくても一定の安定した売上がある。低ければ広告に頼らないと売上が上がらない。また、広告を打ち続けることで徐々にブランドイクイティが上がっていく。

ソーシャルメディアもこのブランドイクイティを測定する場として捉えるべきという考え方だった。なので、本来はテレビCMの出稿量データと連動させて見ていくべきだし、そうなるとSprocketも将来的にはWeb以外の広告出稿・露出のデータも重ねて見れるようにしていきたい。

こうした企業活動がファンの育成スピードを上げることにつながるでしょうし、Sprocketはそれを定量化できるようなツールに進化していきたい。

Sprocketの目指す方向性


1つ目の、テレビの活用という話から、認知獲得にテレビというデジタルデバイスがもっとデータとして使える状態になってくるという将来像があります。2つ目の話とつなげると、一定量の新規ユーザをそうした活動から獲得して、ファンになっていってもらう装置が必要になってくる。企業から見ればオウンドメディアがその装置になるわけだけど、Sprocketがその装置の基盤というかエンジンのようなものになるわけですね。

そして、他のチャネル、マスやソーシャルの指標もSprocket上でオウンドメディア内のユーザの行動と重ねて見ていくことで、全体を俯瞰できるマーケティングプラットフォームになっていく。

壮大ではありますが、企業活動が消費者にとって「この企業と喜んで付き合いたい!」というものにちゃんとなっているのかを示すためにはこういう路線でいくべきだなと思うわけです。

・・・てなことで、とても勉強になった対談でした。
Markezineでの記事掲載をお楽しみに!

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